RMさんの映画レビュー・感想・評価

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落下の解剖学(2023年製作の映画)

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妻の理論的で不誠実な発言および過去の行動(事実)に対し、夫が放った"You are the monster."があまりにも正しい。他者と正しさをぶつけ合うことは恐ろしいのだと自戒にしたい。身に覚えがあ>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

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会話で展開されていくシナリオ、暗がりと大雨のシーン。映画に記憶装置としての機能を付与する愛情は分かるけれど……私の成熟度が追いついていないため、そこまですることか?他人の勝手なエゴでは?と斜に構える。>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

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こんな素晴らしい映画が2023年に生み出され、現代に生きる自分がリアルタイムに観れたこと。これだから映画を観ずにはいられない…。感想は推敲して後ほど。
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名前は知らないままで。連絡先を書いた
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ナイン・マンス(1976年製作の映画)

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言い寄られたり提案されたりして断るのに膨大なエネルギーを使うことを知らない人が多い体感。ついに断るのに疲れて、それを受け入れ、なし崩し的に関係が始まる感じ。己を見ているかのようで情けなくなるけど共感し>>続きを読む

一晩中(1982年製作の映画)

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出入り口での夜のはじまり、ベッドの上での本音、朝が近づくざわめき・拒否・混沌。それぞれのオムニバス。人物の動きが分からないほどの暗闇を映し続けることに実験ぽさを感じた。エドワード・ホッパーのような構図>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

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ずっと待ってたリューベン・オストルンドの最新作。相変わらず不快や不安の要素が常に画面内に在り、意識が張り巡らされて感心する。社会構造だけでなく性を搾取する側・される側まで逆転しており、環境が変わっても>>続きを読む

セイント・フランシス(2019年製作の映画)

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毎月身体から血が排出される仕組みに未だに怪訝な表情を浮かべる私は、自分の身体のことをオープンに話す機会も積極的に話したいと思ったことすらも無いかもと思い当たる。メンタルやフィジカルが悲鳴をあげていると>>続きを読む

こわれゆく女(1974年製作の映画)

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何もないところからこわれゆくのではなく、彼女を取り巻く環境や家族や築き過ぎた理想がそうさせてゆく。全員言わなくていいことを言い過ぎてるけど、それは決して日常とかけ離れてはいない。他人事ではないと思わせ>>続きを読む

終電車(1980年製作の映画)

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カトリーヌ・ドヌーヴが艶々。身に付けるものが全部ラグジュアリーで、たっぷりの髪をシニヨンにまとめた後ろ姿まで抜かりなく、昼間は劇団をまとめ夜は夫と過ごす、肝の据わったドヌーヴが美しい。
これは三角関係
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

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夕方の、桃色と水色が滲んでいる水彩画のような空を見ると泣きそうになる。インターネットの変遷をひと通り経験し、フェミニズムは自分事であるはずなのにどこか傍観して、環境保護のムーブメントは地球のためと言い>>続きを読む

冬物語(1992年製作の映画)

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惚れた女性に振り回されることが男の幸せ、とローランドのお父様が言っていたらしい(ローランドの著書より)。

自由気ままで自分の感情を信条に、母に呆れられながらも突っ走るフェリシーに終始共感する私。心を
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オルメイヤーの阿房宮(2011年製作の映画)

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女性は教育が受けられるだけ有難く、結婚すれば安泰だというステレオタイプに身動きが取れなくなっているのは、ニナではなくオルメイヤーだった。人種差別や女性軽視を扱っても、男性性がつまるところ補えない部分を>>続きを読む

アンナの出会い(1978年製作の映画)

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シンメトリーな構図の連続と、水平方向の移動をなめるように拾っていくカメラワーク。素晴らしすぎました。電車の車窓からの景色も長い尺をつかって、移動という動作を丁寧に収めている。
(移動を省略しないことに
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ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

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自分で定めたルーティンを淡々とこなす日々。規律の中にはゆとりがなく、息子との会話は表面をなでるのみ。そんな毎日が少しずつ少しずつ、崩れていく。それは料理の段取りが少し悪かったり、手紙を書くのに言葉がう>>続きを読む

囚われの女(2000年製作の映画)

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憶測があらぬ方向へ進み、強迫観念に囚われた男性の話。言葉をいくら交わしても彼を安心させるものはなく、上滑りするばかり。自分が勝手に抱いている疑惑の裏付けが欲しくて、娼婦や女友達に話を聞きに行くが、空を>>続きを読む

デュエル(1976年製作の映画)

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設定を理解するのにすごく時間がかかって、ダンスクラブでピエールが鏡を割ったシーンからようやくすべてが繋がる。巻き込まれたリュシーがヴィヴァから逃げ回る姿が芋っぽくて観てて具合悪い。さっさと決闘せえよ、>>続きを読む

私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)

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ううしんどい…。トラック運転手が出てきてる間は好きだった。

街をぶっ飛ばせ(1968年製作の映画)

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ゴダールの『気狂いピエロ』を観て映画の道を志したアケルマンの処女作、そのルーツがよく分かる。狭いキッチンで繰り広げられる軽やかな狂い。好き、、

パリ13区(2021年製作の映画)

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"どこかの誰かの話"みたいな特別感が無くてウッと染み入ってしまった(それでも、急にルームメイトが出来てその人とセフレになったり、自分含め2人しかいない職場で恋愛してしまうなど現実では無いと言ってよい)>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

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他者との対話によって自分の感情や家族についての理解が深まる描写は、現代に生きる人が受け入れやすくまた欲していることなのだろうなと思う一方で、タトゥーに込めた思いを尋ねられたけど語らなかった男の子を登場>>続きを読む

アネット(2021年製作の映画)

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エンドロールでカラックスを含めた出演陣がまるい照明を持って行進する。「映画が気に入ったら 友達に教えてね 友達がいなければ 見知らぬ人に教えてね」と言うけれど、私はこの映画を気に入りすぎて、まだ誰にも>>続きを読む

フェイシズ(1968年製作の映画)

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人ってそれほど大差なくて、理性がどれだけ日常をなめらかにしているのかを思い知る。目の前の快楽に飛びついて理性が戻ったあとの虚無。綺麗事を何一つ述べないことが現実に近い。痛いけどちょっと安心してしまう。>>続きを読む

ボーイ・ミーツ・ガール(1983年製作の映画)

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カラックスの長編デビュー作、当時22歳、のちに『汚れた血』『ポンヌフの恋人』と続くアレックス三部作の一作目。これらの前情報を踏まえて振り返ると、本当にすごい😭と語彙喪失。

虚空を見つめて自分のために
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たぶん悪魔が(1977年製作の映画)

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環境問題、政治、神といったあらゆるものに対して懐疑的であり、何の役に立つのかと問うも、誰からも何からも腑に落ちるものを得られない。生も死も恐ろしいと言う。悲愴などない、ただ終わりにした。
一瞬も気を緩
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湖のランスロ(1974年製作の映画)

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『アーサー王伝説』の後日譚である『ランスロット物語』がモチーフだそうです(シネマカリテに貼られていたキネマ旬報より)。事前情報があればもっと楽しめたんだろうけど、映画のショットは手足のクローズアップが>>続きを読む

ポーラX(1999年製作の映画)

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交互に切り替えられる明暗に目が覚める。暗闇で物語られることがあまりにも多くて感嘆。前半の「ほんとにカラックス?」と疑うほどのブルジョワな雰囲気から、後半にかけての緩やかで確実な破滅。バンドがマジでカッ>>続きを読む

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