katsuさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

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村の写真集(2003年製作の映画)

4.1

藤竜也の渋い演技が光る素晴らしい作品。
村の自然を引きのショットでしっかり捉え、なおかつ写真を撮るシーンで村人たちにもフォーカスしていて、村の雰囲気がとてもリアルに伝わってきた。

特に印象に残ったの
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あしたはきっと(2000年製作の映画)

3.6

2001年の映画だが、どこか昭和感の残るやり取りが印象的。

俳優の演技がわざと大きくしているのかと思うほど不自然だったのは、子供っぽさを表現する狙いだったのだろうか。静かな場面でのノイズも気になった
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.1

映画館で、IMAXで観るべき映画。
迫力とスケールが桁違い。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の魅力が詰まっている。造形物の美しさ、そしてティモシー・シャラメの美しさ。

スターウォーズやナウシカの元になっ
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くれなずめ(2021年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

馬鹿だったけど最高だなと思えた。
後半すごい方向に展開していくけど、それもひっくるめて彼らの葛藤なんだなと。

和希が死ぬ直前に会った日のことを、全員でもう一度記憶の中でやるシーンはグッときた。それぞ
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ライフ・イズ・ビューティフル(1997年製作の映画)

4.0

ロベルト・ベニーニの演技が素晴らしい。
悲惨な第二次世界大戦下のホロコーストをポップなタッチで描いていて、より恐ろしさが増している。グイドの最後のシーンが忘れられない。

これで監督もやっているという
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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

3.6

音楽と動きのマッチ具合が気持ちいい。
長回しのカットにもセンスを感じた。
けどそれ以外のシーンで所々違和感があり集中力が削がれた。

選曲は素晴らしかった。

クローズEXPLODE(エクスプロ―ド)(2013年製作の映画)

3.0

豊田利晃監督の作品を観たくて鑑賞。

登場人物の動機が曖昧であまり感情移入できなかった。

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)

3.8

東日本大震災の被災者たちのその後の話。
生活や人間関係が変わってしまった中で助け合う者、憎み合う者。
一見悪に見えてしまう人も彼らなりの正義で生きている、という側面がよく描かれていた。事実に基づいてい
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溺れる魚(2000年製作の映画)

3.3

堤幸彦監督×仲間由紀恵でこのノリは完全にTRICK。
そこに椎名桔平と窪塚洋介が加わって、なんかいい時代の東京って感じだった。
ドタバタ劇だけど渡辺謙とか豪華なんだよな、、

ELECTRIC DRAGON 80000V(2000年製作の映画)

3.5

マジでぶっ飛んでる。
ツッコミどころしかないけどなんかカッコいい。
観たことない映画体験。
爆音ノイズギターとモノクロの映像と浅野忠信と永瀬正敏。

モンスターズクラブ(2011年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

豊田利晃監督の映画はとにかく終わり方が最高。
雪の降るスクランブル交差点を顔のペンキが剥がれながら叫びながら歩く瑛太のスローモーション。そこに重なる宮沢賢治の詩「告別」。

ユナボマーから着想を得た豊
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蘇りの血(2009年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

浄瑠璃や歌舞伎などにある「小栗判官」の物語をパンクにアレンジした今作。

メインの登場人物は少ないが、その一人一人がしっかり存在感と色を出していて飽きなかった。音楽も爆音ノイズで最高。映画館で聴きたか
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空中庭園(2005年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

豊田利晃監督の中では一般に向けられた映画なのかもしれないが、演出が豊田節炸裂で最高。

回転しまくるカメラワーク。
映像が縦に細切れになって現実と妄想が分からなくなる演出。
アジカンの「君という花」の
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アンチェイン(2001年製作の映画)

3.6

豊田利晃監督マラソン。

ドキュメンタリーだがアンチェイン梶の話は作り話のようなエピソードの数々。周りにいたらとても近寄り難い存在だと思うが、どこか憧れてしまう自分がいた。

それは現代では許されない
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悪人(2010年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

「怒り」同様、吉田修一原作で李相日監督。邦画史上に残る名作だと思う。

妻夫木聡演じる祐一が深津絵里演じる光代と出会い、自分の犯した罪を後悔し始める時に初めて愛を知る、というのがとても切ない。人の愛の
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ミスティック・リバー(2003年製作の映画)

3.7

クリント・イーストウッド監督の傑作。

「アイ・アム・サム」の時とは全く別人のショーン・ペンに驚く。深い悲しみと後悔に苛まれるジミーの演技が素晴らしい。

常に鬱屈とした空気と緊張感が流れ、小さな街の
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TOVE/トーベ(2020年製作の映画)

3.6

たまたま観る機会があったけど良い映画だった。トーべ役のアルマ・ポウスティが画家としての出で立ちをものにしていて役作りへの情熱を感じた。

ムーミンの誕生秘話と言うよりはトーべ自身の恋愛模様、ひいては同
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

007ダニエル・クレイグシリーズの完結作。最高だった。アクションも渋さも素晴らしい。

ただ脚本でみるとやはりスカイフォールのような深さは感じられなかった。前作から出ているマドレーヌとのストーリーを描
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Laundry ランドリー(2001年製作の映画)

