verdugoさんの映画レビュー・感想・評価

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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.8

人間ドラマとしても完成度を高める事が出来た、シリーズの中でも稀有な作品。単なる怪獣映画で大満足の僕としては、この新たな切り口は手放しでは称賛しづらいけれど、それでも見応え十分だった。ゴジラのテーマ曲が>>続きを読む

SAND LAND(2023年製作の映画)

2.5

大変な高評価だけあって、鳥山明の原作が完璧以上に再現されている。ただ、分かり易過ぎるストーリーのクセにテンポが間延びしていて、観た時のコンディションの問題かも知れないけれど、途中から退屈になって眠気と>>続きを読む

八つ墓村(1977年製作の映画)

2.8

YouTubeの松竹映画無料公開にて。同タイトルの映画自体を観るのが初めてだったので、これまた観た事が無い『犬神家の一族』と混同している部分を整理出来た。湿度の高いサスペンスホラーで、この時代のカメラ>>続きを読む

さまよう刃(2009年製作の映画)

3.3

雪を踏みしめる音が、父親のあらゆる感情を表現している気がした。テンポが今ひとつだし、少し白けてしまう時間もあるけれど、人の親になってから鑑賞出来た事で、確かに胸の内に残るものがあった。俺なら絶対に殺す>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.0

誰かにしか手に入らないもの。誰にでも手に入るもの。どちらを幸せと呼ぶのか。それは個人の問題を飛び越えて、社会が個をどのように享受するかに委ねられてしまっている。我が子にはどう生きて欲しいか、その生きる>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.2

2023/10/02
10月に再鑑賞。一人では到底及ばなかったので、各所の考察を掻い摘んで自分なりに解釈を深め、再び巨匠と対峙した。なるほど、やはり感覚的にしか掴まえられない。齢80を超えた人間がこれ
>>続きを読む

梅切らぬバカ(2021年製作の映画)

3.5

自閉症の息子と年老いた母。散歩で見かけるご近所さんに想いを馳せる。梅は余計な枝を剪定しないと花も実も付かないが、地域社会に置き換えると果たしてどうか。不要に見えたその枝の価値が、一体誰に分かるというの>>続きを読む

風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)

4.0

勿論初見ではないのだけれど、分別が付いてきた後では初めてなので、とても新鮮だった。ここまで考え抜いて、ここまで作り込んで、それでも客に伝わるのはそのほんの表層に過ぎない。考察のしがいがある作品なので、>>続きを読む

シャイロックの子供たち(2023年製作の映画)

3.3

上映終了間際に滑り込み鑑賞。原作は池井戸潤。よくもまぁ、毎度似たような面白い話を作るよね。人間はどこかで必ず間違えるから、正しく生きているつもりでも、常に後ろ髪を引かれていて、忘れた頃にそのツケを払う>>続きを読む

コクリコ坂から(2011年製作の映画)

3.5

ゲド戦記の反省を生かした宮崎吾朗による渾身の一作。父・駿へのトラウマの発露具合が良い感じになってきた。取り立てる程の内容は無いけれど、若者のパワーが詰まった清々しい映画。主人公の家事シーンを見ると、自>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

5.0

大傑作。これぞ漫画家による映画作品。ここが凄い、あそこがヤバいと言いたいけれど、とてもじゃないが言い切れない。家に帰ると、部屋の隅に転がっているバスケットボールを意味もなく拾い上げている。僕達読者が共>>続きを読む

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

4.0

素晴らしい脚本だった。人が生きるとはどういう事か。ただ生きていたのでは生きているとは言わない。どう生きるのか。何のために生きるのか。生きるとは希望を抱く事であるが、例えその希望が失われても、それでも人>>続きを読む

予告犯(2015年製作の映画)

2.4

『予告犯』の感想。一種の感動モノなんだろうけれど、単なるクライムサスペンスのままでも良かった気がする。社会は弱者を生み出す仕組みをあちこちに潜ませていて、一旦弱者になってしまうと容易には抜け出せない。>>続きを読む

轢き逃げ -最高の最悪な日-(2019年製作の映画)

3.2

加害者が運転していた車がJeepだった事を抜きにしても、被害側の気持ちよりも、加害側の気持ちの動きに共感出来た。この作品を見た人は、背筋を寒くして、安全運転を心掛けるはず。監督の水谷豊は、心情描写の撮>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

3.7

予告編に惹かれて気になっていたが、その期待通りの作品だった。冒頭の文房具屋、陳列を直しているその音で「あ、これは好きなヤツ」と分かった。生きたい人生を歩んでいる自分には、到底理解出来ぬ葛藤と覚悟。そう>>続きを読む

ルパン三世 カリオストロの城(1979年製作の映画)

5.0

クラリスの結婚式を記念した特別上映だったらしい。何度も見たくなる不朽の名作。一切の無駄が省かれた100分間の中で、ありとあらゆる遊び心が散りばめられている。これ程までに気持ちの良い映画があるだろうか。

ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)

3.5

これまでのワンピース映画と同様、本筋のストーリーではないが故の違和感が付きまとってくるし、そもそもの作りが挑戦的な試みなので、まぁ内容云々は置いといて・・・。Adoの歌声が全てのモヤモヤを消し去ってく>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.5

忘れ去った幼少期が蘇ってくるような感覚になるのが、僕にとってのウルトラマン。ツルっとしていてカラータイマーも無いが、スペシウム光線はお馴染みのアナログ感が漂っていて良い感じ。ウルトラマンと人間が互いを>>続きを読む

隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS(2008年製作の映画)

