かふちゃんさんの映画レビュー・感想・評価

かふちゃん

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私がやりました(2023年製作の映画)

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コメディではあるが、わりと社会派な作品でもあった。

まだまだ女性の権利が認められない時代において、つまりは売名行為で富と名声を得ようとする女たちが、男社会を軽快に蹴散らしていく。したたかに生きる(し
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活きる(1994年製作の映画)

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良かった。

結婚式に毛沢東、共産主義万歳の歌を歌い、これから社会は良くなるぞという機運と、一方で身近には反革命を疑われる人々もいて不穏な雰囲気が共存しているという当時の空気感の中で生きる庶民の暮らし
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

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大人の恋愛映画ではあるが、それ以上のある種達観した2人の関係性だったように思う。

とはいえもちろん苦悩もあって、それぞれが誰も傷つかないようにした結果という感じで切なくなるし、ヘソンが優しさとあわよ
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Life is But a Dream(英題)(2022年製作の映画)

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パク・チャヌクがiPhoneで撮った短編。英語字幕しかないけど頑張って視聴。現代劇じゃない、かつファンタジーなせいか見慣れぬ英単語がたくさん登場し、私の英語力ではざっくりしかわからない(笑)それでもコ>>続きを読む

(1997年製作の映画)

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たまたま居合わせた為にめちゃくちゃ汚い川での水死体役に抜擢されてしまう(やっぱり冴えない)主人公が、謎の首の病気になるという訳のわからん物語。

これは笑うとこなのか?というシーンも多くて、三部作の中
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ホームワーク(1989年製作の映画)

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監督自身が、イランの子どもたちに宿題についてのインタビューをするドキュメント。もはやインタビューというより尋問に近くてそりゃ泣いちゃう子もいるよなという…ちょっとかわいそう。

量が多すぎる宿題や、字
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愛情萬歳(1994年製作の映画)

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とあるマンションの空き部屋を舞台に、「青春神話」同様に交わりそうで交わらない3人の若者たちの日々。というかもはや奇行多め(笑) 

こちらは鬱屈とした登場人物たちが、ちょっとだけ自分を解放していくよう
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パディントン(2014年製作の映画)

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「くまのパディントン」って全然馴染みがなかったのだが、いつも着てるコートの理由とかこんな設定のくまだったんだ!とまずそこに驚き。

いい感じにおとぼけなパディントンが騒動を巻き起こしながら家族を見つけ
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青春神話(1992年製作の映画)

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いかにも鬱屈が溜まってますといった表情をひたすらしている予備校生シャオカンと、好き放題生きているアザー。シャオカンは偶然見かけたアザーに憧れや嫉妬のような感情を抱く。

部屋に現れるゴキブリとか、雨の
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ビニールハウス(2022年製作の映画)

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登場人物全員不幸なんだけど、なんというか正しい政治や福祉の力があれば、皆助けることができたんじゃないかと思う。でもそれができない現実を観ている私たちにも突き付けてくる。とくに老夫婦の物語はリアリティー>>続きを読む

湯殿山麓呪い村(1984年製作の映画)

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うわーなんか独特。呪い村っていうけど、ほとんどきれいな邸宅で起こる殺人事件の話じゃん(笑)

あと主人公の永島敏行が事件を解決する役割にしてはすごいあっさりしてて笑える。ラストのバイクも笑ってしまった
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CURE キュア(1997年製作の映画)

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めちゃくちゃゾクゾクする展開だし、なんか映像の質感がもう怖い。

間宮が動機もよくわからない得体の知れない不気味な人物ではあるが、高部と奥さんとのやりとりからの結末を見るとある意味救いの手を差しのべる
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オープン・ユア・アイズ(1997年製作の映画)

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なんかよくわからんな~と思いながら観てると後半急にそういう話だったの!?というのがわかって作品の印象がガラッと変わる。

主人公が調子乗ってるクズ野郎ですが、美貌を失って卑屈になってしまうあたりに、彼
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思い出のマーニー(2014年製作の映画)

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オチは知っていたけど、知らなかったら結構ビックリしてたと思う自分。

杏奈がちょっとひねくれすぎて、オープニングとか可哀想な自分に酔ってる気も若干するけど、(さすがにふとっちょぶたはヒドい笑)ひと夏の
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タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら(2010年製作の映画)

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すごい面白かった。B級感漂いつつも、ちゃんと伏線回収されるし、死に方がよく考えられてる。タイトルどおりほんとツイてなくて笑った。

グロはあってもホラー的怖さはない。でも友だちみんな死んだのにその後も
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私がケーキを焼く理由(2023年製作の映画)

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主人公2人の関係がとても素敵。ケンカはするけどすぐ謝るのとか。そして実話ということなので、こんな深い関係の友だちがいる人ってそうそういないのでは?とうらやましく思った。

ジェーンの精神的な成長が物語
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ブルー・バイユー(2021年製作の映画)

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うーん、これはなかなかつらい。ただ普通に家族で暮らしていきたいだけなのに。

この作品を見なければ知らなかったであろう理不尽なアメリカの制度。そこに貧困や人種差別も絡んで余計にしんどい。もうちょいなん
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他人の顔(1966年製作の映画)

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個人的にはかなり難解な作品だった。

やけどで顔を失った主人公だけでなく、顔にケロイドのある女や見た目より知能が遅れている女とか、とにかく見た目が相手にもたらすものが描かれてるような気がした。他者から
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砂の女(1964年製作の映画)

