きのぴさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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ミッシング(2024年製作の映画)

4.4

暫定、今年の一番。「空白」を超える名作だと思う。コンディション次第では途中リアイアもやむを得ないくらい、めちゃくちゃしんどかった。それだけ、人間のあらゆる負の感情がリアルかつ重層的に表現されてるし、ネ>>続きを読む

キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー(2014年製作の映画)

3.8

華はないが頼りになる公務員的ヒーロー、キャプテン・アメリカ。超能力や必殺技やハイテクノロジーに頼らず、とにかく一生懸命がんばる彼こそやはりキャプテン。アベンジャーズが助けに来たぞ!って時に自分のところ>>続きを読む

サイコ(1960年製作の映画)

3.6

色んな作品に影響を与えている古典的名作だけあって、正直展開は読めてしまうんだけれど、それでも恐怖や不安を煽る演出に魅せられた。特に応接室での会話のシーン。ノーマンとマリオンの顔が交互に切り変わる中で、>>続きを読む

ボブ・マーリー:ONE LOVE(2024年製作の映画)

3.4

ボブ・マーリーの半生それ自体は面白いのに、映画としてはなぜか見にくくてイマイチだった。どうしてもボヘミアン・ラプソディと比べちゃうんだけど、外部環境の変化が大きい割には全編を通して単調で味気なく感じる>>続きを読む

善惡の刃(2016年製作の映画)

3.9

実話ベースの法廷モノながら、ラストシーンでようやく開廷するという斬新な構成。本編のほとんどは再審までの過程であり、冤罪の青年の苦悩と自分本位な弁護士の心境の変化が中心に描かれる。逆転劇が敢えて描かれな>>続きを読む

マイティ・ソー ダーク・ワールド(2013年製作の映画)

3.7

ソーはいつも通りの頑張りかな。出色の動きをするのが弟のロキ。余裕を感じる不適な笑みと、幻覚を解いた時の荒みきった姿のギャップといい、最後まで敵か味方か分からない言動といい、やっぱり魅力的なキャラクター>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章(2024年製作の映画)

4.0

前作でばら撒いたフラグを綺麗に回収しながら、門出と凰蘭はサークルの夏合宿へ、世界は破滅へと向かう。終盤はPG12でいいんかってくらいトラウマ級なシーンが流れるし、人々の倫理的・政治的な反応もかなりリア>>続きを読む

アイアンマン3(2013年製作の映画)

3.9

「アベンジャーズ」を観て満足してしまいディズニープラスを解約。2年ぶりに再契約してMCU戦線復帰。長い間寝かせてたのが勿体無く感じるくらい面白かった。
アイアンマンってやっぱり華とロマンがあるなって思
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カンダハル 突破せよ(2023年製作の映画)

3.4

周りの人物が敵か味方か分からない状況での脱出劇は、よもすればすごく面白くなりそうなものだけど、勿体無い。それぞれの勢力の利害関係や勢力図がよく分からなくて混乱するし、肝心のアクションは及第点ぴったりく>>続きを読む

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

4.3

めちゃくちゃ旅がしたくなる映画。エモが大気に充満して弾けそうな喧騒の台湾と、冷気が静かにエモを運ぶ雪景色の北日本。どちらもすごく良い。どちらの旅でもかけがえのない出会いがあり、旅の面白さと人生の有難さ>>続きを読む

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

3.5

上品かつ不快極まりない映画。ウェッジウッドの高級皿にうんこが乗っている感じ、といえば大袈裟かもしれないけど、高尚さが人間の卑劣な部分を際立たせている作風はすごく面白かった。
夫婦役二人ももちろんだけど
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インファナル・アフェアIII 終極無間(2003年製作の映画)

3.3

三部作の完結編。なぜか全然ついていけなかった。回想シーンや幻想シーンが多くて時系列がごちゃごちゃする上に、サブキャラの顔がなんとなく似通っていて、誰が誰だか分からなくなってしまった。
終盤はなかなか面
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ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション(2015年製作の映画)

3.9

前作に引き続き、チームプレイが冴えわたる第5弾。飛行機ぶら下がりOPや水槽ダイブなんかはトムの個人無双で魅せながら、お馴染みの仲間たちが後半にかけてどんどん頼もしくなってく感じ、やっぱり好き。
そして
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オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)

3.7

原作も関連作品も見たことなかったから純粋にミステリーを楽しめた。よくよく話を聞くと全員怪しいし、謎解きまで誰が犯人なのか全然分からなかったな。さすが名作。
「この世には善と悪しかない、その中間はない」
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.6

これまた観たことないタイプのホラー映画。後半まで恐怖の正体がよく分からないってのがミソなんだろうな。不安を駆り立てるのがすごく上手くて、なんだかソワソワしてしまう。全貌が分かってからも、ビジュアルと動>>続きを読む

悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.0

衝撃的なラストが尾を引いて、鑑賞後も頭がグルグル回る。「悪は存在しない」し、同様に善も存在しない。善と悪は、見え方や濃淡が時々で変化するだけの同じものであり、二分化できないのかもなって思った。それはお>>続きを読む

孤狼の血(2018年製作の映画)

3.9

こがあないびせえ広島弁は最近聞かんようなったのう。なんつって。
本格的なヤクザ映画を観るのは初めてだったけど、こんなに面白いとは思わなかったな。バイオレンスMAXのアクション、組対組、警察組織内の緊迫
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遠い夜明け(1987年製作の映画)

3.7

アパルトヘイト体制の70年代南アフリカ。人種差別の撤廃に奔走したウッズでさえ、最初は無意識的に偏見を持っていたことを思うと、この国の隔離政策がいかに根深かったのかがよく分かる。多少の脚色はあるかもしれ>>続きを読む

