春とヒコーキ土岡哲朗さんの映画レビュー・感想・評価

春とヒコーキ土岡哲朗

春とヒコーキ土岡哲朗

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アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

この映画こそがヒーローだ。


悲劇のあと、どう生きるか。

大きな悲劇が去ったあと、生き残った者はその後の世界を生きていくしかない。前作『インフィニティ・ウォー』のラストで、宇宙の生命の半分が消滅し
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ミッシング(2024年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

一向に解決しない問題がある現実を、どう生きるか。


他人との感情の差は、罪ではないんだけど。

主人公は、娘が行方不明になった母親。自分の身に起きたらと思うと怖く、気の毒で仕方がない。
だが、夫はそ
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デッドストリーム(2022年製作の映画)

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浅ましさの一端を担わされる、参加型ホラー。

(試写で鑑賞。上映前なのでネタバレなし)

配信者とそれを見る者の関係。

主人公は、お騒がせ配信者で、再生数稼ぎのために呪われた館に入っていく。コメント
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ルックバック(2024年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

後ろ向きにならないと、自分の来た道の価値は分からない。


好きなものに打ち込む度胸。

藤野は、最初は比べられる相手もいなく、自分だけが学級新聞に四コマ漫画を載せていた。自分の才能だけを見て惚れ惚れ
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ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

観終わって、頭が空っぽになった。

オープニングから、「何!?何!?何!?」って感じの映像と音楽で攻められる。サブリミナル的にチラつく男の姿に神経をすり減らされる。

毎晩“甦り”を繰り返す主人公。他
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市民ケーン(1941年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

今の映画につながる技術の宝庫。

話の進め方、テーマが『ソーシャル・ネットワーク』に似ている。
主人公は最初は金よりも実直さを優先した男だが、どんどん妻をステータスと見るような強欲な男になる。向上心が
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RED/レッド(2010年製作の映画)

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思った通りの方向性で、予想以上の面白さ。

アクションシーンがもれなくカッコよくて、欲を言えばアクションシーンの数がもうちょっと多く見たくなった。ジョン・マルコビッチが危ないオヤジ感でマッドな面を担っ
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アス(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

怖くて、切実。

自分たちなのに怖すぎる。
影家族の登場シーンがかなり怖い。家の外に誰かいると言われ、様子を見ると、家族4人が立っているシルエットが見える。家族が真夜中に人の家の前にいる姿が異常で、い
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レスラー(2008年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

「おれにはこれがある」に命をかけろ。

ゆるやかにドブな人生に気づけるか。
落ち目のレスラーの話ということで、もっと分かりやすく落ちぶれているのかと思ったら、絶妙な落ち具合。ギャラは安いが継続的にプロ
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クリスティーン(1983年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

何かを好きになることにしがみつく、暴力としての恋。

恋は人を狂わせる。
車に魅了されて狂暴化する主人公だが、「車」が主人公の彼女に嫉妬するところからも、クリスティーンは魔性の女を表した存在。それを、
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実りゆく(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

親が真剣に育てたように、自分勝手も真剣にやる。

親に心配をかける若造の一人として、共感。
りんご農家を継ぐよりも東京でお笑いがやりたい実。でも、父に言い出せずにこそこそとお笑いをやっている。言ったら
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劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

過酷な現実で「せめてもの勝利」に向かう足取り。

暖かい夢にこもりたくなる。
敵は、人間に気持ちのいい夢を見せ、その間に食べてしまう鬼。母親と幼い弟・妹たちを殺された炭治郎は、家族が生きている夢を見る
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サンタクロースになった少年(2007年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

サンタクロースとは、個人の愛情のための世界のシンボル。

サンタクロース誕生の物語。
史実ではないものの、聖ニコラスと同じ名前のニコラスを主人公に、サンタクロースの発端を創作した物語。
村の人たちに育
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劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

いなくなっても、その人の愛は人を支える力がある。

会えない人への思い。この映画で描かれる「ありえないと思っていた再会」は、都合のいい展開かも知れない。でも、これを観て、会えない人への気持ちを整理する
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ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

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生物はそれぞれ気持ち悪い。

意味不明だけど見てしまう、クセとハラハラ。全く心地よくないアニメーションなのに、冒頭から人間の赤ちゃんが巨大な宇宙人のペットにされる、我々地球人からしたら怖い展開なので、
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オーシャンズ13(2007年製作の映画)

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やられたらやり返す、人情物語。

仲間のかたき討ちに、カジノとホテルを二つ同時にブッつぶすという計画が始まってワクワク。困難を乗り越える打開策が大それたことすぎて、思いついてそれをやっちゃうオーシャン
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オーシャンズ12(2004年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

プロたちの三つ巴で、出し抜かれる快感が三倍。

前回、みんなで打ち負かした敵・ベネディクトのからの復讐で物語が始まる。ベネディクトの「全部返してもらおう」がジワジワこっちのテンションを盛り上げる。みん
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Vフォー・ヴェンデッタ(2005年製作の映画)

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信念のために、犠牲を払っても戦う。

爆破シーンはものすごく華麗。協奏曲に合わせ、大胆不敵の美学を持つ爆破アート。
過去から現在、そして未来へと、理念は滅びずにつながっていくことを感じる。

人の行動
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おしゃれ泥棒(1966年製作の映画)

