nozzymacacoさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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ハニーボーイ(2019年製作の映画)

4.0

抗えない親子関係。
自暴自棄に吐き出す煙。
無慈悲に感情を刺してくる言葉たち。

それでも尚、根底にある温もりみたいなものが、映像の中に漂っておりました。

ラスト・ムービースター(2017年製作の映画)

4.2

かつてのムービースター、最後を締めくくるロードムービー。
落ちぶれた名優役をレイノルズ本人がセルフパロディとして演じた遺作。

これは是非とも日本リメイク版も観てみたいやつ。
千葉真一か原田芳雄が晩年
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空気人形(2009年製作の映画)

4.0

ラブドールが自我を持ち出すという、言わば大人のトイストーリー。
一歩間違えたらエラい(エロい)空気になりそうな設定を、うまいこと回避してる感がよいです。

空気人形の周りで生きる人達の、物悲し気な営み
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ホーリー・モーターズ(2012年製作の映画)

3.7

目覚めてすぐに忘れてしまう夢。

ついさっき眠りの中で、色んなモノになって色んなコトをしていたはずなのに、起きたらすぐに忘却の彼方に行ってしまった、あの体験。

それをそのまま映像化したかのような二時
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ガタカ(1997年製作の映画)

4.0

無機質で簡素化されたレトロフューチャー感。
凡そ25年前の映画の“‘そう遠くない近未来”って、凡そ2021年現在くらいを想定していたのでしょうか。

そうなると今ここは、生まれ持った遺伝子で適正者と不
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スウィング・キッズ(2018年製作の映画)

4.1

コメディタッチで進んでいたはずなのに、徐々に不穏な空気が漂って、まさかのあのラスト。

英語と朝鮮語、資本主義と共産主義、娯楽性とメッセージ性。
交じり合わないもの同士が混然一体となって、最終的に一本
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ザ・ハント(2020年製作の映画)

4.0

演出と選曲に漂う絶妙なB級感。
でも映画全体で通すと、そのチープさがうまく漂白されてる感じがいいです。

ハンターなのか被害者なのか。
序盤で目まぐるしくる主人公が入れ替わって、気が付けば信じられない
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ストレイト・アウタ・コンプトン(2015年製作の映画)

4.1

ミュージシャン伝記物でいえば、個人的には『ボヘミアンラプソディ』よりもこっちに軍配。

レコード業界の危うさ、音楽ビジネスのキナ臭さ。
今みたいに何百万回も再生数を稼ぐより、あの当時みたいにレコードを
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あゝ、荒野 後篇(2017年製作の映画)

4.3

前後編合計5時間という長尺にも関わらず、途中で中弛みを感じなかったのは驚愕。
ボクシングのリアルさは素人なので判断できないけど、ラストの壮絶な打ち合いは、プロボクサーの目でみても熱いものであってほしい
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私をくいとめて(2020年製作の映画)

4.3

『勝手にふるえてろ』の原作&監督コンビ再び。二人の相性が織りなす世界観が、前作同様に心地よいです。

40代半ばのおっさん観客にも刺さる、おひとりさま女の自意識。年齢性別を超えた共感性。

ローマ旅行
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止められるか、俺たちを(2018年製作の映画)

3.6

60年代後半から70年代前半。
若者たちが本気で何かを変えようとしていたあの時代の、あの空気感がいい具合に漂っている気がしました。
軽くタイムスリップして、あの当時の日本映画業界を覗き見した気分。
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凪待ち(2019年製作の映画)

3.7

依存症の息苦しさと、裏社会描写のリアリティー。
香取慎吾から滲み出るクズっぷりと、リリーフランキーに見え隠れするサイコパス味。

色々説明不足感は否めないけど、色々楽しめる要素が溢れてました。

新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に(1997年製作の映画)

3.8

“DEATH(TRUE)2”
テレビシリーズの総集編というよりテレビシリーズのリミックス版。

“Air/まごころを、君に”
「最低だ、俺って」で始まって「気持ち悪い」で終わる中二感にシンクロできるか
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アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)

3.7

KGBとかMI6とかCIAとか色々入り乱れて、油断するとストーリーに置いていかれるけど、正直そこは、ある程度分かればいいと思う。

シャーリーズセロンが最終的に二重スパイなのか三重スパイなのか、正直そ
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

4.4

雰囲気カルトかと思いきや、なんともハイレベルで壮大な世界観。
ほぼ監督一人の狂気と変態性だけで、ありえない退廃的地下世界にありえない命が吹き込まれていました。

観ているうちにグロキモかったキャラクタ
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ローズ島共和国 ~小さな島の大波乱~(2020年製作の映画)

