嘘つきで思わせぶりで直ぐに失神する美しきダニエル・ダリューの恋と耳飾りの行方。華やかなパリ社交界を舞台にしたエレガントなメロドラマ。バッドエンドともハッピーエンドとも取れる結末がスマートなソフィア・コ>>続きを読む
醜悪な夫のモラハラから逃走する為にひたすら自宅で夢想する夫人の諦念。背景を暗くし人物を際立たせ抑制された表情で抑圧された感情を引き出し、内面の視覚化とフランス地方で閉じこもる閉塞感を描く事に成功したフ>>続きを読む
想像の斜め上を行くアクションとルイス・クー、サモ・ハンをはじめとする豪華キャストによるナイス過ぎるキャラ。そして圧巻の九龍城砦の緻密な再現。笑いと涙と止まらない滾り。場所が無くなっても魂は消えない。熱>>続きを読む
オスカル、アンドレ、マリー・アントワネットとフェルゼン。4人の愛と友情が絡まる革命の青春。原作に忠実なキャラクターデザインと展開。宝塚的なミュージカルシーン。20年の歳月をダイジェストの様に纏めた往年>>続きを読む
憎しみと愛を養分に育ったカビが主人公のダークファンタジー。斬新な視点と美しい映像でアートフォルムとしてカビを扱った作品。途中までカビじゃなくてマットレスのロードムービーかと思ったが展開としてはデヴィッ>>続きを読む
「オオカミの家」の反動からの実写。これが功を奏したのかそうでないのかも不明な悪ふざけのギリギリを責めながら、チリは仮想世界だ的な現実逃避の痛ましさが最後にはシレンシオとなる結局今回もどうかしてる作品だ>>続きを読む
不在な者を待ち続ける実在する痛みを抱えたオーファンズの夏。どこにもない場所といつ頃の話かも不明な普遍性を帯びた工藤ワンダーの構築とそこに佇む圧倒的な村上由規乃の存在感。久々に観たけど既に風格さえ漂う名>>続きを読む
借金返済の為ラスベガスで一攫千金を狙う2人の珍道中。借金取りから追い込まれ尻に火がつき捲ってるのに子供みたいにはしゃぐジョン・ボイトとバート・ヤングのどうかしてるテンション。アン・マーグレットの美しさ>>続きを読む
ビール飲みまくり吐きまくるダメ男が酔って記憶を無くしてるうちに3人の子持ちの歌手と結婚してボロ車に全部を詰め込みカリフォルニアを目指す珍道中をガンガン流れるカントリーと共に描くロードムービー。癖のある>>続きを読む
アルコール依存症の元刑事をジェフ・ブリッジスが演じるハマりぶり。昔ロザンナ目当てでテレビで一度観た事あったけどその時と余り印象が変わらなかった80年代丸出しのマイアミバイス的なクライムアクション。ポス>>続きを読む
実家暮らしの金持ちの息子が黒人街のアパートを所有してそこで夢を描くが現実は甘くない。典型的なリベラル白人の薄っぺらさとストリートで凌ぐ黒人たちとの交流と断絶をシビアな眼差しで描きながら、切れ味のある細>>続きを読む
暴走する真っ赤なモーターボートの冒頭から突っ走る運命の歯車。夫の命を奪った男を愛する事は出来るのか。ショパン「別れの曲」の効果的な多用、強烈な色彩と陰影、そして圧倒的なご都合主義。これがメロドラマだ。>>続きを読む
ドイツ時代のサーク初長編作品。エイプリルフールのジョークとして皇太子がやって来るという嘘にまんまと騙された成金パスタ工場一家の右往左往。そこに本物の皇太子が登場して二つのラブストーリーへと発展する展開>>続きを読む
少女時代の終わりとリヴェット的サスペンス。一つの家で展開する二つの物語。同時に鳴るサイレン、海から運ばれたプレゼントと交換される花束。草原で光るツリー。何度観ても不明で片付かない所が面白く相変わらず素>>続きを読む
団地、草叢、自転車、踊る坂藤さんと清原モチーフが既に散りばめられた最初期作品。名曲喫茶ライオンのロケーションと劇場に接続された部屋の空間性。たったひとりの架空のリサイタルは今観るとすべての始まりのバガ>>続きを読む
村上由規乃が商店街をスケボーで滑る。もうそれだけで圧倒的に映画。工藤監督独自の空気感、無国籍性、トランシーバー、カイト、somaの音楽で綴る工藤版「ストレンジャー・ザン・パラダイス」とも言える3人の短>>続きを読む
パスカル・ボニゼール監督「オークション盗まれたエゴン・シーレ」@ル・シネマ渋谷宮下
ナチスにより略奪されたシーレの絵画がフランス工業都市の若い工員の家で発見された事実に着想を得て作られたサスペンスフル>>続きを読む
ndjc第1回作品。田中哲司、斉藤陽一郎、河井青葉とキャストの豪華さと皆んなの若さを観てるだけでウットリしてしまう男性のマリブルみたいな感情の具象を描いた珍しい作品。ホントにケモノが逃げるだけな作品だ>>続きを読む
