Noym18さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

Noym18

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皮膚を売った男(2020年製作の映画)

4.0

人間としてミュージアムに「展示」され、オークションに「出品」されるという描写がとてもリアルで印象的。
なんとも風刺のきいた、現代アートな映画

由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.3

子供らを被害者に 加害者にもせずに
この街で暮らすため まず何をすべきだろう?
でももしも被害者に 加害者になったとき
かろうじて出来ることは
相変わらず 性懲りもなく
愛すこと以外にない

(Mr.
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空白(2021年製作の映画)

3.9

ずしりと重たい107分
ある日の事故をきっかけに、あらゆる人間の刺々しい暴走が襲いかかる。誰しも表には出てこない何かを抱えながら生きている、強い人ばかりじゃない。
心にぽっかりと答えの見つからない"空
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

4.2

"復讐代行者"から"街の救世主"へ

知能犯との謎解き推理ショーからの定番カーアクション、飛行シーンのカメラワークは見応え抜群
ロバート・パティンソン演じるバットマンは前作に比べてダーク感が増して渋か
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モーリタニアン 黒塗りの記録(2021年製作の映画)

4.0

光あるところに影あり

あからさまな隠蔽や捏造された事実の数々に目を疑う。国が、組織が巨大すぎる故に制御できず見過ごされてしまうのか、そもそもそういうシステムなのか…
映画としての終幕はめでたしであっ
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クーリエ:最高機密の運び屋(2020年製作の映画)

4.2

米ソ冷戦下で暗躍する実在した民間人スパイ(英国セールスマン)の物語

後半以降の急展開でとにかく手に汗握り、最後は家族愛と友情に感涙
誰かがやらなければいけない重圧と使命感、そして緊張感がひしひしと伝
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.3

真実は、いつも一つ。

この時代の支配・権力・名声に囚われた男達の捉え方やスタンスがあまりにも異様すぎて救いようがない。こんなにダサい"決闘"はない

被害者の身内、被害者、加害者という三者三様の視点
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.1

ストップ!性犯罪!!
ラストシーンが物語るように、一瞬の過ちによって取返しのつかない事態は起きても、誰かが救われることなんて決してない。
逃げ惑う加害者の姿がなんとも情け無くて痛々しい。なんだかズドン
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1秒先の彼女(2020年製作の映画)

3.8

生きるテンポが真逆な二人の間に起こる、遊び心満載な一日を描いたラブコメディ

ついつい他人の目を気にしがちなご時世だけど、「人は人 自分は自分」で周りと比べる必要はないのだと前向きになれる映画

Our Friend/アワー・フレンド(2019年製作の映画)

3.9

誰かの支えのもと世界は回っている、
そう思えるような優しいヒューマンドラマ

GIVE とTAKEの比率は当事者同士の絶妙な関係性の上に成り立っているんなろうな(そう自分に言い聞かせる)
ライフステー
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沈黙のレジスタンス~ユダヤ孤児を救った芸術家~(2020年製作の映画)

4.2

ナチス占領下の命懸け逃亡劇

劇中、心の中で何度「やめてくれー!」と叫んだことか…そしてマルセルのパントマイムには、画面越しでも毎回心救われる思いでした
残虐非道なナチ側も家族を思う同じ人間なんだとい
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MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

4.3

海外の目を通して知る"水俣病"
理解しているようで何も理解していなかったことを思い知りました…

重たいテーマではあるものの、ハリウッド発の豪華キャストや恋愛を交えた脚本によりとても観やすくまとめられ
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.2

もう一杯 もう一杯
もう一杯 もう一杯
(乾杯の数だけ幸せになれる?笑)

お酒の功罪を面白シリアスに描いた本作、見ていて嫌な感じがしなかったのは、登場人物たちの愛らしいキャラクター故かな

何事もバ
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明日に向かって笑え!(2019年製作の映画)

3.9

「歩」のない将棋は負け将棋

金融危機を悪用した弁護士VS騙し打ちにあった庶民軍団の小さくて大きな革命劇
一人一人は小さくても、知恵を出し合い同じ方向を向くことで生み出される団の力は恐るべし!
えてし
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ブータン 山の教室(2019年製作の映画)

4.4

何もかもが美しくて、
嗚呼いいなぁってなる映画

同じ時代にありながら文明とはかけ離れた生活を送るブータンの秘境ルナナの村人たちとの時間を通して、"自然への敬意"や"学びに対する喜び"といった、現代社
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トムボーイ(2011年製作の映画)

4.0

"男の子"として過ごすひと夏の成長記

人によっては性別の境界があいまいな幼少期、いわゆる男の子の遊びに混ざって遊ぶ女の子も多い印象
この映画では家族の引越しを機に、自分の中の"新しい人格"を露わにし
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街の上で(2019年製作の映画)

4.2

下北沢に住んでみたくなる一本

"街の上で生きてる"って感じ。
大都心の傍らで、こんなにも平凡で人間らしい日常が繰り広げられていることに、どこか嫉妬心を感じてしまう

コロナ禍でおうち時間が増えたけど
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浜の朝日の嘘つきどもと(2021年製作の映画)

