そふぁさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

そふぁ

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ザ・ウォーク(2015年製作の映画)

4.1

ただの綱渡りなのだが、洗練された映像により一人称の視点で最後まで楽しめる。危険を冒して正気を失いながらもひとつの夢に向かって熱中する姿には、ただただ心を打たれた。これぞ映画館で観たい一本。

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.5

米国側の無神経さには日本人として心が痛む。好奇心の暴走には恐怖しながら、映画としてのカタルシスもある。米国視点の反戦という域に止まるものの、この作品がアカデミー賞を受賞したことには大義があると考えた。>>続きを読む

大日本人(2007年製作の映画)

4.0

監督が影響を受けた特撮に止まらず、彼自身の思想や人生観を受け取れた。その上で、独特な世界観を土台にしながら、コントの感覚で笑える箇所が多くて楽しめる。一方でやはり映画としては、荒い撮り方に思えた。

エマニエル夫人(1974年製作の映画)

4.2

開放的な描写や性別を問わない愛など、柔軟な性のあり方を提示させられた。タイのエスニックな雰囲気や魅惑的な音楽も相まって、ただ恍惚としながら目を奪われる。自己表現と性について、深く考えさせられた。

プレステージ(2006年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

まさにマジックの如く視線誘導が駆使されており、最後に圧倒させられる。現実と非現実の混ざり具合も気持ちよく、監督に感心したと同時に、時系列の複雑さはもう少し和らげても良いのではないかと感じた。

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

9割が会話劇で構成されているにも拘らず、洗練された脚本や個性的な登場人物が面白くて魅入ってしまう。陪審という制度の必要性について,
深く考えさせられた。最後まで実の事件を描写しない点が興味深かった。

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

人間の生々しくて底知れない承認欲求にただ恐怖した。緊張感と動的かつ魅力的なストーリー展開により、全く飽きずに作品に浸れる。題名は心の所在が不明という捉え方もできると考えた。人間不信になりかねない。

エルヴィス(2022年製作の映画)

4.2

彼をあまり知らなくても魅力が伝わり、制作陣の強いリスペクトが感じられた。人種や内政を正面から描写した箇所に好感が持てる。全体を通して、米国の誇るべき部分と恥ずべき部分が鮮明かつ猛烈に受け取れた。

バリー・リンドン(1975年製作の映画)

4.3

盛者必衰を無慈悲に描ききる美しさに加え、これまでになかった華麗な魅力をも感じた。御伽話のような画や音楽のテイストが妙にクセになる。
人生において、ハングリーかつ謙虚な姿勢が欠けてはならないと学んだ。

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

4.2

人生の進むべき道や自己同一性について、自分自身と照らし合わせながら深く考えるきっかけとなった。カウンセリングや大学生活の描写にさえ魅力を感じる。環境が変わるタイミングなどで何度も観直したい。

96時間 リベンジ(2012年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

緩急の付け方と生々しい色彩で常に緊迫感を味わえる。衝撃は前作に劣るものの、信じて託すという側面での家族愛が見られたため、主人公の成長が感じられて良かった。相変わらずライフハックの面でも興味深い。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.2

ジェンダーや自由意思といった問題を前衛かつ残酷に扱いながら、これまでの伝統的な映画体験として楽しめる。音楽や映像などに唯一無二の中毒性が感じられ、こってりした世界観にいつまでも浸っていられた。

観察者(2021年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

リアルな質感の性的描写だけでなく、伏線回収や裏切りなど物語の展開でも充分魅了させられた。登場人物に感情移入できない箇所もありながら、それさえ観察者として楽しめる。別の視点から再度観たい。

ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

今回も巧みなミスリードによる裏切りが見事で、再度見返したくなる。鮮やかなリゾート地の描写や劇中の音楽には魅了されたものの、全体の独創性では前作に劣ると思った。"グラスオニオン"というテーマは秀逸。

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

倒叙ものに見せかけて謎を残すなど、進行の裏切りが非常に華麗で複数の面から楽しめる。小道具のような細部に至るまで魅力的。その上で、人間の善と悪が入り乱れる様や、緊迫感あふれる描写もあって素晴らしい。

地獄の黙示録(1979年製作の映画)

4.0

人間が持つ葛藤や狂気、歪んだ価値観などが残酷に描写されており、メタ的な部分からも反戦のメッセージが伝わった。技巧に富んだ光彩や音響効果により、終始緊張感を保って作品に没頭できる。

ウィッシュ(2023年製作の映画)

4.2

作品自体の設定やキャラの掘り下げは甘く思えたものの、ディズニーを愛してきた人へのファンディスクとしては完璧だった。今後も皆の「願い」を請け負うディズニー社からの決意表明と言えるメッセージを受け取れた。

交渉人(1998年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

警察やマスコミのような権力を持つ組織の腐敗が容赦なく描写されており、何を信じるべきか考えさせられる。伏線回収、裏切り、カタルシスなど物語の進め方も素晴らしく、アクションも丁寧で魅力的な作品だった。

マレーナ(2000年製作の映画)

