矢嶋

瞳をとじての矢嶋のネタバレレビュー・内容・結末

瞳をとじて(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

実は寝不足で疲れた状態で見てしまったせいで結構寝てしまい、覚えている点を記録のために書いておく。なので、点数も付けない。

失踪した俳優を探すというミステリー的ストーリーだが、雰囲気は非常に穏やかでゆったりしていると感じる。
冒頭の悲しみの王における一連の場面は、幻想的な質感が魅力的だった。劇中劇だけあって、一見すると現実離れした雰囲気が漂うのだが、それが終盤(劇中の)現実と交差していく様が印象的。

尺が長いだけあって、フリオの捜索へすぐ進むのではなく、ミゲルの穏やかな日常も挿入される。
彼の日常やフリオとの思い出が、ノスタルジックで叙情的な作風を醸成している。31年ぶりに新作を撮ったという監督の、年齢からくる深みを感じられる。

決して言葉の多い作品ではないが、フリオがミゲルやアナと触れ合う時の表情や、紐の結び方といったやりとりにはとても雄弁な語りを感じた。
全体的に、時間を贅沢に使って丁寧に感情を伝えてくるように思える。

ラストシーンにおける極端な影の付け方、そして「瞳を閉じる」所作が非常に印象的だった。
矢嶋

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