行方不明の祖母が死んだとの連絡を受けるがその祖母は若い娘にしか見えなかった。アンチエイジングと抗えない運命との葛藤と混沌。ENBUゼミナール作品との事で出演者それぞれにスポットが当たるが、聖子役で客演>>続きを読む
渡邊龍平監督「完璧な若い女性」録画鑑賞。
perfect young ladyをフューチャーした昭和歌謡風映画。自分にとっての誰かにとってのそれぞれの完璧な若い女性を巡るモラトリアムな帰省。久々に観た>>続きを読む
2021年米軍のアフガニスタン撤退により生じた混乱と混沌。現地の芸術家をタリバンから救う為にフランスと交渉するなど最善を尽くすマフマルバフ一家の奮闘。その実況中継の様な緊迫感を自ら捉えたドキュメント。>>続きを読む
2023年10月のエルサレムの街でそこに住むパレスチナ人、ユダヤ人らと語り乍ら分断を煽る世界で何が可能かを探っていく。パレスチナ系ティーンのダンスグループの愛おしい映像を並置させ非常に冷静な視点で私た>>続きを読む
無実の罪で逃亡する羽目になった歌手のアン・シェリダンが3人兄弟のママになる。静かな田舎で教会建設を目指す神父である3兄弟の父親とのロマンスとアクション。歌とダンスとミートパイと射撃が得意だけど泳ぎと朝>>続きを読む
ハネムーンで水疱瘡に罹り休暇で戻った実家には妻(パイパー・ローリー)の親戚が15人も居座り2人きりで過ごせない夫(トニー・カーティス)の苛立ちをコミカルに描きながら、拝金主義と毒親への痛烈な批判を扱っ>>続きを読む
インチキドリンクを売り歩く行商人ドクが助けたのは劣悪環境の孤児院から脱走した少年だった。孤児院の資金を流用する悪徳政治家たちの不正を暴くドク。成り行きで善行を成し遂げる渡り鳥シリーズを彷彿とさせた人情>>続きを読む
男の子2人を持つ未亡人と、女の子2人を持つやもめが出逢い恋に落ち、子供たちと犬たちを巻き込んでの大騒動サマーキャンプ。軽快で痛快でテンポも抜群。メロドラマだけじゃない。サークの職人的手際が冴え渡るハー>>続きを読む
ブレッソンマナーとも言うべき静謐さ、小津オマージュの様なクローズアップの紙芝居的展開から立ち上がるエモーティブな音楽。全然嫌いじゃない作品だけど寒い日に観たら爆睡するよなぁとウトウト。初夏にまた観直し>>続きを読む
世間の無理解の中で慎ましく生きる聾者の夫婦の人生。身勝手で薄情で差別的。その社会のリアルを描く為に主人公たちに対して最後まで厳しい松山の拘りは理解出来るが、デコファンとしてはそりゃないぜ善三な展開の作>>続きを読む
豊田正子の作文を纏めた原作の映画化。貧乏長屋で暮らし乍らも挫けず明るく努め自分の身の回りを正直に綴方に書いたマーちゃんの一年。小学校の頃から文才を発揮する主人公はデコちゃんそのものとも言えて完全に引き>>続きを読む
バカンスからバカンスまで。姉妹が過ごしたリアルでオシャレで甘酸っぱい一年。ウェス・アンダーソンの様な色彩と美術、「レディバード」の様なテンポ感とエピソードの積み重ね。奇跡のデビュー作にして永久不滅の青>>続きを読む
人の善意と好奇の前で公式なコメントと振る舞いして押しつぶされそうになる少女。言語化出来ないエモーションを丁寧に掬い取った3.11での自らの体験を元にしたフィクション。どんな顔で観ても想いで観ても正解じ>>続きを読む
チェスレコード初の白人歌手でありウッドストックで名盤を作ったボビーの功績を関係者の取材を中心に構成。天才的なソングライターで多くの名曲を残したがシャイな性格で名声とは無縁だった人生。優れた作曲家として>>続きを読む
カラカラに乾いて朽ちた場所に潤いと花を咲かすドイツから来たジャスミン。久々に観たけどこんなにヘンテコリンな作風だったのか。後半のミュージカルとか完全にブレンダの妄想の様で悲しくもなった。しかし乍ら現実>>続きを読む
アキ・カウリスマキ監督が地元の工場跡に映画館を作る姿を追ったドキュメンタリーという事で、なんかてんやわんやがあるのかと期待したが、アキ作品と同じで淡々と進み作品全体もポエジーな作りである種予想通りでも>>続きを読む
UFOとイカと青い血とヒューマノイド。宇宙からの侵略と世界の謀略。レイシズムの予感。現代に通じるテーマを豪華キャストと鬼編集で構築した喜八の反骨精神が漲る傑作SF。スクリーンで観るのは初だったけど凄ま>>続きを読む
フィリピンから一時帰国した元カレと過ごす5日間の荷物整理。
人生や生活の中に於ける名付けようのない感情や瞬間或いは動きのみで構成された様なリアルな佇まいと主人公が掬い取り紡ぐ音と日常に引き込まれた。そ>>続きを読む