そふぁさんの映画レビュー・感想・評価

そふぁ

そふぁ

映画(263)
ドラマ(0)
アニメ(0)

ブロンクス物語/愛につつまれた街(1993年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

物語の展開が絶妙で、少しずつ犯罪に巻き込まれていく様子に目が離せなくなる。異なる2人の生き方に優劣をつけずに、双方から大切なことを学ぶべきだと感じた。過去作へのセルフオマージュにも愛を感じる。

ラブ・アクチュアリー(2003年製作の映画)

4.1

数多くの登場人物たちが抱える恋愛を通して、成就に対するアプローチは人それぞれであると気付かされた。皆に感情移入できるほど魅力的で、結末の先まで応援したくなる。コメディ要素も過剰すぎずに楽しめた。

バグダッド・カフェ(1987年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

明暗をはっきりとつけない独特な音楽と映像の色彩が、どこかクセになる。物語全体の緩急は、人生そのものの起伏を表しているように思えた。また、異文化理解や小さなコミュニティの絆についても考えさせられる。

ベター・ウォッチ・アウト: クリスマスの侵略者(2016年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

胸糞の連続で徐々に気分が悪くなる一方、カットや音楽の使い所が非常に丁寧でどんどん引き込まれる。思春期らしさへの共感からの突き放しは見事だった。多くの感情を掻き立てつつ、緩急もあって惚れ惚れする。

駅馬車(1939年製作の映画)

4.0

構図の美しさと撮影技術の高さが相互に作用しており、古さを全く感じずに観れる。会話劇や音楽に至るまで心地よく、一本の作品としてのバランスが非常に良かった。後世への計り知れない影響力もよくわかる。

ルックバック(2024年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

画力を生かした演出と緻密なカット割で、世界観に没頭できた。創作の苦しみや友情の尊さに感情移入しながら、人生という道について考えさせられる。またタランティーノをはじめ、映画に対する愛も感じられた。

二百三高地(1980年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

戦地を映す強烈なショットの数々に目を奪われる。日露戦争における旅順攻略がいかに重要だったか、戦況込みでよくわかった。国同士の戦闘描写だけでなく、個人間の触れ合いなども描いている点に好感が持てる。

生きる(1952年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

人生を自分主体で充実させることは、いつからでも遅くないということに気付かされ、心が救われた。70年前の社会問題や人々の悩みが現代と全く変わらない点も、非常に興味深い。何度も鑑賞して多くを学びたい。

カンバセーション…盗聴…(1973年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

『裏窓』を彷彿とさせる危うさと緊張感があり、洗練されたサスペンスタッチに終始魅了される。音の使い方も非常に丁寧で、窃視ならぬ窃聴願望を引き立てられた。のちに名を残す若い俳優たちの演技も光っている。

マグノリア(1999年製作の映画)

4.0

紛らわしい登場人物や重なり合う設定が多いにも拘らず、なぜか混同せず飽きずに観続けられる。複数の物語から、人間の愛憎について様々な面から考えさせられた。音楽や映像もバランスが良く、妙な魅力があった。

誰も知らない(2004年製作の映画)

4.2

道具から子役の表情まで一つ一つの映し方が非常に丁寧で、重大な社会的問題を抱える様子が生々しく伝わる。どこか暗すぎずに描いている点も、妙な不気味さを覚えた。目を逸らせない現実をただ思い知らされる。

スノーデン(2016年製作の映画)

4.1

監視という題材に沿った描写の数々に、終始目を奪われる。情報社会に対して危機感を持つべきだと実感しただけでなく、命懸けで行動を起こした主人公にも心を打たれた。これがフィクションでない点に恐怖する。

ジャズ・シンガー(1927年製作の映画)

4.0

無声からトーキーの変遷において、歌を用いて両者をつないだ点に感銘を受けた。仕事とのジレンマにとどまらず、米国的資本社会や古い伝統に対する反骨精神も読み取れる。映画史に名を残す理由を肌で感じられた。

縞模様のパジャマの少年(2008年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

子供が持つ、残酷なほどの純粋さが心に刺さった。自分もナチス崇拝側になりえていたと思うと恐ろしい。ブランコはどこにも属さない自由を暗喩していると解釈した。細かい設定や描写の徹底ぶりも賞賛したい。

ミスター・ノーバディ(2009年製作の映画)

4.5

映像から音楽、俳優に至るまで全てが刺さった。物語の科学的かつ哲学的要素も絶妙なバランスで、生命や宇宙について深く考えさせられる。過去作のオマージュなど映画愛も感じられて、唯一無二の鑑賞となった。

マーニー(1964年製作の映画)

4.2

静的に緊張感を保つ撮り方が際立っている。欲に対する人間の弱さと危うさを強く感じ取った。色づかいや女性像など普段と異なる点で魅了されたものの、根底のヒッチコック観はむしろ極致に達したように思える。

断崖(1941年製作の映画)

4.1

意味をなすショットの数々に感銘を受ける。登場人物の視点と認識のズレを利用した裏切りが巧みで、設定が複雑でありながらわかりやすい。疑惑から生まれる日常の崩壊や、視野が狭くなることの危険性を痛感した。

下宿人(1926年製作の映画)

4.0

台詞や効果音が聴こえてくるような撮り方には感心した。金髪美女や疑われ要素もあり、ヒッチコックらしさは既に確立しているように思える。 物語もわかりやすく、謎という推進力を持ちながら最後まで楽しめた。