シティ・オブ・ゴッド(2002年製作の映画)

4.2

ドキュメンタリー調の斬新な撮り方で描かれる、「神の街」の狂気的な日常。2時間でいったい何人の青少年が死ぬんだってくらい、呆気なく銃殺されていくスラムの若者たち。なかなか衝撃的なシーンばかりだったけど、>>続きを読む

崖上のスパイ(2021年製作の映画)

3.8

アクションだけじゃない、神経を擦り減らし合う水面下の頭脳戦が見所のスパイ映画。仲間でさえ誰も信用できないし、バレたら地獄の拷問だし、こんな仕事してたら気がおかしくなっちゃいそうだな。
感動を誘うような
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マイ・ルーム(1996年製作の映画)

3.7

豪華実力派が勢揃いしたヒューマンドラマ。家族の不和やこじれがすごくリアルで、主要キャラ数人の関係性だけでぐいっと引き込まれた。家族から攻撃を食らうと心底傷つくけど、心の傷を一番癒してあげられるのもやは>>続きを読む

ベネデッタ(2021年製作の映画)

4.0

奇蹟の子か、嘘つきの天才か。
気づいたら引き込まれてた。サスペンス的な不穏さと、17世紀の修道院に漂う神聖さ、そこに合わさるドスの効いたエログロのハーモニー。主人公ベネデッタは本当に聖女なのか、はたま
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パッセンジャー(2016年製作の映画)

3.7

この設定を思いついた時点で勝ちじゃないかな。宇宙船で孤独に人生を終える絶望感と、他人の人生を台無しにしてしまう罪悪感との葛藤。そこが一番見応えあった。前半に山場があるため、後半は若干興味が薄れてしまっ>>続きを読む

父親たちの星条旗(2006年製作の映画)

3.6

「英雄とは人間が必要にかられて作るものだ。そうでもしないと命を犠牲にする行為は理解しがたいからだ。」
最後の言葉の重みが心に残った。国のために命を消費する行為を肯定するため、作り上げられた英雄たち。戦
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ミスター・ノーバディ(2009年製作の映画)

4.3

観終わって感じる、とんでもない映画を観てしまった感。深く考えれば考えるほど鳥肌が立ってくる。こんなに考察し甲斐のある映画は随分久しぶりな気がして、張り切ってすっごく長いレビューを書いてしまいました。ご>>続きを読む

イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)

3.8

こんなにずーっと歌ってるミュージカルはあまり観たことないかも。異国情緒あふれるラテン音楽に、NYの下町を感じるヒップホップと、ノリノリでハイテンションなミュージカルが最高に楽しかった。
明るい音楽に合
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グランド・イリュージョン 見破られたトリック(2016年製作の映画)

3.7

わかりやすい敵役が出てきたぶん盛り上がるところは増えたけど、前作の痺れるようなクールさは若干薄れた印象。主要キャラの一部にテコ入れがあったのもちょっと寂しい。とはいえ、とんでもないマジックで騙されるの>>続きを読む

リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

3.5

こんなアニメは見たことなかったな。みんなベタ塗りのモノカラーで色もコロコロ変わるし、肝心のニワトリに至っては赤いモヤでしかないし。それなのに動きに躍動感があって、人の温かみを感じるからすごい。展開も割>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.8

もう1、2回見ないと理解し切れそうもない、膨大な内容の3時間。「原爆の父」として名前こそ知ってたものの、原爆投下後にこんな出来事が起きていたなんて知らなかったし、世界にとって重要すぎる創造物を生んでし>>続きを読む

アフター・ヤン(2021年製作の映画)

3.9

アンドロイドに宿る人間性、そして東洋的価値観。観る人によって感じ方や気づきが変わりそうな映画だけど、静謐な雰囲気には独特の心地よさがあった。
ロボットから家族愛を学ぶという皮肉っぽい面白さもありながら
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ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

3.6

しっとりした、婉曲的な復讐劇。物語自体が面白いわけではないけど、結末が気になってそわそわするし、両俳優さんの余韻のある演技に魅せられた。分からないところは分からずじまいのまま、胸騒ぎを感じながら終わっ>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.1

一気に難しくなったし、一気に面白くなってきた。第2部はなんとなくアバター1に似てる気がして、巨大砂虫を手懐けるあたりトルークマクトになったジェイクみたいだなって思いながらも、善悪が分かりやすくない点が>>続きを読む

イングロリアス・バスターズ(2009年製作の映画)

3.8

『デスプルーフ』と『ジャンゴ』の間に公開された作品。快楽主義的な復讐劇と凄惨な歴史を巧く整合させる仕事は、タランティーノ監督にしか出来ないんじゃないかな。また、ナチス軍とユダヤ人女性に加えて、派手なナ>>続きを読む

世界の涯ての鼓動(2017年製作の映画)

3.4

ジェームズとダニー、それぞれの物語は面白い。ただ、二人の恋仲を中心に添えて見た時、いまひとつ面白さを感じなかった。世界の果ての遠距離恋愛に感情移入するには、二人の出会いがつい最近すぎる気がするし、それ>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.3

これを映画館で観ることができて本当に良かった。リバイバル上映してくれたミッドランドスクエアシネマには感謝しないとな。
ジャズの迫力や熱感はまさしく初めての体験だったし、素人の耳にも三人の成長がひしひし
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コットンテール(2022年製作の映画)

3.7

リリー・フランキーの哀愁溢れる演技を味わう1時間半。監督の長編デビュー作とのことで、リリーさんの魅力や存在感を余す事なく引き出してくれていたけど、逆に言えばリリーさん頼みな感じも否めない。
キアラン・
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