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舞台の芸術に励んでいた身として、主人公が抱える表現者としての苦悩に驚くほど共感できた。周りの登場人物との関わりから、自己の確立についても考えさせられる。映像や音楽も非常に繊細で、主題に合っていた。
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アルパチーノの演技に衝撃を受ける。人生観について多くの学びがあり、「正しい道のほうが困難」という台詞には特に考えさせられた。視覚障害者に対する固定観念も払拭されており、フラットな目線で楽しめる。
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性を知ることの不可逆性や思春期特有の儚さが、フランス映画らしい繊細さと調和していた。過去の経験と重なる点も多く、どこか歯痒さを覚えつつも親近感を持って観れる。子役たちの生々しい表情にも魅了された。
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謎を明らかにする語りの巧さにただ魅了される。その上で法廷もの特有の複雑さがなく、純粋に楽しみながら騙された。また全編を通して、真実の追求に伴う矛盾や、法治国家の脆弱性についても考えさせられる。
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発想と展開の柔軟さに心を奪われつつ、ホラー映画としても楽しめる。いかにもフィクションな要素が多いながらも、それらをリアル側に寄せて怖がらせる技量に感心した。語られなかった細部も深掘りしたくなる。
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全体を通した撮影技術の高さに圧倒された。現代の労働社会や大衆の愚かさに対する風刺は、今観ても全く古さを感じない。見た目が似たロボットは、機械の台頭に伴う自己同一性の喪失を意味するものだと考えた。
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香港らしさと欧米らしさが絶妙に融合された映像に魅了された。経済や金融の描写が強く身に沁みながら、人間の栄枯盛衰についても考えさせられる。物語の展開にも心を掴まれ、最後まで飽きずに楽しめた。
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語りや音楽の調子から、戯曲や上方落語のような心地よさを覚える。一人の死を境として、家父長制をはじめとした一つの時代の終わりを主題として描いているように感じた。役者の個性も際立ちながら、非常に味がある。
核家族化や西洋化など、社会の変化に関する繊細な描写に魅了される。『晩春』よりも、個の幸せに焦点を当てているように思えた。人生観について考えさせられる一方で笑みがこぼれるシーンも多く、多面的に楽しめる。
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奇妙で魅力的なストーリーとサスペンスらしい緊張感が重なりあい、最後まで飽きない。この世の不条理さや人間の浅ましさなど、監督の他作品にも通じるテーマを読み取れた。癖のある登場人物も含めて一級品。
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金融業界の厳しさを再度痛感すると共に、資本主義の危うさや社内政治の複雑さも受け取れた。映画らしいカタルシスが少ない分、徐々に押し寄せる緊迫感や後味の悪さで楽しめる。俳優たちもオフィスによく馴染む。
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非常に壮大な物語を観れたという満足感が強い。イタリア国内の動乱と主人公たちの栄枯盛衰が重なる様子は、残酷ながらどこか芸術的にも思えた。映像にも音楽にも充分魅了されながら、世界に没頭して楽しめた。
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同じ妹を持つ兄として、清太に強く感情移入した。戦争や生命といった主題が非常に重くのしかかり、現代の豊かさと対比させられる。アニメ表現としての質も高く、特に場面に応じた暖色の使い方が巧みだと感じた。
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社内競争を巡る人間ドラマと、事件のサスペンス性が見事に融合されていて没頭できる。社会人、そして男としての生き方についても、境遇に共感しつつ考えさせられた。画面を支配しているどの役者にも魅了される。
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映像のみで武士のかっこよさが伝わり、最後まで目を奪われた。登場人物も皆魅力的で、特に主人公の生き方には憧れる。音楽や演出の仕方まで非常に秀逸で、エンターテインメントとしてただただ楽しめる傑作。
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現代社会を風刺する寓話のようなストーリーが、どこかクセになる。普段はフォーカスされない奇妙な描写に、ゼメキスらしさが垣間見れて面白かった。俳優たちの演技や音楽は、往年のハリウッドを彷彿とさせた。
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シチュエーションと設定に一切の無駄がなく、緊張感と興味を持って楽しめる。台の食物は社会の公共財で、月ごとの階層リセットは親ガチャの隠喩と解釈した。与えられた環境の生かし方についても考えさせられる。
