Ricodonさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

4.2

個人的に好きなものが詰め込まれた、年の終わりの宝箱のような1本!

中盤までバーナデットの何もかも上手くいかなさが本当に身に積まされる。
周りに自分を決めつけられていく怖さと絶望。
周りの人々の巻き込
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ハッピーニューイヤー(2021年製作の映画)

3.7

既視感のあるシーンもあるのだが、要所要所の展開や演出が実に巧みで、やっぱり涙が出てしまう一本。
自己愛のために誰かを犠牲にしないこの世界観を綺麗事と呼ぶのだろうけど、その綺麗事こそ誰もが癒されたい年の
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金子文子と朴烈/朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト(2017年製作の映画)

3.8

キム・ジュンハンの流暢な日本語を聞きたいと思って、当時の情勢について深く知ろうともせずに見始めてしまった。
日本での公開が遅れることになったこの内容と表現、この映画の日本人役を引き受ける日本人俳優を探
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スパイの妻(2020年製作の映画)

3.7

この時代の世界観、言葉が好きだし、当時の諜報活動にも興味が掻き立てられる自分には非常に魅力的。

蒼井優さんは昭和初期から30年代くらいの良さが本当にマッチする女優さんだと思っているし、彼女の台詞回し
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正欲(2023年製作の映画)

4.1

鑑賞前の
人ごとだと思えることしか無邪気に楽しめないかったら?
少しでも当事者であったことが違和感や嘘臭さで一杯に描かれていたら?
という不安が払拭されてホッとした。
演者は皆研ぎ澄まされていて、とり
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愛にイナズマ(2023年製作の映画)

3.3

演者の皆さん、本当に凄い。
益岡徹さん、調理しているシーン特にカッコよかった。
映画の作りや出来以前の自分の中の疑問、
「本心というのは人から口汚く罵られて曝け出さないといけないのか。静かに心の中にし
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(2023年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

どんな風に生まれても、生まれてよかったって思える時はあるよ、
という答えの薄っぺらさと残酷さは
生きていると必ずと言っていいほど思い知らされる。
その、トドメのような本作。
セリフの中に多用された、
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ルース・エドガー(2019年製作の映画)

3.5

ナオミワッツはこんな様子の母親をしばしば演じるが、
その脆弱性も、一貫性のなさも、
家族を守るためだけの短絡的で浅はかな決断も、その深いところにある闇も、
心底共感する。
ぶちまけた古い玩具の前でうな
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The Son/息子(2022年製作の映画)

4.3

持って生まれた脳の特性や疾患が人格や行動を作り出すとするなら、
それが原因で
「生きることは僕には重すぎる」
と苦しむ彼を誰か責めることはできるのか。
この映画に登場した
逃げ出したい親の気持ちも、価
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対峙(2021年製作の映画)

4.0

子供が難しい状況に直面した時、
選択肢を突きつけられながら途方に暮れやっと選んだ答えを
後出しジャンケンの勝者のような他者に
はい、それ不正解!あなが間違ったからこうなった
と批判され続けた経験のある
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リボルバー・リリー(2023年製作の映画)

-

その時代の日本語と、当時日本でも活発だったという諜報活動という題材が好きなので鑑賞。

それはどうなの?とびっくりするようなことが満載だが、
家族揃ってそれについて笑って話せる機会となった、そんな意味
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search/#サーチ2(2023年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

登場する技術が旬のうちに見るべきとは全くその通りと共感。
自分だともたつく手順がスクリーン上で滑らかに進むのが気持ち良い。
「ギルティ」を観た時と同じく、リモートで誰かを救うこともできることが少し嬉し
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

ブレンダン・フレイザーの復活が嬉しく、楽しみにしていた本作。
映画の出来不出来は全く別として、
「正直であること」が容赦なくお互いを傷つけるのが、観ていて本当に辛かった。
「でもあなたのことを思って、
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レッド・スパロー(2017年製作の映画)

3.0

何というか、
演者の凄さに内容がついていかない感じの残念さ。
ロシア当局もアメリカCIAも、こんな仕事ぶりってあり得る⁈
と、ある意味驚愕の映画だった。
一方演者は、
J.ローレンスはその美貌は勿論、
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ある男(2022年製作の映画)

3.6

原作読了時、自分の未熟さのせいで、平野氏の意図することが理解しきれていない無力感で一杯だったが、本作についても基本的に同じ感想が残る。
ただ評判どおり、演者の気迫がただ事でなく、
特に冒頭近く、里枝が
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AIR/エア(2023年製作の映画)

5.0

オープニング映像とエモーショナルすぎるサントラで、一気に1984年に没入!
「この時代を知っている!」
という興奮が、たとえ誰もがこの物語の結末を知っていても、終始私たちの気持ちを引っ張り続ける。
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さよなら。いつかわかること(2007年製作の映画)

4.0

家族友人を失った人の大多数は、
こうして静かに悲しみに打ちのめされ、耐え生きていく。
その過程を丁寧にありのままに見せてくれ、
こうなんだろう、きっと。
と腑に落ち、そして悲しかった。

キューザック
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

-

イギリスを舞台にこの映画をリメイクすることが念願だったイシグロ氏。
自分にとっては、ノーベル賞受賞者になった後も、彼が長年抱いていた夢が叶った事がただただ嬉しい映画。
彼の思い描いていたものに近づいて
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パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)

