RMさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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汚れた血(1986年製作の映画)

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設定にスケールの大きさをもたせた一方で、出来事としては手の届く範囲というか我々が普段見えすぎているものというか。泥臭いのが身の丈に合ってていいんだよ。ジュリエット・ビノシュとジュリー・デルピーの陶器の>>続きを読む

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

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なんて健気な映画なんだ…。他者に去られて遺された者の視点で描いた物語は多いと思うけど、本作は去った者の成仏できずに残った想いの映画。確かに、生きていれば考え方の変化や人との出会いといった癒しが発生し得>>続きを読む

テオレマ(1968年製作の映画)

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「信仰」の話だと思った。突然の訪問者のもつ魅力に囚われ、触れたいと思って彼もそれに応えていくわけだけども、彼がこの場所を去らなくてはいけないとなったある日、彼に囚われた者たちの心情の吐露に人間のもろさ>>続きを読む

ジャックは一体何をした?(2017年製作の映画)

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初リンチ 朝に観た 分からなくて思考を放棄してしまった

ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

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ガールズドリームに胸を踊らせて、それをコケにされる屈辱をホラーに昇華する。霊的な怖さではなく、自分が見くびられていることや意思を軽んじられていることに対する後ろ盾のない怖さの方を強く感じたのは、私が女>>続きを読む

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

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『DUNE』を受けてドゥニ・ヴィルヌーヴを掘る。彼のつくるオレンジがかった画は本当に綺麗。静かにじわじわと地を這うような音楽が世界観をぴったり支えてる。ありがとうハンス・ジマー。自身のルーツや心を探る>>続きを読む

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

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動く雑誌!あ〜〜しあわせ…。シアーシャ・ローナンがいぢわるなお姉さんしててとても好みだった。

(2007年製作の映画)

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夏のバカンスがロメールを彷彿とさせる。この歳、この夏だけの刹那。以降のドランは言葉数を極端に多くすることで激烈な感情をあらわにするけど、本作は言葉になる前の段階を沈黙やまなざしで抱えているイメージ。こ>>続きを読む

SAINT LAURENT/サンローラン(2014年製作の映画)

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経済や流行の循環の速さがデザイナー自身のキャパシティの域を優に超えてくる状況の中で、自らを鼓舞する手段としてドラッグが選ばれがちだと、久石譲の著書で読んだ。

マティスの絵を飾るのが夢だと語っていたの
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HANA-BI(1997年製作の映画)

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端正。後半からセリフがほぼ無くなって代わりに色彩と画がビシバシ訴えてくる。
お寺にいた猫ちゃんたちもキャストなのかな。西が鐘を鳴らしたときの構図が最高だった🐈

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

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縮めたかった距離は会話によってどんどん離れていく。飛び交う会話の中で発言権をいつまでも与えられないルイの、状況を俯瞰してタイミングを覗い続ける目は優しくて決意が据わってるが、自分を拡げて他人に割り込ん>>続きを読む

スモーク(1995年製作の映画)

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ストーリーテリングという行為そのものの贅を尽くしている。嘘とまでは言わないけどフィクションや創作に救われること、あるいはそうでもしないと自身を保てないこと。誰を咎めるでもなく、過大な損益を生むわけでも>>続きを読む

乾いた花(1964年製作の映画)

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毎秒カッコよすぎ……ライティングが神の御業じゃないですか?
口数が少ない分、池部良と加賀まりこのまとう空気に重みがあり、語らない含みを物語っている。人生は退屈だと言い合うふたりは、互いの存在意義など見
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ハズバンズ(1970年製作の映画)

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参列に向かうところから画作りがヤバくて興奮する。色使い、見せる・見せないのメリハリ、人物を前後に配置させることによる奥行きの構図がすごい……。そんな抜かりない映像が描くのは、どうしようもない中年男性た>>続きを読む

ローラ(1961年製作の映画)

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出会ってほしい人たちがすれ違い続けて、だんだんと糸が紡がれていくように進んで、最後には叶わぬ想いもあるんだけど全部が繋がる清々しさ。
セシルとフランキーがお祭りで遊んでいるときのスローモーションに、頭
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SKIN 短編(2018年製作の映画)

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後半の加速度と悲しく恐ろしいラスト。伏線を張って回収するまでが20分という尺の短さでありながら重厚で苦しい、、そうさせたのは刷り込まれた価値観のせい。

不気味なものの肌に触れる(2013年製作の映画)

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踊りによる一枚の壁、圧巻だった。喫茶店で「触れたらこわいもの」について話し合ってるシーンがめちゃくちゃ好き。触れたらなんてことないことが分かってしまうから触れない。この距離感を保てることも信頼なんだろ>>続きを読む

Basically(原題)(2014年製作の映画)

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ポートレイトシリーズ。相変わらずイチモツが大好きなアリアスター。

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

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情報倫理と資本主義と政治イデオロギーの中で生きる私たちの話。科学は本質を示す安心材料だと思ってるけど、それだけでは統治はできないってこと、記憶に新しい。

偶然と想像(2021年製作の映画)

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こんなにおもしろいことあっていいんですか?

