sasaさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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ミステリー・トレイン(1989年製作の映画)

4.5

メンフィスのある夜を舞台とした、3話構成のオムニバス。脈絡のない3つの夜が少しだけ交差し、ゆるやかに収束する。穏やかな時間の流れの中、小さなラジオの音や隣室の話し声が波のように生活へ作用する心地よさ。>>続きを読む

TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.3

幼い頃に事故に遭い、頭にチタンを埋め込まれた影響で車に異常な執着を抱くようになったアレクシス。金属人間となった彼女の、愛と人間性の再獲得の物語。ロボトミー人格矯正や父性喪失といった、アイデンティティ・>>続きを読む

ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)

4.0

サガン『一年ののち』のように出会って別れる2人。孤独な深海から浮き上がり、そしてまた孤独になる。それでも、そこには確かに"流れ去った一年の月日がある"のだ。

ブルーアワーにぶっ飛ばす(2019年製作の映画)

3.8

都会で生き抜くために手に入れた鎧と内側の歪み。嫌いだった実家に帰ったことをきっかけに理論武装を捨て、生と死の価値観、本来の自分を取り戻す。キャスティングに疑問は残るが、主人公のキャラクターや2人の関係>>続きを読む

猟奇的な彼女(2001年製作の映画)

3.7

超有名な韓国ラブコメ。
序盤のコメディもラブストーリーとしての展開も完成度が高い。

籠の中の乙女(2009年製作の映画)

3.9

両親が育てているのは人にあって人にあらず。徹底した籠の中の教育、抜けない犬歯が抜けるのを待つ子供たち。生命維持と生殖に不要の好意=カルチャーを全て排除した、あまりの淡白さと異様な清潔感。

いとこ同志(1959年製作の映画)

3.3

奔放なブルジョワジーと真面目な青年を対象的に描いたヌーヴェルヴァーグ。共感性は低く、総じて胸糞悪い恋愛ドラマ。白黒映画ながら彩りを感じるような室内の撮り方が美しい。

舟を編む(2013年製作の映画)

3.7

"生きた辞書をつくる"という使命に生きた男の物語。寡黙で朴訥だが、その不器用なひたむきさに心を動かされる。恋愛はおまけ程度で、馬締本人の人となりを描くエピソードとして挿入している点が好感。

RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)

3.5

厳格なベジタリアン家庭で育った少女が肉の味を知り、やがてカニバリズムに目覚めていくサイコホラー。映像にショッキングさは少ないが、食感を感じてしまうようなエグい撮り方が良い。パンチのある2段落ち。

ボーイズ・オン・ザ・ラン(2009年製作の映画)

3.6

情けない主人公が情けないまま男になる。花澤健吾の描く「童貞の人生をグズグズにする女」がきちんと表現されていた点は満足。後半のいかにもマンガ的な展開でテイストが変わってしまったのが勿体なく感じるが、衝動>>続きを読む

君が君で君だ(2018年製作の映画)

4.5

"究極の愛"とは何なのか。干渉せず、ただ相手の幸せを願い見守り続ける。それが狂気に収束するとしても。"愛"の崩壊ののち、うちひしがれる者、夢から醒める者、それでもなお愛を愛として抱きしめ続ける者。それ>>続きを読む

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

4.0

厭世と郷愁に満ちた、男2人の奇妙なロードムービー。2人の絶妙な距離感を埋める環境音が心地よい。不安や絶望に窒息しそうな日々の中を、かつての幸せな日々を使い古しながら潜り抜けていく。犬がかわいい。

ロスト・リバー(2014年製作の映画)

3.2

レフンに多大なる影響を受けたとしか思えない、ライアン・ゴズリングの初監督作品であるネオンノワール。中身は薄く意味も味もほとんど無いに等しいが、音楽・映像・世界観は上等。やってみたかったことをやりました>>続きを読む

聴かれた女(2006年製作の映画)

3.5

変態vs変態!
積極的に関わるでもなく、奇妙な立ち位置から隣人と関わろうとする男の滑稽さ。定番のシーンはしっかりあるピンク映画でありながら、サスペンスとしてストーリーがちゃんと面白い。