湯っ子さんの映画レビュー・感想・評価 - 19ページ目

おしえて!ドクター・ルース(2019年製作の映画)

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小さな体に大きな笑顔。エネルギーのかたまりみたいなドクター・ルース、90歳(撮影当時)。
彼女の仕事はセックス・セラピスト。すべての人に愛と敬意を持って接する。よき性について考えるということは、よき人
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

5.0

この映画は生々しい戦闘シーンから始まる。
いかつい戦士たち、彼らは王のため、神のためと口にしながら、名誉や富を夢見て殺し合いをさせられるただの駒。
私はこの戦闘シーンがとても恐ろしく、この時代に男に生
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桃尻娘 ピンク・ヒップ・ガール(1978年製作の映画)

3.5

家族が寝静まってから、夜中にコソコソとボリュームを下げて、このにっかつロマンポルノを観たのは……橋本治のガキデカセーター姿を確認したかったから!もう予想以上の仕上がりに声出して笑っちゃった。あれは編み>>続きを読む

ブエノスアイレス恋愛事情(2011年製作の映画)

3.9

明るすぎない空を背に街を形作る建物たちは、ぼーっと観ていられる心地よさ。映像は全体的にグレイっぽいトーンで、優しい劇伴も、ヒロインの隣の部屋から聴こえるピアノ曲も良い。インテリアもファッションも、真似>>続きを読む

ユニコ(1981年製作の映画)

4.0

公開当時、劇場には観に行けなかったけど、絵本は買ってもらった。この頃、サンリオはアニメーションも製作していて、どの街にもサンリオショップがあったと思う。私はお小遣いを持って、よく「いちご新聞」を買いに>>続きを読む

吉祥天女(2006年製作の映画)

3.8

中学生の頃読んだ原作が本当に衝撃的で、それでいて哀しさ切なさ優しさがあって大好きだった。
絶世の美女で、誰もが心を奪われる不思議な魅力の持ち主小夜子を、映像化したら誰が演じられるだろう?というのは、原
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の・ようなもの(1981年製作の映画)

3.6

なんとも不思議な空気感の映画だった。きっとこれをオフビートと言うんだろう。
伊藤克信は「久米宏のテレビスクランブル」で見てて好きだった、あのなまりは栃木だったんだね。やっぱりなまり丸出しってピュアでか
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千夜一夜物語(1969年製作の映画)

3.8

CGのない時代に、知恵と情熱を持ってこれだけのスケール感を演出しているのがすごい。
景色にいきなり実写映像が使われるのもかえって新鮮で面白いし、宮殿含む街並みのジオラマも美しかったし、シュールでエロチ
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MISTY(1997年製作の映画)

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過去鑑賞。「藪の中」映画化作品。トヨエツと金城武にうっとりした記憶。美しい3人の三角関係を愛でる作品という印象しか残っていない。

羅生門(1950年製作の映画)

4.0

現代の感覚で見ると、強姦が罪に問われないとか、女性が被害者なのに軽蔑されるとかおかしいでしょ!ってことになるんだけど、やっぱり純粋に面白かった。

多襄丸(三船敏郎)は、生まれっぱなしみたいなものすご
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誰かがあなたを愛してる(1987年製作の映画)

3.8

以前、アジア映画に詳しい方からお勧めされていたこの作品。
チョウ・ユンファが、ガキ大将がそのまま大人になったみたいな役をダサ可愛く演じている。ほんとに子供みたいで、さすがに引くわ〜、みたいな場面もあり
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グッバイガール(1977年製作の映画)

4.3

ラブコメは嫌いじゃないのに、しばらく観てなかった。フォロイーさんのレビューにちょっとピンときて鑑賞。面白かった〜!
好きだなって思える映画って、わりと最初のほうからわかる。おませな娘の「私が4歳の頃…
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リンダ リンダ リンダ(2005年製作の映画)

3.8

文化祭の風景から始まったことで、途中まで自分の高校時代のことを思い出してしまって、あんまり集中できなかった。
私の高校時代って、本当にダサかった。文化祭では割り当てられた役をこなすくらいで楽しい思い出
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日の名残り(1993年製作の映画)

4.2

このどこまでも自分の職務に忠実で、職務に人生を尽くす男を演じたアンソニー・ホプキンスの繊細な演技が素晴らしい。原作では主人公の執事スティーブンスの自分語りであるところを、映像という三人称で表現すること>>続きを読む

ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)

3.8

はじめから、もうこの世にはいない前提で少女たちを描いているんだから、美しいのはあたりまえ。これは、夢の中の少女たち。おだやかな光の中で、優しい音楽に包まれて、きらきらひかる。

向かいの家から、彼女た
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The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ(2017年製作の映画)

2.5

「ビガイルド」という原題の意味は、騙す、欺く、紛らわせる、楽しませるという意味があるらしい。なんか幅が広すぎる気もするけど、この前に観たオリジナル「白い肌の異常な夜」はこのタイトルにふさわしく、イース>>続きを読む

白い肌の異常な夜(1971年製作の映画)

3.8

や〜面白かった。クリント・イーストウッドは、実際にも性豪として名を馳せているらしい。そんな彼の本領発揮だろうか。
傷ついた敵軍の兵士ながら、女子寮に保護されたマグバニー。ロリータもおませさんもマジメな
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風が吹くまま(1999年製作の映画)

4.0

広大な大地に、乾いた風が吹き抜ける。美しい村に暮らす人々も家畜たちも、また自然のひとつに見える。
都会からやってきたベーザードは、村の男たちと違って毎日髭を剃り、車を乗り回し、携帯電話の着信音を身にま
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別離(2011年製作の映画)

