良い映画。日本の特攻兵として出撃した朝鮮の人がいたとは知らなかった。脇を固める名優の演技がよいのと、鶴の真似をする健さんが意外だった!
じんわりと良さが染み込んでくる映画。家庭環境だけでなく、政治、戦争、宗教、銃所有などの社会背景がきちんと盛り込まれている。12年間、リアルタイムで歴史的なシーンを切り取った監督の手腕はさすが。
ティムバートンのダークな面、みんな死んじまえ感が出ているアナーキーな映画だ。米国陸軍に志願した兄よりも、ばあちゃん助けに行った弟の方が最終的に役に立つあたり、とてもシニカル。登場人物の造形に目が行きが>>続きを読む
冒頭のシーンに回帰する美しいラストに泣いた…。ティムバートンのコメディ性やファンタジー感は、人間の醜い部分や社会の矛盾などにしっかり目を向けて構築されている。エドワードが絶対的な善ではないように描かれ>>続きを読む
傑作。PKDの原作は「人間とアンドロイドの違いとは何か」がテーマ。動物を飼う、宗教を信じる、など映画にない要素も。一方、映画の方はレプリカントとの対決に重きを置き、「いずれ迎える寿命に対して、今をどう>>続きを読む
バレエをやりたいという欲求が、炭坑での労働争議という抑圧された状況と重なっている。そして解放への衝動は、ロックなBGMに代弁され、常に通奏低音となっている。それだけに結末も爽快!
スコセッシ節を堪能できる濃厚な映画。暴力描写に独特の美しさすら感じてしまう。ゴッドファーザー級の評価には、そこまででもない気がするが。ラスト、主人公の現実的な選択をどう取るかで賛否が別れそう。
PKディック原作、リンクレーター監督ということで観賞。原作未読ですが、映像化がリンクレーター監督の手腕によって見事にキマッていることは十分伝わってきました。監督の幅広い作風を実感するには良い作品。
無駄に予算かけたなという印象。冤罪と闘うテーマかと思って観ているとなにやら陰謀論的になってゆく。健さんも原田芳雄もカッコよく悪い権力者に立ち向かう。だか、その権力者を生み出すのが誰かというとこまでは描>>続きを読む
鑑賞後に、余韻どころではない後味が続く。メンバーがホテルの部屋に集まって、たばこ片手に各自の撮れ高を鑑賞する構図がよい。映画館の客席も同化して笑いが生まれていました。summer、 2013
芸術の価値とは何なのか。マーガレット本人でさえ、高値で絵が売れると喜ぶし、ウォルターの秘密にも気づかない。ウォーホールのキャンベル缶アートが世間に知られていても、缶自体をデザインした人には脚光があたら>>続きを読む
驚いたのは、この映画が作られたのが1989年、つまり日本でバブルが全盛だった時であること。GM破綻、デトロイト崩壊の20年以上前。ロジャースミスのクリスマス演説と、借家を立ち退いてゆく家族を重ねた編集>>続きを読む
映像は美しく、子ども達の姿は生き生き。が、あまりに過剰な演出の連続。ヒッチハイク、水溜まり、行く手をふさぐトラックなどが次々と登場し、川口浩探検隊を観ている気分でした。 ふざけていない分、醜悪さを感じ>>続きを読む
余って棄てられる食糧がテーマかと思いきや、食料業界の問題を広範に扱う。工業化やグローバル化により、食品本来の鮮度や風味よりも、効率や利益が優先されていく様子がよくわかる。ネスレは出てきたけどモンサント>>続きを読む
自分にとっては、悪夢のような結末よりも、アンドリューの両親がシャーリーと会っている様子が衝撃だった。予測し得なかった方向に進んでゆく現実を収めた稀有な作品だが、異常者を糾弾するだけで終わらない何かを見>>続きを読む
10万年後の人類にどう伝えるか。オンカロに関わる人達の葛藤は、核廃棄物の最終処分について考えさせる。原子力発電の近況や、私達のライフスタイルに対する問題提起も盛り込めば、より重厚な映画になったかも。
イルカ漁も文化として認められてこそ多様性だろうと思うが、立場を異にするこの映画、イルカ漁の是非を問わずに観れば大変面白い!アポ無し突撃に盗撮大作戦。リックオリバーがイルカを守ることに固執する。世の中を>>続きを読む
こういう校長先生がいるんだ!こんな教育の現場があるんだ!観れば希望が湧いてきて、今の社会をどっかで諦めている自分が恥ずかしくなる。ここで学んだ生徒、教えた先生、みんな凄い人物に育っていくんじゃないかな>>続きを読む
これは傑作!ルディの唄は、最後にカメラに向かって「いつの日か(=原題 any day now)私たちは解放される」と宣言する。ポールの抑制の利いた手紙と相まって、観る者の心を揺さぶります。
バイクでのチェイスが秀逸。アクションが凄いのでストーリーが途中からどうでもよくなってしまった。2時間ジェットコースターに乗りっぱなしのような感覚。劇場で観ましょう!
