かなり悪いオヤジさんの映画レビュー・感想・評価 - 18ページ目

かなり悪いオヤジ

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レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

4.0

仮面ライダー1号・2号を見て育ったようなものである自分は、この映画に登場するキャラが大好きなオタクの方たちよりも一回り上の世代。ガンダムだの、赤い彗星シャーだのと皆さんが夢中になっていた頃は、すでにア>>続きを読む

COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

3.4

くっつきはなれてを繰り返す亡命芸術家ヴィクトルと民族舞踊団のスターズーラ。監督のパヴェウ・パブリコフスキによるとモデルは両親だそうで、国境をまたいでいったりきたり、別れてはまた一緒になる2人の関係性が>>続きを読む

イエスタデイ(2019年製作の映画)

3.8

もしもビートルズが
この世から消えてしまったら、
ローリング・ストーンズはそのままだけど
オアシスのWhateverだって聴けなくなるんだ
コーラもシガレットも
君の好きなハリー・ポッターだって
みん
>>続きを読む

別離(2011年製作の映画)

3.4

『彼女が消えた浜辺』を劇場で見た時にも感じたのだが、イラン国籍の監督でありながらきわめてユーロ映画っぽい作品を撮るアスガー・ファハルディー。同じイランの巨匠アッバス・キアロスタミが撮った作品なんぞは、>>続きを読む

アンダー・ザ・シルバーレイク(2018年製作の映画)

-

アメリカの薄っぺらなポップカルチャーを描くために、表現もうすっぺらくしたら、薄っぺらそのままの評価を頂戴してしまったという作品。映画ラストで、主人公が滞納していた部屋を見学にやって来た新しい住人が、部>>続きを読む

昔々、アナトリアで(2011年製作の映画)

4.5

カンヌでグランプリを獲得しながらDVDスルーの憂き目にあった残念な作品。よしんば劇場公開されたとしても日本人の皆さんにはあまり受けなかったかもしれない。各国を放浪の末、写真家兼映画監督になった珍しい経>>続きを読む

4ヶ月、3週と2日(2007年製作の映画)

4.0

この映画を見た欧米人と我々日本人とでは感じ方がそれぞれ違うのではないかという気がふとした。のぞまない子供を妊娠してしまった友人ガビツァの中絶を助けるために奔走するけなげな女の子オティリアのお話は、「困>>続きを読む

パーソナル・ショッパー(2016年製作の映画)

3.4

双子の兄であるルイスの急死に落ち込むモウリーン。彼女のお仕事は、忙しいセレブに代わって服やアクセサリーのお買い物をしてあげること。霊媒士? でもあるモウリーンは、 兄が住んでいた家でルイスの霊と交信し>>続きを読む

アップグレード(2018年製作の映画)

3.8

いま低予算SF映画が面白い。『ソウ』や『インシディアス』を手掛けたことで知られるリー・ ワネルだが、この人どうもしっかりとしたスポンサーが付いていないからか、はたまた営業スマイルが苦手だからなのか配給>>続きを読む

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

1.0

めたらやったら首がもげたりー、“こッ”って言ったりー、丸焦げになったりーする思わせ振りなシーンが続く割には、全然怖くない。出来の悪いお化け屋敷のようななんちゃってホラーといっても過言ではないだろう。“>>続きを読む

アップストリーム・カラー(2013年製作の映画)

2.0

テレンス・マリックとの共通項をあげる人が多いシェイン・カルース。普遍性に欠ける(一人よがりの)メタファーの使い方や細胞をアップにした顕微鏡カットの多用が、観客にそういった印象を与える所以であろう。やれ>>続きを読む

ドニー・ダーコ(2001年製作の映画)

3.8

ビールの買い出しの帰り道に、まさかあんな道のど真ん中に婆さんが突っ立っていたとはな。寸前でかわしたのはよかったけど、お前の彼女が寝っころがってることまで気づかなかったよ…本当に悪かったな、ドニー。何で>>続きを読む

インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌(2013年製作の映画)

4.0

1961年グリニッジ・ビレッジ。フォーク・リバイバル・ブーム前夜を時代背景にした本作で、実在のシンガーや音楽プロデューサーをパロってみせたコーエン兄弟だが、主人公の売れないフォーク歌手ルーウィン・デイ>>続きを読む

アースクエイクバード(2019年製作の映画)

2.4

いくら外国人でボッチだからといって、道端でいきなり写真を撮られ声をかけられた男の家にのこのこと着いて行ってはいけない。日本人の男性はみな親切で優しいというのはいまや迷信、道を歩けば変態に当たる確率は非>>続きを読む

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

3.8

監督自ら頭を下げてネタバレ禁止のお願いをしてくる映画というのを生まれて初めて見た気がする。本作のおかげで、2年連続アジア人監督作品がパルムドール受賞という快挙となったわけであるが、是枝裕和の『万引き家>>続きを読む

マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)(2017年製作の映画)

2.5

モラトリアムや引きこもり、オタクとは一味違うアダルトチルドレン(大人になりきれない大人たち)を優しい眼差しで見つめるノア・バームバック。この人、自立した大人になれない、いやなろうとしない原因を親の離婚>>続きを読む

失くした体(2019年製作の映画)

3.5

原作は『アメリ』の脚本家ギヨーム・ロランが書いた小説『Happy Hand』。事故で切断した主人公の手が持ち主を探し求めて、パリのうす汚い街中をさまよう一種のロードムービーなのだが、アダムス・ファミリ>>続きを読む

バスターのバラード(2018年製作の映画)

3.5

遊び半分で書いた表題作に同じテーマの短篇を数本くっつければ1本の長篇映画になるのではないか。Netflix配信の本作ははなっからドラマ化する計画はなかったそう。劇場公開しなかった理由として、短篇アンソ>>続きを読む

