ウエダダダさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ウエダダダ

ウエダダダ

映画(177)
ドラマ(0)
アニメ(0)

ナンバー・ゼロ(1971年製作の映画)

-

祖母オデット・ロベールの話にユスターシュが耳を傾けるグラサン2人の110分。酷い継母と最低の旦那の話を中心に喋り倒すオデット。観るの4年ぶりだったけど相変わらず楽しい話だったなぁ。ユスターシュ再出発の>>続きを読む

天の夕顔(1948年製作の映画)

-

美しき人妻高峰三枝子と学生の叶わぬ恋の20年を綴る大メロドラマ。人生を台無しにする主人公を演じる藤川豊彦の無表情と棒読みのモノローグ。そして映画史に残るショボ過ぎて呆然とするラスト。さすが新東宝。いっ>>続きを読む

ひなぎく(1966年製作の映画)

-

全てのシーンがキュートで無意味でそして無敵。
クソみたいな最低の世界でノーメッセージでスラップスティックな振る舞いは最高の抵抗だと思う。
数十年振りに観たけど鮮度が増してたな。サラダを踏み躙られただけ
>>続きを読む

宇宙探索編集部(2021年製作の映画)

-

落ちぶれたカルト雑誌の編集長タンを中心に繰り広げる愛おしき敗者たちのロードムービー。果たして彼らは宇宙人に会えるのか。ドキュメンタリー風なそれっぽさに笑ってるうちに不意に訪れるまさかの感動。卒業制作が>>続きを読む

エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

-

大声で泣き喚く90年代トレンディドラマの形式でいながら緻密で意外性に満ちた脚本とスマートな演出でヤンらしさ全開の恋愛劇。これ色んな人に影響与えてるよなぁという場面が満載の傑作。やっと観れて幸せ。

シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)

-

承認欲求の烈しい主人公が巻き起こすブラックコメディなホラー。独りよがりな幼稚な妄想を原動力にした異常な行動、盗癖のあるアーティスト、マイノリティを利用するファッション業界。人間の解らなさと現代の闇をお>>続きを読む

至福のレストラン/三つ星トロワグロ(2023年製作の映画)

-

親子三代に渡る三つ星レストラン「トロワグロ」の全貌にワイズマンが静かに迫るボナぺティな240分。素材選びからレシピ作成、調理シーンに接客風景、素晴らしいホスピタリティの数々とまさにフルコースなボリュー>>続きを読む

ドリー・ベルを覚えているかい?(1981年製作の映画)

-

ダンスバンドの結成、毎日の家族会議、超能力のトレーニング、24000回のキスと初めての人。日々あらゆる面で、少しずつ向上を。混沌と郷愁で綴る青春のクストリッツァ。素晴らし過ぎるデビュー作を遂に観れた。>>続きを読む

キャロル・キング ホーム・アゲイン ライブ・イン・セントラルパーク(2023年製作の映画)

-

1973年開催の伝説のフリーライブ。ピースフルな開放感とキャロルの飛び切りの笑顔。そして生「You've Got a Friend」の熱唱に涙。これDVD持ってるけどやっぱりスクリーンで観るべき作品だ>>続きを読む

カム・ヒア(2021年製作の映画)

-

かつてあった鉄道と動物園と歴史が森に残した記憶。友人の失踪と4人の俳優。解体され分割された並行世界に打ち鳴らされる花火。アノーチャワールド炸裂でひたすらポカンとさせられる心地よい混乱。これが後から効い>>続きを読む

暗くなるまでには/いつか暗くなるときに(2016年製作の映画)

-

去年の恵比寿映像祭以来の2回目。 70年代学生運動とその記憶、人気俳優の儚い人生とタイの虐殺と発展の歴史とが漸進的横滑りをし、その凡ゆる場所に居る少女。アノーチャワンダーの真骨頂を魅せる映画の向こう側>>続きを読む

二人静か(2023年製作の映画)

