Noveさんの映画レビュー・感想・評価

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Pearl パール(2022年製作の映画)

3.8

農場で、親の言うことを真面目に聞き、育ったパール。
戦争に行った夫を待ちながらも、ダンサーになる夢は諦めていない。
農場では、家畜たちが観客で話し相手。
よく働き、母親の言いつけを守り、体の不自由な父
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私の居場所の見つけかた(2016年製作の映画)

3.8

母と娘で生きていく。
そこの居場所が嫌になったら、こっそり逃げ出し別の街に行く。
娘は母のことを気遣っているが、まだ15歳。
母親は、自立して生きて行こうとするが、アル中は治らず、男に惚れやすく騙され
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銀平町シネマブルース(2022年製作の映画)

4.0

スカラ座と言えば、素敵な映画を上映する映画館の代名詞。
『カサブランカ』をスクリーンで観られたら、きっと夢のような時間だろう。
ミニシアターという言葉が、まだ無かった60年前から続く名画座。
この映画
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クレオの夏休み(2023年製作の映画)

3.8

幼いクレオの冒険、それは実の母親のように慕っていた乳母のグロリアに会いに行く旅であった。
パリからアフリカの地に、まったく違う環境で、クレオ自身が体験し、感じとるものとは…
クレオの戸惑いも、広大な自
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丘の上の本屋さん(2021年製作の映画)

3.7

街の小さな本屋さんは、人を育てる。
寂しくなった時に訪ねると、素敵な出逢いがある。
人から人へ、旅をする本は、読む人の人生を左右する道標となる。
少年はいつしか、この坂道の意味が分かる。
大人は、丘の
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教授とわたし、そして映画(2010年製作の映画)

3.8

4つのオムニバスからなる重複する構成の映画。
演繹的に時間を遡るように、それぞれの話は完結するが、回想ではなく、厳密には食い違う内容を敢えて入れて、その違いによる解釈の広がりを描いている。
原題の『O
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DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

4.0

人生を生きる悲しみ、唯一の希望、そして挫折。
生きていくための戦い。
その結果を裁くのは、法律か、神か、自身か。
リュック・ベッソン監督が、社会に突きつけた妖艶で危険な鋭い牙。
真実は、上からでは見え
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スカイウォーカーズ: ある愛の物語(2024年製作の映画)

3.8

リアルな映像とは、極限まで映し続けること。
登ることが良い悪いではなく、間違いなく見たことがない景色であり、息を呑む映像。
そして美しい。
ドローンでの撮影が、容易にできてしまうのも影響力は大きいだろ
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ファインド・ミー・フォーリング(2024年製作の映画)

3.6

カムバックに失敗したロックスターが、思い出のキプロス島にて、新たな生活を始める。
その家は、崖の上の自殺の名所。
この危機を救うためには、フェンスが必要。
一緒に歌い、島の食事をみんなですれば、大抵の
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墓泥棒と失われた女神(2023年製作の映画)

3.8

懐かしいイタリア映画のてんこ盛りの面白さを散りばめ、可笑しくもあり哀しくもある。
フェリーニを彷彿させるような作りでもある。
フィルムによって撮影された映像は、どこかノスタルジックの匂いと、奥深いトス
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フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(2024年製作の映画)

4.0

最高のエンターテインメントを見せします。
大きな事業をするためには、お金がかかる。
そのためには、マーケティングが重要だ。
人類が月に降り立つ、ケネディ大統領の宣言を実現するべく、1969年7月アポロ
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殯の森(2007年製作の映画)

4.0

森には生と死が宿る。
ドキュメント風の入りから、以前に妻を亡くした認知症の男性と、幼い子どもを亡くした若い女性との森に誘う時へと導く。
介護施設での仕事から、人との出会い別れを通して、人間の生きる意味
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ドミノ(2023年製作の映画)

3.7

人を自由にコントロールすることができる能力。
何が現実で、どこからが虚構なのか。
そして、このワナを仕掛けた者は誰か。
行方不明の娘を探す刑事サスペンス。
銀行強盗が手がかりを握る。
しかし、それは虚
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チケット・トゥ・パラダイス(2022年製作の映画)

3.9

バリ島の美しい自然のなかでは、何もかも変わってしまう。
いや、ここの生活が、本来の自然な生き方なのであろう。
最高のロケーションと、ジュリア・ロバーツとジョージ・クルーニーの両親ならば、何も言うことは
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ベロニカは死ぬことにした(2005年製作の映画)

3.3

舞台劇を映画にしたような作り。
生きる希望は、死を受けとめた時。
現実か夢か、あるいは既に死後の世界か。
原作小説のベロニカを、日本の退屈な日々をおくるトワに置き換えて、満たされない何かを特別な空間に
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大いなる不在(2023年製作の映画)

4.0

ずっと疎遠であった親子の問題。
初恋の人を20年間想い、一緒になった父親の、夫婦の問題。
認知症になった父親の問題。
数々の問題が絡み合うが、中心にいるのは父親。
手紙、スピーチは明確であり感動的であ
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メイ・ディセンバー ゆれる真実(2023年製作の映画)

4.0

メイ・ディセンバー事件の真相に迫る。
恋愛サスペンスミステリー。
ナタリー・ポートマンとジュリアン・ムーアの対決。
演じる者と演じられる者。
真実と虚構。
そして、かかわっていくうちに、境界線が曖昧な
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川沿いのホテル(2018年製作の映画)

3.8

ホン・サンスの作品としては珍しく、広い空間での二組の会話が交差する。
開放感があり、白銀の雪に包まれた川沿いのホテルだが、モノクロでは自然の美しさは分からない。
ホン・サンスにとっては、おそらく人間以
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草の葉(2018年製作の映画)

