夜鷹さんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

二十歳の死(1991年製作の映画)

3.9

映画学科の先輩イチオシの一本。
「桐島、部活やめるってよ」と同じで、
物語の軸になる人物が登場しない作品。
50分という作品時間は、中編と長編の間で
20歳というのも、子供と大人の間ということらしい。
>>続きを読む

(2000年製作の映画)

3.8

コメディタッチだが扱っているテーマは重く、ショッキングなシーンもあった。

監督失格(2011年製作の映画)

4.7

飾らないありのままの喜怒哀楽、美しさ醜さ、人間そのものの生と死が写されている。

丹下左膳餘話 百萬兩の壺(1935年製作の映画)

4.0

山中貞雄監督は以前から映画関連書籍でよく名前は見かけていたもののこれが初鑑賞。
昔の日本映画というと静かで小難しいイメージがあると思うのだが、この作品はコミカルで親しみやすくあたたかさの感じられる作風
>>続きを読む

ストロベリーナイト(2013年製作の映画)

3.8

竹内結子、大沢たかお、西島秀俊、染谷将太、
ただでさえエロティックが止まらない、湿り気のある俳優陣が、雨の演出でさらに濡れる。

物語は点と点が見事に線となってスタイリッシュに終わっていくというよりは
>>続きを読む

ヴェノム(2018年製作の映画)

3.0

アメイジングスパイダーマンのソニーマーベルシリーズ?になるのかな?(詳しい人教えて下さい)
アメイジングスパイダーマンを見たときのガッカリ感が再来しましたw
トムハとミシェルウィリアムズが使えるならも
>>続きを読む

新・座頭市物語(1963年製作の映画)

3.6

1作目の座頭市と物語の構成が似ていて、カラーに焼き直したような物語。
色の使い方が綺麗で、特に市を見送る弥生のカットは木の葉のグリーンと弥生の着物の桃色のグラデーションが西洋絵画のように美しかった。
>>続きを読む

どん底(1957年製作の映画)

4.0

同じ場所で物語が展開される、
演劇のような作品。
黒澤映画の醍醐味である自然現象の演出も1シーンしか観られないが、それでも面白い!
役者がとにかくパワフルで観ていられる。

蜘蛛巣城(1957年製作の映画)

3.9

霧や弓、物怪、馬の演出、様々なカッコいい甲冑はとても見応えがあってカッコいい。
ただあえてなのかな?斬り合ったり戦ったりはせずに、落ち着いた絵が多い。
個人的には、七人の侍、隠し砦の三悪人のような動き
>>続きを読む

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)

4.9

日本人なら絶対に観るべき映画!
僕は、戦争のために死んでいった人たちを「無駄死に」なんて言うやつを許せない。
確かに戦争は野蛮で多くの犠牲や過ちを生んでしまったけれど、その人たちのおかげで今平和な世の
>>続きを読む

イカリエ-XB1(1963年製作の映画)

4.2

キューブリックの「2001年宇宙の旅」やタルコフスキー「惑星ソラリス」みたいな静かで美しいSF作品!
これぞ三分割!みたいな綺麗なショットが多くて、キューブリックのよく使う三点透視図法もところどころ使
>>続きを読む

フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ(1966年製作の映画)

4.0

戦闘シーンでガッシャンガッシャン車やらビルやらが壊れるのが観てて気持ちい、
海や山とステージを変えてるのも良いね。
あとフィルムの色合いも鮮やかで綺麗。

そしてなんだろう日米合作映画に出てくるアメリ
>>続きを読む

伝説巨神イデオン 発動篇(1982年製作の映画)

4.6

これは凄いものを見てしまったww
エヴァンゲリオンってこれの影響が強かったのね。 人がゴミのように死んでゆく。

独立愚連隊西へ(1960年製作の映画)

4.2

岡本喜八は「血と砂」と「ジャズ大名」
だけ観たことがあった。
それまでは、エキセントリックで大胆な映画を作る監督ってイメージだったけど、
とにかく楽しい映画を作るのが上手い監督なんだな〜ってこの作品で
>>続きを読む

生きものの記録(1955年製作の映画)

3.8

黒澤明はやっぱり活劇が面白い。
これはあんまりだったかなぁ...