4.1

2000年代初期の邦画の空気感は何故こんなにも良いのか。

「GO」や「ピンポン」などとはまた違った、しかししっかり芯のある窪塚洋介の演技が堪能できる。そして小雪の儚さと美しさも相まって二人の空気感が
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ミリオンダラー・ベイビー(2004年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

観終わってしばらく動けなかった。
何か重いものが心にのしかかってきた。そんな映画観たのはいつぶりだろう。

フランキーの愛の形。「尊厳死」というとても重いテーマなので賛否両論があるのも理解できるが、自
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ジ、エクストリーム、スキヤキ(2013年製作の映画)

4.1

中身のない会話劇が最高。でも実際こういう脚本書こうとすると本当に難しいんだよな〜と思う。

窪塚洋介と井浦新のピンポンコンビから、何となく二人の関係性が最初から補完されてしまうような感覚。

市川実日
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レミニセンス(2021年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

SF超大作と名を打ってるのが良くないと思う。確かに設定は壮大な世界観だが、やっている事が小さい範囲の恋愛模様過ぎる。

せっかく良い環境設定でいい俳優を使っているのにアクションも短く、脚本的にもなるほ
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散歩する侵略者(2017年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

黒沢清監督の不思議な世界観だった。シュールというか全員がマジじゃないというか、それが本当のマジなのか。

人間が本当に大きい問題に直面した時、意外と冷静なのかも知れない。こうしたいからこう、みたいなシ
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

4.1

近年の邦画史に残る暴力団ものだと思う。

寺島進や吉田鋼太郎など迫力のある俳優陣が勢揃いだがその中でも特に鈴木亮平の演技が圧巻。本当に映画史に残る悪役だった。極悪非道極まりないが筋が通っておりかっこよ
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人生の特等席(2012年製作の映画)

3.8

本作のイーストウッドの頑固オヤジっぷりも堪らない。娘とすれ違ってしまうが不器用なだけで本当は娘のことを常に気にかけている、といった背景を感じさせる表情や仕草が素晴らしい。

最後の展開は特に日本人が好
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.1

濱口竜介がカンヌで脚本賞を獲得した本作。3時間という長尺を感じさせない重厚感のある作品だった。

原作を読んだことは無いが恐らくこれが村上春樹の口調なんだろうという喋り方の登場人物。あえて感情を削いで
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スイートプールサイド(2014年製作の映画)

3.9

原作押見修造×監督松井大吾という素晴らしい組み合わせ。須賀健太の徐々に狂っていく様子が生々しくて良かった。

毛を剃るシーンをこれでもかと官能的に撮る。そしてジャングルを冒険する比喩。とても面白かった
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運び屋(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

哀愁のあるおじいをやらせたらクリント・イーストウッドの右に出る者はいない。

そしてこの歳になっても主演と監督を務めて最高の映画を作る彼には尊敬しかない。

全編を通してカットや音楽なども良かったが、
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ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

3.9

イーサン・ホークとジュリー・デルピーのやり取りがとにかく自然で初々しい。かなり長回しの印象が強かったが、全く違和感なく本当にジェシーとセリーヌがそこに存在していた。

特に印象に残ったのがレコードショ
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裏窓(1954年製作の映画)

3.8

ヒッチコックの作品は毎回設定に驚かされる。思いついてもそれを1本の映画として昇華することは難しいだろう。

ジェームズ・スチュワートの渋いがどこか幼ごころのある演技とグレイス・ケリーの美しさが物語をよ
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エビータ(1996年製作の映画)

3.6

実在したアルゼンチンのファーストレディ、エバ・ペロンをマドンナが演じている。壮大なストーリーと圧倒的な歌唱シーンは素晴らしい。

甚大な影響力を持った人間の聖と俗を描いているため支持者からの反発も大き
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羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

3.8

アンソニー・ホプキンス演じるレクター博士があまりにも有名だが、迫力と魅力的なオーラに包まれていた。

人間の恐怖の根本をついてくるような描写や演出で、普段ホラーのジャンルは観ないが今回は堪能できた。

17歳のカルテ(1999年製作の映画)

4.0

ウィノナ・ライダーとアンジェリーナ・ジョリーの演技のぶつかり合い。どちらも幼さが残るヒリヒリした演技でまさにスザンナとリサがそこにいるようだった。

ウィノナ・ライダー自身も境界性パーソナリティ障害で
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太陽がいっぱい(1960年製作の映画)

3.8

予想したストーリーとあまりにもかけ離れていて面白かった。一見大味に見えるが人間の嫉妬や感覚がズレていく様子など細やかな部分が描かれている。

アラン・ドロンのギラギラした演技が観ていて気持ちいい。
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真実の行方(1996年製作の映画)

3.8

エドワード・ノートンに惚れた一作。
多重人格の演じ分けと魅力が凄まじい。

グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

3.8

とにかく画の構図や色使いが美しい。
緻密に計算された画角はそれだけでも見応えがある。

ストーリーは時代別に何層かの構造になっていて展開も早く飽きずに観られる。そこにシュールな笑いが加えられ自分には新
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