kanaさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

4.1

自分が映画を観ながら、同時に耳を澄ませて、電話の先で展開される状況を想像して頭のなかでイメージを作り上げていく行為が本当に新鮮だった。音だけでこんなに伝わるものが多く、想像もできるのかと驚いてしまう。>>続きを読む

怒ればその美しさひときわ輝く(2014年製作の映画)

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“personal is political”の意味が本当に良く理解出来る。時系列に沿った丁寧なドキュメンタリー、段階を経て派生していった活動の様子を映像で観れるのは貴重。

彼女の権利、彼らの決断(2018年製作の映画)

4.5

素晴らしいドキュメンタリー。アメリカにおいて妊娠中絶がポリティカルイシューに、さらには大統領選挙で一定の層を取り込む手段となってしまった過程が本当に丁寧に描かれている。産婦人科医、キリスト教福音派、民>>続きを読む

サスペリア(2018年製作の映画)

5.0

<内容に触れています>まず、わたしはこの映画が物凄く好きだった。トム・ヨークのsusperiumが冒頭流れてカメラがゆっくりまわっていくシーンだけで美しくて感動したし、やはりトム・ヨークのファンである>>続きを読む

哭声 コクソン(2016年製作の映画)

3.8

好きだった。祈祷師最高。観ている途中から、誰の言ってることを事実だという前提のもとに考えていけばいいのか分からなくなって、分からないまま観てたら終わってしまった。終わったあと考えると、誰が正しいかによ>>続きを読む

ブラインド・マッサージ(2014年製作の映画)

3.6

まるでこの映画をどう受け止めて良いのか分からなくなってしまったのだけれど、痛かった。美しさを知りたいと思う狂おしいほどの欲求と、美しさを知ってしまえばあらゆるものの基準が変わってしまうこと。ひどく生々>>続きを読む

ヒューマン・フロー 大地漂流(2017年製作の映画)

2.9

現代美術家としてのアイ・ウェイウェイの作品には感銘を受けてきたし、とても尊敬しているけれど、この映画にはどうしても違和感、さらには不快感さえ覚えるような見逃すことができない点が幾つかあった。一番は難民>>続きを読む

サスペリア(1977年製作の映画)

4.0

すごく好きだった。まず、徹底して使われている赤色が本当に様々な色合いをみせていて、ワインの赤も血の色も壁の色も全部違う。何かを悟っていた盲人も、東欧から働きに来て自分たちの言語を喋る使用人たちも、絶妙>>続きを読む

野獣(2018年製作の映画)

4.5

ひとつも無駄がなく完璧...少年の眼差しで「灼熱の魂」の初めのシーンを思い起こした。猛烈にスピードを出して走ってきたダンプカーはそのあと肝心な時にもぬけの殻、その対比にも恐怖を感じた。

バジュランギおじさんと、小さな迷子(2015年製作の映画)

3.5

毎回良いところでスローモーションが多用されるもんだから、スローモーションくるな..と終盤にかけて身構えちゃったり、暗転して状況が全然変わっていたり突っ込みどころは多かったのだけれど、バジュランギとシャ>>続きを読む

なんだかおかしな物語/ボクの人生を変えた5日間(2010年製作の映画)

3.5

Under pressureをみんなで歌うところとレディオヘッド、ピクシーズ、ヴァンパイアウィーケンドの名前が出てきたときに反射的に心が躍ってしまった。うまく出来すぎた話だとは思うけれど、心の病が別に>>続きを読む

バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)

3.6

初DC作品。思った以上に面白かった、ゴッサムの描写が好き。キリアン マーフィーのスケアクロウが良すぎた。

メアリーの総て(2017年製作の映画)

3.0

題材もストーリーも楽しみにしていたけれど、のめり込めなかった。足早なストーリー展開に置いてけぼりになってしまったのと、台詞が作り込まれている感じになかなかついていけなかった。劇中の男性にも明確に善悪の>>続きを読む

ブラック・ミラー: バンダースナッチ(2018年製作の映画)

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ブラックミラー シリーズの大ファンだけれど、これにはあまりのめり込めなかった。どの選択をとってもそれは自分の自由意志だけれど、結局それには製作者が意図する正誤があって、戻ってまた選択し直さなければいけ>>続きを読む

パリ、18区、夜。(1994年製作の映画)

5.0

素晴らしかった。すべてが繋がるのではなく少しずつ交わる人々。淡々と物語は進んでいって思わず笑ってしまうような滑稽さもある。腹いせに車をぶつけたり劇場で大笑いしたり警官にお菓子を差し出したり...直接的>>続きを読む

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

4.5

1年半ほど劇場での鑑賞を待ち望でいた作品。とても好きだった。言葉が少なく、人物の表情や仕草や行動を眺めることで、そこにある時間の重みや奥行きや意味に想いを馳せることができる。自分もこの世にいないものに>>続きを読む

13回の新月のある年に(1978年製作の映画)

4.3

観終わったあと、どっと疲れてくたくたで、考えることをやめたいくらいになった映画は久しぶりだった。最初に映し出されるあらすじにもある文章から引き込まれて、ずっと画面の映像と字を追い続けた。もうやめてくれ>>続きを読む

テルマ(2017年製作の映画)

3.6

始まりの父親とのシーン、アンニャとのクラブ、水にもぐるところ、良かった。ただ全体的に想像止まりのところが多くて、もっと見せてくれてもよかったな、と思う。あえて淡々としたかったのかもしれないけれど、少し>>続きを読む

運命は踊る(2017年製作の映画)

5.0

鳥肌がたつシーン、心から焼き付いて離れないシーンばかりだった。映画のスクリーンを見つめながらここにずっといたいと思ったのも久しぶり。登場人物の悲しみや喜びの表現はどこか現実味がなくて、だからこそこの作>>続きを読む

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

誠実って何だか全然分からないけど、「誠実じゃない」人間が変わろうとした瞬間、間に合わなかったと気づく瞬間、みているのがつらかった。最初と最後のシーンの繋がりが好き。原作を先に読んでいたから思い入れが強>>続きを読む

判決、ふたつの希望(2017年製作の映画)

3.3

全体的に切り替わりのシーンが多く、気になることが多かった。弁護士や裁判官の感情の機微が少し分かりにくく、クライマックスに向けて無理矢理に全員が動いていくような展開に違和感を拭えなかったところがある。>>続きを読む

人生はビギナーズ(2010年製作の映画)

4.1

少し誰かと距離を縮めると途端に怖くなって自分から関係を切っていく、そういうことを重ねてきたわたしはおかしいんだろうな、と思っていたから、なんだか救われた。ずっと心地よかった。

悲しみに、こんにちは(2017年製作の映画)

5.0

7/25 ユーロスペース
本当に大好きな映画になった。血の描写や最後のフリダの問い詰める台詞が忘れられない