農場で、親の言うことを真面目に聞き、育ったパール。
戦争に行った夫を待ちながらも、ダンサーになる夢は諦めていない。
農場では、家畜たちが観客で話し相手。
よく働き、母親の言いつけを守り、体の不自由な父親の面倒もみている。
父親の薬を買いに街に出たときには、母親に内緒で映画を観たりもする。
こっそり母親の服を着て踊るのか唯一の楽しみ。
こんな慎ましい理想の娘である。
閉鎖された場所で起きる、歪んだ行動への道程はパールにとっては、起こるべきして起こった行動。
正義とは、社会、国が決めたルール。
生死とは、神が導く教え。
何かが違ってしまった時に、その歯車は狂いだす。
この閉鎖された農場で、パールを悪と呼べるのだろうか。
しかし、悪魔はこうして、生まれてくるのかもしれない。
