SCALAさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

リトル・ジョー(2019年製作の映画)

3.9

増殖する"幸せ"


遺伝子組み換えによって作り出された"幸せになる香り"を放つという新種の植物がもたらす不安を描いたサイエンススリラー、、、


自分はこの映画好きですね。
この何とも言えない不穏が
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グレタ GRETA(2018年製作の映画)

3.1

"親切は命取り"


忘れ物のバッグを届けたことから、孤独な未亡人による狂気のストーキングにさらされる女性の体験を描いたサイコスリラー、、、


チューインガムのように粘着質なサイコパスにしつこく付き
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YUMMY ヤミー(2019年製作の映画)

3.3

決死のプロポーズ!?


美容整形の病院を舞台に、乳房縮小手術に訪れたカップルが突如発生したパンデミックに巻き込まれる姿を描いたパニックホラー、、、


しっかりグロテスクで正統派。下ネタではあるが笑
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ザ・ファブル(2019年製作の映画)

3.3

"真実は冗談みたいな裏にいつもある"


一般人として普通の生活を送るという過酷なミッションに挑む伝説の殺し屋を演じる痛快アクション・コメディ、、、


普段あまり漫画を読まないのにこの原作は全巻読ん
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クラッシュ 4K無修正版(1996年製作の映画)

3.8

衝突の悦び


自動車事故をきっかけに倒錯的セックスにのめり込むようになった男女の姿を描き、カンヌ映画祭で賛否両論を引き起こしたサスペンスドラマ、、、


あーわかるわかる。交通事故ってエクスタシー感
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プラットフォーム(2019年製作の映画)

3.5

"変化は決して自然には起こらない"


現実の階級社会を凝縮したかのような究極の縦構造空間と謎めいたルールの中で繰り広げられる極限のサバイバルを描いたシチュエーションスリラー、、、


単なるSFスリ
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甘い生活(1959年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

怠惰な生活


作家志望の夢が破れたゴシップ紙の記者の目を通して、1950年代後半の退廃したローマ上流社会を描いた作品、、、


フェリーニはこれで2本目。

難解でクセの強い「サテリコン」と同じよう
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灼熱の魂(2010年製作の映画)

4.3

レクイエム


亡くなった母の遺言に従って父と兄を探す旅に出た双子の姉弟が知られざる母の過去を紐解いていくヒューマンミステリー、、、


よく映画の予告などで"衝撃のラスト"という宣伝文句を目にする事
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エレファント・マン(1980年製作の映画)

4.5

善悪美醜

特異な容姿ゆえに見せ物にされていた青年が人間の尊厳を求める姿を描いたヒューマンドラマ、、、

これが人生で初めて観たモノクロ映画だったと記憶している。子供の頃に親と観て以来なので20年ぶり
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ワイルド・アット・ハート(1990年製作の映画)

3.6

"世界の果てまでついて行くわ"


異常なまでの束縛から逃げる男女の暴力とセックスにまみれた逃避行を独特の映像感覚で描いたロードムービー、、、


久々のデヴィッド・リンチ。

リンチにしてはわりと分
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恋する惑星(1994年製作の映画)

3.6

缶詰と飛行機


香港のマンションを舞台に、刹那的な恋を繰り返す若者たちをスタイリッシュに描いた群像劇ラブストーリー、、、


主に前半と後半で話が別れていて、それぞれ違う男女二組の出会いやすれ違いを
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わたしはロランス(2012年製作の映画)

4.0

"自由"で"スペシャル"な愛


90年代のカナダを舞台に、心と体の性の不一致に苦しむ男性とその事実を打ち明けられた恋人の10年に及ぶ愛の道筋を描いたヒューマン・ラブストーリー、、、


これでドラン
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トレマーズ(1990年製作の映画)

3.1

陸上の「ジョーズ」

地面を踏んだらアウト。

何事も地に足つけて生きなさいという逆説的メッセージだと勝手に受け取りました!

黒猫・白猫(1998年製作の映画)

3.8

"黒猫は厄介を起こす"


ドナウ川のほとりに暮らすある一族を軸に、3世代が入り乱れハチャメチャな騙し合いを繰り広げる人情コメディ、、、


クストリッツァ監督の作品は初めて。

天使と悪魔のような黒
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胸騒ぎの恋人(2010年製作の映画)

3.3

かりそめの恋


同じ男性を好きになった男女の苦悩や駆け引きを独特のタッチで描いたラブストーリー、、、


ドランは2本目だが、彼がナルシストと言われる所以が今回で少し分かった気がする。
正直に言うと
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幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)

3.8

ひとりよがりのしあわせ


ヌーベルバーグを代表する女性監督アニエス・バルダの代表作のひとつで、幸福を求める平凡な夫婦に訪れる皮肉な運命を描いた人間ドラマ、、、


"あなただけを見つめる"という花言
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コロンバス(2017年製作の映画)

4.4

癒しの芸術


モダニズム建築の宝庫として知られるインディアナ州コロンバスを舞台に、対照的な2人の男女が織り成すひとときの運命の交差と決断を描いた人間ドラマ、、、


これは劇場の大きいスクリーンで観
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お早よう(1959年製作の映画)

