ウエダダダさんの映画レビュー・感想・評価

ウエダダダ

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ヴァラエティ(1983年製作の映画)

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ポルノ映画館「ヴァラエティ」のもぎりの仕事についたクリスティーンがある客に惹きつけられて。男のテリトリーにズンズンと介入して行くクリスティーン。見る側と見られる側の主体と客体の反転、セクシャリティと欲>>続きを読む

ならず者(1964年製作の映画)

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香港マカオをトッポい高倉健が往く。九龍城やスラムの大ロケーションの貴重な映像。キュート過ぎる加賀まりこの客演。八木正生のクールサウンド。スタイリッシュ石井輝男の手腕が炸裂したハードボイルド巨編。これは>>続きを読む

山逢いのホテルで(2023年製作の映画)

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ジャンヌ・ディエルマン的ルーティンで過ごす障害のある息子を1人で育てる仕立て屋の女性の元に訪れる激しい恋。果たして彼女が取る選択とは。スイスの壮大な美しいロケーションとそれに全く引けを取らないジャンヌ>>続きを読む

たまらん坂(2019年製作の映画)

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黒井千次の原作を実際に読み再現しながオリジナルの物語に移行していき、主演の渡邉雛子は大学生活の4年間をこの役と過ごすというドキュメンタリーとフィクションをシームレス繋いだ人生に訪れる坂を描いた映画。坂>>続きを読む

散文、ただしルール(2021年製作の映画)

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世界は危険に満ち溢れてるから過剰防衛。神はサーモグラフィーしか見ていないからバランスを取れ、辻褄を合わせろ。強迫観念の果てに突き抜ける自分語り。タカノさんが男前過ぎてイマジナリーフレンドになって欲しく>>続きを読む

地獄のSE(2023年製作の映画)

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地獄くらいに終わってる世界の爆笑と断絶。山戸結希、山中瑤子、金子由里奈作品を初めてポレポレで観た時と同じトキメキとそれ以上の衝撃。バトンの継承とその更新。今後コレが新たな基準となる新しい映画のリーダー>>続きを読む

画家と泥棒(2020年製作の映画)

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絵画を盗んだ犯人と盗まれた画家が出逢い、その犯人をモデルに画家は新作を描き始める。見るものと見られる側の反転と共犯。そして盗まれた2枚の絵の行方。先の読めなさと思いもよらない展開。スリルとサスペンスと>>続きを読む

リリアン・ギッシュの肖像(1983年製作の映画)

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リリアン・ギッシュとの単独インタビューを収めたドキュメンタリー。快活にハキハキと喋り倒す元気過ぎるギッシュの名言連発。世代を超えたリスペクトに満ちた共闘に胸熱。

リュミエール(1976年製作の映画)

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4人の俳優たちの恋愛、葛藤、連帯などのバックステージを描いたそれぞれのリュミエール。鮮烈な赤を纏ったジャンヌの佇まいを蒼きモローが捉える。主演4人のみならず、キース・キャラダインのアホぶり、フランソワ>>続きを読む

思春期/ジャンヌ・モローの思春期(1979年製作の映画)

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思い返せばあれが穏やかだった最後の夏休み。好奇心の塊の少女が駆け巡り恋に落ちて傷ついて痛みを知る。イノセンスの終わり、大人の始まり。カミング・オブ・エイジ。美しい撮影とモローのナレーションで綴った人生>>続きを読む

ドレミファ娘の血は騒ぐ(1985年製作の映画)

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加藤賢崇のヤンチャと伊丹十三のダンディ。そして洞口依子の眩しさ。ギクシャクとした纏まらなさと「なぜ?」と問う事を禁止した抜けの良さ。表層の戯れとその終わり。映画の解体とその後に吹く風を捉えた貴重な作品>>続きを読む

ジャズ・オン・パレード1954年 東京シンデレラ娘(1954年製作の映画)

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伴淳三郎、古川緑波を向こうに回し弾けまくる雪村いづみの天才少女ぶり。豪華スターとジャズオールスターで繰り広げられる心温まるレビュー。「娘十六ジャズ祭り」と並ぶ1954年の財産。これこそ国宝認定の傑作だ>>続きを読む

