yuさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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はちどり(2018年製作の映画)

4.5


ウニを見ていたら、私自身もかつて経験した心の痛みを思い出した。あの頃は、今目の前で起こっていることについていくのが精一杯だったし、自分自身の心でさえ、分からない。

この理不尽な世の中で、自分自身は
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ロバと王女(1970年製作の映画)

3.8

美と俗が入り混じった、不思議ファンタジー。
カトリーヌドヌーヴの完璧な美貌は、お伽話のお姫様そのもの。妖精、魔法の杖、空・月・太陽のドレス、歌いながらお菓子作りなど、乙女心くすぐるアイテムやシーンが盛
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ローラ(1961年製作の映画)

4.6

様々な人生が交差してすれ違っていく様子が、ほろ苦くロマンチック。

最初に私が抱いたローラの印象は、男に逃げられた不幸な女性。でもそうやって彼女の人生を不幸だと勝手に決め付けるのは、間違っていると気づ
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マチルド、翼を広げ(2017年製作の映画)

4.0

親子っていろいろある。単純に「愛」という言葉だけでは片付けられない難しさもあるけど、どんな関係であれなにかしら「特別」な感情を抱かずにはいられないもの。
映画では軽やかな展開で時にファンタジックに描か
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旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)

3.0

キャッチコピーに「私の心は迷子になった」とあるけど、この映画自体が迷子になっているように感じてしまった。
前田敦子の独特な存在感は良かったです。特に彼女は声が特徴的で、歌は特にうまくはないけど印象的だ
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ふたりのベロニカ(1991年製作の映画)

4.6

メランコリックかつノスタルジック、そして耽美な雰囲気がとても美しく、白昼夢のようでした…うっとり。
現実離れしていて、まるでお伽話のように謎につつまれたストーリー。主演のイレーヌ・ジャコブを映す光があ
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満月の夜(1984年製作の映画)

4.4


“二人の妻を持つ者は心をなくし、二つの家を持つ者は分別をなくす”

矛盾ばかりで気まぐれで自分勝手に見えるルイーズだけど、最後にカフェでおじさんに話したことは、すべて彼女の素直な本音だと思う。ちょっ
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ニーゼと光のアトリエ(2015年製作の映画)

4.5

「身体と同じように、精神にも自然治癒力がある」
「道は一万通りもある。自分の人生をどう生きるか、時代のためにどう闘うか」

暴力的な治療を受けてきた人々が、筆を持ち始め、人間らしい豊かさを取り戻し始め
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ブンミおじさんの森(2010年製作の映画)

3.9

とても奇妙だけど美しい神話のような映画だった。これをファンタジーと呼ぶのかすら分からないくらい、不思議な作品。静謐な映像の中に、鮮烈で神秘的なイメージが散りばめられている。
唯一無二のアピチャッポンの
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飛行士の妻(1980年製作の映画)

4.3

知らぬ人の会話を盗み聞きしているみたいで、楽しい!脚本天才!ワクワクした。特に途中で出会ったリュシーとの会話がテンポよくて超面白い。リュシーのカラッとした爽やかさが素晴らしくて、風が通り抜けるようだっ>>続きを読む

バルタザールどこへ行く(1964年製作の映画)

3.5

アンヌ・ヴィアゼムスキー、無表情でも静止していても圧倒的な存在感。ほとんど喋っていないのにもかかわらず、アンヌが画面に映っているとハッとさせられる何かがあった。

ロバへの虐待は見ていて辛かったなぁ。
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美しき結婚(1981年製作の映画)

4.2

正直内容はどうでもよくて、とにかく美しい映像を堪能できて満足。女の子たちのファッションや部屋のインテリアがとにかく可愛いくて美しくて、どこをとっても絵になってた…
あまのじゃくな主人公が恋に落ちる瞬間
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海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

4.2

愛について自分とは違う考え方を受け入れるのは難しい。頭で分かっていても、実際に異なる恋愛観同士がぶつかると、誰かが傷ついたり誰かを傷つけたりする。
見ているこちらとしてはそれぞれの視点が分かってるから
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ふたり(1991年製作の映画)

4.5


久石譲の音楽と、尾道の風景と、2人の美しい姉妹がものすごくいい…
ノスタルジックな雰囲気がどことなくジブリっぽい。
みかのガーリーなファッションも可愛くて大好きです。

大林宣彦監督、ご冥福をお祈り
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プラハ!(2001年製作の映画)

3.7

前半は能天気な若者たちの青春物語かと思ったけど、社会情勢に翻弄されて切ない結末だった。

カラフルでポップなファッションがとにかく目の保養になった!
柄、色の組み合わせがとってもおしゃれで、ひとつひと
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惑星ソラリス(1972年製作の映画)