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安部公房原作、ストーリーは知っていたけどとにかく不気味で美しい映画。画面から伝わる暑苦しさと、まとわりつくつく砂を払いながらの所作が妙にエロチック。どこか得体の知れない怖さを醸す岸田今日子がハマり役。>>続きを読む

(2023年製作の映画)

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あっさり人を斬り捨てたり、命懸けの男社会の中で衆道関係を結んだりしている信長や光秀に対して、たけし演じる秀吉には一切そんな描写がなかったように思う。そこは意図的に対比させたのだろうか?さらには形式化し>>続きを読む

マネーボール(2011年製作の映画)

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データ野球について詳しくないが、記録的連勝をおさめた事実があるのだからやっぱり馬鹿にはできない手法なんだな。これが実話と聞いてビックリした。

でも野球に限らずプロ選手は突然戦力外になったりと本当に駒
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スラムドッグス(2023年製作の映画)

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かなり下品だけど、友情物語に不覚にもほろりとしてしまった。最初ダグに雑に扱われるシーンなんかは犬好きとしては結構つらい。でも動物を飼う資格のない人間がちゃんと痛い目みるので良い。

YouTubeにあ
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マッド・ハイジ(2022年製作の映画)

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後半かなりグダグダな気もするけど、楽しく観れた。ハイジリスペクトを感じる。(日本のアニメのやつしか知らんけど)

クララを立たせようとするシーンもあるし、おじいさんはかなりハードボイルド。でもチーズの
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簪(かんざし)(1941年製作の映画)

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現代の作品にも通ずるところがあり、思った以上によかった。

前半の学者先生の愚痴のくだりもユーモアも楽しいし、後半のロマンスは初々しくて爽やか。

太平洋戦争あたりに、こんなに牧歌的かつ夏の清涼感あふ
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ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

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スライドショーとナレーションのみで構成する短編。YouTube無料公開中の大塚明夫ナレーション版にて(ええ声)

静止画のため登場人物が演技しているという感じがこちらにあまり生じなくて不思議な感覚。ど
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ジェントルマン(2021年製作の映画)

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そんなに目新しさもない感じの話で、前半はちょっと眠い。仲間のキャラが結構気になるけど、時間的に掘り下げられないので、ドラマ向きな気もする。もしかしたらシリーズ化するつもりかもしれないが。

でもチュ・
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マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

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ストップモーションと実写、変わった生き物マルセルと人間のやりとり、なんかふわふわした不思議な映画。ストーリーは至って普通かな。

マルセルはよく見るとキモいフォルムだけど、独特な声でめちゃくちゃしゃべ
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戦争と女の顔(2019年製作の映画)

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赤と緑の美しい色彩と不思議な空気感が漂う一見おしゃれな映画のようだけど、かなり息が詰まる。

「戦争は女の顔をしていない」が原案とのことで、あまり描かれてこなかった女性視点の戦争映画。

結局のところ
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メグレと若い女の死(2022年製作の映画)

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過度な演出や伏線を張ったりするわけでもなく、メグレ警視が聞き込みで一歩ずつ核心に近づいていくのを一緒に追体験していくような感覚。そういう意味ではサスペンスとしては物足りないかもしれないが、とにかく渋く>>続きを読む

生きてこそ(1993年製作の映画)

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「雪山の絆」を観る前に。

ある種のワンシチュエーション作品であるが、演技や台詞で遭難者の精神状態の変化や葛藤が垣間見えて見ごたえは十分。

でも墜落現場の環境自体はそこまで過酷に見えなかったな…(た
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1978年、冬。(2007年製作の映画)

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田舎の兄弟と都会からやってきた女の子。子どもの目でみる田舎の閉塞感とキラキラした新しい世界の対比。

単調で静かな映画。でも、ちょっと昔の中国に何故かノスタルジーを感じてしまう。

コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)

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ラストの台詞に尽きる。あれを聞くための2時間だったような気もする。
あの極限状態では誰の行動も責められない。みんな以前は普通の住人だったんだ。ラストの台詞にオムテファ監督の優しさを感じた。と同時に自分
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夢二(1991年製作の映画)

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竹久夢二の作品ってなんかかわいらしい女性のイメージがあったのだが、色っぽい裸婦を描いた作品もあるんですね。

そんな作品が劇中にたくさん登場して、演出のひとつとしてインパクトを残している。ラストの真っ
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ジュリー&ジュリア(2009年製作の映画)

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快活で豪快なジュリアが観ていて楽しく、ついでにメリルストリープ好きだ~という気持ちが高ぶった(笑)

チャレンジしてどんどん変わっていくジュリーもまたキュートで、シンプルに元気をもらえる作品。

自分
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デッドマン・ウォーキング(1995年製作の映画)

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死刑制度の是非について、描き方がわりと中立な印象。さまざまな立場の人々を登場させて、観ているこちら側にあくまで問題提起をしているという感じ。

なんだかんだ悪びれないショーンペンはまあ死刑やむなしとい
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薬の神じゃない!(2018年製作の映画)

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おもしろドタバタコメディかと思っていたら、実際にあった出来事をモチーフにしたかなり社会派で骨太な作品だった。

主人公はあくまで金儲けのために違法なことを始めたわけだが、途中で真っ当になるために商売自
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