鹿苑寺と慈照寺さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.4

前作のレビューでストーリー性が欠けていることが難点と書いた。本作も上映時間169分でひたすらアクションシーンが続き、ジョン・ウィックは殺し、殺し、殺しの連続。ただ、前作と大きく違うのは、ジョン・ウィッ>>続きを読む

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.3

家にも学校にも居場所のない孤独な9歳の少女コット。夏休みを親戚夫婦の家で過ごすことになったコットが1人の人間として受容され、居場所を見つける過程を描く。

序盤のコットの孤独を描くパート。コットの表情
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ホーム・アローン2(1992年製作の映画)

3.9

前作よりもケビンの仕掛けが過激になっていてやりすぎ感はあるけれど、面白かった。

コメディーとしても面白いし、ケビンだけでなくバズも少しだけ大人になるなど成長もあって良かった(バズはほんの少しだけど)
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ホーム・アローン(1990年製作の映画)

4.4

【親が思う以上に子供は逞しい】

今までなぜ鑑賞していなかった名作中の名作。面白い。めちゃくちゃ笑った。

何かと問題を起こしがちなケビンがパリに旅行に行く家族に置いていかれ、最初は1人での自由なひと
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知らない、ふたり(2016年製作の映画)

3.4

オチも含めて全体的には微妙と言わざるを得ないけれど、「じゃあ結婚しよう」からの「じゃあ」をめぐる一連の台詞が尊すぎた。このシーンを観るだけでも価値があるし、木南晴夏さんと芹澤興人さんのあまりの自然体な>>続きを読む

Lift/リフト(2024年製作の映画)

3.8

「オーシャンズ11」を彷彿とさせる強盗団のお話。計画→準備→実行のプロセスはやはりワクワクさせられるし、チームメンバーがそれぞれ金庫破りやパイロットなど個性豊かで楽しめる。

もちろん「オーシャンズ1
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サッドティー(2013年製作の映画)

3.9

「人を好きになる」にまつわる様々な男女の群像劇。登場人物たちの恋愛観は少しずつズレながらもそれらが交差していく様が面白い。

同じ部屋にいる男女が性的な雰囲気になることもなくテーブルを挟んでずっとお喋
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Saltburn(2023年製作の映画)

4.0

序盤から中盤あたりはなんか退屈だなあと感じていたけれど、終盤にいくにつれて「あれ……おかしいぞ???」となってからのラスト。最高だわ。

バリーコーガンの何とも言えない薄気味悪さ、不気味さが存分に活か
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笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

3.8

ケータイ大喜利やオードリーANNなどのハガキ職人として伝説を残したツチヤタカユキさんの、笑いに取り憑かれ、笑いに人生をかけた半生を描いた本作。

僕自身がお笑い芸人のラジオが大好きで、オードリーANN
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リゾートバイト(2023年製作の映画)

3.4

正統派ホラーな冒頭から青春ポップバンドPV、呪術バトル、ズッコケギャグ、しっかりと怖いラストと様々な側面を見せてくれる新感覚のホラー。

正直なところホラー作品でギャグに振り切るのはまったく好きじゃな
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バスケット・ケース(1982年製作の映画)

3.4

冒頭はなかなかホラー映画って感じやけど、中盤がちょっと凡庸に思えた。ただ、途中までベリアルの姿を見せずにいたのは正解だし、最悪のラストも最高。

ていうか続編が2本も作られてるんかい。しかも1の悲劇的
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キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002年製作の映画)

4.0

本作が実話を基にしているというのがまず驚きだ。地頭の良さとピンチのときの機転の利く行動、加えて大胆な犯行。犯罪者であるにも関わらずとても魅力的な人間だと思えてしまう。

レオナルド・ディカプリオ演じる
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家族ゲーム(1983年製作の映画)

4.0

横並びの食卓テーブルに並んで座る家族に息子の家庭教師という異分子が入ってくるという設定がもう面白い。

冒頭から終盤まで劇伴なしで咀嚼音や生活音が強調された演出が異質でどんどん引き込まれていった。スト
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

4.3

本作を観ていて真っ先に思い出したのは僕が小学生だったときの思い出だ。大阪の阿倍野区というところに住んでいた僕の友人が「海を見たい」と言い始め、また他の友人が「南港ってところやったら海が見れるらしいで」>>続きを読む

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

3.6

夫には離別され、子供も仕事もお金も失ったワンダはバーで出会った犯罪者デニスと逃避行することになる。

何事にも受動的で自己肯定感の低いワンダ。「何も持っていない。これまでもこれからも」という台詞が印象
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レディ・オア・ノット(2019年製作の映画)

4.3

大富豪の一族の息子と結婚した主人公グレース。結婚式の夜、グレースは一族伝統の命懸けの殺人鬼ごっこに参加することになる様を描いたホラー作品。

殺人鬼ごっこということで、しっかりグロくてホラーな仕上がり
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死霊のはらわた(1981年製作の映画)

3.5

しっかりとグロくて怖い。ずっとハイテンションの恐怖の連打が凄まじい。主人公の顔芸も面白い。終盤15分、主人公が1人生き残ってからの画角がホラー画角大喜利になっていて好き。

以下は個人的なメモ
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コカイン・ベア(2023年製作の映画)

3.4

キャラクターは面白い、クマがコカインで凶暴化するっていうアイデアは良いけど、ずっとつまらなくて退屈だった。特に書くことがないです。

以下は個人的なメモ
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出典Wikipedia

コカイン
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激突!(1971年製作の映画)

