大中小のカブトガニが町を襲うモンスターパニックとして小さくまとまる気ゼロ。
監督が「日本の怪獣映画へのラブレター」と語るように、ラストの展開は想像超えのB級愛!
モノクロ・サイレントゆえの最小限の情報量。「禁じ手」のオチも一瞬で切り上げる簡潔さ。説明の少なさと、芸術的な歪んだセットが、騙し絵の中に迷い込んだ感覚に陥れる。
パンク女子の墓場ストリップ!高身長ゾンビ・タールマンのドロドロくねくね!
多種多様のイカれた人間とゾンビが、80'sファッションとノリで大暴走して大爆破!
このレビューはネタバレを含みます
ラスト、物語圏外からの銃声がタイムパラドックスを奇跡的に収束。反則的なオチでも、しんちゃんがお尻を出していても、戦国時代を生きる人々の奥ゆかしさが前に立つ。
ゲームクリアを目指す楽しさに特化しながら、アクションの中でキャラの性格•成長を描く手際の良さ。感傷的な描写を削ぎ落として、楽しさだけを残す潔さは美学。
他人から見れば報われない無駄な努力も、本人にとってはかけがえのない「夢中」。
本作は3人のボクサーそれぞれの「夢中」な姿を静かに称えながら、青く燃える。
虚構の世界に閉じ込められる快感。小規模だが深く潜る恐怖。男性恐怖症のキャロルが創る虚構と恐怖が、幼少期にはすでに存在していたことが示唆されるラストカットが痛い。
シャチvs人間。頭脳を駆使した遠距離戦が予想外。シャチの焦らしに焦らすアウトボクサースタイルの攻撃は、ほぼ人間。
生涯で90分間、シャチについて考えるのも良き。
田舎で自分を見つける大人を描く「スリー•フレーバー•コルネット」2作目。
サイモン&ニックは誇張されたコミカルキャラだが、血が通っている。クスッと熱い!
作家スティーヴン•キング唯一の監督作。
機械が人間を襲う異常事態なのに、暴走するトラックが等間隔で列をなしたりと、スパイスが効いていない甘口ホラー。甘口も好き。
音楽好きになったロケットに受け継がれる音楽プレーヤーが象徴するように、シリーズの根底に流れるポップカルチャー愛。
命がけで守るべきはポップカルチャー!絶対支持。
本当は真面目なのに、無理してるコミカル感と、強引過ぎる早いテンポが無邪気なゾンビ映画。
精肉店で襲ってくる、顔なし豚ゾンビは鮮度抜群!
完璧主義で客観的なPTA監督の画から滲み出す新人主演2人の瑞々しさと初期衝動。
『マグノリア』におけるトム•クルーズのように、完璧の中のほつれがエモーショナル。
群像劇の名手、ロバート•アルトマン監督。
複数の登場人物の重なり合う会話や、長回し等の閃きを最大限活かす手段が群像劇だったことが分かる。閃きは技術としてPTAが繋ぐ。
殺虫剤を空から町中に撒く冒頭で暗示される死。死の香りがじわじわと日常に浸食すると同時に見えてくる人間の本性。
町に潜む死と性に、淡々と迫るアルトマン節。
冒頭からキャスト24名を紹介する等、監督の終始映画を俯瞰する視線がクール。
アメリカへの皮肉が知的過ぎて、自分が全く理解できていないことは理解できた。
くどいキャラ達の暑苦しい演技!一体全体ずっと何をやっているのか無共感の連続!
ジャンルをゴチャ混ぜにしてB級の鍋で煮込んだら、奇跡的な異物が出来ました。
高貴なラブストーリーかと思いきや、まさかの『ミザリー』。
ラスト、ギリギリ理解可能な恋愛感情がせめぎあう食事場面は最恐&苦笑。
「若者+村=ホラー」の方程式を裏切る後半が愉快!死んでほしい人がちゃんと死ぬから痛快!「さぁ、打ち上げだ!」で終わるラストが爽快!
建築家として「まちづくり」に挫折した土地に住み、死ぬまで町を見守る修一氏の「建築家はインチキ」という厳しい言葉。
スローライフの皮を被った、辛辣なお仕事映画。
夢を叶えるために「する」か「しない」かで、しなかった後悔の繰り返しがタイムループ。終始コミカルで軽いのに、「する」ことで納得感ある未来が動き出す展開は熱い!
バスケの試合より、集客のために連れてきた熊との試合がインパクトに残るおバカコメディ。バカだけど、リーグ最終戦で4位を目指す姿は『ロッキー』。
70年代の雰囲気はPOPだけど、主役の私立探偵がヤク中だから、どこまでが夢か現実か分からず難解。複数の事件を同時進行で追うから複雑。観たかったPTAに近くて遠い。
ラストの襲撃戦で、女の子6人+真中の弱点全てが、成長という形で回収されていく巧みさに感動!真中やればできるじゃん!
国岡の優しさとヘタレ溢れる失恋も最高!
ワンシチュエーションで、ツイストなし、笑いなし、ゴアなしは寂しいけど、今回のシャマラン監督は「世にも奇妙な物語」の第4話担当だっただけ。大丈夫、、、、、、だよね。
赤い怪物がゆらゆら〜と迫ってくるシーンはジャンプスケアに慣れていると新鮮。怪物が緩慢であることに、ストーリー上の必然性があるから味わい深い。
猫背でダボダボ服のホアキン•フェニックスは、まるで四足歩行の怪物。酒とSEXと暴力に侵された怪物が、擬似家族(カルト)と決別して人間に戻る話?難解です。
シャマラン監督の自己批評をエンタメに昇華させる客観と、子供じみた妄想的な主観がまとまらずに映像からはみ出してくる。
観賞後、不可解な感動がしこりとして残る。
ダニエルが石油にまみれて手に入れた豪邸の中はすっからかん。廃墟のように、中身がない人間の努力の空っぽ。偽善的な宗教の空っぽ。空虚さだけが残るラストの切れ味抜群。
ありがちなポスタービジュアル、吹替版に振り切った宣伝等、本作の期待値の低さを吹き飛ばすように、映画内で負け犬達が力を合わせて勝利•成長する姿は痛快!王道最高!
冒頭、イタリアンホラーを彷彿させる青•赤の色彩に品格すら感じていたら、、、銃声で始まる大運動会!前作を補完しつつ、以外性は前作以上!アイデアとユーモアにニヤニヤ。
ジーンズ自体が二足歩行で迫ってくると、どうしても『透明人間』。
「履いて殺す」のバリエーションの少なさを、生真面目な社会風刺でカバー。
コミュ障の主人公がいつキレるか分からない不安と期待が混同するPTA流ラブコメ。
周りから見れば滑稽だけど、自分を変えようとスーツを身にまとい、もがく主人公が切ない。
自然過ぎて気づかない長回しと的確な演出。タランティーノ的な一見無駄な会話。
PTAの技術とオタク心だけでなく、高校時代作った自主映画を元に完成させた情熱が隠し味。
PTAデビュー作で、小規模なノワール調のジャンル映画でありながら大作の風格。
『マグノリア』に通ずる過去を精算できない人を、広角のパキッとした映像でクールに描く。
「介護スタッフが足りていない」等のセリフ過多で社会問題を提起しているが、本作自体が問題を助長させていないだろうか?
介護描写や演技はリアルだけにモヤモヤが残る。