ショーン・ベイカーの手にかかると、テキサスの決して豊かではない街も輝いて見える不思議。全く共感できないクズ野郎ばかりだけど、みんなどこへも行けず必死で生きている。そして一度出て行ってしまえば帰る場所な>>続きを読む
最初から最後の最後まで本当に胃が痛くなるが、男女問わず観て欲しい作品。犯人はもちろん、それと同じくらい狂っているのは彼を英雄視し問題の本質から目を背ける人々。間違った思想が親から子へ受け継がれていく限>>続きを読む
単に親子が絆を取り戻す感動ストーリーではなく、救済とは何か?や正直に自分の気持ちを言葉にすることの意味を考えさせられた。人を救うことはできないが、それでも誰かを気にしたり関わったりして生きていくのが人>>続きを読む
どちらかというとウルトラマン派だったのに、サイクロン号や変身シーンには胸が高鳴った。強さと優しさの間で揺れるヒーローもよい。エンドロールで、あの人出てた?!というサプライズがあるので声など注意して観る>>続きを読む
映画は希望になると同時に人を傷つけたりもする。ただの映画賛歌や巨匠のノスタルジーに終わらない描き方がよかった。スピルバーグとはまた別次元の巨匠の登場には、粋ですね!とつい笑みが。ミシェルとセス・ローゲ>>続きを読む
劇中に出てくる翼の折れた鳩のように、心や身体が傷ついた人々が再生し飛び立っていく話だった。海の前の映画館というロケーションが最高なのはもちろん、ロジャー・ディーキンスによる映像も美しい。オリヴィア・コ>>続きを読む
考えるな、感じろ。マルチバースとかカンフーとか目紛しいようでメッセージはシンプル、人に優しく。尻にささるトロフィー、石同士の会話がシュール過ぎて笑った。ミシェル・ヨー姐さんはアジアの至宝だし、グーニー>>続きを読む
相変わらずブルジョワが酷い目に合うのが爽やかです。冒頭のバレンシアガとH &Mのとこから、イギリス人夫婦の顛末、ラストまで容赦なし。一度染み付いた階級意識はなかなか消えないものですね。パラサイトがふと>>続きを読む
真実なんてどうでもよくなるくらいのベネデッタのパワー。宗教や信仰が政治利用されるのはいつの時代も変わらないんですね。ランプリング様はどの作品でもかっこいいし、美味しいとこ持っていくなー。
てっきり主役はマーゴット・ロビーかと思いきや、映画という大きなものの一部になろうとした青年の希望と挫折の物語だった。前半はデイミアン・チャゼル版カメラを止めるな!で、めちゃくちゃな中にも奇跡のような瞬>>続きを読む
使い古された「男を惑わす悪女」のイメージを覆す展開はパク・チャヌクらしい。男と女、刑事と容疑者、お互いの立場が少しずつ曖昧になっていき、まるで霧に包まれたかのよう。寿司からのハットク、何度も出てくる食>>続きを読む
泥にも血にも塗れることなく安全な場所でパンやフルーツを食べる権力者に対し、犠牲になるのは善良な一般市民。原作は中学生くらいの時に読んで衝撃を受けたけど、何度でもリメイクされるべき作品。戦争なんて失うも>>続きを読む
重くしかならないようなテーマを、ユーモアを交えつつ淡々と軽やかに描けるのはさすがオゾン様。一瞬だけ見せるランプリング様の微笑みが胸に刺さる。劇中でも出てくるけれど、富裕層にしか出来ない選択があって人生>>続きを読む
アニャ目当てだったけど、監督の作風と泥と血に塗れた北欧神話の世界観がぴったりはまっていてよい。一瞬しか出てこないビョーク様とミイラになってもデフォーはちゃんとデフォーなの強烈。
ただのおじさんの些細な喧嘩と思うことなかれ。個人の喧嘩も戦争も、正当な理由なんて存在しないし説明されたとろで本人にしか分からない。優しさは続かず、争いだけは終わらない皮肉。緊張感のなかのロバや賢いボー>>続きを読む
パニックムービーでは、だいたい頼りない父親が家族のために奔走して絆を取り戻しハッピーエンドなんだけど本作は一足違う。父親はあらぬ方向に暴走し、モーテルのシーンはデヴィット・リンチ風味だった。笑えるか笑>>続きを読む
ジャーナリズムは万能ではないということを冒頭のトランプの件で提示しつつも、それでも声を上げるんだよ!というパワーに満ちていた。フィクションの中に突如現れるワインスタインの肉声に背筋が凍った。まだ事件は>>続きを読む
ボクシングの試合シーンだけでなく日常を淡々と描くことで、過度にエモーショナルにならずケイコの心情がより伝わってきた。早朝や夜の荒川土手や工場の映像も美しい。手話を使うもの同士の会話が訳されなかったシー>>続きを読む
