サメドーナツさんの映画レビュー・感想・評価

サメドーナツ

サメドーナツ

サンクスギビング(2023年製作の映画)

3.4

"出血大サービス 価格は半分"

ゴア描写をメインに置きたいのなら、既視感のある方法ではなく、もっと大喜利に振った殺し方で盛大に遊んでも良かったと感じる。

"今彼"と"元彼"に与えられた役割が勿体な
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インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

3.4

"罪をつぐなうのは、もう一人の自分"

斬新なアイデアと工夫された展開は刺激的であり、想像力豊かな監督だと感じるが、個人的には少し物足りなく、刺さる人にはとことん刺さる作品といった印象。一貫して不気味
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名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN(2024年製作の映画)

4.0

「俺は馬じゃないから背負わない」

19歳から24歳までのボブ・ディランの輝かしい一時期を、美しく丁寧に切り取って描いた伝記映画。
"名もなき者"が"求められる者"になっていく過程で遭遇する"葛藤"や
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Broken Rage(2024年製作の映画)

3.2

"時間ちょうせい"

先へのフリとなる淡々と進むヤクザ映画としての"1部"と、1部の構造を丸々パロディとして昇華する形式の"2部"の2部構成で進行。時代遅れのコントともとれるし、実験的な作品ともとれ、
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ANORA アノーラ(2024年製作の映画)

5.0

"おとぎ話と現実"

第77回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞、第97回アカデミー作品賞ノミネートなど、輝かしい成績を誇るショーン・ベイカー監督作『ANOLA』。ど頭からラストまで大胆かつ繊細な傑作
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ブルータリスト(2024年製作の映画)

4.0

「 大事なのは到達地だ 旅路ではない 」

ホロコーストを生き延びたハンガリー系ユダヤ人のラースロー。アメリカに渡り建築家として成功を掴もうとする彼の葛藤や苦悩を描く215分の超大作。

アカデミー作
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ニッケル・ボーイズ(2024年製作の映画)

4.1

"2025年度、オスカー候補の一角"

ヒッチハイクで乗り合わせた車が盗難車だったことから、運転手の共犯として有罪判決を受けてしまい、更生施設「ニッケル・アカデミー」に送られたエルウッド少年。そこで出
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エリン・ブロコビッチ(2000年製作の映画)

4.0

「OK、巨乳で勝負するわ」

正式な法律教育を受けていないにもかかわらず、3人の兄妹を育てるシングルマザーが、公害訴訟で巨大企業から全米史上最高額の和解金を勝ち取ったという実話を映像化した作品。

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宮本から君へ(2019年製作の映画)

4.2

"負けてたまるか"

"日本で最も嫌われた漫画"というキャッチコピーを与えられた、漫画『宮本から君へ』。異彩を放つこの作品を、真利子哲也監督と実力派キャストにより実写映画化。"原作の再現度"、"圧倒的
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神が描くは曲線で(2022年製作の映画)

3.8

「今度は何をしでかした?」

これまでのパウロ監督の作風を逆手に取ったような"仕掛け"、序盤から張り巡らされた"伏線"、観客に解釈を委ねる"ラスト"など、あらゆる要素が上手く噛み合い、2時間半の長尺を
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嵐の中で(2018年製作の映画)

3.6

少年救ったら人生詰んだ件!

本作においても、もはやオリオル・パウロ監督の一種の癖とも言える、"不倫が引き起こす事件"が物語の核を担い進行。『ロスト・ボディ』や『インビジブル・ゲスト』に比べ、かなりS
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ロスト・ボディ(2012年製作の映画)

3.7

"消えた死体"

突如起こった遺体安置所からの"死体失踪"。その行方と原因を巡り、姿を消した遺体女性の"夫"と"警官"の間で行われる事情聴取が主軸となり、オリオル・パウロ監督お得意の"現在"と"回想"
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インビジブル・ゲスト 悪魔の証明(2016年製作の映画)

3.8

"悪魔の証明"

ある"密室殺人"の真相究明のため、罪を着せられたと主張する主人公ドリアと弁護士の間で行われる擦り合わせ。それを元に展開される回想シーンが主軸となり進行。主な事件の陰に隠れたあらゆる出
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スナッチ(2000年製作の映画)

4.2

「俺のは"デザート・イーグル .50"」

絡み合うプロットや程よいコメディをはじめ、様々な要素が織り成すガイ・リッチーの世界観を堪能できる作品。多数の登場人物や、目まぐるしく移り変わる場面によって一
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時をかける少女(2006年製作の映画)

4.4

Time waits for no one.

(゜Д゜)ハァ?

個人的に、細田守監督作品で1番好きな作品。魅力的なタイムリープ表現も然る事乍ら、
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陪審員2番(2024年製作の映画)

4.1

"神の名の下に"

陪審員制度の中身をじっくり描くことで分かる、"不条理さ"や"歯がゆさ"に加え、陪審員として参加した自分が「真犯人」かもしれないという状況の恐ろしさ。基本的に裁判劇と会話劇を中心に進
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キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド(2024年製作の映画)

3.9

"2025年、MCUの先頭を翔ける"

今作はとにかく『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』を経て、申し分なく"アメリカの象徴"となったサムの成長ぶりが見所。ホアキンとの関係性が、かつてのスティーブと
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MIND GAME マインド・ゲーム(2004年製作の映画)

3.8

"奇想天外摩訶不思議"

独特な世界観とサイケデリックな作風が誘う、まるで幻覚作用の様な新体験。サブカル層一点狙いかと思いきや、誰しもに必要なメッセージが込められた作品。キャラクターの思考やリアクショ
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ワッツ・インサイド(2024年製作の映画)

3.8

"入れ替わり×人狼ゲーム"

"他人の体"だからこそ超えれる一線や、露呈してしまう内面など、人間の醜い"心理"の描き方が秀逸。カメラワークも丁寧であり、演出や編集の洒落っ気が印象的。

進行のテンポ感
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野生の島のロズ(2024年製作の映画)

4.3

"ボロ泣きならぬロボ泣き"

102分間の中、ベストな詰め込まれ方で繰り広げられる数々の展開のテンポ感が優秀。アニメーションならではの幅の広さを実感する一作であり、配色や作画のタッチも美しく、画面から
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ファーストキス 1ST KISS(2025年製作の映画)

4.1

恋!タイムトラベル!餃子!