3.8

ずっと観ようと思って観れていなかった作品。

今では社会問題化している煽り運転。当時はカテゴライズされていなかったからこその不気味さと恐怖。タンクローリーを運転している人の姿を徹底的に見せないようにし
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BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

2.8

キャストは素晴らしいし、どの役者も存在感があって役柄にバチッとハマってはいるんだけれど、物語に終始ワクワクしないし、引き込まれない。
主人公2人と対立する敵役たちが呆気なく負けてしまい、観ていて「やば
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ファルコン・レイク(2022年製作の映画)

4.0

ずっと観たかった作品。やっと観れました。

カナダの湖畔でひと夏を過ごすことになった14歳の少年バスティアンと3つ年上の少女クロエとの交流を描く本作。ひと夏の交流という青春の甘酸っぱさと終始漂う死の匂
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そばかす(2022年製作の映画)

4.1

恋愛感情が湧かないという佳純(三浦透子)にめちゃくちゃ共感した。これまでちゃんと好きなった人なんていないし、もはや恋愛感情が分からなくなっている。彼女は欲しいのに、でも好きになれない。さらに言うと、人>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

4.6

プロポーズの翌日に失踪した川辺市子(杉咲花)。婚約者の長谷川義則(若葉竜也)は市子を知る人物たちを訪ね、市子の本当の姿を知ることになる。そこには市子の抗えない壮絶な過去と境遇があった。

キャスト、ス
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ヴィデオドローム(1982年製作の映画)

3.6

CGじゃない特撮ならではの独特の気持ち悪さとグロさオンパレード。キモい、でもなんか見たくなる映像がとても良い。

ストーリー的にもビデオという古いものながら今の時代にも通底する点(現実と虚構の境界、一
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終わらない週末(2023年製作の映画)

4.1

めちゃくちゃ面白い。最初から最後までずっと不気味で不穏な空気感が漂い、SF?ディストピア?それとも他の何か?というように頭の中で想像を巡らせながら観ることができた。めちゃくちゃ良い。上映時間2時間20>>続きを読む

辻占恋慕(2020年製作の映画)

3.4

夢を追う人が夢に一区切りをつける。諦めたくない、でも続けても先がない。そんな逡巡が、ラストの観客への煽りに至ったのだと思った。自分たちが自信を持って作った作品が届くべき人に届かない。これはなかなか辛い>>続きを読む

湯道(2023年製作の映画)

3.4

物語はまるきん温泉を訪れる様々な人々の群像劇でこれといった事件が起きるわけではないが、それぞれの人々の日常を描いていて良かった。

銭湯とか温泉に行きたくなるし、鑑賞後のお風呂が何だか最高だった。
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生きててごめんなさい(2023年製作の映画)

4.5

未練がある男と次に進もうとする女のカップルの居酒屋での何気ない会話から綺麗に主人公である園田修一と清川莉奈の出会いのシーンにスライドしていく冒頭からまず心を掴まれた。しかも冒頭のこのカップルの会話がラ>>続きを読む

日本で一番悪い奴ら(2016年製作の映画)

3.4

実話を元にした作品が大好きだから観てみた。

全体的にコメディっぽく描いているように見えた。諸星(綾野剛)と黒岩(中村獅童)が初めて会うシーンは最初の緊張感からの落差なんてまさにそう。そんなちょっとコ
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サマー・オブ・84(2017年製作の映画)

4.2

「連続殺人鬼も誰かの隣人だ」

郊外の田舎街で子供が相次いだ殺された。15歳の少年デイビーは向かいに住む警官マッキーを連続殺人の犯人と疑い、友人のイーツ、ウッディ、ファラディと捜査を開始する。

青春
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聖の青春(2016年製作の映画)

3.6

将棋は詳しくないし、村山聖という人物も本作で初めて知ったけれど、将棋に命をかけている姿が伝わるとても良い作品だった。

終盤での村山聖と羽生善治の一戦は体調が悪い中の激戦。めちゃくちゃ見応えがあった。
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正欲(2023年製作の映画)

3.8

朝井リョウさんの『正欲』に衝撃を受け、noteに傑作かつ怪作と書くくらい大好きな作品。映画化はとても嬉しいが、その反面「あの作品を果たして映像化できるのか?正しく届くのか?」という不安がめちゃくちゃあ>>続きを読む

Winny(2023年製作の映画)

4.5

Winny開発者の金子勇さんが著作権法違反幇助の罪から無罪を勝ち取るまでの半生を描いた作品。

劇場で観ようと思って観れなかったので、ようやく配信で。Winny事件のときはまだ12歳でパソコンも使って
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ゴジラVSメカゴジラ(1993年製作の映画)

3.7

オープニングのメカゴジラのアップ、BGM、タイトルクレジットからテンションが上がる。

子供のときに観ているはずなんだけれど、ほとんど覚えていなかった。でも、あの有名な清水寺のシーンはかすかに覚えてい
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.0

11歳のソフィーは離れて暮らす父親とリゾート地に旅行にやってきた。20年経ってソフィーは旅先で撮った映像を見返すうちに父親の知らなかった一面を知ることになる。

あらすじを読むだけではまったく計り知れ
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ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)

4.0

カトウの1階のカフェのモニターと自宅のテレビが2分の時差で繋がってしまったことで巻き起こる騒動を描いたSF作品。

今年公開された「リバー、流れないでよ」の2分という短い時間を扱ったSF設定の原型とも
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