yukkeさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

水槽(2012年製作の映画)

3.2

ほんの数秒の間の大切さみたいなのがよく分かる。
テーマもストーリーも嫌いじゃないのに、欲しいところで間が無い感じがすごく残念というか勿体ないというか…
タバコに火を着けて金魚の墓に刺すところでいきなり
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マイノリティ・リポート(2002年製作の映画)

3.8

ポストorウィズ・コロナの時代、チップを体内に入れての体調管理&コントールなんて噂される今また観返すべき。自分のことについて他人の方が詳しくなるような世の中を本当に望むのか?
ユヴァル・ノア・ハラリさ
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モンサントの不自然な食べもの(2008年製作の映画)

3.5

再鑑賞。全人類必見。
遺伝子組換え、種子法、最近では種苗法改悪に「?」ってなる人も特に!

still dark(2019年製作の映画)

4.2

盲目だからといって対応を変えないし、本人もそれを望んでいるわけでもない。同じように厳しく、同じように優しく、最低限のヘルプとアドバイスのみで、互いに誠実に、真摯に向き合う姿に胸を掴まれる。
真剣な表情
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白河夜船(2015年製作の映画)

3.2

いつまでたっても親密さが増さないような、絶妙に距離を置くような2人の話し方が哀しくて好きで。ずっと曇り空の下にいるような、陰鬱とした空気も、割と原作からイメージしたものに近くて良かった。

「あなたの
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宝物の抱きかた(2017年製作の映画)

4.2

みんないろいろあるよね。ホントいろいろある。
兄弟2人の表情とひとつひとつの言動がとにかく素晴らしい。ちょっとしたやりとりのひとつひとつがいちいち「兄弟」で素晴らしい。
配信映画祭2020で予告編を観
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ゆきおんなの夏(2016年製作の映画)

3.2

いつも白い服のマスターとゆきの間に突然現れる、婚約者の着たブルーが印象的で効果的。
月並みだけど、いわゆる「透明感」という表現がピッタリな中田クルミの美しさは、ゆきおんなに擬える設定にもピッタリ。
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顔たち、ところどころ(2017年製作の映画)

4.8

目の病で視界がぼやけるアニエスと、どんなときもサングラスを決して外さないJRが撮る人々の顔(魚とヤギもあるけど)、そこから見えてくるそれぞれの人生。見ることとは、見えることとはどういうことなのか。企画>>続きを読む

おいしいコーヒーの真実(2006年製作の映画)

4.5

不自然に安いものには理由がある。その背景には安い賃金の労働があり、搾取されている人たちがいる。もともとスタバは選択肢が限られた時にしか利用しないけど、ある程度の知識はあったにしろ、このドキュメンタリー>>続きを読む

スプリング・フィーバー(2009年製作の映画)

4.0

複雑に絡み合あいながらも報われることのない、それぞれの繊細な想い。
要所に挿入される詩の美しさも去ることながら、不協和音にはならないギリギリの音楽のフェード・アウト/インに揺さぶれる。たぶん2ヶ所。
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あの頃、君を追いかけた(2011年製作の映画)

3.8

観てはいけないものを観てしまった気分。もうただひたすらにピュアで甘酸っぱくてもどかしくて切なくて辛いという、観る人によっては地獄のような青春恋愛ストーリー。
NBAのトレカや、日本の漫画とAVネタ(笑
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イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ(2010年製作の映画)

3.5

壮大な勘違い野郎なのか天才なのか、アートなのかアートじゃないのか。
MBWを全面的に否定できないし、かと言って肯定も許せないようなインベーダーやシェパードの複雑な想い、バンクシーの後悔こそ、ポップアー
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富美子の足(2018年製作の映画)

3.5

物質としての足の美しさへの偏執狂っぷり。ただ対象が富美子の足、というだけで、他のものにも置き換えられる話かもしれないけど、それが特定の人間の身体の一部、ということがより変態性を際立たせるのか。フェチな>>続きを読む

さよならも出来ない(2016年製作の映画)

3.8

ビニールテープを貼ることで可視化される自他の境界。
目に見えない境界線が引かれたことを強く意識する日常を生きているいまこのタイミングでこの作品を公開してくれたことにも感謝。
境界を跨いで小説を交換する
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The Light Dances(2016年製作の映画)

3.5

TVクルーのビデオカメラ越しのほんの一瞬が、暗くトーンを落とした、2人が見ている世界とのギャップを引き立たせる。
"重版出来"、"志乃ちゃんは自分の名前が言えない"での存在感といい、蒔田彩珠は、大人を
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きょうのできごと a day on the planet(2003年製作の映画)

4.5

いま日常を描くなら、というサンプルをいち早く提示した、Zoom飲み会の他愛のない会話(同窓会?)を収めてYouTube上で公開した"a day in the room"を観て、改めてこっちを鑑賞。>>続きを読む

アカルイミライ(2002年製作の映画)

3.0

海水から淡水に順応していかないと生きていけないような、自分を守るために毒を持っていないといけないような、東京の、若者たちの生きづらさ。
海に帰っていくクラゲたちは、まさにその閉塞感からの解放か。
しか
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ふたりの人魚(2000年製作の映画)

