じょせふさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ジャッキー・ブラウン(1997年製作の映画)

4.0

この疾走感、このキャラクター構成、久しぶりにタランティーノ見たけどやっぱりセンスが凄くて長いのに全く冗長さを感じさせない。
寡黙なやつ、饒舌なやつ、悪いやつ、全く信用のできないやつ、あほなやつ、この分
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.4

狭い部屋から見て世界は混沌とし、救いは無い、しかしそれでも外の世界には光が満ちている。
"裏窓"のようなポップな展開は一切なく、見るものに"そこの現実"からの逃げ場を与えない限られた空間・限られた画角
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

3.8

お酒のせいにもしたくなるそんな凝り固まった世の中、固定化させてしまった自分を解してくれるのは案外環境ではなく内的なきっかけなのかもしれない。
いい事も悪いこともお酒のせいではない、本当の自分との向き合
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天使にラブ・ソングを…(1992年製作の映画)

3.5

フィルマークスとIMDbとの数字に乖離がある作品の特徴が段々と掴めてきた笑
なんの言うことも聞かない人が指導者になった途端覚醒する無理がある展開は、100分っていう時間を考えると仕方ないんだろうなぁ。

メトロポリス 完全復元版(1926年製作の映画)

4.0

伝説と史実、神話と近未来を組み合わせた本作は記録媒体だった映像を、エンタメにそしてアートに昇華してみせた。
悪魔と聖母が同じキャストで描かれていたり、その悪魔が革命と破滅を先導したり、メトロポリスの豊
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エクソシスト(1973年製作の映画)

3.8

ホラー感はない、なんとなくカラス神父の自己犠牲に関する話なのかなと解釈した。
キリスト教の中では神を冒涜するサタンに分類される悪魔は社会に混沌と犠牲をもたらす、聖書とか読んでる人はもっと深くこの作品を
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そして人生はつづく(1992年製作の映画)

3.8

自分だけが苦しい訳では無い、辛くても時間は進んでゆく、大きな苦しみ辛さの中で人間の逞しさが見え隠れする。
語り手、聞き手としてのエゴを貫く監督役の人はそれが彼の生きる道であり性なのだと感じる。

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.2

これは凄い、、ヒューマンドラマだった漫画が完全に音楽作品に形を変えた。色々言われてるが、映像の没入感が凄いし音楽が素晴らしいので、Whiplashのように100%ジャズを堪能できる構成になっている。>>続きを読む

ロミオ&ジュリエット(1996年製作の映画)

3.5

勿論すごい作品なんだけど、やはりウェスト・サイド・ストーリーのデフォルメがちょうど良い。奇跡的な悲劇は小説では伝説モノだが映像化してしまうとやはり無理があった。
自分的シェイクスピア4代悲劇に何故入ら
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.0

大好きポール・ダノ、そしてミシェル・ウィリアムズ、今までのキャリアを見てると彼らが年を取ったことが分かる。"静"で凄みを見せる二人の掛け合いは既に別次元へと移行しており、この作品に抜擢された事にケチを>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.4

待った甲斐があった。日本での公開が遅いことを呪いに呪った本作は軽々とその期待を超えていく。
カオスって評される本作だけど、テーマは一貫しておりメッセージも分かりやすい。多分だけど監督、脚本家がバッドト
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バビロン(2021年製作の映画)

4.6

パルプ・フィクションに挑んだ映画が多くの屍を築いていく中、本作は映画、文化へのリスペストと映画オタクデイミアン・チャゼルの圧倒的センスで真っ向勝負を挑んでいった。理詰めなのか、それとも感覚なのか、タラ>>続きを読む

エイリアン2(1986年製作の映画)

3.9

パニック映画の教科書。爆笑の展開、フラグの回収がスムーズに行われる。
主人公活躍しすぎんの笑う。

ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜(2011年製作の映画)

3.8

キャストが地味に凄い、このあとみんな実力派として成り上がっていくのがすごい。
州ごとに全く異なる政策を行うアメリカだからこそ起こりうるストーリー、差別がグラデーションのように減っていった経緯にはこのよ
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レミーのおいしいレストラン(2007年製作の映画)

4.0

邦題が失敗しすぎてて絶対に見ないことを決意していた本作、IMDbでの高評価を受け鑑賞、過去の自分は馬鹿だった。
伝説のミームシーンはシンプルに感動者だしピクサーからの理解者は重要性というメッセージも心
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.8

サイコとコメディがグラデーションなく最後まで同居している、絶妙なバランスで話が展開していくのである程度狂気は希釈され入り込みすぎる事もない。そしてコッテコテのアイリッシュ、指導大変だろうけど自然すぎて>>続きを読む

M(1931年製作の映画)

3.9

おそらくオマージュされまくりの本作、既視感がすごい。私刑、そして責任能力が無い犯罪者、どちらにもなんとも言えない嫌悪感がつきまとう。絶妙に正義が行方不明なのがこの作品をひとつダークにしているのだと感じ>>続きを読む

