主演の藤野涼子の眼、額、眉、鼻、口、髪の全てにグッと引き寄せられ、裁判が終わるまでは離れられなかった。彼らそれぞれの危うさや迂闊さは、果たして令和の中学生に届くのだろうか。判事の男の子、「静粛に!」の>>続きを読む
期待に違わぬ前半戦。急ぎ過ぎず丁寧に作られているので、子役達もじっくりと演じられている印象。誰がソロモンで、何を偽証をしようとしているのか。いずれにせよ、前篇は風呂敷を広げていけば良いだけなのだから、>>続きを読む
大河ドラマでは決して扱われない史実をエッセンスにしつつ、戦国の世に生きた男達を英雄として語るどころか、誰一人として尊敬に値しない人物として描き切っている。アドリブがアドリブとして伝わるようにしていて、>>続きを読む
一番好きなピッコロ回なので義理で鑑賞。「あれ?前に見たことある?」と思ったけれど、漫画でこのストーリーがあったのかな?それもはっきりしないくらいに、DBのピークはとっくに過ぎているのが悲しいところ。で>>続きを読む
娘の映画館デビュー。日頃から図鑑片手にアンパンマンを観るようになって、その純真さにやられていたのだけれど、この作品も相変わらず最高だった。ピンチに仲間が駆け付ける場面は、アベンジャーズかと錯覚してしま>>続きを読む
サスペンスで勝負するにしてはアクションが邪魔をしているし、シリアスで惹き付けるするにしてはコミカルが邪魔をしている。何より全体の展開が肌感覚に合わず、調べてみると、なるほど日本リメイク版だった。素晴ら>>続きを読む
楽しい事ばかりじゃない人生。イイ事もワルイ事も混ぜこぜの人生。だからこそ、そこで起こる事は何でも楽しまなくっちゃ。そういう人生を送りたいし、そんな強い気持ちを支えるのは、いつだって家族なのだ。家族揃っ>>続きを読む
人間ドラマとしても完成度を高める事が出来た、シリーズの中でも稀有な作品。単なる怪獣映画で大満足の僕としては、この新たな切り口は手放しでは称賛しづらいけれど、それでも見応え十分だった。ゴジラのテーマ曲が>>続きを読む
大変な高評価だけあって、鳥山明の原作が完璧以上に再現されている。ただ、分かり易過ぎるストーリーのクセにテンポが間延びしていて、観た時のコンディションの問題かも知れないけれど、途中から退屈になって眠気と>>続きを読む
YouTubeの松竹映画無料公開にて。同タイトルの映画自体を観るのが初めてだったので、これまた観た事が無い『犬神家の一族』と混同している部分を整理出来た。湿度の高いサスペンスホラーで、この時代のカメラ>>続きを読む
雪を踏みしめる音が、父親のあらゆる感情を表現している気がした。テンポが今ひとつだし、少し白けてしまう時間もあるけれど、人の親になってから鑑賞出来た事で、確かに胸の内に残るものがあった。俺なら絶対に殺す>>続きを読む
誰かにしか手に入らないもの。誰にでも手に入るもの。どちらを幸せと呼ぶのか。それは個人の問題を飛び越えて、社会が個をどのように享受するかに委ねられてしまっている。我が子にはどう生きて欲しいか、その生きる>>続きを読む
2023/10/02
10月に再鑑賞。一人では到底及ばなかったので、各所の考察を掻い摘んで自分なりに解釈を深め、再び巨匠と対峙した。なるほど、やはり感覚的にしか掴まえられない。齢80を超えた人間がこれ>>続きを読む
自閉症の息子と年老いた母。散歩で見かけるご近所さんに想いを馳せる。梅は余計な枝を剪定しないと花も実も付かないが、地域社会に置き換えると果たしてどうか。不要に見えたその枝の価値が、一体誰に分かるというの>>続きを読む
勿論初見ではないのだけれど、分別が付いてきた後では初めてなので、とても新鮮だった。ここまで考え抜いて、ここまで作り込んで、それでも客に伝わるのはそのほんの表層に過ぎない。考察のしがいがある作品なので、>>続きを読む
上映終了間際に滑り込み鑑賞。原作は池井戸潤。よくもまぁ、毎度似たような面白い話を作るよね。人間はどこかで必ず間違えるから、正しく生きているつもりでも、常に後ろ髪を引かれていて、忘れた頃にそのツケを払う>>続きを読む
ゲド戦記の反省を生かした宮崎吾朗による渾身の一作。父・駿へのトラウマの発露具合が良い感じになってきた。取り立てる程の内容は無いけれど、若者のパワーが詰まった清々しい映画。主人公の家事シーンを見ると、自>>続きを読む
大傑作。これぞ漫画家による映画作品。ここが凄い、あそこがヤバいと言いたいけれど、とてもじゃないが言い切れない。家に帰ると、部屋の隅に転がっているバスケットボールを意味もなく拾い上げている。僕達読者が共>>続きを読む