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壮大かつ鮮やかなシーンが多く、映像に古さを全く感じない。南北戦争を南軍視点で描いていた点が興味深かった。伝統的な価値観に新しい風を吹かせようとする強い意思を感じる。終盤がやや失速気味に思えた。
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女性の社会進出や多様性などを現代の価値観として受け入れつつ、前作の異国感や性への目覚めという主題も残している点が好印象だった。画や音の使い方も丁寧で、大胆さと繊細さが非常に美しく表現されている。
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小物っぽいマフィアの描写や音楽の使い方など、『グッドフェローズ』や『カジノ』につながる要素が垣間見れる。クズの親友に対し、最後まで味方であろうとする主人公にはどこか共感してしまう。しっかり緩急もあり、>>続きを読む
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東京という未知の都市が絶妙な距離感で描かれており、外国人気分を味わえる。一方で日本の文化や人の解像度は非常に高くて感心した。どこか繊細な登場人物たちも皆魅力的で、非日常への陶酔に深く共感できた。
役者たちの名演技と小津らしいショットが重なり合い、心の機微に関する表現が極めて巧いと感じた。結婚や家族愛のあり方についての考えも、根底から覆される。情景や会話を、現代と比較して楽しむこともできた。
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複数の時系列に散った物語が、最終的に一点で収束するという構成に感嘆した。異なる世界観の描き分けも巧みで、主人公の視点で混乱しながらも楽しめる。『めまい』のような名作の要素が重なる点も好感が持てた。
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主人公の生々しい未熟さに共感しつつ、どこかむず痒さも覚える。自分の愛するものへの複雑な感情が、物語に落とし込まれている点に感心した。とは言え映画好きに刺さる箇所も多く、底なしの映画愛が感じられる。
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映像から、登場人物への妙な親近感と没入感を覚える。現代の日本で失われつつある、家族との伝統的な付き合い方について深く考えさせられた。笑える描写も多く、名作だからといって身構えずに楽しめる。
一人の音楽家の生涯について知れただけでなく、当時の米国社会と黒人のあり方をも網羅的に描写していた点が興味深かった。アームストロングの影響力とジャズの表現の多様さにも、あらためて気付かされる。
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音響やカットに一切の無駄がなく、緊張感を保ちながら没頭できる。ストックホルム症候群をメタ的に想起させるような描写にも、構成の巧さを感じた。俳優たちの演技も魅力的で、小さな所作まで目で追いたくなる。
登場人物や物語において、奇妙でありながら心地よいバランスが保たれており、知らぬ間に魅了される。家族や親しい人との愛憎について、再度考えさせられた。アニメらしい表現が比較的少ないが、強く印象に残る。
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物語の展開が絶妙で、少しずつ犯罪に巻き込まれていく様子に目が離せなくなる。異なる2人の生き方に優劣をつけずに、双方から大切なことを学ぶべきだと感じた。過去作へのセルフオマージュにも愛を感じる。
数多くの登場人物たちが抱える恋愛を通して、成就に対するアプローチは人それぞれであると気付かされた。皆に感情移入できるほど魅力的で、結末の先まで応援したくなる。コメディ要素も過剰すぎずに楽しめた。
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明暗をはっきりとつけない独特な音楽と映像の色彩が、どこかクセになる。物語全体の緩急は、人生そのものの起伏を表しているように思えた。また、異文化理解や小さなコミュニティの絆についても考えさせられる。
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胸糞の連続で徐々に気分が悪くなる一方、カットや音楽の使い所が非常に丁寧でどんどん引き込まれる。思春期らしさへの共感からの突き放しは見事だった。多くの感情を掻き立てつつ、緩急もあって惚れ惚れする。
構図の美しさと撮影技術の高さが相互に作用しており、古さを全く感じずに観れる。会話劇や音楽に至るまで心地よく、一本の作品としてのバランスが非常に良かった。後世への計り知れない影響力もよくわかる。
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画力を生かした演出と緻密なカット割で、世界観に没頭できた。創作の苦しみや友情の尊さに感情移入しながら、人生という道について考えさせられる。またタランティーノをはじめ、映画に対する愛も感じられた。
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戦地を映す強烈なショットの数々に目を奪われる。日露戦争における旅順攻略がいかに重要だったか、戦況込みでよくわかった。国同士の戦闘描写だけでなく、個人間の触れ合いなども描いている点に好感が持てる。
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人生を自分主体で充実させることは、いつからでも遅くないということに気付かされ、心が救われた。70年前の社会問題や人々の悩みが現代と全く変わらない点も、非常に興味深い。何度も鑑賞して多くを学びたい。