たにぐそさんの映画レビュー・感想・評価

たにぐそ

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マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間(2023年製作の映画)

4.8

2022年2月24日から始まったウクライナ侵攻。侵攻直後にロシア軍に包囲された“マリウポリ市”にたったひとり残ったAP通信の記者が町の人々を間近で撮り続けた20日間のドキュメンタリー。

昨年のアカデ
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リアル・ペイン〜心の旅〜(2024年製作の映画)

4.4

“痛み”を抱えたユダヤ系アメリカ人の凸凹従兄弟のロードムービー。ポーランド各地のあれそれが知れるのも良い観光映画でもある。

バディロードムービーというありがちなジャンルですが、従兄弟同士というのが珍
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野生の島のロズ(2024年製作の映画)

3.5

ドリームワークスアニメーション最新作。ノミネーションも盛んな話題作です。

細やかな動物たちの描写に絵画的で美麗な映像、102分に詰め込んだ王道の感動ストーリー、何よりも健気なロボットがボロボロなるま
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アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方(2024年製作の映画)

4.3

リアルタイムでの実在人物の政治的評価、人間的評価はさておき、とにかく2025年現在へ確実に通じている“アメリカ批評🇺🇸🗽”として相当な傑作でした。

空っぽな“器”でしかなかった初心な青年ドナルドに、
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ビーキーパー(2024年製作の映画)

3.8

タクティカルインフレーションで益々“チャック・ノリス化”が進む最近のステイサムの中でも史上最強クラスの今作。

若干の単調さは否めないがゴリゴリ組手やる感じが良い。殺人マシーンというかもはや“自然災害
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機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-(2025年製作の映画)

4.0

オタクの夢

いやー面白い!こりゃもう企画段階での勝利というか!

ガンダムの感想でこう言うのもセンスがないですが、色々“マクロスF”っぽいアニメだなぁと思いました。

放送開始が待ち遠しい、とガンダ
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テトリス(2023年製作の映画)

4.5

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今となっては普通名詞レベルに社会に浸透したパズルゲーム“テトリス”が広まるきっかけとなったビジネスヒストリー。

実話ベースながらぶくぶくに膨らませた脚色が良く、Appl
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セキュリティ・チェック(2024年製作の映画)

4.0

“ジョン・マクレーン”リスペクトな孤軍奮闘型アクションスリラー。評判通りの良作でした。

あとリーアム・ニーソンのアクション映画っぽいなぁと思ったら“ラン・オールナイト”や“アンノウン”と同じ監督で納
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ドキュメンタリー オブ ベイビーわるきゅーれ(2024年製作の映画)

-

“ナイスデイズ”鑑賞直後に観るのはどうかなぁ⋯と思っていたので、ちょっと間を空けた年始に鑑賞。なるほど〜

ドキュメンタリー映画の出来として言いたいことは多々あれど、地方ロケでアクション撮影を行うシビ
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グランメゾン・パリ(2024年製作の映画)

3.7

グランメゾン完結編はパリ編だ!昨年にU-NEXTで一気に観てハマり、年末のスペシャルドラマを経ての劇場版です。

日曜劇場版は“早見倫子”、スペシャルドラマ版は“平古祥平”の物語でしたが、今作は料理監
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マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

4.2

元旦映画初め🌄はA24のストップモーションアニメ。派手さはないけど中々丁寧に作られたモキュメンタリーでした。

どこかNHK教育の“ニャッキ!”を思い起こさせる可愛い&ちょい不憫なキャラクター“貝のマ
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密輸 1970(2023年製作の映画)

3.5

期待していたのですが、うーん正直あまり70年代のけばけばしい世界観と韓国コメディの負の相乗効果のせいか肌に合わず。。。

前半部分でテンポが速く血圧も高めな割に、展開が段取りくさく感じて肝心の後半まで
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.9

甘いものは心も懐も豊かにするんだなぁ(大嘘)

ドーナツに人生をかけた男達の切ないブラザーフッドムービー。

正直大した話ではないんだけど、牛歩のごとくゆったり進むように、映画内に雄大で贅沢な時間が流
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.3

“ ハ ”

マーティン・マクドナーの秀作をようやく鑑賞。“スリー・ビルボード”に通じる強情者映画。さながら熟年離婚の様相だけど案外笑える部分も多く、重くなりすぎないのが良い。

コリン・ファレル演じ
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ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

4.1

「なんかこんな感じかなぁ」という地味目な予想を超える尖った作風でした。ものすごく豊かな画作り、とにかく美しい映画だった。

さながら印象派の絵画のようで、今年の新作だと「ぼくのお日さま」に匹敵する撮影
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大きな家(2024年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

同監督の“14歳の栞”と同じフォーマットで作られた児童養護施設=大きな家🏠️の子供たちの瑞々しいドキュメンタリー。

発達心理学やら児童福祉について詳しいことは正直わからないし、企画の性質上ネガティブ
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ザ・バイクライダーズ(2023年製作の映画)

4.1

かっこいいが渋滞してやがる…トム・ハーディの叔父貴的魅力が130%活かされた1本、最後はもらい泣きですよ。

“ホモソーシャルVS嫁”という古今東西あるあるな対決構図の大筋はあれど、過激になっていく集
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トランスフォーマー/ONE(2024年製作の映画)

4.3

TFシリーズには明るくないですが、いやー評判通り面白かった!

