しさんの映画レビュー・感想・評価

し

パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

3.0

 構成、音楽、色彩など、雰囲気を楽しむ映画。不思議な中毒性がある。

フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年製作の映画)

3.0

 愛する女性から貰った靴をボロボロになるまで履き続けて、自分の運命を受け入れて、漂うように生きてきた主人公。最後の最後に新しい靴に履き替えて物語が終わったことから、本当の自分の人生を生き始めたんだなと>>続きを読む

ドリーム・シナリオ(2023年製作の映画)

2.5

 SNS上でのバズりや炎上によく似ているなあと思いながら鑑賞。当事者でない者は、根も葉もない噂を簡単に信じ込み、神のように崇めたかと思えばすぐに翻す。人伝に聞いた話は誇張に誇張を重ねて原形を留めない。>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.5

 確かなのは夫が死んだという事実だけ。ラストで全てが明らかになってめでたしめでたし‥みたいなのを期待して観ると肩透かしを食う。
 物事を100%理解する事はできなくて、いつだってそこに在るのは事実だけ
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ウィキッド ふたりの魔女(2024年製作の映画)

3.5

 圧倒的映像美。ローリングする図書館の棚とグリンダのお洒落道具箱にはワクワクした。ああいう演出はミュージカルの特権。
 人と違うだけで蔑まれ、差別される残忍さは、机上の道徳の授業で言い聞かされるよりも
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ミッシング・チャイルド・ビデオテープ(2025年製作の映画)

4.0

 カメラワークが巧妙。何かに見られているような、時には「何か」がこちらを見ているような嫌な雰囲気がある。
 山は人間の領域ではない。こちらの条理など通用しない。山での不思議な話はよく聞くし、実際に山に
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パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

4.0

 夢か現か幻か。妄想や夢が現実と入り乱れ、境界線が曖昧になる感覚を観る人に与える作品。
 子どもの頃に見た夢を、ずっと現実のものだと思っていた事があるし、寝ている最中に来た地震を、夢だと勘違いしていた
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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

4.0

 「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいている」を体現した作品。ちょっとずつ真実が明らかになって、ハラハラしながら観れて面白い。無駄が一切なく、前半の何気ないシーンも、後半で怒涛の伏線回収をかまし>>続きを読む

ノロイ(2005年製作の映画)

4.0

 モキュメンタリーという手法を知る前に観たかった。公開当時に観ていたらめちゃくちゃ怖かっただろうなあ。
 最後まで飽きずにのめり込むように観れた。本当に怖いものって圧倒的に強くて、論理も何もなくて、意
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来る(2018年製作の映画)

2.5

 ホラーというよりブラックコメディ。全体的にガチャガチャしていて不快感が煽られる。演出は派手で大げさ、登場人物はクズばかり‥意図的にこちらを不愉快にさせようとしてるの?と思うくらい。
 柴田理恵が最高
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ソロモンの偽証 前篇・事件(2015年製作の映画)

4.0

 原作未読。裁判というのは、真実を炙り出すために作品上用いたある種の舞台装置なんだと思う。実際裁判なんて難しいけど、母校であれに近いシステムはあったから現実離れしているとは感じなかった。
 中学時代、
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残穢 住んではいけない部屋(2016年製作の映画)

3.5

 穢れが伝染し、受け継がれていく怖さが描かれている。点在する不可解な現象も、辿ると原因は同じって‥その感染力の高さが恐ろしい。
 様々な物語が絡み合って、ミステリーのように楽しめた一方で、最後の演出だ
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ルックバック(2024年製作の映画)

3.5

 京本に褒められて帰り道を嬉しさいっぱいで駆けていく藤野。藤野に手を引かれて楽しそうに外の世界へ駆けていく京本。お互いの足りないものを、お互いが埋めてあげられる最高の関係に見えた。
 何かを創作したり
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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

4.0

 時間と川は似ている。戻ることも留まることもない。「清濁併せ呑む」と言うように、上流の澄んだ水も、中流で巻き込んだ泥水も、全てを受け入れて然るべき場所へ辿り着く。「なかったことになる時間」なんてない。>>続きを読む

ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)

4.0

 時空の原理とかSFとか難しい事はよく分からないけど、時間なんて人間が創り出した概念でしかないから、「今」を見なきゃって気持ちになった。過去や未来の自分に縛られていては、この瞬間を生きている自分がもっ>>続きを読む

告白(2010年製作の映画)

4.0

 『先生、このクラスは異常です』って台詞があるけど、中学ってああいう場所だと思う。全然異常じゃない。多感で自意識過剰で、人として1番中途半端な時期。残酷な程に平気で人を傷つける。
 目には目を歯には歯
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アス(2019年製作の映画)

3.5

 序盤から感じていた小さな違和感が、きちんと最後で回収された。タイトルが全てですね。この映画はUSそのもの。

サイコ(1960年製作の映画)

4.0

 これが1960年の作品なのが驚き。今でこそあの結末に納得できるけど、当時は映画のラストシーンになってしまう程異色なものだったのかも。
 カメラワークやストーリー構成、音楽などに無駄がなく、これぞスリ
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怪物(2023年製作の映画)

5.0

 私も誰かにとっての怪物なのかもしれない。そう思わせられた作品。
 誰もがそれぞれの正義を持っていて、どれも間違いじゃない。けれど、正義と正義がぶつかった瞬間、怪物は生まれてしまう。それは噂話や被害妄
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

3.5

 家族って、愛とか絆の象徴で描かれる事が多いけど、綺麗なだけじゃない。呪縛なんだよね。家族の嫌な部分詰め合わせみたいな映画だった。

イエスマン “YES”は人生のパスワード(2008年製作の映画)

3.5

 まずは「Yes」と言ってみる。その後の事はその後考える。考え過ぎて行動できないよりも、とりあえず飛び込んでみて、痛い目見るのも人生。ラストシーンが特に好き。

ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(2024年製作の映画)

3.5

 ジョーカーのカリスマ性に期待して観た人にとっては物足りなさがあると思うが、それこそが、映画の中でジョーカーに勝手に熱狂し、勝手に落胆した人々と同じ思想なんじゃないかな。