スカーフェイス(1983年製作の映画)

4.1

銃撃戦から会話のシーンまで、巧みな緩急の付け方で最後まで没頭できた。米国とマフィアの関係には改めて驚かされる。また、社会や仕事での振る舞い方や、人に何かを与えることの重要さについて考えさせられた。

吸血鬼ノスフェラトゥ(1922年製作の映画)

4.0

多くの描写から、無声映画時代の技術力の高さを思い知らされる。全編から差し迫る恐怖を感じ、目が離せなかった。また、吸血鬼の伝説が生まれた経緯や時代背景に関する説明もわかりやすく、世界観にも入りやすい。

シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

全体的に画が綺麗で、軍の描写が特に丁寧だった。人種や文化など、州ごとの特色も生々しく描いている。米国という連邦国家の脆弱性を再実感した。西側の動機が不明瞭に思えたが、報道の恣意性とも解釈できる。

憐れみの3章(2024年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

日常に潜む超自然的存在の描写が中毒的で、好奇心を掻き立てられた。一見ナンセンスな脚本は、現代の作品に対するアンチテーゼとも解釈できる。過去作の引用も確認しつつ、細かな要素にも注目して再鑑賞したい。

キューブリックに愛された男(2016年製作の映画)

4.0

キューブリック監督の人間味あふれるエピソードを数多く知ることができて、非常に嬉しかった。彼自身と作品に対する底知れぬ愛を全編から感じる。また、偉大な仕事人のそばで働くことの意味を思い知らされた。

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

4.1

実写の表現を超えうる、目まぐるしいアニメの描写に良い意味で振り回された。芸能界のいびつさや、視野狭窄の恐ろしさも強烈に映し出されている。仕事と自己同一性の乖離についても、あらためて考えさせられた。

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.0

奥行きまで含めた空間の撮り方が美しく、世界観に引き込まれる。閉ざされた人間関係の醜さや封建社会の実態など、現代に通じる描写も見られた。バリーリンドンのような出世と没落を、より感情的に鑑賞できた。

エイリアン:ロムルス(2024年製作の映画)

4.0

映像が細部に至るまで洗練されている。過去作のフォーマットを踏襲しつつも、生命医療やAIといった最新の科学も取り入れていた点に感心した。登場人物の目線の動かし方など、細かい演技も質が高くて満足。

ソウ3(2006年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

複数の事象が重なりながらも混線せず、物語にどんどん引き込まれる。ジグソウの目的や前作までの流れを明確に描写した点が非常に良かった。倫理観や人生を内省できるのも、この類いの作品で唯一無二と言える。

ソウ2(2005年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

前作の要素を受け継ぎながら脚本には新たなひねりもあり、続編として質が高い。緊張感を保ちつつ物語の謎にも惹かれ、さらに残酷な描写でも楽しめた。登場人物の数はやや冗長に思えたが、皆役割を全うしていた。

エイリアン2(1986年製作の映画)

4.0

見事に機能した音響や光彩に加え、強烈なショットも相まって最後まで飽きずに観れた。未知の生物の恐怖を描きながら、人間の恐ろしさも感じる。主人公の生き方から、現代のフェミニズムに近いものも読み取れた。

アウトレイジ ビヨンド(2012年製作の映画)

4.0

画面全体が大胆な暴力で支配されながら、色彩の使い分けで細かな内面描写も行うといった繊細さも感じられた。前作よりも理解の難易度が下がった印象は受けたものの、上質な娯楽であることには変わりない。

アウトレイジ(2010年製作の映画)

4.2

撮り方に一切の無駄がなく、終始緊張感を保ちながら観ていられる。陰影のなかで反社会的な行いをする様は、ある種の背徳感を覚えた。俳優陣の声や仕草も一つ一つが魅力的で、ヤクザらしさが全てに詰まっている。

π(1997年製作の映画)

4.0

個人的に興味がある分野が題材だったので、知的好奇心でずっと観ていられた。天才ゆえの苦悩や内に秘めた狂気が、白黒の映像で恐ろしくも魅力的に描かれている。実際の数学や脳科学に準拠しているのも好印象。

情婦(1957年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

難解すぎない法廷劇を軸にしつつ、魅力的な描写と衝撃の展開でドラマチックに楽しめた。また、笑いと恐怖の不可分性を超えて、司法の穴に対する問題提起も垣間見える。鑑賞後に巧みな構成や伏線に気付かされた。

フィフス・エレメント(1997年製作の映画)

4.0

時代遅れだがどこかかっこいいSFの世界観と程よい緩急の付け方で、最後まで楽しめた。人間社会に対する問題提起などは、他の監督作と似たものを感じる。また立場などは関係なく、どのキャラにも好感が持てた。

ミッドナイト・イン・パリ(2011年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

おしゃれな街並みと主人公が交差する姿はまさしく絵画のようで、ロマン溢れる描写に魅了された。人生観や恋愛のあり方に対するメッセージも共感できる。偉人たちの生涯や作品を知った上で、再度鑑賞したい。

ホテル・ルワンダ(2004年製作の映画)

4.2

緊張感と残酷さの演出に加え、物語として成立するような進め方も非常に巧い。西側諸国の身勝手な振る舞いや、根本的解決に繋がらない実態には悲しみと憤りを覚えた。現実からは目を逸らせないと痛感させられる。