2024年における“LEGOムービーシリーズ”や“ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り”と同じく舐めてた枠。

原点回帰的に玩
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ドリーム・シナリオ(2023年製作の映画)

3.7

タモさん「昨晩、あなたの夢にこの男が出てきませんでしたか?」という語りから始まりそうな奇妙な世界。

安定のA24&アリ・アスター印(製作)の不条理スリラーでした。

冴えないけど平穏な日常を送る良き
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動物界(2023年製作の映画)

4.4

昔「動物占い」って流行りましたよね。そんな「あなたが動物になったら」というお話。結構ハマりました。

裾野が広い社会風刺とエグ目の設定の近未来SFはなんとなくポン・ジュノっぽい作風。

人間中心の社会
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アット・ザ・ベンチ(2024年製作の映画)

4.0

都心で気持ちよくぼーっとできるただっ広い場所って、海っぺりの埋立地か今作に出てくるような河川敷しかありませんよね。

そんな河川敷のベンチに腰掛ける人間模様を描いたオムニバス5編、2024年の日本で考
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SUPER HAPPY FOREVER(2024年製作の映画)

3.9

予告編でビビッときた「スパハピ!」中々タイミングが合わず、公開からだいぶ経ってしまったけど良かった!

まず伊豆にある古めのリゾートホテルというロケーションが勝ち。鄙びた旅館とはまた違い、やや都会的か
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グラディエーターII 英雄を呼ぶ声(2024年製作の映画)

3.7

2024年最後の超大作と言っても過言ではない今作、そしてあの「グラディエーター」の23年ぶりの続編がまさか【ローマ帝国版アウトレイジ】だったとは!

結論から言うと、楽しい!…けど叙事詩としては大いな
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トラップ(2024年製作の映画)

4.0

責任者・おじ・シャマランすき

へんちくりんな話を演技演出で見せきった手腕、スリラー映画としてのツイストやサービス満点で普通に満足でした。

ダム・マネー ウォール街を狙え!(2023年製作の映画)

3.8

「マネー・ショート」の「その後」を描いた米国金融残酷物語。

マネーゲーム版「電車男」というか、まぁ蟻が象を倒す分かりやすいジャイアントキリングな要素も含めつつ、ウザさが絶妙なイーロン・マスク(声の出
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十一人の賊軍(2024年製作の映画)

3.4

んーダメな方のスーサイド・スクワッドみたい。よくある凡庸なアクション時代劇の域に収まっていて、白石監督作としては期待外れでした…

集団抗争時代劇と称しやりたいことはわかるけど…まともに攻城戦やゲリラ
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異人たち(2023年製作の映画)

3.9

評判通りの傑作、愛すべき幽霊映画でした。

山田太一著の原典や大林宣彦版は未見。

それぞれの世代の価値観の変化、感情の複雑さを扱ったクィアムービーという視点でも良作と言えるし、ヘテロセクシャルの人に
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ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(2024年製作の映画)

4.0

【自分をジョーカーだと思い込んでいる一般人】

色々な意味で話題作……厳しい批評で語られがちなので恐る恐る観てみたら、ハードル下がってたのもあってか普通に応援したい作品になりました。美術も素晴らしいし
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シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

3.8

【戦場カメラマンinUSA〜🇺🇸🗽】

さすがのA24、堂々たるエンタメ大作かつ野心作というね。

まず、つかみのビジュアル一発でアポカリプティックな世界をわからせる「イカれた時代にようこそ!」な生々
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憐れみの3章(2024年製作の映画)

4.1

【昏睡レイプ!野獣と化した元旦那】

「愛と支配」について語るエロ・グロ・ナンセンス満載の三編、皆達者な俳優陣がやはり素晴らしい。

誇張しすぎた人間の性、とにかく生真面目に奇人変人狂人たちの愛執を描
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Cloud クラウド(2024年製作の映画)

4.3

【悪縁の線状降水帯】

いやーめちゃくちゃ面白かったっす!!

「Chime」に続いて今年の黒沢監督ノリノリっすね!相変わらず美しくも変な映画。

じっとり不気味に描かれる人間関係の不協和音

ここま
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ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ(2024年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

恥ずかしながら鑑賞後、友人と直行で焼き肉食いに行ったしケーキも買って割り箸で食ったしでもう

邦画アクションの到達点、阪元監督が「2ベイビー」のパンフレットで寄せていた「次はウィンター・ソルジャーみた
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ラストマイル(2024年製作の映画)

2.9

【TVドラマ的エンタメ×プロレタリア文学】として志は高い企画とは思うが……うーんこれは期待しすぎだったか

一種のファンムービーに野暮な酷評レビューなので書こうか迷ったけど、明らかな欠点はそこではない
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ぼくのお日さま(2024年製作の映画)

4.3

分厚い雪に閉ざされつつ柔らかなお日さま射し込む、そんな北海道の田舎町のスケートリンクでの瑞々しいお話。

「青春」というにはまだ早く、あまりにも可愛らしく無垢でいて、そして痛い…こんなに切ない三角関係
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