カックン超特急(1959年製作の映画)

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長距離トラック運転手に扮する由利徹が東京の撮影所に配送に行ったら由利徹と間違えられるというしょうもない話。ずっとゆるいコントを見ている様な全然特急じゃ無い展開で観た人間全員がカックンとなる作品。コレは>>続きを読む

グレース(2023年製作の映画)

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退屈でウンザリしてる親娘が退屈でウンザリしてる世界を赤いワゴンで彷徨する終末のドライブ。停滞と不穏に満ちた世界の端っこで齎される恩恵とは。寒くて何もなくて会話する気にもならない父親とその中で少しでもマ>>続きを読む

危険な場所で(1951年製作の映画)

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過剰な捜査にくたびれ果てストレスで爆発寸前の刑事と満を持して登場する盲目のルピノとの出逢い。孤独を描き続けたレイの真骨頂とも言える緊迫感漲るフィルムノワール。急展開なハッピーエンドはルピノによるものか>>続きを読む

恐れずに(1950年製作の映画)

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ポリオにより障害を抱えたダンサー。若さゆえの視野の狭さによる感情の極端なアップダウンを見事に演じたサリー・フォレストが若き日のルピノに思えてくるメロドラマ。物語は今から始まる的な希望に満ちたラストにル>>続きを読む

HAPPYEND(2024年製作の映画)

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物凄く近い未来の高校の卒業間近のかけがえの無い日々。君たちはこの国でどう生きるのかを見つめた113分。彼らの未来とそれぞれのhappyendに涙が止まらなくなった。これは紛れもない私たちの青春映画。何>>続きを読む

逃げる女(1950年製作の映画)

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いきなりクライマックスから死人のモノローグに繋がる幕開けの掴み。サイコパスの夫から逃れるルピノ絶体絶命の巻。息もつかせぬ緊張感とモノクロのコントラストの妙。手に汗握る王道サスペンスの醍醐味に溢れた93>>続きを読む

ニシノユキヒコの恋と冒険(2014年製作の映画)

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竹野内豊がモテまくる映画なんて見る気が全く起きなくスルーしてたが井口監督作品なので観てみたら、ジャック&ベティをはじめとするロケーションの素晴らしさや美術や細部のこだわりなど井口監督らしさが溢れ、オノ>>続きを読む

憐れみの3章(2024年製作の映画)

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RMFを巡る3つの異なる物語を同一のキャストで演じ分けたオムニバス。エマのダンスシーン以外は観る価値無い作品。頭おかしい人たちの話ばかりでほんとウンザリした。いい加減エマも映画界もランティモス評価する>>続きを読む

故郷の詩(2012年製作の映画)

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熊本出身者の為の学生寮有斐学舎を丸ごと舞台にしたオールバカ夢の競演な青春グラフティ。オープニングとエンディングのバカ具合の秀逸さ。リアルと現実がぼんやりとした演出、「ドキュメント72時間」の様な貴重な>>続きを読む

裸足で鳴らしてみせろ(2021年製作の映画)

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イグアスの滝、青の洞窟、アンテロープキャニオン、行った事のない場所を想像しながら裸足で鳴らしてみせる架空の世界旅行。反発し合う事でしか触れ合えない2人の切なさとホロ苦さ。どこにでも行けたはずの2人の別>>続きを読む

ヒューマン・ポジション(2022年製作の映画)

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ちょっとブルーなアスタとコケティッシュなライヴと子猫。ほんのりと絶望してる世界への小さな抗いの様な静かな暮らし。
全てのカットをポストカードにしたくなる絶妙なコンポジションで構成された、批評性と余白に
>>続きを読む

とりつくしま(2024年製作の映画)

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トリケラトプス、青いの、レンズ、ロージンとしての終わりまでの猶予期間。物質に魂が宿る可笑しみと切なさ。秋から冬にかけての季節にピッタリのほっこりとさせる小さな物語をキョンキョンの大きな愛で包み込んだ作>>続きを読む