2.3

事前に1958年の黒澤版を見ていなかった事が不幸中の幸い。ライト層に分かりやすい「裏切り御免」にした結果、作品もライトになってしまったように思える。カット割にも無駄が多いかなぁ。阿部寛の迫力は三船敏郎>>続きを読む

男はつらいよ 純情篇(1971年製作の映画)

3.5

シリーズ6作目。宿賃のカタに体を差し出そうとする絹代への寅さんのやり切れない表情、娘に対する父(森繫久彌)の想い。ヒロインの夕子よりも、絹代の方が物語の根幹に居た気がする。故郷って奴は何なのか。それを>>続きを読む

鳩の撃退法(2021年製作の映画)

2.7

大風呂敷を広げて結局回収が疎かになるよりも、この作品くらい狭い範囲で小回り良く回収してくれた方が、精神衛生上好みではある。加えて主人公が小説家なので、多少腑に落ちなくても「作家だからマトモじゃなくて当>>続きを読む

ヒキタさん! ご懐妊ですよ(2018年製作の映画)

3.3

観る年代、状況によって軽くも重くもなる作品。我が家の妊娠・出産も、周りからはすこぶる順調そうに見えていたかも知れないけれど、それなりの大波小波があったわけで・・・。赤ん坊は生まれる前から愛されているの>>続きを読む

葛城事件(2016年製作の映画)

3.5

文字通り胸糞悪く、それはこの作品への最高の褒め言葉でもあるのだろう。三浦友和演じる父親・清が全ての元凶であり、また一方で、清がそのような人間になった理由(元凶)も恐らく別にあり。「飯を不味くさせる」要>>続きを読む

ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)

3.5

見事なまでの森田剛の怪演が光る。淡々としてやや甲高い声が最高だった。一度エサとなった弱者は、生涯を弱者として全うするのか、あるいは捕食者の皮を被って折り合いを付けるのか。果たして、この映画を観て何を感>>続きを読む

バトル・ロワイアル II〜鎮魂歌(レクイエム)〜(2003年製作の映画)

1.0

稀に見る駄作。観るだけ時間の無駄。息子のせいかも知れないが、深作監督の遺作とするには余りにも茶番劇過ぎて、役者やスタッフは誰も口を挟まなかったのか、不思議である。特に言及する必要が無い程に作品の全てが>>続きを読む

バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)

2.0

当時は比較的高評価だった印象があるけれど、こうして観ると大味過ぎて、北野先生以外のどこに良さがあるのかほとんど分からなかった。チラっと知っている漫画版の方は、もっと体を成していた記憶があるのになぁ。深>>続きを読む

羊の木(2018年製作の映画)

2.9

6人の元受刑者を捌き切れておらず、広く浅くの印象。のろろ様もどこまでファンタジー感を出して良いのか困ってしまう内容で、全体の雰囲気の割にオチがTRICKのようだった。肝心のタイトル回収もイマイチなので>>続きを読む

ONE PIECE STAMPEDE(2019年製作の映画)

2.1

特に内容は無く、味の薄いお祭り騒ぎを見せられた。ここまで風呂敷を広げている作品だから、やはり尾田栄一郎が全面的に関わらない限り、深みも出て来ないと思う。ラフテルへの永久指針をルフィが握り潰すのは、らし>>続きを読む

検察側の罪人(2018年製作の映画)

3.2

原作を2時間の映画に収めようとすると、大体こうなる。大凡の理解のまま物語が進んでいってしまうのが苦手なので消化不良。とは言え、キムタクは居るだけで満足させてくれる稀有な俳優だし、松重豊、酒向芳もバッチ>>続きを読む

騙し絵の牙(2021年製作の映画)

3.7

これまた塩田武士原作の映画。本、雑誌、原稿、何でも良いから活字が読みたくなった。『車輪の下』を読むと勉強したくなるのと同じ現象。元々、大泉洋を想定して書いた(しかも、本人にも徹底取材した)だけあって、>>続きを読む

罪の声(2020年製作の映画)

3.0

まずまず。原作者がグリコ・森永事件を徹底的に調べ上げただけあって、当時を知らない僕には良い勉強になった。新聞記者が事件を解明していく過程が面白ければ面白い程、「当時の警察は何をやっていた感」が強くなっ>>続きを読む

メランコリック(2018年製作の映画)

2.7

ツッコミ所満載だったけれど、ココリコ田中激似の主人公がとても魅力的で、生きづらさ、不器用さのリアリティだけは本物だった。ヒロインの子、全く好みの顔じゃないし、取り立てて美人というわけでもないのに、実際>>続きを読む

マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

2.8

三部作は勿論、考察サイトも含めて予習たっぷりで挑んだので、とてもスムーズに咀嚼出来ました。Resurrection"s"としているからには、復活の駒が足りなかった。それは役者陣においても制作陣において>>続きを読む

マトリックス レボリューションズ(2003年製作の映画)

2.8

非常に難解で、その難解さを嚙み砕けなければ、ただのB級映画としか映らないという作品。登場人物や事象をプログラム、バグ、ウイルス、アップデートという言葉に的確に置き換えていけるかどうか。僕は出来なかった>>続きを読む

空白(2021年製作の映画)

3.7

茨城が舞台という事で、早速鑑賞。この15年の間に兄妹達に何があったのか、母親に何があったのか。語り過ぎないのは美学ではあるけれど、そうするには描写が今一つ足りないし、一言で言えばぬる過ぎる。もっと悲惨>>続きを読む

ひとよ(2019年製作の映画)

3.0

茨城が舞台という事で、早速鑑賞。この15年の間に兄妹達に何があったのか、母親に何があったのか。語り過ぎないのは美学ではあるけれど、そうするには描写が今一つ足りないし、一言で言えばぬる過ぎる。もっと悲惨>>続きを読む

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