4.1

少年から青年への成長や、過ぎ去った女性について自分に重なるシーンが多く、様々な感情を抱えながら楽しめる。ムラ社会の残酷さが戦争と肩を並べて描かれている点が印象的だった。音楽も重厚で美しい。

インフェルノ(2016年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

毎度のことながら、人文学とミステリーを融合するバランスが美しくて引き込まれる。人口増加や感染症といった問題は未来予知のように思えた。ラングドン教授の弱い一面も見れて親近感も湧きながら楽しめる。

僕を育ててくれたテンダー・バー(2021年製作の映画)

4.1

主人公と重なる部分が多く、人生を追体験した気持ちになれた。周りの人や環境の大切さについて考えさせられる。男としての信念も掲げられており、何度も見返したくなる。映像や音楽にも味があって良い。

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

4.0

登場人物の人間くささにどこか魅了されつつ、深く入りすぎずに楽しめる。突然訪れた人生の転換点についての描写が巧い上に、その後の内面の変化は恐ろしく思えた。アメリカの広大さも要所要所で感じられる。

ポーラー・エクスプレス(2004年製作の映画)

4.6

幻想的かつきめ細かな映像の美しさに圧倒され、童心に返って楽しめる。一方で大人になって失った大切なものにも気付かされ、メッセージが心に刺さり涙を流した。BTTFの要素が随所に見られる点にも注目したい。

アメリ(2001年製作の映画)

4.2

パリの街並みと色鮮やかな映像がマッチしており、唯一無二の世界観に魅了された。挫折や成長など共感できる箇所が多く、他の人物もどこか目で追いたくなる。映画がもつ魔法の力にあらためて気付かされる作品。

マレフィセント(2014年製作の映画)

4.2

おとぎ話かつアニメーションの雰囲気を実写に落とし込むバランスが非常に巧みで、洗練されている。原作から大きく矛盾せずに新たな物語を構築できている点にも感心した。人間の欲望に対する警告も受け取れる。

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.3

アメリカ史の恥部が無慈悲に描かれており、先住民に興味を持てた。2人の殺伐とした雰囲気や欠如した倫理観も過去作と同様に楽しめる。万人に受けないかも知れないが、世界観込みで個人的にはどっぷり浸れた。

エイリアン(1979年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

宇宙船内のデザインや光の使い方に至るまで、細部の描写によって恐怖心を掻き立てられた。乗組員や船内以外の情報が不明である点もどこか魅力的。SF映画史の橋渡しとして大きな役割を果たしていると思った。

ディパーテッド(2006年製作の映画)

4.2

脚本と人物相関図の絶妙な入り組み具合がクセになる。正反対の人間を演じ続けることから生じる狂気と、内なる孤独さが強く感じとれた。どの役者も味わい深く、作品の魅力を倍増させている。これぞアカデミー賞。

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

4.2

色彩込みでの描写の美しさと恋愛の話が重なり合い、全体的に華やかさを感じた。フィクションのなかにも日常生活に即したメッセージが読み取れる。流れる時間の中でも、もっと楽しめることがあるなと思えた。

ケープ・フィアー(1991年製作の映画)

4.0

全く身動きのとれない状態で襲ってくる様子や、日常生活の崩壊など、恐怖をリアルに感じられた。俳優の演技も際立っており、妙なエロスや緊迫する描写にも魅力があった。弁護士の超法規的な行動も皮肉に思える。

シザーハンズ(1990年製作の映画)

4.2

人間の本質は愛だということが明確に伝わった。大衆の脆さや個人の繊細さなども切なく描写されており、喜も哀も味わえる。所々で現実味のない場面も見受けられたが、ファンタジーとして世界観ごと楽しめた。

キング・オブ・コメディ(1983年製作の映画)

4.3

笑いが持つ狂気や、それらに気づかない群衆の恐ろしさなど、社会が抱える負の側面が巧く映されていた。題からは考えられない生々しさもありつつ、笑いにもなるバランス感に魅了される。役者も素晴らしかった。

ヒッチコックの映画術(2022年製作の映画)

4.0

映画の特徴を最大限利用して、言葉を使わずに伝えたいことを表現する、という彼の撮り方にはあらためて感心した。ファンディスクとしても質が高い。映画の引用以外の描写は抽象的で、解釈するのが難しかった。

レベッカ(1940年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

濃すぎない恋愛をメインにしながら、サスペンスやホラーとしても楽しめた。役者の演技力やその見せ方には感情を大きく揺すぶられる。主人公の行動から、代替性のない自我の確立というメッセージを感じ取った。

舞台恐怖症(1950年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

登場人物たちの関係がかなり複雑になりながらも、収束に向かって移りゆく様に魅了される。男女の難しさについても考えさせられる。サイコに似たサスペンスのフォーマットが垣間見えた点も興味深かった。

ダイ・ハード(1988年製作の映画)

4.3

伏線の張り方から登場人物の活かし方、盛り上がりに至るまで全てが上手く計算されており、惚れ惚れする。マスコミや警察の描写にさえメッセージ性を感じ、ハリウッド映画の教科書とも言えるような作品だった。