アキ・カウリスマキ監督が地元の工場跡に映画館を作る姿を追ったドキュメンタリーという事で、なんかてんやわんやがあるのかと期待したが、アキ作品と同じで淡々と進み作品全体もポエジーな作りである種予想通りでも>>続きを読む
UFOとイカと青い血とヒューマノイド。宇宙からの侵略と世界の謀略。レイシズムの予感。現代に通じるテーマを豪華キャストと鬼編集で構築した喜八の反骨精神が漲る傑作SF。スクリーンで観るのは初だったけど凄ま>>続きを読む
フィリピンから一時帰国した元カレと過ごす5日間の荷物整理。
人生や生活の中に於ける名付けようのない感情や瞬間或いは動きのみで構成された様なリアルな佇まいと主人公が掬い取り紡ぐ音と日常に引き込まれた。そ>>続きを読む
ハンッ〜ム。色調、撮影、美術、衣装、音楽、キャラ設定全てが緻密でユニークな待った甲斐あるハウスナー劇場。ジェシカ版「ハーメルンの笛吹き」とも言える現代を批評したオートファジースリラー。果たして意識的な>>続きを読む
村上春樹ライブラリーから出られなくなった者たちが繰り広げる演劇の実践。果たしてピアニストはやってくるのか。「物質試行」がカラフルにPOPに立ち上がった様なマテリアルサスペンス。リヴェット的な可笑しさと>>続きを読む
煮え切らない登場人物たちのそれぞれのおかしな行動。狭いロケーション内を何度もぐるぐるしながら見えてくるそれぞれの辻褄と決断が一直線に連なり奇妙礼太郎の歌に委ねるラストが青臭くてニクい作品。にしても山本>>続きを読む
インドの貧しい家庭に生まれ独学でダンスを覚えたマニーシユがプロのダンサーになる迄のサクセスドキュメンタリー。才能を見出したダンス教師イェフダの愛情溢れる姉弟関係や理解のある両親などに涙。まだ黎明期と言>>続きを読む
辺鄙な村を繋ぐ2本のゴンドラ。そこに乗り込む2人の女性乗務員が行ったり来たりすれ違い村人と共に交流を暖めていく。同じ場所を行き来するだけの退屈な乗り物で凡ゆる可能性を提示して遊び倒すセリフなし映画。「>>続きを読む
もしもニコケイが夢に出て来たら。平凡な男の周囲で勝手に巻き起こる大騒動。SNS社会の集団作用を批評した藤子・F・不二雄SF短編とか星新一ショートショートとかに通じるシニカルな寓話。スタイリッシュな映像>>続きを読む
死ぬ前にいじめっ子に復讐しようと旅に出るナミとソヌ。なぜかカルト宗教に巻き込まれ2人だけの決死の修学旅行となる展開に。私たち生きる事も死ぬ事もマトモに出来ない。どこを見ても地獄な世の中だけどナミとソヌ>>続きを読む
ディープフェイク画像の作成バイトに駆り出された主人公に巻き起こる統合の失調。何が真実で自分は誰なのか。ポストトゥルースの時代のきな臭さとサスペンスとしての緊張感。そしてラストの爆笑的な飛躍。時代の気配>>続きを読む
山口さんとは一体誰だったのか。前半の黒沢清味ある不穏さと全てが緻密な伏線の様な緊張感。後半のジャイロ味あるサスペンスとアクション。そして小川あんちゃんの掻き回し。日常はホラーな事で溢れている。Jホラー>>続きを読む
ポルノ映画館「ヴァラエティ」のもぎりの仕事についたクリスティーンがある客に惹きつけられて。男のテリトリーにズンズンと介入して行くクリスティーン。見る側と見られる側の主体と客体の反転、セクシャリティと欲>>続きを読む
香港マカオをトッポい高倉健が往く。九龍城やスラムの大ロケーションの貴重な映像。キュート過ぎる加賀まりこの客演。八木正生のクールサウンド。スタイリッシュ石井輝男の手腕が炸裂したハードボイルド巨編。これは>>続きを読む
ジャンヌ・ディエルマン的ルーティンで過ごす障害のある息子を1人で育てる仕立て屋の女性の元に訪れる激しい恋。果たして彼女が取る選択とは。スイスの壮大な美しいロケーションとそれに全く引けを取らないジャンヌ>>続きを読む
黒井千次の原作を実際に読み再現しながオリジナルの物語に移行していき、主演の渡邉雛子は大学生活の4年間をこの役と過ごすというドキュメンタリーとフィクションをシームレス繋いだ人生に訪れる坂を描いた映画。坂>>続きを読む
世界は危険に満ち溢れてるから過剰防衛。神はサーモグラフィーしか見ていないからバランスを取れ、辻褄を合わせろ。強迫観念の果てに突き抜ける自分語り。タカノさんが男前過ぎてイマジナリーフレンドになって欲しく>>続きを読む
地獄くらいに終わってる世界の爆笑と断絶。山戸結希、山中瑤子、金子由里奈作品を初めてポレポレで観た時と同じトキメキとそれ以上の衝撃。バトンの継承とその更新。今後コレが新たな基準となる新しい映画のリーダー>>続きを読む
