ブルーにこんがらがった青春。そこから好奇心と勇気で新しい世界へ踏み出していく物語。それに勝るものないね。素晴らしい。
塔の中はラプンツェルにとってのベッドルーム。彼女はそこでギターをかき鳴らすポーズ>>続きを読む
甲府の街を描くことで、社会全体を暴いてしまったような作品。
閉塞感、という単語だけでは表せない状況。誰もがどん詰まり。行き場がない。甲府はこんなことになっているのか、という素直な感想の後に、これはも>>続きを読む
新藤兼人98歳の監督作。作中にほとばしる戦争への怒りを、震災や原発に重ねて見てしまってものすごく感動した。みなぎるほどの力強さを持った映画だった。
出征から戦死への切換。置き手紙や、くじで決められた>>続きを読む
すごい、甘さと絶望が同時に訪れる瞬間が。
終わりと始まりが同時に描かれる。結婚式のシーンをあんなに絶望的な気分で見たことないな。必要なのは分析じゃない。映っているものがすべてだろう。特殊な状況は何も>>続きを読む
雨ににじむ視界。光量不足のざらついた映像と、ピントの合わないカメラ。それはあの時のぼくらの気分。そして今も引きずったままの。節電でいつもより暗くなった東京にはぼくらの不安も混じっていた。前野健太はあの>>続きを読む
ラブコメを批評するラブコメっていう多重視点がよかったです。
恋愛とセックスと仕事。関係をややこしくするのはどれだ?恋愛とセックスを分けてるのが、この映画の特徴と思ったけどそんなに珍しいことじゃないの>>続きを読む
温度のない画面。2人のコートの色も制服も寒色のブルー。人の温度からはぐれてしまった2人の道行き。遺品整理という行動を通して、飛び散って散乱した温度を、あの時の命を集めて取り戻せ。告白とおくりびとの間に>>続きを読む
よく分かんなかったので仮定してみる。これは女性讃歌である。そもそも人間は美しく善良なものではなく、醜悪で狂気に満ちたどうしようもない存在である。だが、それが人間で私たちはそのようにして生きている、とか>>続きを読む
メタメタなストーリーの中に、確かに青春の煌めきと慟哭と躍動が映っていて、ちょっとくらくらする程だ。終わりの予感を感じながらも、過ぎ去っていくのが青春か。それは止められない、忘れないことは出来ないのか。
イギリスのコメディは難しいなー、自分には。ただ、サイモン・ペグとニック・フロストのコンビが最高なのは分かった。バッド・ボーイズとかをパロって批評しつつ、最後はバカな銃撃戦に徹するていうのもいいと思いま>>続きを読む
繊細すぎる子供たちは、死を媒介にして遊び、出会い学ぶ。腐肉を嗅ぎ付ける虫の話が象徴的で面白かった。イノセントな死の予感のストーリーの中に、日本軍の特攻隊の幽霊が出てくる想像力がこの映画のアイデンティテ>>続きを読む
世界に呪われたこどもたちは、世界を、もしくは自分自身をも呪って生きていくしかないのだろうか。思春期の絶望について、また震災後の日本についての話なのだと思った。それはどうしても重ねて見てしまう。言葉にで>>続きを読む
何このロボットアニメ。楽しいじゃねーか。これはあらかじめバラバラだったものが一つになろうとする物語だと思った。一つはマックスとチャーリーの親子関係。距離も時間も心も離れていた2人が近付いてゆくこと。>>続きを読む
面白かった!緋文字という教材によく使われる修道女の物語を題材に指定して、主人公と比較していくのが興味深い。悪評が広まっていくが、行いは弱者を救う為でもあったり。ていうか、エマ・ストーンがキュートすぎん>>続きを読む
夜から朝に変わるまでの時間、2人で歩いている時の、いつもより少し緊張した空気の、でも普段言えないことが言えてしまうようなあの感じがした。恋する惑星×吠える犬は噛まない、みたいな。大体の恋が思い込みと勘>>続きを読む
