すいかさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

  • List view
  • Grid view

歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

登場人物の会話や振る舞いの実在感がすごい。視点の重層性もすごい。
基本的に物語は誰かひとりの視点が軸になるけど、この話も良多の視点が軸になってはいるんだけど、息子の連れ子に期待を託す祖父、息子を挟んで
>>続きを読む

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

・多様性(性志向、容姿、人種・・)の受容の理想形。理想形だから綺麗ごとと感じる人はいるだろうが、映画(フィクション)の役割として理想形を描くことは重要と思う。
・一方で経済的格差に無自覚(大学進学は最
>>続きを読む

花とアリス殺人事件(2015年製作の映画)

4.0

岩井俊二とはつかず離れずの距離感を保ってきたつもりだったのだが、この一本には完璧にやられてしまった・・。
キャラクターと音楽が圧倒的に優勝。花とアリスの2人のやりとりを永遠にみていたい気持ち。
考えと
>>続きを読む

ブルース・ブラザース(1980年製作の映画)

3.4

小分けで観たのがいけなかったのか、期待よりはハマらなかったなあ。
ただ、劇中で繰り出される幅広いジャンルの音楽たちはどれもよかったし、シュール&クールな雰囲気もよかった。なんか独特の間にファーゴを思い
>>続きを読む

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

3.0

リリー・ジェームズがかわいいぞ。以上。
といったら言い過ぎだけど、ほんとにそんな感じ・・
音楽×アクションのマッチングがそこまで響かなかったんだよなーー。何でだろうか。期待値を上げ過ぎた感はある。なん
>>続きを読む

エセルとアーネスト ふたりの物語(2016年製作の映画)

3.5

思った以上にリアルというか、綺麗に描かれ過ぎておらず、淡々とした話の運びだったのが良かった。夫婦の価値観や政治的思想の違いはありつつ、全部「分かり合う」「分かち合う」のは幻想で、それでも一緒に生活して>>続きを読む

幸福路のチー(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

評判良いのは知っていたのでずっと観たかったのだが、やっと観れてよかったなー。
ひとりの女性の人生と選択があたたかい絵柄で描かれてて、背景の台湾の世情や文化とも絡み合い面白かった。
自己実現の在り方あた
>>続きを読む

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

「若草物語」自体が好きなので前提としての満足感は勿論のこと、過去と未来を交差させる構成や、作品中のジョーと作者のオルコットが分離する作り、意識的に挿入される女性の自立についての発信、立体的に描かれるエ>>続きを読む

エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

3.4

リアルタイムで映画館で予告を観ていて気になっていた一本。面白かったんだけど、観ても観なくてもよかったかもと失礼なことを思ってしまった。ニューシネマパラダイスの直後に観たのもよくなかったかもしれない。>>続きを読む

ニュー・シネマ・パラダイス(1989年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

中学時代に一度観たときにはそれほど響かなかったんだが、今回観てかなりやられたので、やはり観る年齢は大事である。幼年期のシーンは軒並み情緒を刺激するんだよなあ。シチリアの美しい自然、手動でフィルムを回す>>続きを読む

クレイジー・リッチ!(2018年製作の映画)

3.4

話の筋は古来からのザ王道ではあるんだが、シンガポールの風景や生活の描写が新鮮だったのと、あとはヒロインが大学教授という設定も面白かったなあ。侵襲性ゼロで楽しく観れるムービーという感じ。ただ結局今後どう>>続きを読む

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)

3.3

映画館で観たかったなー。没入感が段違いだろう。圧巻の大自然。言語性が刺激される作品じゃなかったので感想にするのが難しいけど、印象深くはあった。

J・エドガー(2011年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ひとりディカプリオ哀愁祭りの一環で。FBI長官の人生というより、同性愛志向をもちながらもマッチョな警察機関に適応しようと努力し続けた男の人生として観て、老けメイク違和感とか構成がちょっと分かりづらいと>>続きを読む

アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)

3.1

期待値高めだったからそれほどでもなかったかなあ。特に思うところがないというか、自分に引っ掛かるポイントがなかったのかも。鬱屈感とか閉塞感とか、その発散のもっていきかたもよくわからぬまま終わってしまった>>続きを読む