4.2

何を信じて、何を守るのか。
この映画のほとんどが言い争い。そして、誰の言い分もわからないではない。自分の家族を守るため、そう思うからそれぞれが必死だ。
恫喝、嘘、泣き落とし、正当化。どうにもこうにも拗
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ヘルタースケルター(2012年製作の映画)

2.8

原作はリアルタイムで連載を追っていたし、20代の頃の私にとって、岡崎京子は特別だった。
だから、どんな映画化も、納得いかないだろうと思って観てなかった。映画化された作品を観るのはこれが初めて。

どこ
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オン・ザ・ミルキー・ロード(2016年製作の映画)

3.8

鷹匠であり騎手であり蛇使いでありマタギであり羊飼いである(全部嘘)クストリッツァ監督自ら主人公を演じる。モニカ・ベルッチは若くはないけどやはり美しい。ミレナは「アンダーグラウンド」のナタリアみたいに、>>続きを読む

阿修羅のごとく(2003年製作の映画)

3.8

向田邦子の著作は若い頃によく読んでいて、憧れの女性だった。気がつくと、自分が彼女の没年と近くなっていることに驚く。

彼女のエッセイの中でなぜか印象に残っているのは、朝ご飯の時、卵かけご飯の卵を割った
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死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)

3.8

マイルス・デイビスが即興で演奏したという音楽をバックに、仏頂面が似合うジャンヌ・モローがパリの夜をさまよう。彼女が車道を横切る不思議なシーンが印象的。

サスペンスとしては、穴だらけの計画犯罪と場当た
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瞳の中の訪問者(1977年製作の映画)

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過去鑑賞記録。中野武蔵野館にて。
手塚治虫が激怒したという宍戸錠のメイク、数々の小ネタ、おかしな演出に、終始笑い(失笑?)が絶えなかった。ピノコは子役に声がため息まじりの声で吹き替えしてあった記憶。片
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ばるぼら(2019年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

原作所持のため、再読してから鑑賞。なにかいろいろと残念な映画だった。

マンガ原作だと、とかくビジュアルを原作キャラクターに寄せがちだけど、私はその必要はないと思う。「キスより簡単」の何が良いって、原
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冒険者たち(1967年製作の映画)

4.0

飛行機、車、海に浮かぶ要塞、口笛、ふたりの男とひとりの女。

マヌーとローラン、ふたりはレティシアに恋しているようで、やっぱりお互いが大好きでしょうがなかったんだと思う。男ふたりに女ひとりの組み合わせ
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フラッシュダンス(1983年製作の映画)

3.6

前日に観た「フェーム」に出演していたアイリーン・キャラが歌っていた“What a feeling”が聴きたくて再鑑賞。
この映画のサントラ、レコードレンタル友&愛で借りてテープにダビングして、めちゃく
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フェーム(1980年製作の映画)

4.5

初めて観たのは10代の頃かな。なぜか、深夜テレビでよくやっていて、子供の頃から宵っぱりな私は何度かこの映画に遭遇している。ちゃんと観たのは四半世紀ぶりくらいかも…!

NYの公立芸能学校に通う学生たち
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さよなら、私のロンリー(2020年製作の映画)

4.0

フォロイーさんのレビューを読んで、惹かれるものがあり鑑賞。観ているあいだ中、胸の奥を爪で引っ掻かれているような気分がして、目が離せなかった。部屋にあふれる泡、泡みたいな音楽、焦らした挙げ句のミスター・>>続きを読む

アンダーグラウンド(1995年製作の映画)

5.0

これが映画だ!っていうものを見せられた。
音楽、美術、社会風刺、人間ドラマ全て詰め込まれてる。たぶん、私の知識や理解力では消化しきれない。この先、付き合っていきたい映画になった。完全版も観てみたい。
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もらとりあむタマ子(2013年製作の映画)

4.2

タマ子かわいいな〜〜。ずっとなんか食べてる。ロールキャベツの食べ方もいいけど、トイレで「東京のカサノバ」読んでる時点でもう大好き。冷房冷え冷えにしてタオルケットにくるまるのは私もいっつも次男にやめろっ>>続きを読む

南極料理人(2009年製作の映画)

3.8

材料は冷凍食品や保存食なのに、うちのご飯より豪華だし、おいしそう。
男ばっかりの食卓ってこうだよね。おいしいとかなんとかは言わないけど、食べっぷりでわかる。私もご飯の時は、こういうふうに家族の食べてる
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苦役列車(2012年製作の映画)

4.0

原作は、芥川賞を受賞した時に読んでいた。映画化された時にも興味はあったけど、森山未來が貫多…キレイすぎない?前田敦子…アイドル映画?って感じでスルーしていた。
今回、「リアリズムの宿」で山下監督に興味
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スターダスト・メモリー(1980年製作の映画)

3.2

フォロイーさんより、ウディ・アレンとシャーロット・ランプリング共演の作品との情報を得て鑑賞。「81/2」オマージュらしい。本家のほうは、10代の頃に深夜のテレビ放送で観たんだけど、殆ど寝てしまって、な>>続きを読む

女はみんな生きている(2001年製作の映画)

3.8

最初からめちゃくちゃテンポが早くて、ハンディカメラみたいな映像でせわしない。全編1.2倍速みたいな感じ。そこそこ裕福な家庭の主婦エレーヌが、数奇な運命を生きる娼婦ノエミと出会い、彼女が自由に生きるため>>続きを読む

転々(2007年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ああ…困った。
私の感情が引き裂かれています……

すっごく面白かった。三浦友和とオダギリジョーの雰囲気、掛け合い、すっごく好き。
キョンキョンと吉高が加わった擬似家族も良かった。吉高は少しやり過ぎか
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