4.2

人魚という架空のモチーフが、ムーダンとメイメイの、今にも消えてしまいそうな、はかなく美しい存在感を増幅させる。
シルエットがほんの数秒映るだけの語り手による昔話を聞かされたような切ない後味。
UPLI
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志乃ちゃんは自分の名前が言えない(2017年製作の映画)

4.0

浅はかなエンディング予想を見事に裏切られてしまった。
敢えて孤立して自分を守るのでも、無理矢理周りに合わせて振る舞うでもない。ありのままの自分で、そのままで良いんだと優しく肯定してくれる物語。
"無限
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Jam Films (ジャム フィルムズ)(2002年製作の映画)

3.5

ポツダム宣言の朗読をバックに「ブルマは正義」って言っちゃう。そう、正義なんて人それぞれだ!ってな具合でバカバカしくて最高な"JUSTICE"。
誰もが記憶の片隅にあるような、幼い頃の不思議体験をドリー
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Love Letter(1995年製作の映画)

4.8

当時レンタル落ちで買ったVHSもまだ持ってるくらいで、正直もう何回目の観賞かわからない。Amazon Primeにあったから、また改めて観てみる。
酒井美紀が、カーテン越しの淡い光の中でひとり、そっと
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ヴァージン(2012年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

今泉監督の作品に一票、で3.5。
恥ずかしさや気まずさや緊張をふざけて誤魔化そうとして、最終的に野球拳に発展して自爆してしまう流れはちょっと最高すぎるし、かわいい。まさかこれも実体験?笑

うつくしいひと サバ?(2017年製作の映画)

4.2

まだまだ手付かずの崩れた住宅や神社、割れたアスファルトに崩落した橋、残酷なまでに崩れ落ちた熊本城の石垣を舞台に踊る石橋静河に涙。
もう2度と再現できない、もちろん再び見たくはない光景をバックに収めたダ
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うつくしいひと(2016年製作の映画)

3.5

憂いのある表情で橋本愛の話すネイティヴな熊本弁だけで相当に満足してしまった…なんかすみません

メランコリック(2018年製作の映画)

4.8

なんだか、日常と非日常の境界があいまいになる。淡々と仕事として人を殺すことも、後処理をすることも、全く残酷に映らなくて困惑する。直接的な描写は控え目だけど、そういう問題でもないような…
それぞれのキャ
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友だちのパパが好き(2015年製作の映画)

4.5

コミカルに描かれているものの、実の中身は現代日本社会の問題や闇、大病、震災等に起因するシリアスな問題のオンパレード。
カジュアルな雰囲気の内容を想起してしまうフォントやイメージ、なんとなくほのぼの系?
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無限ファンデーション(2018年製作の映画)

3.0

歌が無いと成立しないんだろうか…そもそも西山小雨ありきの企画か?
即興でみせる演劇部員たちの言葉のやりとり、表情や涙(南沙良の鼻水!)は、少しもたつく間も含めて生々しくて素晴らしいのに、要所の歌と西山
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ブルーアワーにぶっ飛ばす(2019年製作の映画)

4.2

都会に暮らす地方出身者が「うわ、田舎の闇?」なんて気持ちで観ると相当に痛い目にあう

新聞記者のあのシム・ウンギョンって気付いて驚いた…多少エクストリームな演技がめちゃくちゃよい。東京モードの夏帆と相
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アイネクライネナハトムジーク(2019年製作の映画)

4.0

伊坂幸太郎原作なメジャーな作品だからか?灰汁も少なめで多少の裏切られ感(勝手なやつ)もあるけど、三浦春馬や多部未華子すらも今泉ワールドに引き込んで普段とは違う輝きを与えているようで流石だなーと
今泉監
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マラノーチェ(1985年製作の映画)

3.0

初期衝動と言っていいのかわからないけど、まるで映画への情熱の塊のような、ラフで生き生きとした印象の作品。
10ドルで引き取った中古カメラの映像だけがカラーなのも、楽しかった時間の記憶が際立つようで余計
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さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)

3.8

ロバート・レッドフォードの顔に年輪のように深く刻まれた皺が歪む最高の笑顔がぞんぶんに楽しめる。ただただそれに尽きる。

あなたの名前を呼べたなら(2018年製作の映画)

4.0

表情豊かというより、どうしても顔に出てしまって気持ちや気分を隠せないって感じのラトナがめちゃくちゃかわいい
街の景色や人々の暮らしも綺麗に丁寧に収められていて素敵
悪くない邦題だと思うけど、原題の"S
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火口のふたり(2019年製作の映画)

4.5

原作が好きな人ががっかりする内容ではない。配役も個人的に好きな2人だし、ホント絶妙だと思う。特に瀧内公美!
だだ、アルバムの写真はちょっと原作からイメージしてたより格好良すぎるかな…もうちょっと生々し
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岬の兄妹(2018年製作の映画)

4.2

あまりの衝撃にただただ言葉を失う。目を背けるな、と映画自体に言われながら観ていたような。
ぐちゃぐちゃになった頭の中を、うまく言葉にできないのがもどかしい。

僕はイエス様が嫌い(2019年製作の映画)

4.5

2人を生き生きと自然体で収めているからこそ余計に際立つ、子供心ながらに複雑でやり切れない思いに揺れる由来の姿に涙。彼が凄く良い。
余計な装飾が少ないだけに、どうにも頼りない、小さな神様が素晴らしく効果
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