背骨さんの映画レビュー・感想・評価

背骨

背骨

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ひどくくすんだ赤(2022年製作の映画)

3.6

今は底辺で生きる男はかつて戦隊ヒーローのレッドだった。意を決した男は贖罪の旅に出る…

それは決して許されない… それでいて重く、悲しい物語。監督曰く『ウォッチメン』『ザ・ボーイズ』に影響を受けている
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犯罪都市 PUNISHMENT(2024年製作の映画)

3.8

シリーズ最新作も安定の面白さ。全体的には「いつもの感じ」であるが、でもそこがいい

今回の敵はオンラインカジノ界を牛耳ろうとする元傭兵。今回は『悪人伝』の善悪を入れ替えたキャスティングになっててキム・
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ツイスターズ(2024年製作の映画)

4.0

ワーナー・ブラザース様から招待いただき4DXにて試写

竜巻から逃げ惑うディザスター映画かと思いきや、仲間と共に巨大竜巻をぶっ倒しに行く激アツムービーでした!

4DXとの相性ハンパない。全く大袈裟で
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CURE キュア(1997年製作の映画)

4.5

黒沢清が放つ至高のサイコスリラー

次々と殺意を植え付けていく間宮を追う高部が怪物性に目覚めていくという物語の面白さももちろんだが、被写体の動きと連動して動くカメラが生み出す奥行きと流動性のあるショッ
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シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

4.3

凄い緊迫感と例えようのない説得力。この言い方が正しいかわからないが、めちゃくちゃ面白かった!

政治的分断が進むアメリカで南北戦争以来の内戦が勃発するという「ありえなくもないif」の世界を描いた問題作
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ロイヤルホテル(2023年製作の映画)

3.4

「こんなワーキングホリデーはイヤだ2024」

訪れたパブはミソジニーとハラスメントの巣窟のような地獄だった… 今年最悪の気分にさせられる不快感200%悪夢のような90分

とにかくキッツ。でも最後だ
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メイ・ディセンバー ゆれる真実(2023年製作の映画)

3.4

ホットドッグが足りない話

彼らの愛は真実なのか… を探るというより、他人の人生を覗き見する下品さを浮き彫りにするような映画

「そうです。これはあなたの事です」と言われているのだと気づいた時には苦笑
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大いなる不在(2023年製作の映画)

4.2

今年屈指の親子の物語であり恋愛映画

かつて自分を捨てた今や認知症となった父とは何者だったかを巡る旅は、ミステリー調でありながらロマンティックに静かに優しく二人の距離を埋めていく

語りすぎない演出で
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密輸 1970(2023年製作の映画)

4.1

最後まで少しも飽きる瞬間がない痛快海女さん密輸アクション

駆け引き、騙し合い、裏切り… 2対多数の密室アクションからの水中バトル&サメ!こんなに盛り沢山だなんて聞いてない!いい意味で裏切られる超エン
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YOLO 百元の恋(2024年製作の映画)

4.1

ずっと自堕落に生きてきて、初めて自分のための人生を生きようと立ち上がる彼女に涙腺決壊

男と別れても試合に負けても人生は続く。人生という不平等なゲームに勝ちたいなら自分の手で掴み取るしかない。後半はず
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墓泥棒と失われた女神(2023年製作の映画)

4.2

最高。めっちゃ好き。『幸福なラザロ』のロルヴァケル監督による不思議な力を持つ墓泥棒が忘れられない恋人を探しながら現実と幻想を行き来する不思議な物語

近代における格差の変貌や社会における女性の立場など
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

4.2

最高。一気に掴まれる導入から涙が溢れそうになるラストまで圧巻の映像音楽体験

デヴィッド・バーンによる現代社会が抱える問題と人間が根源的に抱える課題へのテーゼ、そしてより良い明日を信じる歌とダンス
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先生の白い嘘(2024年製作の映画)

2.5

事前に嫌な情報を知ってしまったのでモヤモヤした気持ちで臨んだが、映画としても別の意味でモヤモヤする作品だった

序盤、男女分け隔てなく加害性に言及していたにも関わらず、なぜ被害者側が強くならなくちゃい
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フェラーリ(2023年製作の映画)

3.2

私生児問題と経営不振脱出に賭ける伝説の男の人生を描いた重厚な人間ドラマ

男としても経営者としても関わりたくないエンツォ・フェラーリ。これだけ主人公を魅力ない人間として描く伝記映画も珍しい。もっといい
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復讐 THE REVENGE 運命の訪問者(1997年製作の映画)

4.1

おもしろ!黒沢清ベストを出し直したくなるくらいザ・黒沢清な快作

全編を覆い尽くす不穏さや、シャープな構図、怪異的キャラクター、乾いた銃声が響く無機質な銃撃戦等々… 復讐ものというジャンルを超越した黒
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ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)

3.6

自分らしく生きてるのに虚しくなるのはなぜ?こんなに怒っているのに自分の事のように感じられないのはどうして?