ジェシー・バックリー好きなので期待していたし、不穏なビジュアルと美しい森の対比、一方的に被害者面する男性の描き方などよいところもある。でもラストがただグロいだけでモヤモヤする。あそこまでやるなら、ガツ>>続きを読む
全猫好き号泣。ルイス・ウェインが想像以上に奇天烈かつ壮絶で、あざとい感動ものでは決してない。電気という名の愛と猫と生きづらさの物語でもあった。私も猫に救われている人生なので猫に感謝。猫好きデザイナーに>>続きを読む
稲垣吾郎にあてがきしたのかと思うほど役柄にぴったりと思ったら、本当にそうだったんですね。感情表現豊かな人が必ずしもいいわけではなく、冷たくてつまらないように見える人だって色々悩んで苦しんでいるもの。人>>続きを読む
前作とガラッと作風を変えて、50年代風ユートピアや時折現れるダンスシーンなど監督のこだわりが感じられた。オチ自体はそんなに目新しい訳ではないが、まさかのカーチェイスに必死の形相で走るフローレンス・ピュ>>続きを読む
赤ちゃん取り違えの話と見せかけて、そこはアルモドバルなのでまさかの方向に。スペインの内戦の歴史を忘れるなという強いメッセージを感じた。安心と信頼のロッシ・デ・パルマも元気で何より。お金がないはずのアナ>>続きを読む
氷の女王ティルダ様の内に秘めた情熱がアルモドバル作品と素晴らしい化学反応を起こしていた。工具がモチーフとなった文字、くるくると変わるハイブランドの衣装の数々、いつものことながら隙のないインテリアなど眼>>続きを読む
さらにパワーアップした兄貴の剛腕っぷりに、笑いとカーアクションまでてんこ盛り。やはりバトルは銃より拳かマチェーテに限る。ベルトを手に巻いた時はついニヤニヤしてしまった。前作のお気に入りキャラがまさかの>>続きを読む
馴染みのある場所がロケ地だったので、よく行くスーパーの前を将暉と架純がはしゃぎながら走ってるよ!と楽しみながら観ました。夢を追えるのは実家が太いからという部分もあり、2人の格差を感じました。でもテーマ>>続きを読む
予備知識を入れずに観たので、まず実話ベースなことにびっくり。好きな俳優ばかりなので間が持つけれど、人によってはテンポが緩く感じるかも。ミステリー要素はありつつも、戦争によって傷を負った心身の再生と、連>>続きを読む
アナ・デ・アルマスは美しいし頑張っているのに、内容的にはただマリリンを可哀想な人として消費しているだけでただ辛い。出てくる男はみんな最悪だけど、悲劇の大統領を最低に描いたところだけは良かった。ラストは>>続きを読む
「燃ゆる女の肖像」を彷彿とさせる、赤と青の色使いが印象的。ネリーのパジャマとバスルームのタイルの青が好き。大きな事件はなくとも、祖母、母、孫のそれぞれの想いがちゃんと伝わってきた。クレープを作る無邪気>>続きを読む
さかなのこならぬ、羊のこのお話。こんな場所なら奇妙なことが起こりかねない、と思わせる説得力のあるロケーションが素晴らしい。羊の可愛いようで、どこか怖い部分が生かされていた。猫好きとしては、キジトラ猫が>>続きを読む
今まで怖いイメージしかなかった、ウド・キアーがこんなにキュートで魅力的に見えるとは!可愛いプードルのTシャツを着ていた理由が分かった時に泣きそうになってしまった。老いることや、愛する人たちとの別れを切>>続きを読む
企画を聞いた時は邦キチ映子さんにネタにされるだけでは?と思ったけれど、のんちゃん主演にした時点で勝利決定。モノマネではなく、サカナくんそのものだった。ファンタジーのようで、ちゃんとシビアな部分もあり。>>続きを読む
ツイートが映画になってしまう時代、キラキラした世界観で描かれる現実はなかなかにハード。新しいようだけど描かれてるのは人種差別や格差社会など昔からあるもの。旅の途中で現れるKKKのマークや、警官に殴られ>>続きを読む
心理的ホラーと見せかけて、物理的ホラーそしてまさかのアクションへの展開が予想外で面白い。エクソシストムーヴ、留置所無双シーンには笑ってしまった。内なる自分との戦いと考えると、結構身近な話なのかも。
90年代の台湾映画を彷彿とさせるポップ&シュールさの中で描かれる格差社会やDV。最近バイオレスでもフィルムノワールでもホラーでもない、リアルな女性目線の韓国映画が増えてきて嬉しい。ナマズがだんだん可愛>>続きを読む