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

3.8

主題歌のMerry Christmas Mr.Lawrenceが独り歩きしている本作、なるほど確かに主題歌が独走していた。
俳優でない人を沢山起用すると言う戦法は主張の強弱というアンバランスさでナチュ
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サンライズ(1927年製作の映画)

4.0

これほどまでに晴れやかな夜明けはないだろう、混沌から抜けた2人の未来に日は灯る。蓄音技術のない声無しの映画でも演技力があればどうにでもなることが分かる殊勝の一本。

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.0

今までキャリー・マリガンが美しい映画しか見てこなかったけど振れ幅すごい。レイチェル・マクアダムスからボロボロのブリトニー・スピアーズまで行けちゃう感じ鳥肌。
脂の乗った時期に是非オスカーをとって欲しい
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我が家の楽園(1938年製作の映画)

4.1

主役はあなただったんですね、、目も当てられないほどはちゃめちゃな展開が続き残念な映画にカテゴライズされそうになるラスト30分で怒涛の追い上げを見せる。フランクキュプラは結局外れ無し。
凝り固まった野心
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ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

3.8

エドワードノートンの演じるマイルズとその周りのShitheads、ストーリーもそうだが流行を取り入れ、実在のビリオネアへのギリギリの煽りを行ったかなり毒々しい作品だった。
前回のが相当良かっただけに少
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ビューティー・インサイド(2015年製作の映画)

4.3

数あるラブコメの中でも突出した丁寧さ、アバウトタイムやベンジャミン・バトンのように突飛なコンセプトをヒューマンドラマで包み込む。
ここでしか聞くことができないような台詞にも何故か感情は動き、我々視聴者
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きっと、星のせいじゃない。(2014年製作の映画)

3.9

死への許容、このプロセスを描いた本作はいずれ訪れるその時を意識させてくれる。
全体的にタッチがポップなのであまり気負わずに見ることができるが、「なぜ自分がこんな目に」みたいなきつい内容じゃなくて助かっ
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

4.0

物語だけなら多分90分でいい、ただ主役は本筋とは異なる映像美。
地球を搾取し、生物を支配し、今やアバターをとなり新たな形になろうとしている人類、その彼らが行き着くところは自然との調和であることを示すそ
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ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(2022年製作の映画)

4.0

ギレルモ・デル・トロっぽさゼロ。気持ち悪くないキャラデザ、王道の展開、やれば出来るやん笑
トム・ハンクスの方が大ゴケしている中、脚色しすぎずオリジナリティを創出したギレルモ・デル・トロにはやはり流石の
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.0

井上先生がやってるからなんか色々無駄がない、本当に良くまとまっている。
正直漫画が至高だから見る必要はない感じするけど原画残りまくりで原作のエッセンス相当強いからほぼ漫画見てる勢い。

グランド・イリュージョン(2013年製作の映画)

3.8

そりゃあ全員騙されるよね。ユージュアル・サスペクツみたいな映画にしたかったんだろう。

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

4.3

有名すぎる文学、あの詩的なストーリーの現実は勿論の事地獄、ここまで見せるのかっていう部分を平気で見せてくる本作はディア・ハンターのようなエグみを持っている。
仲間はずれになりたくないという理由で戦場へ
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お嬢さん(2016年製作の映画)

4.3

日本語が聞き取れない事がずっと引っかかっていたが、そのモヤを軽々吹き飛ばす緻密で大胆すぎる演出、プロット。
これは韓国映画でしか実現し得ない内容だし、これをやりきった俳優陣には敬意以外の何も生まれない
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灼熱の魂 デジタル・リマスター版(2010年製作の映画)

4.3

IMDbでクリップしてから早4年、やっと見ることができた。
救いのない映像とともにこれまた絶望的なプロットが視聴者を襲う。内戦による怒り、親子を巡る不遇、輪をかけて大きくなる憎悪は不可逆的。
愛によっ
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女は女である(1961年製作の映画)

3.6

かなり歪んだ愛をお持ちの二人、冗談でも提案してはいけないことを言う男と冗談でも応じるべきではないことをする女。関係が歪みすぎてて最早心地良いレベル。
ただ、テンポよくて映画としてのコマ撮りみたいなもの
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ゲーム(1997年製作の映画)

4.2

流石にデイビッド・フィンチャー、彼の中ではハズレだと言われる本作、しかし紛う事なき傑作。
起承転結の転あたりから結の予想が全くつかなくなり、結にいつまでたっても辿り着かない感じはゴーン・ガールを彷彿と
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シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.1

超メタ的な映画。
旧劇場版っぽい視聴者置いてけぼりな感じは世界に一つだと思う。
自分はファンでもなんでもないただ全部見ただけの人だけど、これリアルに自分の成長とシンクロしながら見てた世代は震えるんだろ
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