yukkeさんの映画レビュー・感想・評価

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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.3

この世界が善悪の単純な二項対立では成立していないなんてわかっているはずなのに、立場や状況による善と悪の逆転や連鎖を改めて突き付けられると言葉を失う。そして観終わってまた、タイトルの意味を考える。物語の>>続きを読む

名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

2.0

今後の物語の大きな軸のひとつを成すだろう新たな事実が明らかになったのは嬉しい限り。
ただ、いち映画作品としては過去最悪かも。明らかな説明不足が気になるし、強引に目まぐるしく展開して、観るものに与える隙
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異人たちとの夏(1988年製作の映画)

3.5

予備知識ゼロ。名前くらいは知っていたけど、特に観る機会もなく、観ようとも思っていなかった作品が松竹の公式YouTubeに上がっているのを偶然に発見した。
まさかこんなぶっ飛んだ内容で、こんなにホラー要
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.8

これからNina Simoneを聴くたびに、平山さんのあの表情が脳裏に蘇るんだろう。
規則正しい毎日でも、同じ日は二度と無い。そんな当たり前のことを思う。
もっと淡々と物語が進行しても良かったかな。

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.0

全編に渡って、淡いぼかしフィルターを通したような映像が美しく優しい。まるで世界が、薄くて柔らかいんだけど、しっかりとした強度を持つ、温かい膜のようなものに包まれているよう。
大好きな"きみの鳥はうたえ
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

3.2

キャッチや広告の煽り方を考えると、もっとスリリングでスケールの大きな大ドンデン返しを期待してしまった人は多いんじゃないかとも思うし、なんかこう、ちょっとキレイに収まりすぎているけど、本好き、書店好きに>>続きを読む

沈黙の艦隊(1995年製作の映画)

4.0

当時コミックを夢中になって読んだ記憶も甦る…そして、今観ても変わらず痺れる、海江田の台詞に頭脳戦。
これは今回超久々に鑑賞して初めて気付いたけど、英語のタイトルが"THE SILENT SERVICE
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キリエのうた(2023年製作の映画)

4.2

意図的に音のハウリングを際立たせたとしか思えない冒頭のライブシーンで一気に引き込まれて、あっと言うまの3時間。
ここまでダイレクトに、直球で揺さぶりをかけてくる岩井作品って初めてじゃないかと思うけど、
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アンダーカレント(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

終盤、原作の続きを描いてしまっていることに気付いてからは、一体どう締めるつもりなんだろうと思っていたけど、居間のあのカメラの構図!そして、観たものに想像の余白を残すあのエンディング!
読者に委ねていた
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マスカレード・ナイト(2021年製作の映画)

2.0

お金かかりまくりの配役の中で渋く光る小日向文世さん(前作より出番多くて嬉しい)の存在がなんとか最後まで観させてくれるような。ラストの急展開が強引な気がしてどうも納得がいかない…自分が伏線に気づいてない>>続きを読む

マスカレード・ホテル(2019年製作の映画)

2.5

お金かかりまくりの配役の中で渋く光る小日向文世さんの存在が、なんとか最後まで観させてくれるような。東野圭吾なのに残念だなー

名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)(2023年製作の映画)

4.5

開始数分のテンポと展開の良さで、ちょっとこれ今までの映画版と明らかに違うなと気付く。そのまま、その期待を裏切るどころか、軽々と超えてくる仕上がりの、現時点でのコナン映画の最高傑作。あとは、流された涙の>>続きを読む

名探偵コナン 灰原哀物語 黒鉄のミステリートレイン(2023年製作の映画)

3.5

新作前の予習として悪くないけど、もうちょっと細かくエピソードを拾って欲しかったな。イントロがコナンじゃなく灰原なのは推し(って言うのかな)には堪らないやつですね🩶

真夏の方程式(2013年製作の映画)

2.0

わざわざ映画で観なくても良かったかな。知りうる限りの東野圭吾原作の映画化作品の中でも平凡な印象。

罪の声(2020年製作の映画)