松たか子にちょっと変わったおばさん役をやらせたら右に出る者はいないと実感する一作。予告編の段階で少し不安に感じていた、"年の差"に対する"キツさ"は全く感じられず、松たか
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メン・イン・ブラック:インターナショナル(2019年製作の映画)

3.5

"地球は、ド派手に裏切られる"

オリジナル版が3作かけて築き上げたフォーマットにあやかったとて、"エイリアンのインパクト"、"ストーリー"、"映像面"全ての要素においてやや物足りなさを感じる。

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メン・イン・ブラック3(2012年製作の映画)

4.1

「宇宙で最も破壊力を持つものを知ってるか?後悔だ」

前作から10年の時を経て制作されただけあり、諸々のパワーアップが凄まじい。右肩上がりに加速するストーリーと、段違いに進化したCGが見応え抜群で共に
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メン・イン・ブラック2(2002年製作の映画)

3.8

「古くてオンボロのピカピカだ」

1に引き続き満足感ある内容と演出に加え、前作よりも挑戦的なCGが印象的。

"成長した主人公"と"記憶喪失の元上司"という、『キングスマン:ゴールデン・サークル』に影
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メン・イン・ブラック(1997年製作の映画)

4.0

"MEN IN BLACK"

"SF"としての側面は、単純明快な設定で分かりやすく、ユーモラスな表現なども豊富であり、とても四半世紀前の作品とは思えない出来栄え。

"バディもの"としての側面は、「
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鬼談百景(2015年製作の映画)

3.2

"鬼談百景"

Jホラー監督6人による10本のエピソードを収録したホラー短編集。作品ごとのクオリティの善し悪しは置いといて、『続きをしよう』と『密閉』の気味の悪さには少しワクワクしてしまいました。

ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)

3.6

"時間に殴られろ"

劇団ヨーロッパ企画として初めての劇団員全員で取り組むオリジナル長編映画である『ドロステのはてで僕ら』。一昨年公開の『リバー、流れないでよ』と同様、2分間の"時間"というハンデを背
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正体(2024年製作の映画)

3.3

"5つの顔を持つ逃亡犯"

斜に構えて観すぎたのか、個人的にはキャストの豪華さだけでは誤魔化しきれない程に内容が薄い印象。

キャラクターの台詞ひとつひとつに重みが感じられず、吉岡里帆がまるで名言かの
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崖の上のポニョ(2008年製作の映画)

3.5

特に書くことがないので、主題歌である『崖の上のポニョ』の歌詞全文を以下に記載しておきます。

〜崖の上のポニョ〜

作詞:近藤勝也・宮崎駿 作曲:久石譲
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四畳半タイムマシンブルース(2022年製作の映画)

5.0

「成就した恋ほど語るに値しないものはない」

『四畳半神話大系』と『サマータイムマシン・ブルース』のコラボ企画により制作された傑作。ひとつのリモコンが原因で巻き起こる、時空を超えた珍道中がたまらなく愛
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バック・イン・アクション(2025年製作の映画)

3.6

おかえりキャメロン・ディアス!

キャメロン・ディアス約10年振りの俳優復帰作となる今作。マイナス意見もあるみたいですが、個人的にはジェイミー・フォックスとの相性も良く、まだまだ俳優としてのパワーは健
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.0

"スティーヴン・スピルバーグの原点"

スピルバーグがスピルバーグ自身の物語を撮り、それがしっかりスピルバーグ映画として仕上がってるという事実がたまらない。

ジョン・フォード監督役としてデヴィッド・
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マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

3.9

デヴィッド・リンチ監督へのご冥福をお祈りします。

難解ではあるが、"夢"と"現実"の2つのパートが交互に絡まっている訳ではなく、完結したパートを段階的に観せられるため、難しさはあれどストーリー自体は
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CUBE(1997年製作の映画)

3.7

ワンシチュエーションスリラーの金字塔としての威厳ある一作。『CUBE』のタイトル通り、"立方体"の建造物に閉じ込められた男女数名による脱出劇を描く。

誰しもが惹かれる設定と謎解きに加え、「密室」・「
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かもめ食堂(2005年製作の映画)

3.8

"ハラゴシラエして歩くのだ"

キャラクターの"金銭"への執着心や価値観に対しての不自然さをはじめ、所々に散らばる違和感はあれど、ツッこむのは野暮だと思う程に心地良い雰囲気に包まれた作品。小林聡美の少
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ウォレスとグルミット 仕返しなんてコワくない!(2024年製作の映画)

4.1

"素晴らしい芸術作品"

20年振りの長編作品となる『ウォレスとグルミット』。数々の賞を受賞しているシリーズなだけあり、クオリティ面での安心感が凄まじく、"ストップモーション・アニメーション"と "C
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