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

2.8

アカデミー作品賞の有力候補として『ジョーカー』の対抗馬にもあげられている本作だが、離婚訴訟を扱った秀作『クレイマー、クレイマー』のリメイク的内容にとどまっており、前評判倒れといった感じの1本だ。ウェス>>続きを読む

アイリッシュマン(2019年製作の映画)

3.4

タランティーノは“シャロン・テート惨殺事件”をモチーフにして、昨今のウォーク・カルチャー一色に染まりつつあるハリウッドの凋落ぶりをブラックな笑いで丸焦げにしてみせたが、かつて格好のアメリカン・ゴシップ>>続きを読む

ターミネーター ニュー・フェイト(2019年製作の映画)

3.2

ターミネーター生誕35周年を記念して製作された、T2の正統的続編がこの“ニュー・フェイト(原題:DARK FATE)”だ。その間にジェームズ・キャメロンの手を離れたターミネーターシリーズは、本作にいた>>続きを読む

象は静かに座っている(2018年製作の映画)

3.0

234分。こんなに長時間映画館に缶詰めになったのは、『ファニーとアレクサンドル』のリバイバル上映以来。途中インターミッションが入らない訳ありのぶっとうし作品なので、トイレは上映開始前に必ず済ましておく>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

3.8

『ハング・オーヴァー』シリーズをはじめとする下ネタコメディばかりを撮ってきたトッド・フィリップスがここにきてまさかの路線変更。ホアキン・フェニックスの狂気?迫る怪演も話題をよび本作はヴェネツィアで金獅>>続きを読む

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

3.7

ゲイ・ロマンス映画の金字塔『モーリス』と比べるととにかく映像が明るい。本作で脚本を担当したジェームズ・アイヴォリー監督『モーリス』は、ケンブリッジの薄暗い寮の中やジメジメとしたボート・ハウスで人目を避>>続きを読む

僕のワンダフル・ライフ(2017年製作の映画)

3.3

人間目線ではないワンコ目線の映画といえば、『イヌゴエ』のフレンチブル・ドッグや『河童のクゥと夏休み』のオッサンなど、なぜか(自分と同じように)人生ならぬ犬生を斜めに見ているひねくれ犬が登場する映画を思>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

3.4

生涯に10本しか映画を撮らないと宣言しているタラちゃんことクエンティン・タランティーノ通算9本目に当たる本作は、ハリウッドを出禁中のロマン·ポランスキー監督の元妻シャロン・テート惨殺事件をモチーフにし>>続きを読む

博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)

3.5

ホーキング放射や特異点理論を発表し、量子宇宙物理学の基礎を築いたスティーブン・ホーキング博士の自伝映画。ケンブリッジ出身のエディ・レッドメインが、ALS(筋萎縮)を患い次第に体の自由を奪われていく博士>>続きを読む

未来のミライ(2018年製作の映画)

3.0

なんで(作家の私生活をそのまま作品にしたような)子供むけアニメーションがカンヌ映画祭にわざわざ呼ばれたのだろう?親の愛情を産まれたばかりの妹に根こそぎもっていかれた4歳のわがまま坊主が、要は一人で自転>>続きを読む

アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年製作の映画)

3.0

前作『インフィニティー・ウォー』のリベンジ劇は冒頭あっけなく幕を閉じる。この女兵士が最初から仲間入りしていればあんな負け方しなかったんじゃないの。そう思えるほどデラ強いキャプテン・マーベリックの協力を>>続きを読む

荒野にて(2017年製作の映画)

3.3

女好きな父親と二人、ポートランドで借家暮らしをしているチャーリー(チャーリー・プラマー)の日課は、家の近所をジョギングすること。ある日痴情沙汰で大怪我をおった父親の傷がなおるまでの間、厩舎でピートとい>>続きを読む

ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)

3.0

冷戦下、スパイ撮影中のアメリカ人パイロットがソ連に捕獲される。スパイ容疑で収監されていたロシア人アベルとの交換を画策したCIAは、仲介役としてアベルの弁護を引き受け死刑を減刑させたドノヴァン(トム・ハ>>続きを読む

エクス・マキナ(2015年製作の映画)

4.0

SF作家グレッグ・イーガンがこの映画を見たらおそらく激怒するのではないか。映画のラスト手前までさも私は唯物論者ですみたいな顔をして理系諸君を煙に巻いておきながら、最後機械に人間の心が理解できるわけない>>続きを読む

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

3.3

セレブ御用達ドレスを仕立てるロンドンのカリスマ・デザイナー、 レイノルズ・ウッドコック(ダニエル・デイ=ルイス)。静養先の別荘がある街のレストランでみそめたアルマ(ヴィッキー・クリープス)を、ハウスブ>>続きを読む

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

3.0

監督トム・フォードのデザインするスーツはなんと一着20~50万円、ジェームズ・ボンドの衣装としても採用されている超高級ブランド。トム・フォード自身、自分が商業ファッションデザイナーであり芸術家ではない>>続きを読む

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

3.9

映画冒頭37分間のワンカット長回し、しかもTV生放送の一発勝負で撮られた“ONECUT OF THE DEAD”。途中「あれ?」というシーンが数ヵ所出てくるのだが、実は後の種明かしによって、裏で「こん>>続きを読む

グリーンブック(2018年製作の映画)

3.0

神田のある居酒屋での出来事。店内は7割程度の混み具合にも関わらず、中国人旅行客グループの入店を店主が断ったのだ。当然中国人たちはカンカンに怒って帰って行ったのだが、店内で酒を飲んでいた日本人客はみな一>>続きを読む