3.0

どうしても頭を過ぎるのは、高村薫原作のWOWWOWドラマ"レディー・ジョーカー"。ああいう体裁で、連続ドラマに仕立てた方が良かったんじゃないかと思う。骨太な原作だけに、2時間半の映画ではとても足りない>>続きを読む

ファーストラヴ(2021年製作の映画)

2.0

クライマックスへの接続部分が引っかかる。話を端折り過ぎてて「えっ!?」て戸惑う。うまく回収もできていないような。
もし北川景子じゃなければ、もうちょっとはマシなんじゃないかと思ってしまうくらいに、彼女
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猫は逃げた(2021年製作の映画)

4.0

近作「街の上で」と「mellow」でも観られた、好き、から生まれる捩れや、ややこしさとかめんどくささみたいなものが、急に沸騰して終盤に一気に押し寄せるあたりはホントに可笑しい。巻き込まれた猫はたまった>>続きを読む

BACK IN THE HOUSE(2014年製作の映画)

4.0

日本では振り返ることすら無い感じを受ける、ガラージ、ディープハウス以外のNYハウスにもきちんとスポットが当てられた秀逸なドキュメンタリー。Danny Tenaglia、Junior Vasquezあた>>続きを読む

草の響き(2021年製作の映画)

4.2

佐藤泰志作品の映画化も既に5作目。自律神経失調症を患っていた原作者本人の経験に基づいていることもあって、これまでで最も重要で、最もヘビーな挑戦作。
ラストのあの表情が心に居座ってしまって相当に苦しい。
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かそけきサンカヨウ(2021年製作の映画)

4.5

久々にここまでの優しさに溢れた映画を観た気がするし、今泉監督でこんなに泣いたのも初めて。油断してたら直球ド真ん中を投げ込まれたような。
それぞれに複雑な家庭環境にある、多感な時期の若者の繊細な感情を優
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名探偵コナン ハロウィンの花嫁(2022年製作の映画)

3.8

子どもが背伸びしてギリギリ理解できるラインと、大人も真剣に入り込めるラインがせめぎ合う、これぞコナンの映画版てな完成度。
小五郎の出番の少なさは過去一番で、さすがにちょっと可哀想。あと、エンドロールで
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.2

男が深く傷つく(観ているこちら側も)傑作"寝ても覚めても"で大ダメージを喰らわされた濱口竜介監督がこの短編を選んだのは、もの凄く腑に落ちるものがある。
苦手な人も多いと聞く、村上春樹独特のあの言い回し
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名探偵コナン 緋色の弾丸(2021年製作の映画)

3.8

リニアの超高速に引っ張られてるかもしれないけど、これまでよりずっとテンポを増した展開が良かった。各キャラの特徴を前面に出したセリフや表情の多少のあざとさも嫌味なく◎
娯楽映画としての完成度が一段上のス
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ソウルメイト/七月と安生(2016年製作の映画)

4.5

予備知識ゼロでレンタルして驚いた。
重厚で骨太、まんまと騙されてしまった完成度の高さにも感心してしまう。ラスト20分は!と涙が交互に押し寄せて大変。シスターフッド物語としても相当良い気がする。

東野
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ルクス・エテルナ 永遠の光(2019年製作の映画)

2.5

"クライマックス"がなかなかに期待はずれだったけど、こっちはどうかな?と思って。
ドラッグに頼らず、あらゆる手段を講じて観ているものをあちらの狂気の側へと(かなり強引に)引き込もうとしてくる本作の方が
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君は永遠にそいつらより若い(2021年製作の映画)

4.0

穂峰とイノギのメッセージに後押しされて大胆な行動に打って出る堀貝が、ベランダの壁に顔をぶつけて流れた鼻血は、その前夜には流れなかった、処女の彼女の鮮血。
津村記久子さんも割と好きだからハードル高めで臨
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街の上で(2019年製作の映画)

3.8

パーカーだけ先に買ってしまって、上映に行けず仕舞いという状態だった"街の上で"をようやく。

大きな事件が起きるわけではないし、かといってミニマルに淡々としているわけでもないという、微妙な緊張感がずっ
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