ドキュメンタリーはこれに尽きる。
「わかりやすく、ありのままに。」
「わかりやすく」はともかく、「ありのままに」というのは難しい。信念がなければドキュメンタリーなど撮らないが、信念があるほどフラットに>>続きを読む
結末の分かっている物語を見つづけるには、根気がいる。
だから制作陣は派手なアクションや小粋なユーモア、凄まじい美人や魅せる演技などを用意するわけだ。歌やダンスもその一つといえる。
この点から評価すれば>>続きを読む
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この系統はもう、似たような体験を持つ人のためのものだと割り切っている。
“The Son”で鍛えられているので、いつ躁のあとに鬱がくるかとヒヤヒヤしたが、最後まで元気なままでよかった。
戦争映画というものは、細部のリアリティを高めていけば自然と反戦映画になっていくのかもしれない。
だからそこさえ担保すれば、戦争のなかで生きた人を格好良く描いてもいいみたいだ。主戦にはならない。
この映>>続きを読む
冒頭、アンプからギターへずりあがる画面を見つめながら、久々に映画を観たなあという気分になった。教科書のようなティルトアップがそうさせたのだろう。
もっとも、まったく映画らしくはなかったのだが。
タイ>>続きを読む
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「出会うべき人には必ず出会う」とか「結局ぜんぶ上手くいくようにできている」とか、嘘だと思っている。
出会うべき人に出会わず失敗し、もういちど会うべき人に会わずに(劇中の言葉を借りるなら)以来人生下降の>>続きを読む
恋愛を必要以上に意味ありげに、情緒的にしようとするカップルで、事あるごとに破局やら死やらの話題を持ち出すのが逆に薄っぺらくて見るに耐えないのだが、それでも冒頭のイーサン・ホークの誘い文句は神懸かってい>>続きを読む
尊敬している大好きな友達が、ふと口にした問い。
「すべての意志には行動が伴う」の対偶って、「行動が伴わなければ意志ではない」で合ってる?
合ってる。
なんらかの考えがあるなら、それに沿って何かを>>続きを読む
同じ出来事を共有していても気持ちを共有できているとはかぎらない、ということが身に沁みる撮り方だった。
『ブレードランナー 2049』を観に行ったときだとおもう。この映画のチラシが目を惹いた。
良いポスターだ、とおもった。ツヤツヤの写真たちのなかで油絵の質感はよく目立っていたし、そのタッチもいかにもゴッ>>続きを読む
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悪意の有る無しにかかわらず、偏狭な人が苦手である。(もしかするとこれは、こうした私の偏狭さによる同族嫌悪かもしれない。)
偏狭というのが言いすぎなら、不自由の強要といってもいい。バベットの晩餐会に対す>>続きを読む
スナイパーという目の付け所はいいのだが、このテイストならもっとリアリティを追求してほしいかも。
どれだけ現実に絶望しても、嫌なことがあっても、こういうほのぼのしたハッピーエンドも好きな自分でいたい。
完成された映画にはいくつか出会ってきたが、こんなに距離のある作品は初めて観た。
あちら側は映画で、こちら側は観客である私、
スクリーンまでのたった数メートルを隔てて本当にそういう感じだった。
やたら好きな人のことを思い出した。
手に入らなくてもいい、手に入らないほうがむしろいい、ただずっと元気に生きてくれと心底おもった。
いいなあ、私もこれをリアルタイムでみて、ネタバレをこらえてニヤニヤしたかった。
スピルバーグ作品を観るといつも思う。これで育った世代が羨ましい、と。
私だってライトセーバーで遊びたいというのも勿論あるが、それ以上に、幼いころから本物と触れあえることに価値がある。ただ快感中枢を刺激>>続きを読む
とある海外のレンタルショップの店員が、
“This is a crazy f****** movie, and this is how much I love it.”
と言いながら、このジャケ写のT>>続きを読む
「会いたい」ってだけで87分、いや千年駆けてゆくんだぜ? 良いよなあ。
ラストの容赦無さで、それが単なる「良い話」で終わらないのも良いよなあ。
主演二人の演技が上手い。
自己同一性は記憶によって保たれるらしいが、それに些細な表情や仕草をひとつひとつ足せば、人間は出来上がっていくのかもしれない。
もし人に天命というものがあるならば。
「悔しいってのがどういう気持ちか分かったかよ!」
この台詞をこの映画のように描く、それだけのために生きた人がいるんじゃないか。そして自分の人生に満足しながら死んだ>>続きを読む
王道で安心して観ていられる。
ステージに気合が入っているから、ストーリーはこのくらいシンプルでいいのかもしれない。
主演の女優さんの技術が凄まじいなと思ったら、歌手が本業とのこと。道理で華もあるわけだ>>続きを読む
ホラーほど巧拙が致命的に出るジャンルもないが、これはほんとうに良質だった。
それから、久々に構成に魅入られた。踊らされたとも言えるが。
年季の入りかたも雰囲気があっていい。
夢に身の丈が合わないというか、能力もなくて、努力も足りないかもしれなくて、「夢しか持ってなくてごめんなさい」という気持ちになることがある。
自己責任なので泣くに泣けないのだが、そんなときこういう映画を>>続きを読む
エルヴィス・プレスリーは親ですら世代じゃないので、知っていることといえば『ブレードランナー2049』の挿入歌と、江國香織の短編いわく十八番の『ラブ・ミー・テンダー』、『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』>>続きを読む
初期タランティーノ、飾り気がなくていいな。
役者も演技派ばかりで、画面にぜんぜん華がないのが面白い。
俺たちのブシェミも相変わらず良い味を出している。
むかし何回も観たなあ。
ラストだけじゃなく、二人乗り以降ずっと切ないのがいいなあ。
なぜかどことなく浮世離れした、舞台芸術のような趣きがある。妙に地道なところや様にならないところが癖になって、嫌いじゃない。
ラストシーンはたいへん有名だそうだが、たしかに素晴らしかった。なんというか>>続きを読む
凄い手腕だ。監督はいったい何者だ?
原作をおじゃんにする映画化を何度も見てきただけに、このトットちゃんは有難い。映画化という作業に夢を持てるようになった気がする。
たしかに『窓際のトットちゃん』とい>>続きを読む