土間埋さんの映画レビュー・感想・評価

土間埋

土間埋

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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.2

オーストラリアの双子YouTuberによる映画監督デビュー作。

最初の降霊の前から主人公がうっすら嫌われ続けてるので、ずっとガス燈状態。

ブリット(1968年製作の映画)

3.8

前作同様にニューシネマ以前というか、漫画的な誇張がほぼないのが渋い。
怒涛のカーチェイスが行われるサンフランシスコの急斜面と海。

「地域の警察を助けよう」の標語

十字を切る神父の横で「OUT」の
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

空気が常にビリビリ震えてる。

予告にもある、オッペンハイマーが近付いた瞬間にアインシュタインの帽子が不自然に吹っ飛ぶシーンに、ノーランの信じる神性を感じた。

大列車強盗団(1967年製作の映画)

3.5

めっちゃ地味で渋い英国強盗映画。

実話ベースなので序盤のカーチェイスで荒ぶっていた金髪ドライバーがそのままなんの活躍もなく退場していったり、無常感がある。

進めオリンピック(1932年製作の映画)

3.4

元々マンキウィッツがマルクス兄弟のために書いた脚本で、『我輩はカモである』の原型と言われている映画。

財政破綻した架空の国の首相が、自慢の怪力でオリンピックに出場&賞金で負債をチャラにしようとする話
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砂の惑星(1984年製作の映画)

3.1

リンチが原作に興味ないのか、全体的にシットコムっぽい。

ただのキモ集団のハルコンネン家だけど、男爵は風船のようにプカプカ飛び回っていて楽しい。

マシニスト(2004年製作の映画)

3.5

タイトルバックがオシャレ。
トラウマと別れ道の反復とか、この手の映画にしては凝ってます。

最近90年代のノワール再評価が欧米で始まってるらしいけど、00年代にある種のエクスプロイテーション的に消費さ
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.6

被写界深度の浅い画面の端に、誰かの肩や衣服をチラつかせた切り返しがずっと連続していくので、一つの画面の中で一つの登場人物しか動いてない。
(思い返したら『プリズナーズ』も冒頭そんなだった気がする。)
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地獄に堕ちた勇者ども(1969年製作の映画)

4.1

ファスビンダーやシュミットに一番霊感を与えたビスコンティ映画かも。
構図の中での人の動かし方が滑らかすぎてホラーのようだった。

いつものビスコンティ特有の家庭内の内紛の話が、ナチズムとして開花してい
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ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争(2023年製作の映画)

-

「火事の時になって家具を運び出すのは馬鹿げている
無から始める喜びを掴め」

焼香代わりに1000円投げてきました。

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.3

今のところのアリ・アスター最高傑作か?
コーエン兄弟が時々やるみたいなユダヤ系暗喩コメディ。

世評が悪い第四部がむしろ一番良くて、
出会いと別れ、再会とキスをしっかり撮れるアメリカ映画の監督はそれだ
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ビクトル・エリセ31年ぶりの新作。
ホンサンスか晩年のアランレネかというレベルで平板な会話劇で正直しんどかったのだが、
(毎シーン黒みでフェードアウトしてるの、何?)
最後の1時間で様子が変わってくる
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.2

マッドサイエンティストによって死体から蘇生された女性が魔術と医療の境が曖昧な19世紀のヨーロッパを彷徨う話だけど、アルジャーノン的な成長譚にもなっている。

とにかくゴテゴテに画面を盛るバロック趣味な
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レッド・ロケット(2021年製作の映画)

4.0

田舎に帰ってきたアラフィフの元ポルノ俳優が再起を目指すが、周りを巻き込むクズ中のクズを助ける人はおらず...という話。
ズームインとズームアウトの演出で毎回笑った。

16mmフィルムで撮影、とあった
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ブラック・レイン(1989年製作の映画)

3.4

スチームパンク・ヤクザ映画in大阪。
松田優作、高倉健、内田裕也、ガッツ石松と男密度高すぎ。

日本人でもこの時代の日本で働きたくないです。

ベニスに死す(1971年製作の映画)

3.4

「美は芸術家の自負以前に存在する」

原作は既読だけど記憶の彼方。

トゥ・ザ・ワンダー(2012年製作の映画)

3.0

ビデオアートみたいな作りで何がなにやら...