素晴らしい脚本だった。人が生きるとはどういう事か。ただ生きていたのでは生きているとは言わない。どう生きるのか。何のために生きるのか。生きるとは希望を抱く事であるが、例えその希望が失われても、それでも人>>続きを読む
『予告犯』の感想。一種の感動モノなんだろうけれど、単なるクライムサスペンスのままでも良かった気がする。社会は弱者を生み出す仕組みをあちこちに潜ませていて、一旦弱者になってしまうと容易には抜け出せない。>>続きを読む
加害者が運転していた車がJeepだった事を抜きにしても、被害側の気持ちよりも、加害側の気持ちの動きに共感出来た。この作品を見た人は、背筋を寒くして、安全運転を心掛けるはず。監督の水谷豊は、心情描写の撮>>続きを読む
予告編に惹かれて気になっていたが、その期待通りの作品だった。冒頭の文房具屋、陳列を直しているその音で「あ、これは好きなヤツ」と分かった。生きたい人生を歩んでいる自分には、到底理解出来ぬ葛藤と覚悟。そう>>続きを読む
クラリスの結婚式を記念した特別上映だったらしい。何度も見たくなる不朽の名作。一切の無駄が省かれた100分間の中で、ありとあらゆる遊び心が散りばめられている。これ程までに気持ちの良い映画があるだろうか。
これまでのワンピース映画と同様、本筋のストーリーではないが故の違和感が付きまとってくるし、そもそもの作りが挑戦的な試みなので、まぁ内容云々は置いといて・・・。Adoの歌声が全てのモヤモヤを消し去ってく>>続きを読む
忘れ去った幼少期が蘇ってくるような感覚になるのが、僕にとってのウルトラマン。ツルっとしていてカラータイマーも無いが、スペシウム光線はお馴染みのアナログ感が漂っていて良い感じ。ウルトラマンと人間が互いを>>続きを読む
事前に1958年の黒澤版を見ていなかった事が不幸中の幸い。ライト層に分かりやすい「裏切り御免」にした結果、作品もライトになってしまったように思える。カット割にも無駄が多いかなぁ。阿部寛の迫力は三船敏郎>>続きを読む
シリーズ6作目。宿賃のカタに体を差し出そうとする絹代への寅さんのやり切れない表情、娘に対する父(森繫久彌)の想い。ヒロインの夕子よりも、絹代の方が物語の根幹に居た気がする。故郷って奴は何なのか。それを>>続きを読む
大風呂敷を広げて結局回収が疎かになるよりも、この作品くらい狭い範囲で小回り良く回収してくれた方が、精神衛生上好みではある。加えて主人公が小説家なので、多少腑に落ちなくても「作家だからマトモじゃなくて当>>続きを読む
観る年代、状況によって軽くも重くもなる作品。我が家の妊娠・出産も、周りからはすこぶる順調そうに見えていたかも知れないけれど、それなりの大波小波があったわけで・・・。赤ん坊は生まれる前から愛されているの>>続きを読む
文字通り胸糞悪く、それはこの作品への最高の褒め言葉でもあるのだろう。三浦友和演じる父親・清が全ての元凶であり、また一方で、清がそのような人間になった理由(元凶)も恐らく別にあり。「飯を不味くさせる」要>>続きを読む
見事なまでの森田剛の怪演が光る。淡々としてやや甲高い声が最高だった。一度エサとなった弱者は、生涯を弱者として全うするのか、あるいは捕食者の皮を被って折り合いを付けるのか。果たして、この映画を観て何を感>>続きを読む
稀に見る駄作。観るだけ時間の無駄。息子のせいかも知れないが、深作監督の遺作とするには余りにも茶番劇過ぎて、役者やスタッフは誰も口を挟まなかったのか、不思議である。特に言及する必要が無い程に作品の全てが>>続きを読む
当時は比較的高評価だった印象があるけれど、こうして観ると大味過ぎて、北野先生以外のどこに良さがあるのかほとんど分からなかった。チラっと知っている漫画版の方は、もっと体を成していた記憶があるのになぁ。深>>続きを読む
6人の元受刑者を捌き切れておらず、広く浅くの印象。のろろ様もどこまでファンタジー感を出して良いのか困ってしまう内容で、全体の雰囲気の割にオチがTRICKのようだった。肝心のタイトル回収もイマイチなので>>続きを読む
特に内容は無く、味の薄いお祭り騒ぎを見せられた。ここまで風呂敷を広げている作品だから、やはり尾田栄一郎が全面的に関わらない限り、深みも出て来ないと思う。ラフテルへの永久指針をルフィが握り潰すのは、らし>>続きを読む
原作を2時間の映画に収めようとすると、大体こうなる。大凡の理解のまま物語が進んでいってしまうのが苦手なので消化不良。とは言え、キムタクは居るだけで満足させてくれる稀有な俳優だし、松重豊、酒向芳もバッチ>>続きを読む