324さんの映画レビュー・感想・評価

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映画(1973)
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ナイルの娘(1987年製作の映画)

3.8

役割と夢想。台湾の妹、母親代わり、夜間学校生徒、アルバイター、ナイルの娘。夜の男に対する思春期らしい恋愛。ホウ・シャオシェン映画のケンタッキー店内で流れる中森明菜のエモさよ。

ブエノスアイレス(1997年製作の映画)

4.5

ヒリつきも悲しみもhappyもtogetherで滝を見に行く。致命的に孤独。感情の坩堝。記憶のこびりつき。タバコのストック、パスポート、電気スタンド、手の怪我などの装置がことごとく良過ぎる。

私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)

4.6

モコモコ靴下の倦怠感。引きこもり的ワンデイ・ワンアクション。私小説的閉鎖空間。私という面と体。他者との交わりはむしろ点と点。沈黙だけど頭と心はそれなりにうるさい。

女神の継承(2021年製作の映画)

3.5

思ったよりしっかりホラー映画。やっぱりナ・ホンジンあまり好きではない。モチーフはとても良い。

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.0

いつもどおりの得体の知れない感、笑いの一歩手前の緊迫感。『ブロブ』や『ダークスター』のようなチープさ。手回しIMAXと調教の映画。

ゴダールの決別(1993年製作の映画)

3.7

躁病的な多弁さ。均整のとれた写真・絵画的な画。話しをやめ、息を殺す。神と引用。

ゴダールの探偵(1985年製作の映画)

3.7

断続的な時間の進み。後退しているのかもしれない。夢を見ているような不確実性。思い出したように出てくるピストルや探偵。

カルメンという名の女(1983年製作の映画)

4.2

嫉妬の夜明け。愛憎の波打ち際。TV砂嵐の清潔さ。汚れているのは誰か。しっかりめのカルメン。変に普通の恋愛映画的な雰囲気を持つ表面的に美しいショット群よ。劇版を演奏する音楽家を並列させるところに執着心の>>続きを読む

勝手に逃げろ/人生(1980年製作の映画)

3.8

不規則性と運動の中断、多用されるスローモーション。空耳と虚無感。1:2ではなく1:1が3対の関係性。

メイド・イン・USA(1967年製作の映画)

3.8

共産主義もアメリカナイズも好きじゃないなら、たしかに逃げるしかない。ゆるいコミック調にトリコロールなケバケバしい彩色もどこか空虚。血の色は赤、青いアイシャドウ、白いものはたくさん。マクガフィンをかき消>>続きを読む

王と鳥(1980年製作の映画)

4.5

ギミックと無限内空間の城デザインにワクワクときめく。カリオストロとのプロット・デザインの類似性。アニミズムのアニミズム。落下傘の牧歌的な多幸感、崩壊と解放。上下運動と階段。

マンマ・ローマ(1962年製作の映画)

3.7

甘めな愛の享受、生計の手段とその貴賤。息子の筆降ろしを頼む母たるや。当人たちは真剣な故に、バイク二人乗りと逮捕拘束の幸福度のギャップに笑ってしまう。

冷たい水(1994年製作の映画)

4.2

内なる傷。渦巻く痛みと怒りと衝動。傷付け合い、一瞬の躊躇い、若者のすべて。その網羅。霧中に突っ込む自転車と真冬の渡川たるや。アサイヤスにしてはちゃんとしている映画。

オーソン・ウェルズの オセロ(1952年製作の映画)

4.5

歪な心象。そのバキバキな表象・スピーディーなテンポが技巧的に好きすぎる。砦・地下水道の完璧なロケセット。疑念・嫉妬、イチゴ柄のハンカチ。総じてエモいぞオセロ。

ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

4.4

広大すぎる大地で狭窄する心。見積もりが立たず選択肢もその正解も分からない。惑う進行、疑念と乾きの放浪。永遠に広がるひび割れた茶色・暖色の荒野。アスペクト比も良い。圧倒的馬車・水樽映画。

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

4.3

放浪・捜索・別離。引きずる過ち、ダルデンヌ兄弟のようなどんづまり間。フィルムルック・粒子感が素敵。ヒッピー・ノマド的。トイレの安心感。

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

4.9

魂がととのう奇跡のような瞬間。深緑を彷徨い、流れる景色と時。永遠と一瞬の快い沈黙。帰路・夜のハイウェイ、現実への立ち返りの圧倒的共感性。完璧な音楽。悲しみは使い古した喜びというドンピシャなテーゼ。

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

4.8

好き。フィルムのルック・カラー・コントラスト、間、脚本の全て良い。逃げられない逃避行。線を越えるが越境はできない。リンボ・リンボ。牧歌的警察、足趾で吸うタバコ、売れないレコード、青い車、Uターンのハイ>>続きを読む