地質調査で住人を追い出すベン・アフレックと彼について来てアメリカ移住したヒロインの関係は『天国の日々』の変奏っぽい。

DASHCAM ダッシュカム(2021年製作の映画)

3.3

主人公が完全に共感不可能な迷惑系配信者で、やりきっていて清々しかった。

Uber配達員のパートもっとやって貰いたかったぐらい。

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

2.2

「実写映画でこういう事やってはいけないんだな」という演出が延々と続くので、へたな名作映画を観るよりも学びがありました。

ズーム/見えない参加者(2020年製作の映画)

3.4

PCの画面を繋いでいくだけの編集にもセンスが滲んでいる。

Saltburn(2023年製作の映画)

3.5

2006年の大学が舞台でブロックパーティーとかMGMTがガンガン流れるから楽しい。

全体的にハリーポッター、『炎のゴブレット』っぽいけど登場人物が読んでるから意図的?
一枚絵のパキッと決める感じが前
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雨に唄えば(1952年製作の映画)

4.2

苦手意識あったけど、ようやく見た。

ミュージカルって舞台劇から謎空間に飛ぶほど良いと思っちゃうけど、後半完全にトんでました。

踊る大紐育(ニューヨーク)(1949年製作の映画)

3.7

ドーネンxシナトラxジーン・ケリー。

ただのNY賛歌映画かと思ったら、主人公たちと入れ替わりで水兵達が降りてくるところが倒錯してて好き。

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.8

相変わらず激面白い!
話のスケール感が大きくなっても個人の話に重点があるんだなと思った。

クリス・パインが休憩で毛布を羽織ると回想に入り、トンボを窓から外に逃すのがそれぞれダブル・ミーニングになって
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バンパイアハンターD(2000年製作の映画)

4.2

一番ノッテた頃の幽遊白書とSクレイグザラーまで地続きの様なテンション。原作考えたらこっちの方が先なんだろうけど。

とにかく美しかったです。

座頭市(2003年製作の映画)

3.2

いくら用心棒でもこれだけ殺してお咎めなしってあり得るの?と思うし、
最後のタップダンスも誰に向けてやってるか分からないから、徹底して「社会」が無い感じ。

天使のたまご(1985年製作の映画)

3.8

タルコフスキーとかベルイマンの様な観念アニメ。
というか、夜の街を徘徊する子供が戦車に出くわせるシーンはベルイマンの『沈黙』そのままだ。

そこに天野喜孝の絵が載せられて生まれる化学反応。
後の攻殻機
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カード・カウンター(2021年製作の映画)

3.8

現代にシュレイダー映画の主人公の居場所は教会か刑務所しかないのかと感じる。

やっぱり拷問担当のウィレム・デフォー。

Single8(2023年製作の映画)

3.4

1978年に日本で『スター・ウォーズ』が公開、それに感化された高校生たちが文化祭のための8mm映画を撮る話。
話に目新しさはないけど、当時の撮影環境を知らなかったので色々勉強になった。

劇中劇がヘッ
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.7

確かに伊丹十三と湯浅政明、ジャッカスシリーズのハイブリッドみたいな作風。
見てるうちにミシェル・ヨーが宮本信子に見えてきた。

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.6

大作邦画のCGで良い意味で驚いたの久しぶり。

浜辺美波が『リターナー』の鈴木杏みたいな演技を付けられてて嬉しい。

サマーゴースト(2021年製作の映画)

2.7

気鋭のイラストレーターloundrawによる初監督映画。
まだ20代でこの為に制作会社を立ち上げたらしい。
新海誠以降のノリなのか、インタビューで「普段は映画はほぼ観ない」と語っていて、最近この手の異
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サイダーのように言葉が湧き上がる(2020年製作の映画)

3.4

大型ショッピングモールの中で人生が完結する田舎を舞台にした、ザ・シティポップ映画。
わたせせいぞうや鈴木英人の様な背景がずっと続く。

中盤からレコードの扱いがめっちゃ雑でイラついた(大貫妙子『Sun
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御法度(1999年製作の映画)

3.4

新撰組を舞台にした男色を描く大島渚の遺作だけど、雰囲気ほぼホラー映画。

1999年の映画ってギリギリ当時の記憶にあるはずだけど、今の空気と断絶し過ぎてこの頃の日本人が何考えてるのか読めない。
一番得
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絞死刑(1968年製作の映画)

4.2

監督自身が「俺と俺のゲバラ達」と宣言する予告で有名な代表作。

ATGの一番ヒリヒリとした切れ味の美術が見れる。
学校の屋上で犯行を再現するシーンの悪夢感が凄いし、存在しない姉とのくだりはほぼ旧劇エヴ
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アンカット・ダイヤモンド(2019年製作の映画)

4.3

エチオピアで発掘されたオパールは『エクソシスト』のパズズ像並みの呪物だし、
クローゼットの中から愛人を「窃視」するシーンはデパルマ、スコセッシ、フリードキン、ラリーコーエン...と続くNY映画の最先端
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