SUPER HAPPY FOREVER(2024年製作の映画)

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5年の歳月を巻き戻す愛と追憶のバカンス。スーパーなハトヤホテル、赤いキャップのハッピーな着地、嘗てない程絶妙な「Beyond the Sea」のフォーエバー度。どこか海の遠い彼方で全映画ファンが待ちわ>>続きを読む

チチカット・フォーリーズ(1967年製作の映画)

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精神異常犯罪者の施設の日常。囚人、看守、ソーシャルワーカーなどがワイズマンの視点により等しく描かれており、最終的にはまともな奴はいないのかと思わせる。善悪や倫理観の向こう側にある深淵を覗き込もうと試み>>続きを読む

マルホランド・ドライブ 4Kレストア版(2001年製作の映画)

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ロバート・フォスターの無駄遣い、エドワード・ホッパーの構図、ロイ・オービソンの歌、ダグラス・サークに通じるメロドラマの継承。放置した伏線を反転させるトリッキーなリンチならではの整合性がクッキリとレスト>>続きを読む

シュリ デジタル・リマスター(1999年製作の映画)

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00年にバウスシアターで観て以来の劇場再見。今見ると粗が気になるかもと危惧したが、韓国映画人が全員集合して「最高な作品を作って歴史変えるぞ」という当時の熱情が画面の至る所に刻み込まれているのがより明確>>続きを読む

TODOKU YO-NA(2024年製作の映画)

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葉道と奈子。草原で出会いモルックに明け暮れる。スキットルの乾いた音と曽我部恵一の歌。シネマスコープは実はモルックの為に用意されたサイズだったのかと思わせる純粋モルック映画。その序章を描いた様な作品だっ>>続きを読む

上飯田の話(2021年製作の映画)

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不思議惑星上飯田ショッピングセンターを舞台にした現実とフィクションの緩やかな接続。バナナの木、サーフショップ、和らく、かつて担がれた神輿。3つのエピソードが曖昧に繋がり、惚けたテクノが余韻をいつまでも>>続きを読む

石がある(2022年製作の映画)

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酒匂川をひたすらダラダラと歩いては遊び倒す帰らない2人。見知らぬ場所で見知らぬ者と出会うそのサスペンスと石を中心に生まれるアクション。そして立ち上がるユーモア。もう余りにも映画。映画の原理と生きる事の>>続きを読む

ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)

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このどうしようもない腐った世界で正気を保つという事の狂気。その孤独としんどさ。安易な共感を跳ね除けて前のめりに歩くカナのカラカラに乾いた渇望。展開の読めなさとユーモアと疾走と側転の継承。待った甲斐ある>>続きを読む

BAGHEAD/バッグヘッド(2008年製作の映画)

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男女4人の俳優が山荘に籠って映画を作ろうとするが……。いかにもホラーな展開だなと思ったらホントにホラーになって、やっぱり違うかもいやそうかもと繰り返し、最後は映画制作の倫理観の無さに着地するという後味>>続きを読む

ナイツ&ウィークエンズ(2008年製作の映画)

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ジョーとグレタの共同監督で2人が主演を務めた遠距離恋愛の話。かなり繊細で微妙な感情を丁寧に描いておりどれだけパーソナルが反映されているのかが心配と不安になる演じるという部分では痛い作品だったなぁ。

ハンナだけど、生きていく!/ハンナはいつも、アイされたい(2007年製作の映画)

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モラトリアムなオフィス、スポンティニアスなハンナ、水中ゴーグルとトランペットと仕上がりそうもない脚本。マンブルコア派のミューズとして輝きまくるガーウィグの弾ける若さ。久々に観たけどやっぱり良いよなこれ>>続きを読む

クレイジー・ママ(1975年製作の映画)

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カリフォルニアからアーカンソーまで母と娘と孫の親娘3世代での強盗旅行。ロジャー・コーマン製作によるデタラメB級バイオレンス映画だけど、いつのまにか加わる際立つサブキャラの活躍とか大量に流れるサントラと>>続きを読む