自分らしさも、嫌いなところも、拭えない虚無感も全部ひっくるめて描いた痛い青春ドラマ

きっ
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ふたごのユーとミー 忘れられない夏(2023年製作の映画)

4.0

同じ男の子を好きになってしまった初恋と両親の離婚で揺れるひと夏の経験

双子監督ならではの切り口で双子特有の複雑な感情を繊細に描いた佳作で、王道な展開ながら、世紀末という絶妙な時代設定で少しだけ大人に
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ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

3.8

訳あって寄宿舎に残ることになった孤独な3人のクリスマス休暇の物語。それぞれが抱える心の傷に互いが寄り添う時、なんとも言えない優しい気持ちに…

よく出来た映画だけど、盛り上がるまでに時間がかかり過ぎか
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蜘蛛の瞳/修羅の狼 蜘蛛の瞳(1998年製作の映画)

4.5

黒沢清の魅力が炸裂してる怪作。前作『蛇の道』から解き放たれたようなオフビートなバイオレンスで、突発的に事件が連続するモンタージュとそれらの上に成り立っているまさに黒沢清的としか言いようのない比類なき世>>続きを読む

クワイエット・プレイス:DAY 1(2024年製作の映画)

3.6

ネコ最強な話。「これが見たかった!」な逃げ惑う人間どもを喰らいつくすモンスターわっさーなパニックアクションからのシリーズ恒例とも言える家族のドラマ。でも主役はネコです。いや、これマジで

オールド・フォックス 11歳の選択(2023年製作の映画)

4.0

実直だが貧しい父親と老獪で豊かな大家。二人の大人に挟まれて少年はこの世の理を学んでいく…

それまでの全ての問いにこれ以上ない回答を示すラストシーンの鋭さ。上半期ラストに現代にも通ずる真理を描いた凄い
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ルックバック(2024年製作の映画)

4.2

フィクションに出来る事、フィクションには不可能な事… その可能性と限界に板挟みになりながらも、それでも信じて描き続けるしかない

作り手の感触がそのまま息吹きを帯びていくようにはじまって、祈りを捧げる
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ディア・ファミリー(2024年製作の映画)

3.8

「またいつもの難病ものかよー」なんて侮っていると予想外のところへ連れて行かれる秀作

どれだけ生きたか以上に「充実した人生を送れたか」に重きを置いた価値観は純粋に響いた

川栄李奈と有村架純が効いてる
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朽ちないサクラ(2024年製作の映画)

4.0

目下出る作品全て無双中の杉咲花が、豊原功補や安田顕らイケオジ俳優とタイマン張るシーンがマジで素晴らしすぎる。続編希望!

Iké Boys イケボーイズ(2021年製作の映画)

3.6

特撮愛に溢れた今年の『サイコ・ゴアマン』枠

オタクが世界を救うストーリーやアニメと融合した話法、釈由美子&岩松了の出演やウルフルズの音楽、日本語ルビ入りエンドロールに至るまで日本愛&サブカル愛が満載
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数分間のエールを(2024年製作の映画)

4.0

音楽の道を諦めた教師と映像クリエイターを目指しはじめた高校生の出会いの物語

「誰かの心を動かしたい」モノ作りの世界で何者かを目指した事がある人なら響く事間違いなし。才能の限界に怯えながらもそれでも作
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あんのこと(2023年製作の映画)

4.3

今年の上半期屈指の凄まじい映画。傑作とかそんな表現ではとても言い表せない

虐待、売春、覚醒剤… この世の地獄にいた彼女が社会に見つけられたと思ったところから辿り着いてしまった絶望の淵

杏を演じる河
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違国日記(2023年製作の映画)

3.8

「人と人とはわかりあえない。だけど… 」の中で起きる心と関係の変化を時間の経過と共に見せてくれるような映画だった
大きな事は起きなくてもその名付けようのない関係が確実に暖かみを帯びてゆくのが感じられる
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からかい上手の高木さん(2024年製作の映画)

3.8

西方と高木さんの物語を今泉流に結実させる見事な大団円。「恋愛映画の旗手」と呼ばれ、一部では拗らせた恋愛を描く監督とも言われた今泉力哉がこのような結末を描くのかと興味深い

とはいえ、中盤二人が生徒との
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サユリ(2024年製作の映画)

3.4

試写。押切蓮介原作・白石晃士監督による中古住宅に越してきた家族が次々と陰惨なタヒを遂げていくホラー

サユリによる惨憺たる事件現場から一気にババアが超絶無双する白石晃士劇場へと転調していく後半はファン
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スリープ(2022年製作の映画)

3.4

試写。これは怖い。深夜に異常行動をとるようになる夫。やがてその症状は悪化していき、妻は病んでいく…

穏やかな日常が壊されていく恐怖。やがて明らかにされる真相にはただ普通に生活しているだけなのに恐ろし
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ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉(2024年製作の映画)

3.0

微妙。ジャンポケのクラシック年の激闘を中心に描いているが、絶賛ばかりの世評が嘘のようにノレなかった

ライバルとの戦いや自分との戦いも悪く言えば凡庸だし、唐突なラストライブにもキョトン。アニメを見てい
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バッドボーイズ2バッド(2003年製作の映画)

3.8

めちゃくちゃマイケル・ベイ。前回より予算がマシマシになったのがモロバレなド派手な銃撃戦&爆破&カーアクション。悪ノリギャグやカメラワークもノリノリで最後まで景気のいいアクションが見たければコレしかない>>続きを読む

アンダー・ユア・ベッド(2023年製作の映画)

2.7

高良健吾主演の傑作『アンダー・ユア・ベッド』の韓国版リメイク。ハッキリ言って改悪と蛇足ばかりが目立つ駄作

特にオリジナルの美点だった女性側からの視点の切り替えをそんな風にしてしまってはダメだろ。リメ
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バッドボーイズ RIDE OR DIE(2024年製作の映画)

3.8

映画.com試写会。笑えてアツくて超ド派手。今度のバッドボーイズは元上官の嫌疑を晴らすための戦い

信じられるのは極少数の仲間だけの中でより生涯の悪友を感じさせつつ、それでもバカを忘れないのがうれしい
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チャレンジャーズ(2023年製作の映画)

3.6

試写。テニス映画の皮を被った正三角関係恋愛映画。ルカ・グァダニーノ流クィア映画的味付けもあり、二人を翻弄するような翻弄されるような不安定なゼンデイヤは今まで見た中では一番よかった
音楽やカメラも前面に
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