途中までは「さよならくちびる」のスピンオフで青春モノやってんですね、あんまりお金かけてる感じはないけどいいショット多いし、静岡の地方都市のたるい雰囲気がまあいいじゃない、なんて感じで観ていたら、半分ぐ>>続きを読む
フランスから渡ってきてマレーの熱帯雨林で悪い商売をしようと企んでいる男と、その娘の物語。場所はむちゃくちゃに暑そうで、しかも水に濡れてばかりでべちゃべちゃなんだけど、それを感じさせない光の使い方が特徴>>続きを読む
プルースト原作で、レズビアン恐怖の青年の偏執的な様子をなかなかに気持ち悪く描くもの。画面の作り方としてはブニュエル、アントニオーニ、オリヴェイラといった人々が思い浮かぶ。1970年代南欧風ヌーヴォー・>>続きを読む
もうとことん構図がかっこよければそれでいいみたいなので、実際、左右対称の変な空間とか、けっこうな長回しによる横移動とか、いい感じに決まっている。ただこれもある種のフェミニスト映画ではあって、ヒロインは>>続きを読む
これはさんざん語り尽くされた古典なので別にいいかと思うのだけど、比較するとしたらファスビンダーの「何故R氏は発作的に人を殺したか?」(1970) になるだろうか。R氏の場合は日々のイライラをとことん抑>>続きを読む
アケルマン自身が演じる若い女性が、通りに面した、中が丸見えの変な部屋で裸になって砂糖をもりもり食べながら誰か男性(あなた)を待っている。アケルマン演じるこの女性はともすればコケティッシュに見えそうなん>>続きを読む
なんかどうも垢抜けないやつらだなあ、と思って観てたけど、もうなんでもいいからノリのいい音楽かけてみんなで駆け出せばそれでいいんだよウェーイ!というスピード感が最高だった。
ポルノ映画業界の悲喜こもごも。ずっとチープな音が鳴っているんだけど、それを画面の動きに見事に合わせてくるというか、むしろ適当に鳴ってる音に合わせて画面が動き出す感じ。
ところどころかっこいいシーンはあるものの(冒頭とか)、すげえダサいところもたくさんあり(トリップしてるとことか)、全体としてとても冗長に感じた。そういう演出自体、ヒロインの自分探しの迷走ぶりを反復して>>続きを読む
つまんないこともないんだけど、あまりにもめまぐるしく画面が変わっていくわ、音楽はうるさいわ、やたら長いわ、どうもよくわからん。この狂騒感が時代の雰囲気とかそういうのかねえ。
たまにはおれもこういうトレンディなやつで感動してみたい気分になることもあるんや
ずっと不穏な雰囲気が続いていて、それで持たせる演出がすごいといえばすごいんだけど、もっとまるっきりどうでもいい弛緩した箇所があってもよかったと思うんですよね。こういう作り方だと「どこかで止められたので>>続きを読む
ルーシー・チャンの、幼いのかやさぐれてるのかよくわからない不思議な魅力はパリ13区という街の雑多さをモノクロで削り落としたがゆえのものかなあと。仕事中にちょっと抜け出してあれして、終わった後に店の中で>>続きを読む
退屈なディスコミュニケーションを延々と録音したからといって何か面白くなるわけでもない。
殺人するとか擬似的な親子の絆ができそうとか、そんないい場面でのんきなラテン系?音楽が流れて踊り出したりしてわけわからん。カンヌは最近は道徳教材みたいなのばかりだったが、これは反社会的でよい。クィアなモ>>続きを読む
こんなにきれいな街なんだから、その閉塞感とかも含めてカラーでしっかり撮ってほしかったかな。
これだったらまあ、こうなりますよねという展開で、いっそのこと逆回しにするとか、何か工夫をしないものかと思う。いろいろと汚らしいんだけど、グロいのが逆にゾッとするような美につながるとか、あるいはアホみた>>続きを読む
オープニングのテンションはかっこよくて、これは何か面白いものが始まったのかと思いきや、残り135分、延々と退屈な歌と映像が続いてげんなりする。変な海とか荒野とか、笑えるほどダサいんだけど、カラックスは>>続きを読む
わー、肉食女子たち怖いわー、と思ってしまうのだけど、これはこれで1990年代の地方のヤンキーの最高の夢の世界なのかなあ。
ワーキングクラスの若い母親がいろいろとひどいめに合う話で、インプロヴィゼーションっぽい撮り方が多用されているけれど、カサヴェテスみたいな暴力的な緊張感はあんまりない。鮮やかすぎる色使いがよくわからない>>続きを読む
なんかうまくいかない男たちのうだうだした時期をありのままに描くということで、どうにも貧相で、その貧相さが叙情的になるようなこともやってなくて、まあなんか気が滅入るだけで終わってしまった。あのベッドシー>>続きを読む
乳がんで亡くなった歌人、中城ふみ子を描いたもの。月丘夢路の主演。がん病棟などでのコントラスト強めの映像が鬼気迫るものになっている。月岡の肉感的な身体性が、一方で主体的な性衝動として、他方で他の女性も思>>続きを読む
小津脚本で笠智衆やら何やらが出ていて、三姉妹の嫁入り物語ともなれば、いかにして小津っぽくない映画にするかが勝負だけど、まあ正直ほとんど小津に持っていかれている感じはある。しかし、月夜の晩という設定をう>>続きを読む
監督としてのデビュー作。敗戦後のごたごたの中をどうにか強く生きていた森雅之と久我美子の意地っ張りな感じが丁寧に描かれている。中盤までは手堅くまとめていて、逆にいうと田中の作家性?みたいなものは感じられ>>続きを読む
評判の「ドライブ・マイ・カー」はひたすら「声」の映画で、やってることのラディカルさはわかるものの映像としてさほどグッとこなかったんですが、こちらは映像も繊細ですばらしい。短編映画が3つ連なっている構成>>続きを読む