絵画を盗んだ犯人と盗まれた画家が出逢い、その犯人をモデルに画家は新作を描き始める。見るものと見られる側の反転と共犯。そして盗まれた2枚の絵の行方。先の読めなさと思いもよらない展開。スリルとサスペンスと>>続きを読む
リリアン・ギッシュとの単独インタビューを収めたドキュメンタリー。快活にハキハキと喋り倒す元気過ぎるギッシュの名言連発。世代を超えたリスペクトに満ちた共闘に胸熱。
4人の俳優たちの恋愛、葛藤、連帯などのバックステージを描いたそれぞれのリュミエール。鮮烈な赤を纏ったジャンヌの佇まいを蒼きモローが捉える。主演4人のみならず、キース・キャラダインのアホぶり、フランソワ>>続きを読む
思い返せばあれが穏やかだった最後の夏休み。好奇心の塊の少女が駆け巡り恋に落ちて傷ついて痛みを知る。イノセンスの終わり、大人の始まり。カミング・オブ・エイジ。美しい撮影とモローのナレーションで綴った人生>>続きを読む
加藤賢崇のヤンチャと伊丹十三のダンディ。そして洞口依子の眩しさ。ギクシャクとした纏まらなさと「なぜ?」と問う事を禁止した抜けの良さ。表層の戯れとその終わり。映画の解体とその後に吹く風を捉えた貴重な作品>>続きを読む
伴淳三郎、古川緑波を向こうに回し弾けまくる雪村いづみの天才少女ぶり。豪華スターとジャズオールスターで繰り広げられる心温まるレビュー。「娘十六ジャズ祭り」と並ぶ1954年の財産。これこそ国宝認定の傑作だ>>続きを読む
長距離トラック運転手に扮する由利徹が東京の撮影所に配送に行ったら由利徹と間違えられるというしょうもない話。ずっとゆるいコントを見ている様な全然特急じゃ無い展開で観た人間全員がカックンとなる作品。コレは>>続きを読む
退屈でウンザリしてる親娘が退屈でウンザリしてる世界を赤いワゴンで彷徨する終末のドライブ。停滞と不穏に満ちた世界の端っこで齎される恩恵とは。寒くて何もなくて会話する気にもならない父親とその中で少しでもマ>>続きを読む
過剰な捜査にくたびれ果てストレスで爆発寸前の刑事と満を持して登場する盲目のルピノとの出逢い。孤独を描き続けたレイの真骨頂とも言える緊迫感漲るフィルムノワール。急展開なハッピーエンドはルピノによるものか>>続きを読む
ポリオにより障害を抱えたダンサー。若さゆえの視野の狭さによる感情の極端なアップダウンを見事に演じたサリー・フォレストが若き日のルピノに思えてくるメロドラマ。物語は今から始まる的な希望に満ちたラストにル>>続きを読む
物凄く近い未来の高校の卒業間近のかけがえの無い日々。君たちはこの国でどう生きるのかを見つめた113分。彼らの未来とそれぞれのhappyendに涙が止まらなくなった。これは紛れもない私たちの青春映画。何>>続きを読む
いきなりクライマックスから死人のモノローグに繋がる幕開けの掴み。サイコパスの夫から逃れるルピノ絶体絶命の巻。息もつかせぬ緊張感とモノクロのコントラストの妙。手に汗握る王道サスペンスの醍醐味に溢れた93>>続きを読む
竹野内豊がモテまくる映画なんて見る気が全く起きなくスルーしてたが井口監督作品なので観てみたら、ジャック&ベティをはじめとするロケーションの素晴らしさや美術や細部のこだわりなど井口監督らしさが溢れ、オノ>>続きを読む
RMFを巡る3つの異なる物語を同一のキャストで演じ分けたオムニバス。エマのダンスシーン以外は観る価値無い作品。頭おかしい人たちの話ばかりでほんとウンザリした。いい加減エマも映画界もランティモス評価する>>続きを読む
熊本出身者の為の学生寮有斐学舎を丸ごと舞台にしたオールバカ夢の競演な青春グラフティ。オープニングとエンディングのバカ具合の秀逸さ。リアルと現実がぼんやりとした演出、「ドキュメント72時間」の様な貴重な>>続きを読む
イグアスの滝、青の洞窟、アンテロープキャニオン、行った事のない場所を想像しながら裸足で鳴らしてみせる架空の世界旅行。反発し合う事でしか触れ合えない2人の切なさとホロ苦さ。どこにでも行けたはずの2人の別>>続きを読む
ちょっとブルーなアスタとコケティッシュなライヴと子猫。ほんのりと絶望してる世界への小さな抗いの様な静かな暮らし。
全てのカットをポストカードにしたくなる絶妙なコンポジションで構成された、批評性と余白に>>続きを読む
トリケラトプス、青いの、レンズ、ロージンとしての終わりまでの猶予期間。物質に魂が宿る可笑しみと切なさ。秋から冬にかけての季節にピッタリのほっこりとさせる小さな物語をキョンキョンの大きな愛で包み込んだ作>>続きを読む