3.8

自由を求めて自分たちだけの理想郷を作る。大きな勢力に抵抗しながら。
いわば大人版『僕らの七日間戦争』。
これが事実ベースなんだから、イタリア人の永遠の中学生感が羨ましい。

主人公の横顔がまるで若かり
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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.0

貧困だけど悲壮感はなく、一人だけど孤独ではない。
ホームレスでなくハウスレスというマインドは、自分の老後に活用したい。

暗がりのフランシス・マクドーマンドが一瞬大竹しのぶに見えた。
自立した演技派女
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イカとクジラ(2005年製作の映画)

3.8

妙なタイトル。妙な余韻。妙な親子関係の、絶妙はリアリティー。

結構ヘビーな内容のはずなのに、なぜか軽やかに観れるいい塩梅。

いかにも現在のニューヨークにいそうな不安定な家族群像劇でした。
ニューヨ
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ヘイター(2020年製作の映画)

3.7

格差社会と移民問題に挟まれた深い闇。
世界中同じようなテーマの映画が量産される昨今、こちらはポーランドからの刺客。

中盤なんだかダレたけど、終盤のカタルシスに一気に持っていかれました。

ピエロがお前を嘲笑う(2014年製作の映画)

3.5

話はユージュアルサスペクツっぽく進んで、オチがファイトクラブっぽくなって、更に最後に一展開加えました的映画。

どっちの映画もまあまあ好きだから、まあまあ楽しめました。

でも邦題はホントにこのままで
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獣の棲む家(2020年製作の映画)

3.3

別にホラー映画に対して含蓄もこだわりもある方ではないけど、ゾンビと幽霊は同じ土俵には立てないと思う。

難民とか内戦とか、考えさせられる要素が散りばめられてあるけど、霊的なものを怪物チックに描く演出が
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ゾンビーバー(2014年製作の映画)

3.4

エロとホラーとコメディーの3要素のバランスが肝な、ザ・アメリカンB級映画。
そこまで好みのバランスではなかったけど、夜中ボーっと観るにはいい塩梅。

オープニングのフリとラストのオチに思わずニヤついて
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好きにならずにいられない(2015年製作の映画)

3.8

いかにも寒い国の話ですよといわんばかりの陰鬱な空気感にゾクゾク。

冴えない大男フーシの、冴えない日々が淡々とローなテンションで続くけど、彼の潔白な優しさが悲壮感を薄めてくれる。

ミリタリー仲間とか
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ザ・コール(2020年製作の映画)

3.7

韓国風煮込み料理。
具材はSFファンタジーとホラーとサスペンスで、味付けはサイコキラーと悪魔祓いで、隠し味は母への思い。

韓国映画って、食事シーンがどれもうまそうに見えるの、なぜでしょう。
あの長ス
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もう終わりにしよう。(2020年製作の映画)

4.3

昔のおぼろげな思い出とか、長年抱き続けた妄想とか、最後に見る走馬灯とか。

冴えないおじさんの、そういった辻褄の合わない映像を、混ぜて繋げて、物語にならない人生をきちんと物語として昇華させたことに大感
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シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

3.8

多少偏った表現もあるのでしょうが、裁判官のあの中立性のない態度には苛つかされました。

50年以上前の実話なのに今でも類似の争いが絶えない事実に、ちょっと愕然とします。

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

4.4

恐怖心よりも不安感を煽られる現代ホラー。

カルト教団の人たちは、悪いことをしようとしたのではなく、自分たちの信仰をまじめに追及した結果、あんな儀式を遂行したわけで、よく考えたらそんな人間のまじめさが
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ブロー・ザ・マン・ダウン~女たちの協定~(2019年製作の映画)

3.8

ラストのおばあちゃん達の優雅な隠蔽。あの微笑みにゾクッとさせられました。

時代も場所も微妙に違うけど、『ファーゴ』のブシェーミがひょこっと現れそうな雰囲気。90年代のコーエン作品好きには堪らない空気
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サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

4.5

イヤホン使用が正しい視聴方法です。それもなるべく高いイヤホンで。

タイトルだけでヘビメタバンドかと思ったけど、実はハードコアバンドでした。
タイトルだけで尖鋭で冷たい感じと思ったけど、実は繊細で温か
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八つ(2016年製作の映画)

4.0

強迫性障害を持った女性の、80分ノーカットモーニングルーティーン。

よくぞワンカットで撮り切りました。

夫と娘は亡くなってますよね?
台所に飾ってある漢字が「喪」の簡体字だったし、リビングの家族の
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