被写界深度の浅い画面の端に、誰かの肩や衣服をチラつかせた切り返しがずっと連続していくので、一つの画面の中で一つの登場人物しか動いてない。
(思い返したら『プリズナーズ』も冒頭そんなだった気がする。)>>続きを読む
ファスビンダーやシュミットに一番霊感を与えたビスコンティ映画かも。
構図の中での人の動かし方が滑らかすぎてホラーのようだった。
いつものビスコンティ特有の家庭内の内紛の話が、ナチズムとして開花してい>>続きを読む
「火事の時になって家具を運び出すのは馬鹿げている
無から始める喜びを掴め」
今のところのアリ・アスター最高傑作か?
コーエン兄弟が時々やるみたいなユダヤ系暗喩コメディ。
世評が悪い第四部がむしろ一番良くて、
出会いと別れ、再会とキスをしっかり撮れるアメリカ映画の監督はそれだ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ビクトル・エリセ31年ぶりの新作。
ホンサンスか晩年のアランレネかというレベルで平板な会話劇で正直しんどかったのだが、
(毎シーン黒みでフェードアウトしてるの、何?)
最後の1時間で様子が変わってくる>>続きを読む
マッドサイエンティストによって死体から蘇生された女性が魔術と医療の境が曖昧な19世紀のヨーロッパを彷徨う話だけど、アルジャーノン的な成長譚にもなっている。
とにかくゴテゴテに画面を盛るバロック趣味な>>続きを読む
田舎に帰ってきたアラフィフの元ポルノ俳優が再起を目指すが、周りを巻き込むクズ中のクズを助ける人はおらず...という話。
ズームインとズームアウトの演出で毎回笑った。
16mmフィルムで撮影、とあった>>続きを読む
スチームパンク・ヤクザ映画in大阪。
松田優作、高倉健、内田裕也、ガッツ石松と男密度高すぎ。
日本人でもこの時代の日本で働きたくないです。
ビデオアートみたいな作りで何がなにやら...
地質調査で住人を追い出すベン・アフレックと彼について来てアメリカ移住したヒロインの関係は『天国の日々』の変奏っぽい。
主人公が完全に共感不可能な迷惑系配信者で、やりきっていて清々しかった。
Uber配達員のパートもっとやって貰いたかったぐらい。
「実写映画でこういう事やってはいけないんだな」という演出が延々と続くので、へたな名作映画を観るよりも学びがありました。
2006年の大学が舞台でブロックパーティーとかMGMTがガンガン流れるから楽しい。
全体的にハリーポッター、『炎のゴブレット』っぽいけど登場人物が読んでるから意図的?
一枚絵のパキッと決める感じが前>>続きを読む
苦手意識あったけど、ようやく見た。
ミュージカルって舞台劇から謎空間に飛ぶほど良いと思っちゃうけど、後半完全にトんでました。
ドーネンxシナトラxジーン・ケリー。
ただのNY賛歌映画かと思ったら、主人公たちと入れ替わりで水兵達が降りてくるところが倒錯してて好き。
相変わらず激面白い!
話のスケール感が大きくなっても個人の話に重点があるんだなと思った。
クリス・パインが休憩で毛布を羽織ると回想に入り、トンボを窓から外に逃すのがそれぞれダブル・ミーニングになって>>続きを読む
一番ノッテた頃の幽遊白書とSクレイグザラーまで地続きの様なテンション。原作考えたらこっちの方が先なんだろうけど。
とにかく美しかったです。
いくら用心棒でもこれだけ殺してお咎めなしってあり得るの?と思うし、
最後のタップダンスも誰に向けてやってるか分からないから、徹底して「社会」が無い感じ。
タルコフスキーとかベルイマンの様な観念アニメ。
というか、夜の街を徘徊する子供が戦車に出くわせるシーンはベルイマンの『沈黙』そのままだ。
そこに天野喜孝の絵が載せられて生まれる化学反応。
後の攻殻機>>続きを読む
現代にシュレイダー映画の主人公の居場所は教会か刑務所しかないのかと感じる。
やっぱり拷問担当のウィレム・デフォー。
1978年に日本で『スター・ウォーズ』が公開、それに感化された高校生たちが文化祭のための8mm映画を撮る話。
話に目新しさはないけど、当時の撮影環境を知らなかったので色々勉強になった。
劇中劇がヘッ>>続きを読む
確かに伊丹十三と湯浅政明、ジャッカスシリーズのハイブリッドみたいな作風。
見てるうちにミシェル・ヨーが宮本信子に見えてきた。
大作邦画のCGで良い意味で驚いたの久しぶり。
浜辺美波が『リターナー』の鈴木杏みたいな演技を付けられてて嬉しい。
気鋭のイラストレーターloundrawによる初監督映画。
まだ20代でこの為に制作会社を立ち上げたらしい。
新海誠以降のノリなのか、インタビューで「普段は映画はほぼ観ない」と語っていて、最近この手の異>>続きを読む
大型ショッピングモールの中で人生が完結する田舎を舞台にした、ザ・シティポップ映画。
わたせせいぞうや鈴木英人の様な背景がずっと続く。
中盤からレコードの扱いがめっちゃ雑でイラついた(大貫妙子『Sun>>続きを読む
新撰組を舞台にした男色を描く大島渚の遺作だけど、雰囲気ほぼホラー映画。
1999年の映画ってギリギリ当時の記憶にあるはずだけど、今の空気と断絶し過ぎてこの頃の日本人が何考えてるのか読めない。
一番得>>続きを読む
監督自身が「俺と俺のゲバラ達」と宣言する予告で有名な代表作。
ATGの一番ヒリヒリとした切れ味の美術が見れる。
学校の屋上で犯行を再現するシーンの悪夢感が凄いし、存在しない姉とのくだりはほぼ旧劇エヴ>>続きを読む
エチオピアで発掘されたオパールは『エクソシスト』のパズズ像並みの呪物だし、
クローゼットの中から愛人を「窃視」するシーンはデパルマ、スコセッシ、フリードキン、ラリーコーエン...と続くNY映画の最先端>>続きを読む
そうそう製作されないオリジナルの大作SFだけど、脚本に疑問が。
主人公も嫁も、お互いのこと信用してなさ過ぎ問題。
ノマドと呼ばれる大量破壊兵器とか、死者の記憶をUSBで取り出して30秒だけ喋らせられ>>続きを読む
朝の支度をパントマイムでするボウイや、ローレンスが死刑を告げられて暴れる横で亡くなった兵の経を読み続けるたけしが『儀式』以上に儀式している。
良い映画でした。
結婚式とか葬式に居る、何の仕事してるか分からん親戚の叔父さんってこの時代も居たんだと思った。
満州から引き揚げた主人公の名前は「満州男」で三島由紀夫そのままの男も出てくるのでめっちゃ直喩的。
結婚式>>続きを読む
1968年の新宿駅前が今とそこまで変わらなくてビビる。
終始キョドってる主人公の横尾忠則が、新宿紀伊國屋でジャン・ジュネを万引きする事で始まる出会い。
本人役の唐十郎、麿赤兒、紀伊國屋の社長が当時の>>続きを読む
画面の四隅に暗く見えるエフェクトをかけてるのが、演出力の無さを誤魔化してるように見える。
トッドヘインズ『Safe』みたいな、気まずい誕生日パーティー。
過去一でギンギンの映像。
コロナ禍以降のアメリカ映画の画面が90年代ノワールばりにどんどん暗くなってて個人的にテンション爆上げ。
モロに座頭市なドニーイェンが最高だし、TPS的な離人感のあるアクショ>>続きを読む