おおたさんの映画レビュー・感想・評価

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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.2

袖振り合うも多生の縁。

皆大人で、切なく最高だった。
スケールのとても小さい話なのに、音楽も映像も素晴らしく、ずっと観ていられる。
感情をセリフで説明しない奥ゆかしさ/洒落感があり、邦画にも見習って
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ノマドランド(2020年製作の映画)

3.0

喪失感を抱えたまま放浪するハウスレスな女性の話。

喪失感を埋めるために旅をしている様にも見えず、この無目的な(単に貧困に端を発する)流浪感がむしろ現代的であるとは思ったが、あまりにも展開がなく間延び
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

1部は導入だったこともあってストーリーはほとんど展開しなかったが、本作はめちゃくちゃ展開も躍動感もあって最高。

一方で、スパイスを巡る政争である点や、大衆を操るために戦略的に宗教的シンボルになる点、
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.7

フランケンシュタイン+ヨルゴス・ランティモス

父権主義、抑圧からの解放。
世界観に目眩がする。

主人公に移植された胎児の生物学的性が男性であったか女性であったか明かされないという指摘をみて、ジェン
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.2

横溝正史「犬神家の一族」、特に佐兵衛翁の話。
封建的家父長制がいくところまでいくと…

最後「墓場鬼太郎」に繋がるのもいい。
梶井基次郎「桜の樹の下には」も参照されている。

水木しげるは「総員玉砕せ
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.6

冒頭Radiohead 「Creep」でやられ、その歌詞のクリティカルさが最後まで効いていた。
「Creep」がGotGの為に作られたと錯覚する程。

そして最後vol.1オープニングのRedbone
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スマイル(2022年製作の映画)

2.0

「リング」や「It Follows」的な、ルールのある呪い伝播もの。

ありきたりで目新しさはなく残念。

名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊(2023年製作の映画)

2.5

ケネス・ブラナー版ポアロ3作目。
ホラーテイスト多めだけど、もちろん超常現象でない事は皆分かっており、ジャンプスケアもなんだかなぁ、、という感じ。

やたら斜めに傾いたショットとか、変な角度からのショ
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.2

面白かった
iMAXの臨場感でもってかれた!

Avalanches「Because I’m Me」を流してくれてありがとう!曲だけで泣きそうになる。
Iggy Pop & The Stooges「S
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死霊館のシスター 呪いの秘密(2023年製作の映画)

2.3

1が面白かった分期待してたけど残念。
ただ普通の鬼ごっこを見せられてる感じ。

ちゃんとジェームズワンが指揮してくれる3があるなら期待。

X エックス(2022年製作の映画)

3.0

サイコホラー
爺さん婆さんの、決して機敏ではない動きと、無感情に見える感じが怖い。
前日譚も見なきゃ

直接であれ比喩であれ、性欲に絡めたホラーものは最近めちゃくちゃ多いな。

バービー(2023年製作の映画)

4.1

グレタ・ガーウィグとノア・バームバックの考える、主役マーゴット・ロビーのバービーなんて最高に決まっている。

終盤のマテル社幹部達の「本当は俺たちは「くすぐり合い」がしたかったんだ」という描写に、心底
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.8

宮崎駿自身によるセルフオマージュの様。

色んな視点から語られると思うが、宮崎駿が後世へ伝えたいと思っている本作のメッセージに関しては全肯定したい。


森見登美彦「熱帯」味を感じた。
おばあちゃん達
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パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

3.8

めちゃくちゃ楽しかった!
主人公に共感してしまう

JKシモンズもいい味だしてる。

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

3.6

複雑な構成の脚本。
様々なものが風刺されてて、一回見ただけじゃ分からなかった。

カラダ探し(2022年製作の映画)

1.5

「ブレックファスト・クラブ」+「ハッピー・デス・デイ」

ホラーではない。

バビロン(2021年製作の映画)

2.5

映画産業勃興期の狂乱/喧騒と、ハイカルチャーと対比した時に映画が見なされていた低俗感とその悲哀を全面に表現しており、またサイレントからトーキーへの移行期で取り残された俳優の悲哀も描かれている。

映画
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

2.0

ポール・トーマス・アンダーソン作品。

子役として少し大人の世界に背伸びしてる高校生と、無目的に歳を重ねたヒロインとの青春もの。

文化感が違い過ぎて、おそらく絶妙なツボを突いているのであろうノスタル
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.0

ジョーダン・ピール新作。
モンスター+西部劇でけっこーB級感ある作品。

一方的に「見られる」事の、生理的な気持ち悪さ/危機感/防衛本能について、
あの生き物、馬、猿、登場人物、皆からそれぞれ感じられ
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

2.0

半羊半人のグロテスクさとか、神話的メタファーとか、謎解きとかが描かれるんだろうと思わせる予告だったから、期待外れ。

アイスランドの霧に包まれた田舎の風景は綺麗だった。

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密(2022年製作の映画)

2.0

マッツ・ミケルセンだけは最高!

