オレオさんの映画レビュー・感想・評価

オレオ

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アルジャーノンに花束を(2006年製作の映画)

1.9

このレビューはネタバレを含みます

DVD特典の作品解説の項には、以下のようにあります。


芸術とは、そうしたアンバランス(己の過去と現在の疎外感による不均衡)を鎮めてくれるものでもあるのだが、知性に比べてあまりに未発達な彼の感情と感
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スラムドッグ$ミリオネア(2008年製作の映画)

3.3

ジャマールの過去と現在と未来とが、ミリオネアという一つの交差点に集結していく様は、ストーリーの構成として大変美しい。
これは一人の男のサクセスストーリーであるが、決して彼一人の物語ではない。社会の荒波
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ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス(2014年製作の映画)

-

すごく変わった作品だなとは思う。
3作品すべて観てきて、いま思い返せば、そもそもまともにハンガーゲームしていたのは1だけだし、2からはその矛先を政府に向けて、物語はどんどんゲームの外へ外へと出ていって
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レスラー(2008年製作の映画)

4.0

一度落ちぶれた男が再び立ち上がるという点ではマイケル・キートンの『バードマン』やデンゼル・ワシントンの『フライト』を彷彿とさせる(ただし、どちらも本作よりも後年の作品)。しかし、決して『バードマン』の>>続きを読む

8 Mile(2002年製作の映画)

4.0

2014年の「RAP GOD」でギネス記録に認定され、今なお大活躍のアーティスト・エミネムですが、この映画が作られた2002年といえば、同氏の全盛期です。
本作はそんな絶頂の真っ只中に、3rdアルバム
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マイノリティ・リポート(2002年製作の映画)

4.0

犯罪者はなぜ犯罪者なのか?
この問は単純に思えて、案外むずかしい。

多くの人はこの問に対して「法律で決まっているから」と法律を引き合いに出すだろう。
しかし、法律も元はと言えば多数派の感情によって作
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リトル・ミス・サンシャイン(2006年製作の映画)

4.0

すごく素敵な作品でした。

バラバラな家族が、一つになっていく物語。
笑えるシーンばかりで、涙を誘う気なんてさらさら無いのに、なぜだか泣ける映画です。

ストーリも大味のようで、実際にはたくさんのメタ
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ダイバージェント(2013年製作の映画)

2.1

ティーン小説の映画化 ってほんとに文字通りそんな感じの作品。
管理統制社会の恐ろしさを説いて作品に社会性を持たせたいのか、はたまた主人公たちの決断や行動に注目させたいのか。
アクションもイマイチ足りて
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ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

4.5

主題歌にはエルヴィス・コステロの she が起用されています。
美しいメロディと儚い歌声が魅力の名曲ですが、本作に使われると何とも不気味な意味合いに……。

She May be the beauty
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ミルク(2008年製作の映画)

4.0

1970年代アメリカ。実在の人物であるハーヴィー・ミルクの政治活動をつづった伝記映画。

2015年という今の時代にあっても、この映画は我々に強いメッセージを投げかけてくる。
それこそ、2013年の「
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最強のふたり(2011年製作の映画)

5.0

ニュースでは連日のように、欧州移民・難民問題が取り上げられている。そうした現状を受け、日本の移民政策をどのようにしていくかという話題は、確かに多くの人が関心を寄せるテーマである。
そんな最中に、シリア
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イコライザー(2014年製作の映画)

3.6

ホームセンターのあらゆるものを駆使して敵を倒す という、DIY的アクション映画。
主人公ロバートの仕事はとにかく美しい。惚れ惚れするほどです。あまりの的確さにもはや笑いすら起こる。
そんな仕事っぷりか
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インヒアレント・ヴァイス(2014年製作の映画)

2.4

アカデミー賞ノミネート、日本でも多くの劇場で公開され、絶賛の嵐だったのでDVDで見ましたが……。
自分に合わなさ過ぎてビックリした。
劇場で見なくてよかったと心から思う。もしそうしていたら、確実に10
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フォーカス(2015年製作の映画)

3.7

日本では数年前、メンタリズムが一世を風靡しましたが、本作のトリックはどちらかというと 小細工寄り です。
心理学的な考証も、取ってつけたような雑な印象。
「視線を盗め」というキャッチコピーなので、そう
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50回目のファースト・キス(2004年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ストーリー自体はすごく感動的なんだけど、ルーシーの今後の苦労を考えたら素直に感動できませんでした。
だって朝起きたら妊娠してるとか、周りは知らないものだらけとか って、考えただけでもゾッとする。
「愛
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014年製作の映画)

4.0

ジェームズ・ガン監督がある授賞式で語った内容↓

Two years ago, I was a cult film director, Chris was the chubby sitcom side
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ハプニング(2008年製作の映画)

2.6

大風呂敷を広げてどうこうじゃなくて、大風呂敷を広げただけの映画。

ミツバチがいなくなると地球は4年以内に滅亡する

というアインシュタインの有名な学説を底にしているようで、実際は設定としてどころか、
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ファーゴ(1996年製作の映画)

