暴徒化した若者たちとフランス警察との衝突。現実に取り壊される予定のパリ郊外の団地が舞台。カメラを高度にコントロ―ルして、動きと速さと光と、団地群や人びとの集合体のボリュームで、緊張感や抵抗感の強いスペ>>続きを読む
おっとりした男の子パスカルには従順だけど大人たちにはちょっとからかう素振りをみせる、風船の動きがチャーミング。赤い風船を目で追ってて石造りの建物のあいだにみえてくる薄曇りの空の抜け感が目に心地よくて、>>続きを読む
モダニズム建築の宝庫の街が舞台で、建物内外の対称性・非対称性を意識して注意深く構成されたどのシーンにも佇まいと安定があって、いちいち絵として美しかった。
親と子で、たがいに歩み寄れることもあれば、理解>>続きを読む
話の筋だけを取り出すと、小さな出版社での不倫騒動とその顛末。だけどこの作品と出会って、自分の恋愛映画の見方が変わった。
作家を目指すアルムは有名な評論家ボンワンが営む出版社に初出社する。自分がボンワ>>続きを読む
雪景色にぽつんとたたずむ小さなホテルは、ホン・サンスの空間構築の潜在力を試す格好のモチーフだったんだろうか。これまでのフィルモグラフィで芸術性では随一の作品じゃないかなとも感じた。老詩人のわびしさ、諦>>続きを読む
冒頭ビターな流れ。小さなカフェにやって来た人たちが、なくした愛について別れについて後悔と罪悪感について語りあう。カフェの片隅ではキム・ミニが静かにMacBookをタイプしてる。彼女が自分で書いたテキス>>続きを読む
当時の評価は高かった作品のようだけど、会話中心の作風が新しかったんだろうか。のちのホン・サンス調の上品なカメラのふるまいはまだみえなくて、モラトリアム期の手探りの表現がつづく。
“人として生きるこ>>続きを読む
家族の秘密をめぐるストーリー。通俗ミステリーとメロドラマがくみあわさったような、2時間TVドラマのテイストに似た良き軽み。
すべてのシーンが極上のフランス絵画みたいなレナート・ベルタの撮影だけで、もう>>続きを読む
日本のクラシックなのに、遠い遠い異世界に感じられてきょとんとしてしまう。同時にどこかなつかしさも覚える不思議。しっかりした考証の美術がすばらしい。伝統芸能を愛でる映画。
@大映4K映画祭
学生のときみてとても感動した記憶があってでもその理由は覚えてなかった。
最初は音楽でドラマを盛りたてる演出に時代を感じたし、今の視点からだとタイプキャスティングにも思えたけど、しばらくするうち深い洞察>>続きを読む
3、4歳のころに住んだ柳川は、小さいころのやさしい記憶にあいまいに溶けて、自分のなかで時がとまった場所だった。
柳川を舞台にした映画ができたと知って、それだけでただうれしかった。1人の女性と3人の男>>続きを読む
Filmarks試写会にて鑑賞。
原作コミックは未読。
上映前の舞台挨拶で、有村架純さんが、自分の演技がちひろさんに近づくことができたのか、今でも正解がわからないっていう主旨の発言をされてたと思う。口>>続きを読む
2歳半から3歳で性別違和を自認して4歳で女の子になりたいと口にするようになったサシャが、7歳のときのドキュメンタリー。
監督のセバスチャン・リフシッツは、前作の「思春期 彼女たちの選択」というド>>続きを読む
50年代後半の作品と思えないモダンさ。所得倍増計画が1960年。時代の勢いを突きつめたシュールな風刺コメディ。
ディテールのつくりこみ、構築的グラフィック的な美術のこだわりようがはんぱなくて、メイン>>続きを読む
得体の知れないエリアXに人びとが破滅的に引き寄せられその世界に飲みこまれようとも踏みとどまれずにいるのは、人間の細胞そのものにあらかじめセットされた自己破壊の機能が呼ばれてるところがあるからで、単純に>>続きを読む
過去鑑賞
ベルイマンの現実と夢の境目が曖昧なモノクロ作品には、厳粛で深層心理に迫るような徹底した描写力に圧倒されるのだけれど、カラー作品になるとそのはりつめたところがどこかぼやけて、展開が少し説明的>>続きを読む
伝説の写真家による'90ユースカルチャーのルポルタージュ的映像はかなりの魅惑。クロエ・セヴィニーが光ってる。
ストーリーと会話の内容がとにかく強烈過激生っぽく、むき出しの衝動、ノンストップの刺激がつづ>>続きを読む