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盗みのドキドキとロマンスのドキドキが相乗効果。

オードリー・ヘップバーンに異常にときめいた。特に、計画を手伝わないと言われたときに目に涙を溜めて「Why?」と尋ねるシーンは心奪われた。
あと、あるシ
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GANTZ(2010年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

重厚感とスタイリッシュさ。

“死んだはず”の人間たちが星人との戦いを生き残ろうとする。普通人間は死んだらそこで終わりなのだが、一度死んだ後にチャンスを与えられたことで、生への願望、死への恐怖を思い知
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インフォーマント!(2009年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ポップな欲のかたまり。

「全部話せ」って言ってんのに隠し事をしてたり、「秘密にしろ」って言ってんのに言いふらしたり、そして実は横領しまくっていたという、もんのすごく弱い人間。
正直最初はつかみどころ
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ゴジラ(1954年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ダークヒーロー、SFロマン、社会派、正義、てんこ盛り。

ゴジラは水爆の影響で産まれた、地球から人間へのしっぺ返しモンスター。だから、ゴジラにやられることは、怪物に襲われるというより、災害にあったよう
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レオン 完全版(1994年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

無垢さと凶暴さが生み出す、深い哀愁。

アクションも満載。階段の下からレオンが飛び出すシーンはびっくりした。ターゲットに背後から近づくシーン、闇からナイフが出てきて、続いて顔を覗かせ、そしてまた闇の中
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ダンボ(1941年製作の映画)

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コンプレックスを武器に変えたら、最強。

大きな耳を、人間からは笑われ、象からは恥さらしと言われる。違い=劣っている、とする皆の愚かしさ。しかし、母の無償の愛という子にとって一番大切なものはちゃんと与
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ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

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巨大な人の輪を作るために、身近な人の輪を失った。

主人公の天才ぶりが発揮される最初の「女子ランク付け」は、悪趣味だけど、BGMの煽りもあってドキドキ感が込み上げた。

主人公が、開発したSNSを世界
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ジム・キャリーはMr.ダマー(1994年製作の映画)

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一体、この人の頭はどうなっているんだろう?

顔、声、動き、一挙手一投足が卑怯なほどに面白いジム・キャリーが元気いっぱいにふざけっぱなし。話も笑いもテンポ良く進んでいく。
しかし、「食いつなぐだけの人
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ライラの冒険 黄金の羅針盤(2007年製作の映画)

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主人公のライラの子は魅力があり、悪役のニコール・キッドマンの策略家な怖さや、ダニエル・クレイグの戦い続けてる感じはかっこいい。
ただ、なんだか分かりづらかった。権力者によって隠された世界の真実に興味津
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シカゴ(2002年製作の映画)

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犯罪者とショーを重ねた、皮肉なエンターテインメント。

「嫌われ松子の一生」が“個人”を描いた生きざまエンターテインメントなのに対し、これは面白ければ善悪を度外視してネタにする“世間”を描いた映画。
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スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

始めたからには「続ける」決意。


強制的に戦う夏休み。

ピーターは、学校行事の旅行でMJとの恋を発展させたい。しかし、そこにニック・フューリーがつきまとう。現れた敵との闘いを求められるピーターだが
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サマーウォーズ(2009年製作の映画)

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見事に盛り上がって、メッセージも爽快に表現してくる。

OZというネット世界の説明ナレーションと、そこからのズームインで、創り上げたフィクションの世界に連れて行かれるワクワク感。

前半は、先輩の親戚
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裏窓(1954年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

危険を覗くスリルを共有させられる。

オープニングで、狂気染みた楽しさのあるBGMの中、ブラインドがメロディに合わせて上がっていく。ブラインドが開いていくごとに物語の世界に徐々に引っ張られる。

主人
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胸騒ぎ(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ヨソの家族は、ウチから見たら異常。

それぞれの家庭の考え方の違いをホラーにしている。
しばらく何も起きない時間が、本当に何も起きていない。家族が旅行中に、別の家族と出会う。相手側の家族がおかしいんだ
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

人には人の立場があるけど、それを配慮すれば正しいのか。


上流から下流に影響するのが世の理。

しばらくゆったりと、どんな映画なのか分からないまま時間が経つ。山と、山に囲まれた町の暮らしをゆっくりと
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アウトレイジ(2010年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

苦痛だらけ、悪い人間たちの喰らい合い。

コワモテな人々のヤクザワールドで、みんながそれぞれの企みで裏切り合い、誰が誰を殺してもおかしくない状態。楽しくないけど“娯楽”な映画だ。
バイオレンスに、笑い
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月に囚われた男(2009年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

SFだけど、心を攻めてくるサスペンス。

サムは3年間の孤独な仕事の任期をようやく終えようとしていたが、不穏な空気が流れ出す。現れたのは、事故現場から出てきたもう一人の自分。どちらも右手を火傷中という
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

背負えない責任を抱えた人間と、人類。


実際に人と会話しているような時系列。

戦中や戦後の時系列が行ったり来たりするけれど、そこの混乱はなかった。たとえば人からその人の半生を聞くときの、「今こうな
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