4.7

ただただ、圧倒。
映画館の大画面で見てみたい作品。

SF映画だけど、宇宙のロマンやら未知への挑戦、科学技術の発展、、、などではなかった。
ひたすら人間の愛・幸福・良心・記憶などを問うた哲学的な映画だ
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ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

4.0

人間讃歌の物語だった。
モノクロだからか暗い雰囲気があるが、とても前向きな話だった。
暖かいコーヒーを飲んで、寒さに手をこすり合わせてみる。そんな些細なことに喜ぶ、元天使のおじさまにほっこり…
わたし
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青いパパイヤの香り(1993年製作の映画)

4.3


草木や虫に心通わせる主人公ムイの瑞々しさ、まるで自然の一部の様に生き生きとして見えた。自然の持つ静的な官能性も、そのまま彼女の存在と重なっているようだった。

一方で、どこか不穏さが漂う。死の影が見
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男性・女性(1966年製作の映画)

3.8

シャンタル・ゴヤの可愛さだけで満足!
髪型も、ファッションも、表情も、声も、ぜんぶがキュート!これはずるい。

「分かるやつには分かる」
と言われ、分からん…となり若干萎えてしまったけど。

男女の会
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台北ストーリー(1985年製作の映画)

3.8

気怠さ漂う、大人のほろ苦い映画。渋めな雰囲気で非常にかっこよい。

エル・スール(1982年製作の映画)

4.6

子供の頃、親の引き出しをこっそり開けてドキドキしていたことを思い出した。大人って、子供が知らない何か隠してるように見えたんだよね…
とそんなことを思い出させてくれた映画でした。

何かは分からないけど
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.5

なんて巧妙な映画!というのが第一の感想。
予想のつかないストーリー展開、軽妙なテンポ感に完全に持っていかれ、あっという間にエンドロール迎えていた。それに加えて、「社会的格差」というテーマを嫌らしいくら
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若い女(2017年製作の映画)

-

ジャケが可愛いので観てみた。
人生迷子な女性が自立していく物語。
主人公は言動が混沌としていて、なかなか共感しづらい。でも実際に自分を見失っている時って、あんな風にウソついたり暴言吐いたり急に泣いたり
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

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戦争は恐ろしく、残酷で、苦しいもの。それなのにエンドロールを迎えた時には、愛や希望に満ちた幸福感につつまれて胸がいっぱいになった。このバランス、とても新鮮に感じる。

登場人物みんなが愛おしい。
なん
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ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

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笑えるようで笑えない、なんともいえない居心地悪さ…
主人公を取り巻く事件をきっかけに、世の中の矛盾をシニカルにえぐっているわけだが、それはブーメランのように私たちにも刺さってくる。
正直とても気まずい
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シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢(2018年製作の映画)

-

愛の物語だった。
理想宮を作り続けることで絶望を希望に昇華したシュバル。宮殿作りは彼の使命でもあり祈りでもあるように見えた。
シュバルの思いが奥さん、娘、息子、孫娘、、とつながっていく。
その幸福感が
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華麗なるギャツビー(2013年製作の映画)

4.3


想像以上に、豪華絢爛でドラマティックな感じ。これでもかってくらい。

Lana Del Rayの曲がかなり効いてた。感情揺さぶってくる。

デイジー役のキャリーマリガンがいい。なかなか薄情な役だけど
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ムーンライト(2016年製作の映画)

4.5


弱々しく光る、ひとつのちいさな魂を見た。

主人公の孤独、弱さ、愛。
詩的で繊細な映像表現によって、言葉少ない主人公の精神が浮かび上がってくるようで、それがあまりにも切なく胸が締め付けられた。

寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.0

好みではないけど、映画としては、人の心をザワつかせるすごくおもしろい作品だと思う。
なんか麦と朝子から全然人間らしさが感じられず、お互いが生霊みたいだった。
亮平とかその周りの人間の方が、よっぽど人間
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心と体と(2017年製作の映画)

4.2

感覚が研ぎ澄まされるような。やわらかく透明感のある映像の中に、唐突に挟まれる生々しい映像は鮮烈すぎてインパクトすごい。
ストーリーはなんか意外で驚いたけど、主人公の女性の行動、途中からきゅんとしてしま
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赤い風船(1956年製作の映画)

4.5

外国の素敵な絵本を開いた時みたいにときめきいっぱいで嬉しかった。
心の奥底にしまっておきたくなるような、宝物みたいなピュアな映画。

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

4.0

女性医師の言葉が印象的。
わたし自身のペルソナについて考え始めたら恐ろしくなった…自覚し納得した仮面を選びとっていれば、何の問題もないんだけど。そこにズレがあって仮面をとりたいと思ってしまうと色々崩壊
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