木村俊介さんの映画レビュー・感想・評価

木村俊介

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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.4

ノーラン映画としては少し物足りない。
伝記のような、始まりから最後があるよなひと流れのジャンルだと、持ち味出せないのではないかと思った。
色々編集操作してるけど、そこまで効果的ではないというか、体験と
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.0

記憶を辿っていたということが後になってわかると、それまでの断片的なシーンの連続や、ソフィの印象に残っていることの現れ方など、記憶を映像化すること、もしくは夢のような映像的な世界を表すことの美しさがとて>>続きを読む

王国(あるいはその家について)(2018年製作の映画)

5.0

久しぶりにつけた満点。

映画として完成された具体ではなく、練習やロケハンなど本番以前の抽象の中から作られる断片的な世界。

しかし、その断片を何度も経験し続けることから生まれるぼんやりとした全体性が
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

3.6

この監督独特なシュールな絵面よ
違和感を通り越してくるスキル

TAR/ター(2022年製作の映画)

4.4

映画における時間的な体験。
今や伏線回収という手法すらも、またかって思わせられてしまうくらい物語体験として当たり前のものであるが、
2度見ること、復習させることを前提とした作り方としては、とても素直で
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.6

日常を維持するにはお金も体力も必要で、何気ない日常こそ、簡単ではない。
だが、日常が崩れた時に美しさが現れる。というよりは、何かを喪失した時にしか現れないのかもしれないね。

リプリー(1999年製作の映画)

3.0

前半だけで十分。
夏に行った南イタリアが恋しくなる映画。

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.5

物語としては最初の5分と最後の5分があれば十分なのだが、それ以外の100何分の情報量が濃密。
それぞれの世界の脈絡の無さを強引に引き寄せるブリコラージュ感はどう組み立て、物語するのか、全く想像できない
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ブルー・ジェイ(2016年製作の映画)

3.8

現実に起きそうな些細な出来事をこうも映画化することで、魅力的な物語へ。

白黒の演出や、時間の短さがとても、絶妙。

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

2.7

幸運と不運でストーリーが進んでいく群像劇

設定が日本なめすぎで、全く好きになれなかった
ツッコミどころおおすぎ

ミナリ(2020年製作の映画)

3.8

後半の展開に不満。
ミナリをどう物語として絡めていくのか、組み立て方としてあれで良かったとはどうしてと思えない。
前半が良かっただけにより。

あとは、
あの時代に韓国人が畑を始める文化的背景はもっと
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.4

アングル遊びが過ぎる。あまりカメラ動かさないので、漫画みたいだったね

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

4.0

いつまで災害ネタで商売をしているのだろうとか、ついにここまでダイレクトに作ってきたか、、などなど。まだまだこの手の繊細さには反応せずにないられないのは、ある世代以降のことなのか。若い子たちにどう写るの>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.4

言語化したくてもできないフワフワした状態がいつまでも残り続けている。

なのに各シーンはとても具体的に覚えている。
この映画は何かを表象するものではなくて、あるリアリティをそのまま移し撮ったものでなは
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おもひでぽろぽろ(1991年製作の映画)

3.4

まぁ子供時代の回想シーンはいらないかな。
おもひでにはならなくなっちゃうけど。

山形での生活シーンだけでも十分いける

海がきこえる(1993年製作の映画)

3.3

特筆するものはあまりないのだけど、さまざまなシーンや設定にはその後のアニメーションにとってレファレンスになるものだったのだろうなぁ

残念ながら海はきこえて来なかった。

パリ、テキサス(1984年製作の映画)

3.8

15,6年ぶりに鑑賞。前回は大学の授業です観たがすぐに寝てしまった。まぁ今回も眠くなったけど、観れたので大人になったのだなと。

カモン カモン(2021年製作の映画)

4.2

わからなさと向かい合う映画。大きな自然や、脅威ではなく、
日常における身近な存在について

ボストン市庁舎(2020年製作の映画)

3.0

何がハードって、会話らしい会話が少なく、主張だらけなのだ。アメリカ人とはこうなのかと思ってしまうほど、それぞれの主張の連続でそれに応える返答もすくないので、何から何まで鑑賞者任せなのである。

カメラ
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MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

4.0

なるほど、ジェシカはある時から媒体になってしまったのだなと思った。シャーマン的とも言えるのかもしれないが、そこまで呪術的な話でもなく、もっと自然なものだ。

また、映画という存在もまた媒体だ。
この映
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.5

隕石という大袈裟な”ネタ”を引っ提げているが、要するにここ1、2年のこと。

街の上で(2019年製作の映画)

3.8

クライマックスのドタバタ劇がとても秀逸でよく出来ている。
舞台は街なのだが、路上で演劇を観ているような不思議な感覚を覚えた。

偶然と想像(2021年製作の映画)

4.8

コンセプチュアルな作品だ。
しかし意図的であることがやらしさに変容していない。とんでもないバランス感覚だ。
しかし、偶然とは人間の意図によって生まれるものではなく、人間とはどこか別の理によるものなのだ
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カナルタ 螺旋状の夢(2020年製作の映画)

4.0

ものみる目が違う。
ジャングルでは見えるものほとんど植物だ。
幾何学が表に現れてこない超具体的な世界で生きている。そんな中でも見えない存在を見出すことが出来る人間の本質的な想像力を垣間見た。

江分利満氏の優雅な生活(1963年製作の映画)

4.1

この時代においては、おそらくとても攻めた表現だらけなのだろう。合成までしてるのには驚いた

ファーザー(2020年製作の映画)

4.6

なるほど、これはとても日常的でリアルなホラーなのだな。物語の辻褄をいかにズラすかということをレトリックとしてではなく症状として表現することの難しさよ。

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