劇的な出来事があるわけではないんだけど、会話が人の思いを引き出して行動を誘発する様子を観て他人事ではないと思えることが、日常も人間も捨てたもんじゃないと希
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レネットとミラベル/四つの冒険(1986年製作の映画)

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偶然の出来事に対する突発的な反応の数々は、なんだか自分の子供時代を見ているような気分になった。素直であるが故に時々不機嫌になったり、性格が正反対な二人が言い合ったり、正直者が馬鹿を見たり。沈黙が必要。>>続きを読む

サマードレス(1996年製作の映画)

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bang bang〜♪が初っ端から流れてドランの『胸騒ぎの恋人』を彷彿した。男2、女1という構図も同じだし、今作のオマージュなのかな。

私は未見の『Summer of 85』の色使いが感じられて、て
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

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IMAXで観られなかったことが心残りだけど、それでも映画体験として素晴らしかった。続編、原作小説、デヴィット・リンチ版、ホドロフスキー版ドキュメンタリーでまだまだ掘れるの最高。今後の人生はDUNEと共>>続きを読む

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

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読み取るコンテクストが多様で圧倒されたけど、これらを嫌味なくひとまとめにできたことがただただ凄いなあ、、と。鑑賞後の多幸感は筆舌に尽くしがたい。

人の感情が言葉として淡々と発せられていくけど、感情が
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やさしい女(1969年製作の映画)

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愛とは何かを問う。夫が求めれば求めるほど妻は自身の内に入っていく。独占欲と愛を履き違え、妻を夫の手中に閉じ込めていく。妻は自由が欲しかったけど、妻は自分が求めるものに気付けなかった。静かに湧いてくるど>>続きを読む

海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

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およそ1年ぶりに再鑑賞。だいすき…
2021.11.7 AmazonPrimeVideo
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庭、海辺、家具、ファッション、全部可愛い。日常を切り取ったような映像で癒された。
まだ子供とあしら
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都会のアリス(1973年製作の映画)

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自分が何者であるかを規定する、あるいは明らかにするために、写真を撮ったり旅をしたりして特別(だと思っている)な経験をこなしていくけど、見るもの聞くものがすべて通り過ぎてしまう感覚、痛いほど分かる。主人>>続きを読む

飛行士の妻(1980年製作の映画)

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"人は必ず何かを考えてしまう"
憶測が憶測を呼び悶々とするけど、いざ話し合おうとしても伝えたいことを言葉にできずに感情が先行するもどかしさよ。愛を理由に言動を正当化するのは無理があるけど、誰かにぞっこ
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THE DEPTHS(2010年製作の映画)

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ひとつひとつに含蓄があって、でも抱えきれる量で、散らばせながら一本の幹にまとめていくプロットに「すごい…」としか言えない。音楽も良い。濵口作品掘ります。

モチーフについて羅列。
通訳:ソフィア・コッ
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

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奇天烈ホラー映画。主演2人の演技が不自然で、強力な脇役陣がそれを強調しているという構図は、それすらも監督のデザインの範疇で、おそらくこの据わりの悪さも意図しているんだろうな。恐ろしいよ…。

公式サイ
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巴里の屋根の下 4K デジタル・リマスター版(1930年製作の映画)

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ひとりの女性をず〜っと奪い合ってる。他人の気持ちを操作するなんて無理という普遍的な、でも今もなお人々が悩まされている恋愛の煩悩が描かれてて、いい~~。きれい。

自由を我等に 4K デジタル・リマスター版(1931年製作の映画)

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構図が小津!かっこいいよ〜。刑務所での毎日の単調な労働の繰り返しは脱獄後も変わらないし、ラストの強風吹き荒れる中で吹き飛ぶ紙幣を追いかける人々を見て「資本主義とは…労働とは…自由とは…」と考えさせられ>>続きを読む

ル・ミリオン 4K デジタル・リマスター版(1931年製作の映画)

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はちゃめちゃハラハラ展開に落ち着かなかったけど、随所にドゥミが影響受けてるんだろうなというポイントが見受けられて嬉しくなった。オペラの舞台に紛れ込んじゃったシーンが本当に好き、、オペラの言葉を借りてて>>続きを読む

(500)日のサマー(2009年製作の映画)

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片想い失恋中の私にこの上なく沁みる。
サマーの考え方は25歳前後の私にとっては共感の嵐だったけど、30歳手前の今はその余裕を羨ましく思う。
恋愛におけるどんな失敗も仕方がなかった、然るべくして起こった
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