麒麟の判断がそこまで権威をもつ理由付けも乏しいし、皆が従う理由もよく分からない。
けど、ハリーポッターユニバースはどういう形であれ続いて欲しい。

ハリー・ポッター20周年記念:リターン・トゥ・ホグワーツ(2022年製作の映画)

4.0

Amazonのレンタルに出ていてやっと鑑賞。

役者同士の当時の関係性や、ビハインドシーンが当事者によって語られて、同窓会って感じで最高!

子役が大御所に囲まれながら徐々に1人の俳優として成長し、大
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東京物語(1953年製作の映画)

5.0

こんな完璧な映画を初めて観た。

70年前にこんなに繊細なテーマを扱っている事に驚きだし、むしろ普遍的な問題にも関わらず現代でも全く手がつけられていない領域の主題といっていい。

感情を煽るBGMや、
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ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

4.0

ナイブズ・アウト2作目。
ダニエル・クレイグ好きとしてずっと待ってた。

気楽に見られる娯楽ミステリーとして最高!
キャストがとにかく豪華だし、エドワード・ノートンの成金感が、資本主義に抗っていた「フ
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ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(2022年製作の映画)

3.7

本当にストップモーション⁉︎と思うくらいヌルヌル動くデルトロ版ピノキオ。
「人生に意味を与えるただ1つのもの、それは、はかなさ」が印象的。

デルトロ得意のカーニバルの見せ物小屋が今回も見られるし、「
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.3

最高だった。
視点を変えるとこんなに別の印象の話になるのかと思い、脚本に感服した。

90年代半ばの「かっこよさ」、雰囲気がちゃんと出てて、めちゃくちゃ懐かしくてグッときた。
かっこいい!

とにかく
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友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

3.5

キアロスタミ監督のコケル・トリロジー第1作。
ハード版「はじめてのおつかい」
イラン版「大人は判ってくれない」

イランの田舎の風景は凄くいいけど、大人の子供に対する接し方や、教育の仕方が異文化すぎて
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桜桃の味(1997年製作の映画)

3.7

キアロスタミ監督のパルムドール受賞作。

自殺したい男が、自身の死を見届けて埋葬してくれる相手を探す話。
スカウト相手とのコミュニケーションを通して、主人公の心情が観る側にぼんやり分かる様な…という凄
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.3

男性性の加害性を主題にして、メタファー盛り盛りでホラーテイストにした作品。
支配できると思う発想自体が女性蔑視。

タンポポの綿毛は精子のメタファーだろうし、色んな比喩に満ちてる。「It Follow
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マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル(2022年製作の映画)

3.5

ホリデースペシャルはこういうのでいいんだよ!
ドラックス大好き!

ケヴィンベーコンよく出てくれた!
「フットルース」とか「狼の死刑宣告」とか見返したくなった。

アイネクライネナハトムジーク(2019年製作の映画)

1.9

今泉力哉監督、伊坂幸太郎原作。

群像劇。
運命は後から振り返った結果論としてのみある。

藤原季節のシーン少なかったけど、出てくるだけでちょっとヒリっとウェットな空気になるからめちゃくちゃ好き。
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

3.4

階級と幸福は比例しない。
「自分で動かないと実家のレールに沿うだけ。その点で私たちは似ている」という水原希子のセリフが印象的。

人の流動性が高まった事と、自由恋愛が主流になった現代では、階級を強固に
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街の上で(2019年製作の映画)

3.6

今泉力哉監督。
「愛がなんだ」を見てからずっと見たかったが、やっと鑑賞できた。

主人公とイハとの部屋での微妙な距離感が絶妙だし、翌日の関係者勢揃いはコメディだった。

カチッとした脚本というよりも「
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

3.9

ジョナヒル!A24!
Trent Reznorが音楽監修してて「ソーシャルネットワーク」的な冒頭のノイジーなBGMから最高。

多感な少年が治安の悪いとされているコミュニティに入り、居場所を作る話。ス
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レディ・バード(2017年製作の映画)

3.5

「若草物語」と同じグレタ・ガーウィグ監督、シアーシャ・ローナン、ティモシー・シャラメの共演が、もうそれだけで最高。

思春期の拗らせてる演技/演出がうますぎる。
後半の別れ際の母親との距離感も最高。
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聖なる証(2022年製作の映画)

4.0

冒頭の「私たちは物語あっての存在」
が一貫したテーマ。

大きな飢饉の後で教会が信仰の象徴を欲していた背景や、家庭内のある大きな秘密など、様々な思惑から「聖なる者」を引き受けた子の話。

脚本が凄くよ
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