3.6

コーエン兄弟の監督作品は何本か観ていますが、空気感が非常に独特だと思います。
「ノーカントリー」にせよ、「インサイド・ルーウィン・デイヴィス」にせよ、切迫した事件や状況とは裏腹に、のどかでどこかのんび
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ドライヴ(2011年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ライアン・ゴズリングといえば、なんといってもキスシーン。
「君に読む物語」でも「ブルー・バレンタイン」でも、もちろん本作「ドライヴ」でも、印象的なキスシーンがある。
恋愛ドラマを演じることの多い二枚目
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桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)

4.0

(※ややネタバレを含むので、未鑑賞の方は注意してください)

学校社会の閉鎖性と人間関係の希薄さを、バレー部のエースだった桐島が部活を辞めることをキッカケに描いていきます。

桐島が部活を辞める こと
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ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年製作の映画)

4.2

あらゆる事象の存在は、相対的なものです。
自分自身も、世界も、愛も、何もかも。
ただ唯一、相対では説明のつかないものが、この映画のメインテーマとなっています。それが「時間」です。
時間 だけは平等で、
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ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)

3.8

この映画を観たあとに湧いてくる気持ちに、なんと名前をつければいいのかが未だにわからない。
怒りなのか、悲しみなのか、悔しさなのか……ただ、喜びや楽しみではないことは確かです。

1組の夫婦の始まりと終
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イエスマン “YES”は人生のパスワード(2008年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

一見、 YES の素晴らしさを説く話に思えて、この話はそれを逆手にとって、コミュニケーションや人間関係こそが大切だと伝えているような気がします。
つまり、YES 自体が幸せをもたらすんじゃなくて、YE
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ジュラシック・ワールド(2015年製作の映画)

3.7

2015年の夏を彩る最高のエンターテインメント映画であることは間違いありません。
初期作の緊張感そのままに、映像技術の進歩によって迫力が格段に増しています。

また、恐竜と人間とのドラマ という意味で
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幸せのありか(2013年製作の映画)

4.5

「障害者」の周辺とその内部を、脳性麻痺の主人公マテウシュ本人を語り手として描くことで、両者の間に広がる隔たりが浮き彫りになっていきます。

人間は何かを判別するとき、その多くを 視覚情報 に頼っていま
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ウォーム・ボディーズ(2013年製作の映画)

3.3

ゾンビ映画の歴史は古く、最も古いもので1930年代までさかのぼる。(Wikipediaより)
ゾンビの特性を考えれば当たり前ですが、バイオハザード、死霊のはらわた、zombieなど、ゾンビ映画はそのほ
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そして父になる(2013年製作の映画)

3.7

血統主義という既成概念と、愛情という定義不可能な存在が対照になって、その間で揺れ動く「父」の成長を描きます。
ラストシーンは説明がないので分かりにくいとの意見が多いですが、小説版(≠原作)を読むと、そ
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ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)

4.0

この映画の評価すべき点は、何よりも視覚であり、編集であり、撮影であり、録音であり、音響です。90分間の圧倒的な映像体験を観る者に届ける作品。

では内容(物語)についてはどうか。
この物語のテーマを私
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96時間 レクイエム(2015年製作の映画)

2.9

主人公、敵陣営、国家の三つ巴アクション・サスペンスという要素は、何となく「ボーン」シリーズを彷彿とさせますね。

ただ……
完成度は「ボーン」に遠く及ばず。
本作には、豪勢なアクションというよりも、元
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人生スイッチ(2014年製作の映画)

4.0

高校時代に読んだ、内田樹の「身銭を切るコミュニケーション」という論文が、ふと思い出される。
この論文を簡単に要約すると、コミュニケーションの不調を是正するには、自ら身銭を切ってコミュニケーションに臨む
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LUCY/ルーシー(2014年製作の映画)

3.3

脳の力を最大限に発揮できるようになったルーシーは、モーガンフリーマン演じる教授にアドバイスをあおぐわけですが、そこで教授の言ったセリフが印象的でした。

「人生の目的とは、何かを伝えることだ」

その
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96時間(2008年製作の映画)

4.0

近年の「リーアム・ニーソン=アクション俳優」というイメージを作り上げたマスターピースですね。

脚本のリュック・ベッソンといえば、レオン、ニキータ、ルーシーなどの数々の映画で女性キャラを扱ってきた監督
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ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル(2011年製作の映画)

4.3

1,2,3ときて、4にきてやっとイーサン・ホークのキャラここに極まれりといった感じですね。
サイモン・ペグのおかげでコメディ色も強いし、ジェレミー・レナーもいい味出してます。
最新作の5含め、文句ナシ
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ミッション:インポッシブル3(2006年製作の映画)

4.2

2のコミカル路線を捨てて、しっかりとインポッシブルなミッションに挑んでる感じがシリアスで非常に良い。
フィリップ・シーモア・ホフマンは本当に名優ですね。彼のおかげで映画のイメージがだいぶダークでかっこ
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フライト(2012年製作の映画)

4.0

アル中の主人公が、アルコールの誘惑とプライドと闘うお話。

改心したヤンキーより、元から真面目な奴が一番偉いんだ というのは某漫画の受け売りですが、この映画はまさしくダメな男が改心するべくして改心した
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インターステラー(2014年製作の映画)

4.0

(※ややネタバレを含むので、未鑑賞の方は注意してください)

クリストファーノーラン監督は本作を作るために、著名な物理学者を招いて考証に考証を重ねたとのこと。その本気具合は、メイキング映像や監督インタ
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