アマデウス(1984年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

臨終間際のモーツァルトのつくる曲を夢中で楽譜に書き留めていくサリエリのシーンだけで元はとった。あのサリエリの歓喜、憎みながらも天才の才能に触れる喜び、まるで神の啓示を書き写す信者のような「共作」。端的>>続きを読む

イヴの総て(1950年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

単純にめちゃくちゃ面白かった!
先が気になるストーリーテリングと構成の妙。優れた脚本としてよく名が挙がるのにも大変納得した。
最初はマーゴに苛々してるはずが、どんどんその人間味が愛しく思えてくるのも面
>>続きを読む

スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

3.5

私の幼年期の郷愁は若草物語、赤毛のアン、大草原の小さな家に捧げているので、そういう郷愁には決して響かないんだけど、夏にたまに観たくなる映画ではある。リバーフェニックスの、しっかり自立してるのに何処とな>>続きを読む

わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

終始淡々と描かれているのが胸にこたえる。市民同士の相互扶助は存在するが頼ること・弱さを見せることにまずハードルがある、という点が明示されているのもリアルに感じた。チャイナやパソコン教室の若者たちの描き>>続きを読む

ガーンジー島の読書会の秘密(2018年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

違和感も多いのに一点突破で好きな作品になるから映画は不思議である。
違和感は、外部からの参入者(且つ社会的成功をおさめている本土の女性作家という権力構造の傾斜もあり)が善意や好奇心で土足で介入しすぎで
>>続きを読む

ワン チャンス(2013年製作の映画)

3.1

期待以上も以下もなくシリーズ。もっと歌唱シーンがあったら楽しかったなあ。誰も寝てはならぬ、初めてタイトルと曲がちゃんと合致した。オペラも人生のどこかで齧ることになりそうという予感を抱きつつ早数年。

ソラニン(2010年製作の映画)

3.0

若者の焦燥感とか自己実現とか喪失からの再生とかよりも、時代性ってあるなあと終始感じていた。
親や会社、警察、社会の権威が機能してる感じ、たった10年前とはいえたしかに時代が変わってるような。なんという
>>続きを読む

ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー(2017年製作の映画)

3.4

期待通り。個人的には伝記物には映画的面白さをそんなに求めてなくて、人物を捉え直すいち材料として見てる感じがあるので、話の筋がWikipediaをなぞっているかのようであろうが、ニコラス・ホルトが全く老>>続きを読む

エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ(2018年製作の映画)

3.3

予想を上回りも下回りもせずという印象。ティーンものに共感性羞恥を感じないのは年齢のためか自分の特性のためか。あと少し経ってからみたらSNSのコミュニケーションの仕方がもう古く感じられるのだろうか?みた>>続きを読む

台風家族(2019年製作の映画)

3.0

ハマらなかったんだよなあ。コメディのところもヒューマンな展開への切り替えも。でも途中のクズで結構〜の草なぎさんにツボってかなり元気になったので、3.0点。

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

純粋に音楽で圧倒してくれてありがとう。演奏中に変なイメージ映像を多用したり審査員の台詞を被せまくったりしないでくれてありがとう。観客を信用してくれてありがとう。
マサルの協奏曲第2番を聴いて祝福されて
>>続きを読む

マイ・ブルーベリー・ナイツ(2007年製作の映画)

3.0

ジュード・ロウの顔とブルーベリーパイを流し見してた記憶しかない。何故だ。

万引き家族(2018年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

意義のある映画と思う。演者も展開もああ上手いなあと思う。なのに3.4点。ズートピアを観たときに近いのかな。映画って不思議だ。好みかもしれないが、ラストの勾留時の聴取シーンが説明過多に思えてしまうんだよ>>続きを読む

私をくいとめて(2020年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

共感性羞恥が凄かった。粗暴な怒り方とか、親和性高いとかのワードチョイスとか、同僚とのここはイタリア♪とか。
映画としてはイタリアシーン丸ごといらない気がしたり、話のテーマが散逸してるようなと思ったり、
>>続きを読む

あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

とてもとてもとても良かった。2021年邦画1位の予感。
登場人物の実在感、男性の生きづらさも含まれてた点、女性同士の連帯の可能性が明示されてた点。逸子の分断するんじゃなくて〜の台詞は映画としては説明的
>>続きを読む