-

行方不明の一人娘を探し続ける夫婦のもとにある日、若い妊婦が現れて。誘拐、監禁、DV、老人介護、生活苦。人生に突然訪れる不条理、やりきれない世界。絶望に絶望を重ねながらそれでも希望の道筋を提示してみせる>>続きを読む

昨夜、あなたが微笑んでいた(2019年製作の映画)

-

プノンペンの歴史的集合住宅ホワイトビルディングの老朽化による強制立退の様子を家族と居住していた監督がその一部始終を自ら収めたドキュメンタリー。クメールルージュを生き延びたクメールモダンな建築も再開発に>>続きを読む

ホワイト・ビルディング(2021年製作の映画)

-

老朽化による立ち退きが検討される集合住宅ホワイトビルディングに住む若者を中心に描いたドラマ。取壊し寸前のホワイトビルディングやプノンペンの繁華街などのロケーションが素晴らしい。失われてしまうものをキチ>>続きを読む

私が棄てた女(1969年製作の映画)

-

打算的に男の態度が招く逃れられない運命。この手の話は破滅的に終わってしまうのだが、安易なバッドエンドを避けてその先を描いた意外な展開が物語に深みを与えている。河原崎長一郎の屈折ぶりと浅丘ルリ子のクール>>続きを読む

朝の波紋(1952年製作の映画)

-

貿易会社でバリバリ働くBGのデコちゃんとライバル会社で働く池部良が不思議な出逢いを果たして。どう考えても画が持つ2人の爽やかなロマンス。凡ゆる場面に戦争の痕跡を記しながら新しい時代の幕開けを告げる元祖>>続きを読む

私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?(2022年製作の映画)

-

原発会社の組合委員長の6年間の闘いの記録。巨大企業の暗躍、恐喝、警察の思い込みによる誘導尋問と虚言強要、女性差別による偏見の全てを受け止めるイザベル・ユペールの美しく強い眼差し。実話をベースにした社会>>続きを読む

殺られる前に殺れ(1964年製作の映画)

-

宇津井健が復讐に燃えるヤクザの兄貴で子分が藤巻潤って言うザ・ガードマンなミスキャストな組み合わせが粋なアクションノワール。我らがミッキー成田三樹夫の正式デビュー作。もう最初からミッキーはミッキーだった>>続きを読む

EO イーオー(2022年製作の映画)

-

予測不可能な展開と意表を突いたショットと突然のユペールなど、予定調和をぶち壊すイエジーの円熟の狂気が炸裂するオレなりの「バルタザール」。2回目なので冷静に観たけどやっぱり普通にヤバかったな。

ヘル・レイザー 4Kデジタルリマスター版(1987年製作の映画)

-

実は観るの初めて。魔道士、パズル・ボックス、幻想と現実の裂け目に滴る血。バブリーな有り余るエナジーを満載した熱情迸る独創的なヴィジュアルとエフェクトと「ネバーエンディングストーリー」の様なファンタジー>>続きを読む

サイレント・ツインズ(2022年製作の映画)

-

双子の少女はなぜ沈黙するのか。マージョリー・ウォレスによるノンフィクションに映画化だが、そこは「ゆれる人魚」のアグニェシュカ。カラフルでポップで刺激的な多層的な仕上がり。しかも主演はレティーシャ・ライ>>続きを読む

ある精肉店のはなし(2013年製作の映画)

-

牛の飼育から食肉処理、販売までを家族で行う大阪府貝塚市にある北出精肉店のドキュメンタリー。
一軒の精肉店から見える貝塚市の歴史、家族の歴史、部落差別の歴史、やがて全部消えてなくなりそうな日本のローカル
>>続きを読む

曖昧な楽園(2023年製作の映画)

-

生きているのと死んでいるのとの間にある曖昧な時間と場所での戯れと彷徨。朽ちてゆく終末を纏いながら全く交わらずに描かれる2つの物語。雄弁なまでに介入し侵食する建造物とランドスケープ。言語化出来ない曖昧さ>>続きを読む

ディス・マジック・モーメント(2023年製作の映画)