3.5

R ・パイク。
何が素晴らしいって、
どんなに悪どいことをやっていても、
笑える何かを持ってる!
「ゴーン・ガール」しかり。
笑えるから救い(のようなもの?)がそこにある。
D.ウィーストの怪演を、も
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幸せは、ここにある(2021年製作の映画)

3.6

忘れていくのは本当に怖いけど、
忘れていくからこそ去っていけるんだなとも思えて少し勇気づけられた。
NYが最高に似合うB・クリスタル。
自分の中では、アカデミー賞歴代ホストで一番大好きな彼。
老いてい
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監視者たち(2013年製作の映画)

3.7

対象の監視という任務。
その特化したプロフェッショナリズムへの着眼がユニーク。
地味な活動を緊迫感あふれる映像に作り込んでいて、過度に感情に流されることなく淡々と進行していくストーリーも好みだった。
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.0

正に怪作!
個人的には傑作!
「マトリックス」を初めて見た時の感覚に近いかも。

誰でも人は、選び取った人生に不満を並べ、選ばなかった人生を思いながら生きている。
しかも、羞恥心や自意識に邪魔されて、
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ハーモニー 心をつなぐ歌(2010年製作の映画)

3.7

罪を償う事って、
刑務所での生活って、
そもそも法律が、
等々、どんなツッコミどころも蹴散らす
圧倒的な涙のラスト。
これだけ泣いてしまうと
その後もう評価とかどうでもよくなる感じ。

非常宣言(2020年製作の映画)

3.5

「自己犠牲」というあり方に心が惹かれてしまう映画はいろいろあるけれど、それがエゴからの圧力に強いられる決断になると、全く別の話。
それを迫ったことの償いとして美談にされるのは怖いし辛い。複雑で苦い後味
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愛が微笑む時(1993年製作の映画)

4.0

公開当時「普通にいい映画だな」と思った本作、見返してつくづく映画はすごいな!と実感。
この映画自体は何も変わっていないのに、30年を経て、観る側の人生が「叶えられなかった心残り、もう会えない人、取り返
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真実の行方(1996年製作の映画)

3.5

2度目の鑑賞のはずが内容を全く覚えておらず驚き。
エドワード・ノートンの快演・怪演!はもう言う必要なしなんだけど、
今はユニークな演技派として鳴らす女優陣が、意外性も面白味も欠けるキャラクターを演じて
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こんにちは、私のお母さん(2021年製作の映画)

4.0

母子ものってこういう感じが感動するんでしょ的なのを見せられると心底引いてしまうけれど今作は全く別物。
母子の関係は、いつも複雑で残酷で支配的で手に負えない。
だからナンセンスなコメディベースでその中に
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ソウルメイト/七月と安生(2016年製作の映画)

4.0

心と人生を差し出すような友情に身を置いたことがない。だから観るのを躊躇した。
映画の中には、自分が体験したことのない、浅い想像を遥かに超えた関係があって感情が揺れたし、それが素晴らしいと押し付けたりも
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BTS: Yet To Come in Cinemas(2023年製作の映画)

5.0

自分を含め、
彼らのファンダムにとって、
約束の2025年までの、不確かにさえ思える短くはない道のりを照らす光のような映画。
不安な時はいつでも、ここに戻れば安心できるという場所を残してもらえたありが
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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.5

P.クラークソン、Z.カザンが本当に好き!という理由で鑑賞したが、
なりふり構わないリアリティの追求で
観る者に 
この問題を無視することを許さない!
と突きつける凄みを感じた。
著名人の実名のオンパ
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二つの光(2017年製作の映画)

3.6

失ったものをあからさまに嘆かないことは、気にしていないことでも苦にしていないことでもなくて、
それでも幸せに生きていくと
覚悟を決めていくことなんだなと思った。
悲しみとともに笑って生きること。
タイ
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Mr.Children 「GIFT for you」(2022年製作の映画)

-

鑑賞中、「皆さんにとって『永遠のアーティストに』なれるように頑張ります。」
と、言った(既にものすごいビッグネームである)バンドの言葉を思い出した。
Mr.Childrenは多くの人にとって紛れもない
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ステージ・マザー(2020年製作の映画)

4.0

短い時間にコンパクトにまとめられているけれど、各エピソードとも説明し過ぎず余白を残していて、自分にはとても合っていた。
特にラストを飾るショーの演出が素晴らしく、もし観客としてあの場にいたら猛烈に泣い
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ライフ・ウィズ・ミュージック(2021年製作の映画)

3.6

大好きなケイト・ハドソン。
どうしてバズカットで?
と思いながら観始めたけど、
ミニマムな衣装と共に、それが演じるズーの内面、ありのままを場面ごとに際立たせていた。
どの映画にももちろん言えることだけ
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マイ・ニューヨーク・ダイアリー(2020年製作の映画)

-

サリンジャーも書籍もNYも好きだと、観ていて本当に辛くなった映画。
主人公とその彼氏以外の人物はスノッブな魅力に溢れていて、特にシガニー•ウィーバー演じる上司の文学、本を売るという事、そしてパートナー
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