物語のために歌があるのでなくて、歌のために物語があるシーンがいくつもあって、そこが素晴らしかったと思う。だったら、そのテンションで全編いってほしかったほしかったなぁ。
襲撃の後、歌う決意をするランカ>>続きを読む
最強こども視点映画だった。悲しみと勇気について。ママは電話でも最後に会話をしていて、オスカーは出来なかった。それが悲しみへの向き合い方の差なのかも。だから、オスカーとおじいちゃんは同じ。でもオスカーは>>続きを読む
スーパーへたれ若者&おっさん肯定映画だった。撮影現場が舞台のものって、そこに辿り着けなかった人間からすると憧れがあって。でも理不尽なお願いを図々しくも通してしまう感じに辟易したりもするんだけど、この映>>続きを読む
睨みつける、世界を憎んでいる。世界はまだ男が支配している。世界=男。「女たちを殺したやつを見つける」と言われて顔を上げた時の表情が、一番美しかった。
この映画のシャーリーズ・セロンを好きになろうと思ってずっと見てたけど、ダメだった。痛い…。人物に対する観察が厳しくて、素晴らしい。ハローキティのTシャツ、高校時代のパーカー、ファーストフードでの食事。>>続きを読む
生徒たちの目がキッラキラしてやがるぜ、くそう。彼らが主役なのがよかった。中途半端に大人になった僕は少し考える。いい出来事が起きる時、ポジティブな感情が生まれる時、そこにはどういう作用が起きているんだろ>>続きを読む
手前から奥に、奥から手前に。カメラの動きは物語の動き。そこかしこでゼンマイが回っている。ゼンマイが動かすのは時計。つまり時間。物語の運動は過去と未来を巻き込んでいく。映画についての映画だった。デジタル>>続きを読む
主なシーンは夜である。主人公の生活はリッチに見えるが、内面に翳りを抱えている表れ。その秘密は意外なことに描かれないまま終わる。でも、そのことによって表情の一つ一つに強い印象が残った。主人公のセックスは>>続きを読む
ベタなドラマだったけど面白かった。ヤクザ稼業てものが、もっと身近だった時があるのね。まあ、その後の弊害も色々とある気はするが。しかし、この渡世の仁義ってやつが今、一般人にもすんなりと受け入れられるって>>続きを読む
なんじゃこりゃあ。すごくドラマチックでロマンチックだったけど、なんじゃこりゃあ。微妙に古臭くもあ80年代な感じもした。すべてを憎む心と、誰かへの愛は共存するんだなー、とか。
瀧本智行の映画はいつも画面の黒がきまっていてかっこいいなー。照明がいいのか陰影があって、陰の部分が黒く落ちていると思うのです。それは物語と人物にもあって。どこが光で、どこが影なのかを把握してるってこと>>続きを読む
コスチュームプレイでもアマンダはかわいいなー。くすんだ空と、多くはない会話を見てトワイライトを少し連想してみたり。疑心暗鬼で狼が誰なのか分からなくなるのが面白かった。おとぎ話とジュヴナイルの親和性、な>>続きを読む
ヴェンダース。写真を撮る、矢を射るというshootという単語。デジタルとネガ。生と死。そういうものを重ねてみせる。
こーわーいー。この映画も想像ということで言えば、クロエの伝聞によって、ジュリアン・ムーアの想像が働き、ストーリーが進む。でも、実はっていう…。美しいものってなんか信じてしまう気がしますね。こわいね。
よかったのはスキーターの中にコンスタンティンの教えや心が息づいていること。それが今も彼女を動かすものの一つであること。エイビリーンがエリザベスの子供に自尊心を与えようとしているところ。そうやって混ざり>>続きを読む
大学生の浅薄さとか、ヘタレ加減、弱さ、軽薄さ。そういうものがリアルだと思った。デリヘル呼んじゃうとことか特に。でもそれで青春映画の爽やかさを手に入れてる。なぜカンボジアなのかは分からない、でも…。でも>>続きを読む