-

コロナ禍の時代をミニシアターは如何に潜り抜けて来たのか。世界のLKWが全国を縦断してミニシアターを訪ねるドキュメンタリー。それぞれの個性溢れる映画館とその歴史と映画を愛する館主たち共通の想い。ミニシア>>続きを読む

(2023年製作の映画)

-

予想通りの時代劇版「アウトレイジ」な展開のオールスター夢の競演による豪華版「風雲たけし城」。バイオレンスアクション大作として振り切った構成は見応えありやり切った感が伝わり楽しめたけど、単純にこういうの>>続きを読む

距ててて(2021年製作の映画)

-

写真家志望とフリーターの同居生活する2人の周りを巡る4つのバラバラのエピソード。その繋がりと距たり。奇妙違和感が少しずつズレていき現実から距たっていく展開の読めなさ。そして最後はセリーヌとジュリーのよ>>続きを読む

急にたどりついてしまう(1995年製作の映画)

-

詩のようなフィルム、映画のような詩。行くのか留まるのか。青春の刹那と停滞の国立ハードボイルドワンダーランド。やりたい事を詰め込んだ青さを装填しながら最新作まで通底するテーマを孕んだ初長編作。気恥ずかし>>続きを読む

NEXT LEVEL(2023年製作の映画)

-

あり得ない組み合わせの擬似家族が巻き起こすあり得ないレベルのあり得ない展開のあり得ない物語。いつもの魔界エフェクトゼロな、普通の人間が1番怖いという塩出版「パラサイト」とも言えるサスペンスフルなエロブ>>続きを読む

ほかげ(2023年製作の映画)

-

塚本晋也戦争3部作完結編は、戦争の後に始まる地獄PTSD。趣里と森山未來のエピソードを少年の目から炙り出す。一度ついた火は嫌な影を残し続ける。ウンザリする世界をこれ以上ウンザリさせない為に目を背けるな>>続きを読む

かぞくのくに(2012年製作の映画)

-

北に渡った兄が25年振りに帰ってきたが。それは余りに束の間のひと時だった。もう何度観たか分からないけど、毎回初めて観るような気持ちで心を揺さぶられる。世界の不条理さをパーソナルな視点から照射した傑作。>>続きを読む

ゴーストワールド(2001年製作の映画)

-

イーニドとレベッカに訪れたモラトリアムな季節。2人はフラフラしながら同居の計画を練るが。オープニングから既に満点。抜群なキャストとサントラ。20年ぶり位に観たけど、当時より今の方が断然響いて最高だった>>続きを読む

日本沈没(1973年製作の映画)

-

小松左京原作による1973年度版。導入がモタモタしてると思ったら、いしだあゆみのセクシーから一気に動き出すスペクタクル。絶望のシミュレーションとそれを超える過酷な現実。全てが終わったのにまた始まるよう>>続きを読む

生きる(1952年製作の映画)

-

観たつもりで実は観ていなかったシリーズ。しんみりとした作品かと思いきや、前半はスラップスティックな迄の煩いシニカルコメディで、後半は「藪の中」スタイルで主人公の謎の行動に迫る。終始鬼気迫る志村喬の表情>>続きを読む

あるいは佐々木ユキ(2013年製作の映画)

-

詩人たちの紡ぐ言葉たちがそれぞれに立ち上がってダンスをしながらモノレールで運ばれてゆく。生きていればいい。多感な女性が他者の影響を受けながら成長していくドキュメンタリー風ファンタジー。これは福間版「時>>続きを読む

サムサラ(2023年製作の映画)

-

ラオスからタンザニアへ。僧侶からムスリムへ。そして象から山羊へ。アピチャッポンかと思いきや「2001年宇宙の旅」へと飛躍する前代未聞の目を閉じて観る転生シネマ。この素敵な集団トリップ。年末にヤバい体験>>続きを読む

風花 kaza-hana(2000年製作の映画)

-

人生から弾き出された男女が出逢い流離う。相米版「ドライブマイカー」とも言える愛おしきグッドルーザーたちのロードムービー。公開時に観たきりで完全に内容忘れてたけど冒頭から最後まで相米慎二丸出しだったな。>>続きを読む