矢嶋さんの映画レビュー・感想・評価

矢嶋

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映画 ふたりはプリキュア Splash Star チクタク危機一髪!(2006年製作の映画)

3.7

TARAKOさんのこともあって久しぶりに見返した。

本作には明白な欠点があって、ただでさえ初代にキャラデザを寄せているのに映画のテーマまで喧嘩して仲直りと似通っている。そこがよく出来ていればいいのだ
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プレデター(1987年製作の映画)

3.8

何年かぶりに見たが、とにかく無駄がない。
プレデターがちゃんと姿を見せるのは終盤だが、そこまでの溜めがストレスにならないよう、緊張感が持続する。そういった場面では見えない敵にいつ襲われるかという恐怖や
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

穏やかで抑制的な雰囲気が魅力的で、それは見る前から予想できた。それだけに、主人公二人の居場所のなさが割と容赦ないことに結構驚いた。残酷シーンや派手な暴力があるわけではないが、二人が一発当ててやろうと考>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

実は寝不足で疲れた状態で見てしまったせいで結構寝てしまい、覚えている点を記録のために書いておく。なので、点数も付けない。

失踪した俳優を探すというミステリー的ストーリーだが、雰囲気は非常に穏やかでゆ
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ノーランはただでさえ重厚で疲れる内容が多い上、3時間という尺でかなり身構えていたが、終わってみると彼の作品の中ではかなり見やすい方だったと思う。

確かに登場人物が多く、時系列や視点も前後するため、か
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Here(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

主人公の一人シュテファンは現在の住処を自分の居場所とするか、故郷に帰るか悩んでいる。この、国を跨いで自分の居場所に悩む感覚は日本人には中々馴染めないが、日常の手触りをそっと伝えてくるような描写により身>>続きを読む

百花(2022年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

認知症や、そこまでいかなくてもご高齢の方であれば、最近のことはろくに覚えていないが昔のことは鮮明に覚えているということはよくある。
それをキーとして自然に回想へ移行し、息子と母の記憶のすれ違いを描くの
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

あらすじの文章、くそつまらない作品にしか思えなくて逆にすごい。

前作に引き続き、圧倒的なスケールの世界観・映像が素晴らしい。ナウシカとか色々言われているが、SFでありながら泥臭く土着的で、アナログ感
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NN4444(2024年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

いかにもミニシアター系だなと思う。

面白いかと言われると、正直厳しい。
「不条理」をテーマにしているだけあって、基本的に状況が不可解で、それが不気味さを演出しているという意図は分かる。問題は、不条理
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The Strange Thing About the Johnsons(原題)(2011年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

アリ・アスターの作品はいずれも歪んだ家族観が見られるが、本作ではそれが分かりやすく出ている。むしろ、予算が限られていて尺も短いだけに、プロになってからの作品よりも直接的と言える。

近親相姦・同性愛・
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

3.7

あらゆる恋愛系の創作物において、かなりの高確率で納得できないことがある。それは、そこまで好きになる理由だ。
本作は、その部分をクリアしている。ただし、理由に納得できたというわけではなく、そういった理由
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M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

3.6

あらすじを見れば想像のつく筋ではあるのだが、今風の見せ方と親としてのあり方みたいなドラマを入れて質を高めているように思える。

ジェマは親として上手くやれてはいかなったが、特別冷徹だったわけでもなく、
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コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ガイ・リッチーのイメージとはかなり異なる、ひたすら硬派な作風。

戦争ものではあるが、戦場でのアクションシーンはそこまで多くない。それよりも、どこにタリバンが潜んでいるか分からず、いつ突発的に戦端が開
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5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

3.3

話はすごくシンプルで、見せ方や雰囲気が魅力な作品。

冒頭のタロットのシーンからセンスを感じて、作品に引き込まれる。そこからはフランスらしく、街並みやファッションにおしゃれで視覚的な魅力を感じるシーン
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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

3.9

アニメにおけるループものの初期の作品として、よく「考察」の対象に挙げられる。現実と夢、メタレベルとオブジェクトレベルの鮮やかな移行、多層的な世界は確かに魅力だ。

夢の世界には、文化祭前夜という青春・
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

じっとりした過去作と比較すると異様にテンションが高く、ブラックジョークのような要素も多い。
そして話の展開がとにかく分かりにくいため、わけの分からないかっとんだ作品という印象を受ける。

とは言え、形
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機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(2024年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

一言で表現すると、下品で二次創作的。

とりあえずよかった点を述べると、さすがにCGは頑張ってて、戦艦なんか特によかったかと。他にはキラのくそダサベルト服が見られたこととか、田村ゆかりが楽しそうなこと
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ブルーベルベット(1986年製作の映画)

3.2

イレイザーヘッドと比較すると極めて理性的で、ストーリーをある程度は理解できるようになっている。また、日常描写の”日常”感たるや拍子抜けする程だ。にも関わらず、それがふとした瞬間に狂気へシフトする辺り、>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