ハーダー・ゼイ・カム(1973年製作の映画)

4.0

抑圧に反する者、ヒーローであり犯罪者でありミュージシャン。抑制か照れか、ATGみたいな閉幕。黄色い帽子斜め被りはとてもおしゃれ。インサートやエンディングのそれは技巧派。上京、貧困、教会、鮮血。

吸血鬼ドラキュラ(1958年製作の映画)

4.0

原点・スタンダードの美しさ。ハイが効いているツヤツヤしたルック。濃赤の鮮血。夜の来訪、土、灰、陽光。

原子怪獣現わる(1953年製作の映画)

4.3

起源でありevergreen。氷塊・灯台・ウォール街の崩壊。遠近感・背景やビルとの溶け込み具合が素晴らしいです。ローラーコースター上での作戦のワクワク感。致し方ないが真偽を確認するパートが長い。

天使の恍惚(1972年製作の映画)

4.4

秋・十月・月曜日・土曜日、闘争の季節。暴発するエネルギー。革命のエッジ。ほとばしる血と火薬。熱気と悦楽。若松孝二で一番好き。

キッドナップ・ブルース(1982年製作の映画)

4.0

「首を絞めていいですか?」とニコニコ尋ねるタモリ。JAZZ BOXの赤い帽子。良いヌケで自転車を漕ぐショットこそ本編。野宿焚き火の珍客たちとトランペット・マリンバ・ラジオによる彩り。銭湯、旅館、理髪店>>続きを読む

鏡の中にある如く(1961年製作の映画)

4.0

湖の鏡面に映る空。鏡に映る世界、こちらの世界の行き来。暗い部屋にそそり立つ自分。難破船の中での狼狽。地獄ヴァカンス。精神と肉体。「愛こそ神」という台詞の虚無感。かなりサイコロジー。密度が高い。

リスボン特急(1972年製作の映画)

4.4

成功からの破滅・破綻。結末よりも、そこに至る過程の魅せ方が良い。青いルック好きです。基調が激渋だからクラシカル銀行強盗、特撮ヘリがジワる。いつもの音楽パブはお気に入りか。警察・犯罪者の両サイド主人公は>>続きを読む

仁義(1970年製作の映画)

4.4

メルヴィルのノワールはだいたいプロット一緒だが全部面白い。哀愁、沈黙。成功は困難、失敗は簡単。ビリヤード場、寝台列車、森、川渡りとロケーションが素敵。ニュルリと出てくる黒マスク顔アップ、静かな犯行・タ>>続きを読む

いぬ(1963年製作の映画)

4.0

計画の破綻、裏切り、悲哀。雨にトレンチコートとハット。バチバチの陰影とコントラスト。穴を掘って埋めるピストル。タバコの銘柄はKOOL。原題がすごく好きです。

モラン神父(1961年製作の映画)

3.7

神父の言葉よりも、神父の服のほつれが気になる描写良い。目に見えぬ教会としての好きな人。類似作品より良い点は特に見出せず。信仰・愛・存在など、この主題らしいワードが頻出。真面目な役柄のジャン=ピエール・>>続きを読む

賭博師ボブ(1955年製作の映画)

4.2

ラストシークエンス好き。なぜそうなってしまうという破綻と哀愁はノワールのそれ。スロットを家に置いてるタイプの人による忘我の賭博。花売り、モンマルトルの街灯とネオン。

パリ13区(2021年製作の映画)

4.4

沁みる。どこでどう誰と生きるか。何をシェアして、何を秘めるのか。生きづらさ。寛容さというより、ニュートラルのギア。人物の配置が素晴らしく、ポリコレ・ダイバーシティ・社会的な要素が説教臭く無くナチュラル>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.0

完璧に優等生な映画。また擬似家族かと思うが、ロードムービー的な旅情には惹かれる。いろんな映画を連想させる古いバン。雨、傘、洗車のしぶき。是枝映画らしい食事描写の全ては今回ペ・ドゥナの張込み飯に注がれて>>続きを読む

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.3

沁みる。PTAらしい冗長さ、その時間に無為なようで永遠に輝く過去を感じられる。息づかいを感じる距離感、前進的な若さと上昇志向。キム・ギヨンのようなベッドの発光。

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

4.0

シン・ゴジラの幻影と空想科学映画のそれが、絶妙にちょうど良い。決してそれ以上は到達しないが、一定のところにラインを引いて着地することに成功している。しかし、長澤まさみで遊んでいる辺り、大人が楽しめる映>>続きを読む

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