3.9

ミニシアター「朝日座」の再生を通して映画の価値に触れる、クスッと笑えるコメディ作品

東日本大震災やコロナ禍によって社会が未曾有の危機に見舞われ、人口減少に追い風を受けるように、各地で映画館の存亡も危
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ベル・エポックでもう一度(2019年製作の映画)

3.9

「お金さえあれば、誰でも、どんな"過去"にでも、戻ることができます!」というキャッチフレーズとともに、近未来的な時間旅行代理店にて。(その実態は映画の舞台装置に"過去"を再現するというものであったが…>>続きを読む

モロッコ、彼女たちの朝(2019年製作の映画)

4.0

「情けは人の為(になることもあるし、時には自分のためにもなる)」
若く芯のあるサミアと性格キツそうに見えて眼の奥はとても暖かいシングルマザーのアブラ。互いの苦難や孤独に寄り添い、いつしか笑顔を取り戻す
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イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)

4.1

実写アラジンのような語りから物語が始まり、陽気なラテン音楽とダンスに乗せてノンストップミュージカルが楽しめる
"不法移民街に暮らす若者たちの苦難"もしっかりと描かれており、社会派な一面も◎

アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン(2018年製作の映画)

4.0

熱量がものすごいライブ映画
アレサ・フランクリン含むミュージシャンらが汗だくになりながら音を奏で、教会内の人々が奮い立ち呼応していく様子はとても神聖で、スピリチュアルな世界観。
ゴスペル音楽の真髄を目
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ジェントルメン(2019年製作の映画)

3.9

ブリティッシュ・イケおじパラダイス
とにかく大人お洒落、大人色気、大人下品な作品だった笑

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

4.1

痛快で遊び心満載なアクション映画
ある日平凡な生活に舵を切った最強の殺し屋が徐々に本性を曝け出す。めちゃくちゃ強いんだけど、あくまで現場を離れた中年親父ということもあって一方的な強さではないところに共
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

4.0

デジタル化の荒波に飲まれ出版業界やまちの本屋さんは衰退の危機を迎えている
そんな現代の社会課題を捉えた本作では、でかい組織が可能とするチャレンジと小さな書店でできることは全く方向性が違ってよくて、それ
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犬部!(2021年製作の映画)

4.1

犬猫事情に疎かったけど、この映画を通して一段と理解が深まった。
人間界はいとも残酷なものだということも、世の中には「犬部」のような活動家がいることも。

彼らがこんなにも真剣に向き合えているのは"愛"
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ミナリ(2020年製作の映画)

3.8

1980年代、異国の地アメリカアーカンソー州にて、夢見る父親に連れ添い、韓国系一家の大いなる船出は始まる。
インターネットも何もない時代に、不安を抱えながらも、周囲の環境に順応しながら家族一人一人が成
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ファーザー(2020年製作の映画)

4.0

え?誰?どこ?どうなってるの?!!

完全に置いていかれてしまったかと思いきや、これこそが本作の見どころ。
主人公の老人アンソニー視点で描かれる認知症体験。あくまで空想の世界観だけど、老化とともに薄れ
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くれなずめ(2021年製作の映画)

3.9

どんなコミニュティにも一つや二つあるであろう”内輪ネタ”を通して、昨日よりなんか足りない、受け入れ難い現実に向き合う青年たちの小さな物語

ハタから見ると滑稽なものだけど、当人たちにしてみれば、かけが
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キネマの神様(2021年製作の映画)

3.7

映画に夢を、夢ある映画を
いつか自分も提供する側に立ってみたいと思った

この世界に残されて(2019年製作の映画)

3.9

失った命も、生き延びた命も
戦争は悲しみの連鎖を引き起こす

ホロコーストによって自分以外の家族を失った年齢性別の相反する二人がひょんなことから共同生活を送り、生きる喜びを取り戻していくヒューマンドラ
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旅立つ息子へ(2020年製作の映画)

3.9

自閉症の息子と父の物語
クスッと笑える束の間の逃避行、そして互いに自立していく姿に心打たれます
いつまでも一緒でいられないのが人生、離れていてもこの親子の絆はきっと輝きを失わない気がする

サンドラの小さな家(2020年製作の映画)

4.1

家庭内の親権争いやDV問題、
そしてシングルマザーへの冷遇
そんな絶望の淵であっても、唯一の希望である娘たちのために奮闘する母の強さ、周囲の温かさに勇気付けられます。

小さな家のセルフビルド(一人で
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ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから(2019年製作の映画)

3.9

本当に大切なものは何かを気付かされる系タイムループラブコメディ

忙しない日々を送っているとつい見落としてしまったり、すれ違ったり、些細なことで喜怒哀楽する。それが人間。

そういう時は無理矢理にでも
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パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

4.1

同じ「今日」を繰り返すよりも
新しい「明日」を生きるために

全般を通して非常にポップなストーリー展開であったが、その中に散りばめられたメッセージがコロナ禍の自分に刺さった
タイムループに巻き込まれた
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ヒトラーに盗られたうさぎ(2019年製作の映画)

3.9

物語は第二次世界大戦下、
ある日突然一家揃って亡命生活が始まる
行く先々の文化やコトバを受け入れ、自分らしく周りに溶け込んでいくアンナはなんとも逞しい
家具やモノに対してもお別れを云う姿が幼気で愛らし
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