見せ方こそ工夫しているが、ストーリーの基本は古典的とも言えるホラーだと思う。しかし、それが陳腐にならないよう作られている。

ベラは家父長制に代表される伝統的な価値観、良識や慎みといった建前等を解体し
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劇場版 仮面ライダー剣 MISSING ACE(2004年製作の映画)

3.1

TV本編ではある意味バッドエンドとも言える結末だっただけに、それに別の可能性を提示した意義は感じる。当然ながら、アクションやCGはTVよりも力が入っており、多人数を流れるように倒す新ライダー等見どころ>>続きを読む

聖なる泉の少女(2017年製作の映画)

3.6

彼らがやっていることは、霊感商法と紙一重だと思う。
それに、生まれながらにして俗世と隔離された環境にいて、そこで厳格な使命を担うものの、普通の生活にも憧れるという筋は割と見かけるものだ。
聖と俗みたい
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

オチも含めて、ストーリー自体はかなり王道に感じた。日本で言えばこっくりさんでもいいが、言い伝えにある禁忌を軽薄な人物が破ってしまい酷い目に遭う…
しかし、今っぽいノリによりそこまでありきたりな作品とい
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千年女優(2001年製作の映画)

3.9

なんとなく暗いイメージのある今監督だが、本作や東京ゴッドファーザーズを見るに爽やかな作品も巧みであると分かる。

受ける印象はかなり異なるが、パーフェクトブルーと同じ現実虚構が入り混じるメタフィクショ
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エイリアン(1979年製作の映画)

3.8

さすがに何度見ても面白い。
ギーガーのデザインセンスはやはり秀逸だし、映像技術も優れていて昔の作品だと思う機会はほとんどない。凝った美術をきっちり再現していて、情報量がすごい。
エイリアンのデザインや
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装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ 劇場版(2008年製作の映画)

3.3

OVA版の記憶が曖昧だが、それでもかなり端折られていると感じる。
コチャックがPR液を配合するという数少ない見せ場も、ほぼ描写されずにいきなり完成しているため違和感が強い。バーコフの逃げ癖とかも描写が
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見えざる手のある風景(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

いかにも今時のSF。とは言え、SFはあくまでも装置であって、あからさまな風刺の要素が強い。軍事力、経済力、技術力…等をもった強国が文化や伝統、仕事を奪っていく。嫌らしいことに、別に支配者側は自国の制度>>続きを読む

ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

プロフェッショナルの鮮やかな作業というのは見ていて気持ちのいいものだが、本作では調理においてそうした魅力が発揮されている。それでいて、料理であるため当然美味しそうに見えるよう撮影されている。さすがに凝>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

善く生きるということを感じる作品。

ルーチン的な素朴で慎ましい生活を送る平山。
人から下に見られるような仕事も黙々と丁寧にこなし、そんな中で人の様子を見たり、誰かと触れ合うことに喜びを見出す。
安い
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蛇イチゴ(2003年製作の映画)

3.8

生々しい負の側面の描き方が上手い。西川監督は本作の時点でまだ20代にも関わらず、それなりに年をとった人々が内面に抱える不満を上手く描写していた。崩壊した当事者である明智家夫婦はもちろんだが、親戚の冷淡>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

犬が異常にかわいい。

相変わらず、こじんまりした等身大な感じが好ましい。
恋愛ものではあるのだが、テンションが淡々としているためドラマチックにならないのがいい。行動を見ればお互いを好いているのは分か
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街のあかり(2006年製作の映画)

3.4

アキ監督らしく淡々としていて、とにかくドラマチックな展開を徹底的に排除している。というより、コイスティネンにしてもミルヤにしてもやたら感情が希薄で、大したことが起きていないように見えてしまう。
そのせ
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VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

まあ眠くなる。
多分作ってる側もそれは承知の上だろう。淡々と俯瞰するように、しかし克明に死を描こうとすると、その過程を描かざるをえない。

自分はまだ老人の介護をした経験はないが、どんどん認知症が悪化
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ゆれる(2006年製作の映画)

3.9

事実と思われた落下のきっかけがどんどん変容していくが、事実が何であるかはさほど重要ではないように思える。

そもそも猛と稔の関係性やそれぞれの性格はそこまで深く描かれていない。ゆえに、猛が兄だからとい
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父ありき(1942年製作の映画)

3.8

小津監督作品の中でもかなり古く、戦時中に作られたもの。そこまで古いと若干不安があったものの、杞憂だった。音声が聞き取りにくい点こそやや不満だが、内容はやはり小津監督。

開幕から障害物の陰に隠れたロー
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(2023年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

非常に意欲的な作品。
作中で語られるように、見たくないものからは目を背けるのが普通だが、それをこうまで描いた点はとても評価できる。
残念なことに、事実をただ指摘するだけで、なんらかの思想への賛同や支持
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.0

一度レールを外れたら復帰が難しい不寛容な社会に対する問題提起
…という観点の映画ではない気がする。

三上が生きにくさを感じる様々な場面。白い目で見られたり、生活保護が通りにくかったり、免許を取り直し
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