3.6

カフェでの男女の会話には、色んな喜怒哀楽が詰まっている。
その話を聞き、自分の小説の主人公の如く書き込んでいく。客観的にと言うよりは、感情的な表現となり、会話の解説でもある。
モノクロの映像とクラシッ
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お母さんが一緒(2024年製作の映画)

3.9

殆どが、三姉妹の会話に終始する。
お母さんの誕生日を祝うために、久しぶりの家族での温泉旅行。
そして素敵なサプライズのプレゼントが、あるはずだった。
お互いに思うところがある姉妹。
気難しいお母さんの
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密輸 1970(2023年製作の映画)

3.6

海女さんリベンジ奮闘ドラマ。
化学工場の廃棄物によって、海水は汚染され海女の仕事が危機となる。
生活するためには、危ない仕事に手を出すしかなくなるが、結局は騙され刑務所送りへとなってしまう海女たち。
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雑魚どもよ、大志を抱け!(2023年製作の映画)

3.8

小学6年生の男の子は、まだ言葉と行動が伴わない。
弱虫な自分を隠すために、嘘をつく。
仲間とつるんで悪さもする。
それでも、強がっている自分がいる。
まだワルガキが、わかりやすかったころ。
お寺の賽銭
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よく知りもしないくせに(2009年製作の映画)

3.6

映画監督が、映画祭の審査員として訪れた地での出来事。
原因と結果の因果関係と言うよりは、人の二面性を描き出す。
まるですべてを知っているようだが、それは一面でしかない。
前半は、かなり布石を観せるとこ
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3人のアンヌ(2012年製作の映画)

3.8

まだキム・ミニが登場する前を、ホン・サンスの初期の作品と位置付けるのであれば、この時点でホン・サンスの映像構成は確立されている。
引いたショットからグィっと寄るカメラワーク、時には逆の引きの画も交え、
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

3.8

莫大な金塊が隠された地図は、囚人たちの刺青に刻まれた。
壮大な北の大地を駆け巡る、不死身の杉元とアイヌの娘アシリパとの旅が始まる。
単なる宝探しではなく、この映画では二人の協力するかたちができあがる。
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ヘタな二人の恋の話(2022年製作の映画)

2.8

拾ってきた冷蔵庫と白くまアイス。
7年間の生活で、残っていたのはこれだけ。
あるいは、もっとあるかもしれない。
でも、もう時は過ぎ去っている。
実は日常なんて、こんなことの繰り返かもしれない。
何かあ
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デスパレート・ラン(2021年製作の映画)

3.5

森の中でのランニング中に事件が起こる。
息子が通う高校で、銃たてこもり事件が発生し犠牲者も出ている。
森から学校までは、走って1時間の距離。
車が通る道までも距離がある。
できることは、スマホで連絡を
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グッドバイ、バッドマガジンズ(2022年製作の映画)

3.7

雑誌が売れない。出版業界は瀕死の重症。
いつ消滅しても不思議ではない。
そして、東京オリンピックがまだ開催されると信じていた2019年、コンビニから成人向け雑誌が消えた。
バッドマガジンズは排除して、
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俺物語!!(2015年製作の映画)

3.8

無骨で不器用だが、正義感が強く、どんな事にも必死に立ち向かう高校生役を鈴木亮平。
そんな彼が純粋に好きになる、女子高生に永野芽郁。
いま共演したらまた違った面白さが観られるだろうが、まだこの時は純情ラ
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SCRAPPER/スクラッパー(2023年製作の映画)

3.8

大切な人を失った悲しみは、他人には理解できない。
母と娘でずっと暮らしてきたが、まだ幼い娘を残して亡くなってしまう。
しかし、娘はひとりで逞しく生きている。
生きるためには、賢くならなければならない。
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先生の白い嘘(2024年製作の映画)

3.3

平等だと言われながらも、男女の違いはある。
それによる被害も、現実としてなくならない。
辛い気持ちも、もちろん当然であり、悪いのは最低の男で、救いようがない。
だからなおさら闘って欲しい。
賢くあって
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フェラーリ(2023年製作の映画)

3.7

フェラーリの創始者エンツォ・フェラーリの苦難とレースにかける執念、そして妻のラウラとの熾烈な夫婦の物語。
愛する息子ディーノを亡くしてから、争いが絶えない日々が続く。
レースのシーンも多いが、主題は車
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YOLO 百元の恋(2024年製作の映画)

4.1

何もせずに実家でダラダラしている姉、妹とも喧嘩になり、家を飛び出す。
そして、一念発起してボクシングに打ち込む。
「百円の恋」のリメイクだが、内容的にはお決まりの「ロッキー」のテーマで鍛え抜くボクサー
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無双の鉄拳(2018年製作の映画)

3.6

市場で魚の配送をして大人しく働くも、一発千金の夢は捨てきれない。
無謀な投資に怒った妻は、ひとりで帰ったが、何者かに拐われてしまう。
ここからが、怒りのパンチが炸裂だが、若干控えめでもある。
誘拐犯に
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夜明けまでバス停で(2022年製作の映画)

3.8

2020年には、東京オリンピックが開催され、日本の景気は回復し、失われた30年は終わり、誰もがハッピーな時代が訪れると思っていた。
あのコロナさえなかったら。
政府が助成金をバラ撒いても、非正規の個人
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恋のいばら(2023年製作の映画)

3.6

陰湿な話かと思ったが、実はサスペンスコメディ純愛おとぎ話だった。
眠れる森の美女を起こすために、お城に忍び込まなければ…
辛い時には、ビーフジャーキーを噛って食いしばろう。
誰が被害者で、誰が加害者?
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