ryotothefilmlogさんの映画レビュー・感想・評価

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アンテベラム(2020年製作の映画)

3.8

この物語は夜明けを描いてるのだろうか?
それとも、これから訪れるであろう暗い夜の前の黄昏を描いている?
そんなことを考えさせられた一本。

ともすればシリアス過ぎて向き合うのが苦しくなってしまうのが人
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家へ帰ろう(2017年製作の映画)

3.7

デフォルトで好きなテイストのやつ。
ジュゼッペ・トルナトーレ的な人間讃歌の系譜に連なる感じだろうなというのは冒頭で大体察しが付くから、映画的な裏切りはほぼない。

”人生ってそんなに悪くないよね”とい
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.6

感想が難しい映画……。
表面的にはシュールでコミカルなタッチなんだけど、それ以上のものは観衆が自ら掴みに行かなきゃ分からない気がしたというのが正直なところ。

一見、喜劇っぽく見える中に残る違和感は中
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.6

小説や映画そのものだけじゃなく、それを取り巻く現代社会への皮肉が効きまくった一本。
コメディとしても観れるから笑い飛ばしたい気持ちにもなるけど、苦い後味はずっと残る。

ゲイにしろ黒人にしろ、その類型
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パリの調香師 しあわせの香りを探して(2019年製作の映画)

3.6

恋人にしろ友人にしろ、異なる他者が関わり合うことによって一人では辿り着けなかった世界に足を踏み出せる可能性がある。
普遍的でありながら現代的なテーマという意味ではすごく良かった。

匂いってすごくパー
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ホームレス ニューヨークと寝た男(2014年製作の映画)

3.8

人生にはいろいろな生き方のサンプルがあることを示すのは映画のひとつの役割だと思っている。
その生き方を体現する登場人物に感情移入できるかどうかはさておき。

その意味ではすごく面白い生き方だと思う。
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

2.9

なんかあるのかもと思って観続けたけど、ギアチェンジせずにそのまま猛スピードで駆け抜けていった感じ…。
まさに弾丸特急。

ジョーイ・キングとか殺し屋兄弟(?)2人のノリはそれなりにファニーで楽しめたけ
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イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)

3.7

「小さなことが尊厳を保つ」ってかっこいい考え方だなあ。
手袋というモチーフと相まって向田邦子的な矜持が感じられるというか。
アブエラ、渋すぎるよ…。

20代の頃なら絶対馬鹿にしてたであろうテイストの
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.9

少年ジャンプとディズニーのエッセンスを混ぜ合わせて、そこにナンセンスの要素を10乗くらい掛け合わせたら、何故だか最後はウルッときてしまう摩訶不思議なテンションの映画。
指先がソーセージの世界線て何よw
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

3.5

シリアスなトピックを少しコミカルなタッチも交えて描くのはいかにもスパイクリーらしい。

do the right thingに通底する部分はあるけど、登場人物そのもののキャラクターにあまり重要性がない
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グリード ファストファッション帝国の真実(2019年製作の映画)

2.9

あー。
社会的な意義とエンタメのバランスを取るのに腐心した感がすごい。

トピックは誰もが向き合わざるを得ない題材だし、同カテゴリーの企業名が実名で出てくるのはすごいなと思う。

でも観終わった後に何
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キックス(2016年製作の映画)

3.3

AJ1のかっこよさはもちろん理解してるけど、払う代償があまりにも大きすぎる。
かっこよさって本来はもっと多義的なはずだから別の道筋を探せばいいのにという感想に終始してしまう一本。

同じスニーカーだと
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20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

3.8

『カモンカモン』、『人生はビギナーズ』に続いて鑑賞したマイクミルズ3作目(時系列は順不同)。
前2作が“いい映画観たな感”をストレートに感じられたのに対して、今作はいい意味で消化不良感が残った一本。
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.0

おもしろ!
これ、おそらく映画の時間経過がほぼそのまま陪審員たちの話し合いの時間てことだよな。

有罪にすべき、あるいは無罪にすべきという主張はおそらくその人の表層に過ぎなくて、その主張を支える人間観
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ブラックホーク・ダウン(2001年製作の映画)

3.6

「俺たちは仲間のために戦うんだ、必ずしも英雄になりたい訳じゃない」。
それは戦場に赴く人間の偽らざる本音のひとつなんだろうけど、果たしてそれだけで説明してしまっていいのだろうかという疑念がうっすら残る
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好きにならずにいられない(2015年製作の映画)

3.8

冴えない中年男性がどう人生と折り合いを付けていくかみたいなテーマは映画のひとつのテンプレだけど、かなり真摯に描いてる一本だと思う。
まあ主人公のフーシがいい奴過ぎるという前提ありきなんだけど。

異性
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クローブヒッチ・キラー(2018年製作の映画)

3.5

クリミナルマインドなら一話で収まる話を映画の枠で引き延ばした感じ。
その分テンポが悪いとも言えるし、逆に言えば登場人物のそれぞれをより丹念に描いているとも言える。

2時間弱の時間で見せるなら、あの父
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初体験/リッジモント・ハイ(1982年製作の映画)

3.7

わーお。
こんなに観終わった後に何も残らない映画って逆にすごいな。
全く貶すつもりはないし、むしろ逆。
10代の頃ってこのくらいしょうもないということを本当はみんな分かってるはず(だよね?)。

今と
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AIR/エア(2023年製作の映画)

3.2

タイトルで気づくべきだったんだろうけど、ナイキの歴史というよりもジョーダンとの契約に至るまでにフォーカスした映画だったのか…。

映画として当時の様子をちょっと美化して描くならこんな感じの着地だろうな
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籠の中の乙女(2009年製作の映画)

3.6

ウォッチリストに入れておいた一本がプライム対象になったタイミングでようやく鑑賞。
観終わった後にスカッとする、あるいは心温まるなどの分かりやすい機能以外の価値を提供するのも映画の意義とすれば、こんな一
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All the Streets Are Silent:ニューヨーク(1987-1997)ヒップホップとスケートボードの融合(2021年製作の映画)

3.8

シュプリーム誕生の経緯はいろんなメディアで語られる機会があるけど、もう少し時間を巻き戻したNY (1987〜)の空気感を当事者視点で振り返るドキュメンタリーとしてはかなり興味深い一本。

現代の雑なイ
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そんなの気にしない(2021年製作の映画)

3.5

ほえー。

ラストのタイミングは全く予期できなかったし、2回中座して煙草を吸いに行ってしまったくらいなので、次々と飽きさせない展開で畳みかけるような映画でないのは確か。

ただ、20代の若者がそれなり
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コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

3.7

分かるようでまだ分かっていないアキカウリスマキの魅力を知るべく観た2作目。

こんなに面白味ない人間いるのか?ていう主人公が逆に面白い。
コンサバの度が過ぎてるスーツとコートの着こなしが結構かっこよく
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ミナリ(2020年製作の映画)

3.7

派手さはないけど、夫と妻、老人と子供の対比を丁寧に描いた良作。
難を言えば、クライマックスの前にこの夫婦の機微を描いた描写がもう少し観たかったかも。

とはいえ、何かしらの事情で生まれ育った場所を離れ
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希望の灯り(2018年製作の映画)

3.6

登場人物が全員地味、ストーリーも絵もすべてが地味。
それでも観終わったあとに何かいいなと思ってしまうやつ。
その”何か”の部分こそが映画というメディアの意義なのかも。

最近うだつが上がらない日々を送
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