4.0

挨拶もオナラも無駄じゃない


家電製品が普及し始めた頃の新興住宅地を舞台に、テレビをねだる子供たちと大人のせめぎ合いをユーモラスに描いた家族ドラマ、、、


恥ずかしながら小津安二郎監督の映画を初め
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セブンス・コンチネント(1989年製作の映画)

4.2

第七の大陸とは…。


実際にあった事件を基に、ある家族が絶望的な結末を迎えるまでを淡々とした演出で描いた衝撃作、、、


ハネケのデビュー作にして、既にその作家性が顕著に現れている作品。

ある家族
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パリ、テキサス(1984年製作の映画)

4.4

空白を埋める旅路


雄大なテキサスの風景と哀愁のギター音楽をバックに、放浪者となった男の孤独と失われた愛の行方を紡いだロードムービー、、、


テキサス州パリス。全ての始まりであり家族との思い出が詰
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マイ・マザー(2009年製作の映画)

3.9

"愛せないが愛さないこともできない"


平凡な17歳の青年が、母親に対する理屈を超えた嫌悪に戸惑いながらも、苛立ちを抑えられずに葛藤する姿を描いた青春ドラマ、、、


グザヴィエ・ドランの監督作を初
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リアリズムの宿(2003年製作の映画)

3.9

金もアテもないが見栄はある


冬の温泉街を舞台に、顔見知り程度の二人の青年が織り成す珍道中を描いたオフビート・コメディ、、、


今年の初映画。

こたつに入りながら観るには丁度良いほっこり切ないロ
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マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

3.9

2020年最後の映画はこれ!

全てが圧巻のスケール。

行って帰ってくるだけで伝説を作りやがった。

世紀末はまだまだ続く…。

バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)

3.7

年末にはどうかと思ったけど、せっかくだから久しぶりに観てきた。

劇場だと終末感がより色濃くて良かったな。

"ガンバレ。ガンバレ。"
"走れ"

マッドマックス2(1981年製作の映画)

3.5

1が前日譚だとしたらこれが本当の始まりか。世界観もカーチェイスも迫力が増してマリオカートみたいな楽しさ。犬と子供が大活躍。

マッドマックス(1979年製作の映画)

3.2

世紀末シリーズの第1作。この頃はまだ荒野というよりどこかの町が舞台だったんだな。映像、演出、カースタント、どれも荒々しいがそこも醍醐味。

南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)

3.2

下北沢とか高円寺の人たちの一コマを切り取った感じ。

痛々しくて共感はできないけど、人生の迷子になる気持ちは分からなくもない。

太賀は巧いねぇホントに。

タンポポ(1985年製作の映画)

4.5

ラーメン協奏曲


ある寂れたラーメン屋を舞台に、その店が町一番のラーメン店になるまでを、他に13の食べ物にまつわるエピソードを織り混ぜて描いたグルメ人情ドラマ、、、


伊丹十三の作品初めて観たけど
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チャイナタウン(1974年製作の映画)

3.8

利権と怠慢にまみれた町


1930年代のロサンゼルスを舞台に、政治的陰謀に巻き込まれた私立探偵の戦いを描いたハードボイルド・ミステリー、、、


脚本が素晴らしく秀逸。

話はやや複雑だが、物語が進
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

3.8

精霊へのささやき


スペインの小さな村を舞台に、一人の少女が体験する現実と空想の交錯した世界を美しく繊細に描き出した作品、、、


詩的な美しい映像で綴られた大人向けの児童文学というような印象。
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.0

"永遠のモチーフになるわ"


望まぬ結婚を控える貴族の娘と彼女の肖像画を依頼された女性画家を主人公に、2人の切なくも情熱的な禁断の愛の行方を描いたラブストーリー、、、


目線で多くを語り、できる限
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トウキョウソナタ(2008年製作の映画)

4.4

不協和音は月の光へ


それぞれに秘密を抱えバラバラになってしまった家族の崩壊と再生を、現代的な問題を盛り込み描いたホームドラマ、、、


オープニングからして秀逸。
窓から家の中に入り込む隙間風と雨
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萌の朱雀(1997年製作の映画)

4.0

緑と静寂


カンヌ国際映画祭で新人監督賞にあたるカメラドールを史上最年少で日本初受賞した作品。
小さな過疎の村を舞台に、とある一家の人間模様を丁寧に切り取った人間ドラマ、、、



河瀬直美監督のデ
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(2000年製作の映画)

4.0

"友達っておらなあかんの?"


約15年にも及ぶ逃走劇で有名な福田和子の実話を基に、妹を殺した引きこもりの女が逃亡しながら外の世界を初めて知る姿を描いた犯罪ドラマ、、、


藤山直見がすごい。

"
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リザとキツネと恋する死者たち(2014年製作の映画)

3.2

キツネにつままれて


1970年代のブダペストを舞台に、昭和歌謡をはじめヘンテコな日本趣味が全編を彩る異色の物語で贈るファンタジーコメディ、、、


これは所謂イマジナリーフレンドってやつかな。
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