荒野の決闘(1946年製作の映画)

4.1

黒澤明が一番影響を受けたと言っているジョンフォード。 その中でも「荒野の決闘」は映画の教科書のような作品だと書いていた。
確かに、この作品のログラインは「七人の侍」とどことなく似ていて、馬や土埃、雨の
>>続きを読む

白痴(1951年製作の映画)

3.7

先にあまり面白くないと聞いてから観たから...
若干そういう補正がかかってしまったかもしれない。 これまで観てきた黒澤作品の中で、極端に動きや音が大人しい作品。
あえて役者を棒立ちにさせていて、カメラ
>>続きを読む

醜聞(スキャンダル)(1950年製作の映画)

4.3

法廷モノまで!
黒澤は本当に色んな映画を撮るなぁ...
そしてこれもめちゃくちゃ面白い!
あと志村喬がいつもタッチの違うキャラクターを演じているのも凄い。
クリスマスマスのシーンとかも良かったなぁ..
>>続きを読む

野良犬(1949年製作の映画)

4.7

めちゃくちゃ面白い!
雰囲気はデヴィッドフィンチャーの「セブン」に似ていて、三船と志村喬の関係性はまさしくセブンのブラピとモーガンフリーマン。
暑さや雨といった表現が映像に命を与えているのも良かった。
>>続きを読む

静かなる決闘(1949年製作の映画)

4.5

これも良い。
幸福ではないからこそ他人の不幸に寄り添う事が出来る。
「あいつは、ただ自分より不幸な人間のそばで希望を取り戻そうとしているだけですよ。幸せだったら案外俗物になっていたかもしれません。」
>>続きを読む

酔いどれ天使(1948年製作の映画)

4.7

三船敏郎がもう...かっこよくてかっこよくて....
ヤバイっす。
ラスト10分、格闘シーンから這いつくばりながら廊下歩いてバルコニーで倒れる、このシーンがとてつもなくカッコ良い。
作品自体は理性を持
>>続きを読む

素晴らしき日曜日(1947年製作の映画)

3.9

日本映画っぽくなくて、
チャップリンやネオレアリズモ映画っぽい。
そのへんは流石!黒澤明って感じだった。
正直、物語自体は「綺麗事ばっかり並べて気持ちよくなりやがって」と言いたくなるしw
特に女の方は
>>続きを読む

わが青春に悔なし(1946年製作の映画)

4.2

黒澤明の美しさとは「力強さ」だと最近読んだ本に書いていたのだが、この作品はまさにそのような作品。 反戦メッセージみたいなものは表面的かな、とにかく力強く生きる人間の姿を描いた作品って印象。
原節子が
>>続きを読む

虎の尾を踏む男達(1945年製作の映画)

4.0

1時間以内なのに見応えアリ!

エノケンって名前は聞いたことがあったけど
かなり上手い....
あとこの役がスターウォーズのジャージャービンクスにめちゃくちゃ似てて、多分モデルになってるんじゃないか
>>続きを読む

一番美しく(1944年製作の映画)

3.8

舞台は兵器工場だけど、
内容はスポ根マンガに近いと思う。
ここまで観た初期の黒澤作品は娯楽マンガっぽい印象。
ただ演出はおぉ...と思わされる所が多く、
例えば、女子生徒たちが静まり返ってる中、機会
>>続きを読む

續姿三四郎(1945年製作の映画)

3.8

面白い。
前作よりは黒澤明らしい演出がないかな。
弟子が成長していくところのシーンの演出が上手かったな〜
柔道シーンも前作よりリアルになって見応えがある。

この作品で「姿三四郎」はエンターテイメント
>>続きを読む

姿三四郎(1943年製作の映画)

3.8

伝説はここから始まったのか...
インタビューでも「日本映画には動きが足りない」と監督は語っていたけど、この作品は「動き」に満ち溢れている。
とにかく俳優がよく動いてる。

隠し砦の三悪人(1958年製作の映画)

5.0

観ながら体の震えが止まらなかった。
この映画は呼吸をしている、鼓動を刻んでいる。
喜怒哀楽、走って転んでまた立ち上がって、
歌って踊って戦って。
炎を囲んで雄叫びを上げていた頃の魂が震えるんだろうな。
>>続きを読む

楢山節考(1983年製作の映画)

4.7

素晴らしい!
黒澤明の「隠し砦の三悪人」と同様に
映画が呼吸をしている。
鼓動のようなリズムがあるんだなぁ...
俳優たちが全身を使って演じてる。
人間ってのはうるせぇ生き物なわけで、
それが静かな川
>>続きを読む

浮雲(1955年製作の映画)

4.0

めんどくさい男とめんどくさい女の関係を描いた作品。 全編にわたって死臭がするw