吉良貴之

オルメイヤーの阿房宮の吉良貴之のレビュー・感想・評価

オルメイヤーの阿房宮(2011年製作の映画)
3.8
フランスから渡ってきてマレーの熱帯雨林で悪い商売をしようと企んでいる男と、その娘の物語。場所はむちゃくちゃに暑そうで、しかも水に濡れてばかりでべちゃべちゃなんだけど、それを感じさせない光の使い方が特徴的というか。かなり強烈に照らされた光のせいで不思議な非現実感がある。今回の5本のアケルマン作品に共通するんだけど、画面を明るくしたり暗くしたりという、スイッチ1本の切り替えで映画的カタルシスを随所で作り出している。最後のほう、目の覚めるような真っ白な砂浜でのシーンは映画史に残るレベルの美しさではないか。
吉良貴之

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