「ガタカ」の監督&主演コンビということで劇場へ。静けさの中から沸き起こってくる問題提起。観るものに疑似体験を迫るモニター映像の多用。必要最小限に抑えられたセリフ。好みの映画でした。
種類の違い、育て方の違いなど、牛のことがいろいろわかる。手塩にかけて育てた松阪牛は、やはりうまそう。
主人公、先生、両親、親友などキャラのたった俳優の演技が見事。校内発表のデュオでは途中でハッとさせられたけど、このシーンが後で効いてくる…。通訳では当たり障りない言葉を選んでいた彼女が、歌でビシッと愛を>>続きを読む
この監督は、メガヒットを義務づけられたアイアンマンを途中降板したとか。さぞかし不本意な思いをしたのだろう。その想いが、ノリの良い音楽と美味そうな料理となって爆発。働く者であれば誰もが持つ「こんなもんじ>>続きを読む
自らが行った殺人という「行為」を、時を経て「演じる」こと。実際の現場で、当初はダンスを踊るアンワル。だが、セットの村に火を放ち、虐殺を再現してゆきうちに虚実が交錯、登場人物の中には本気で命乞いをする者>>続きを読む
前作の「アクトオブキリング」は、殺戮行為の加害者が自らを称賛する裏にある罪悪感を描いた。被害者側の視点で作られた本作は、その罪悪感の先にある「なぜ」を問う。大義名分さえあれば人間はここまで残虐になると>>続きを読む
設定がややチープな気がしたが、ピクサーお得意のドキドキストーリーに乗っかることができ満足。喜びと悲しみは表裏一体。まさに原題の「inside out」。過剰に前向きさを求める社会に一石を投じる良作。
モノトーンのモーションキャプチャーで、本家フランケンシュタイン感の再現がバッチリ。雷の電気で生命を再生させることの背景に、科学にも「愛」が必要だというメッセージが込められている。無難な結末が予想外…。
まさかアカデミー作品賞『スポットライト』を生み出すことになるとは。観といて良かった。
ラナプラザビル崩壊事故に関心があったので鑑賞。働かせる会社もひどいが消費に夢中になる我々もどうか。バーゲンでモールになだれ込む買い物客と、トラックの荷台で縫製工場に運ばれるバングラディシュの女性達が対>>続きを読む
東海テレビの阿武野作品ということで鑑賞。対象に密着するうち、徐々に彼らのことを知り、過剰な偏見から解放される。その結果、彼らを執拗に排除する社会の側に恐ろしさを感じるという仕掛け。共存、共生について考>>続きを読む
ゾンダーコマンドを疑似体験させられるカメラワークはのっけからヘビー。ただその分、眼前の出来事から目が離せなくなる。人間の心を捨てなくてはならない場面は周囲がボヤけ、取り戻すとハッキリ見えるという心理描>>続きを読む
登場人物の区別がしやすいキャラ付けと、金融商品のユニークな説明が秀逸。特にジェンガを使ったプレゼンに感心。原作のオムニバス的な作りを引き継ぎ、引用文や楽曲を選ぶセンスが面白い。難解なテーマをうまく娯楽>>続きを読む
バンクシーとは謎の人物ではなく、ある種のプロジェクトであり概念のようなもの。それを目の当たりにした者が、何か行動したくなる。世界が少し良い方向に向かうのでは、という希望を持たせてくれる爽快な出来事。
原題のART AND CRAFTは、高等な技巧で模倣品を作る行為が「創作」か否かを問う。食事は電子レンジ、テレビはつけっ放しの生活で「生」を実感するのは作る時間。都築響一の『独居老人スタイル』を思い出>>続きを読む
徹底して日常風景を描くことで、その日常が少しづつ歪んてゆく様子を描写している。長閑な風景が爆撃される様は、他人事と思わせない説得力を伴う。義理の姉が思いやりと悪意を併せ持つところに、戦争を起こす人間の>>続きを読む