髙田由美さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)

3.7

韓国映画慣れしていない私には、この映画独特のものなのか韓国作品ゆえなのか分からないが、何とも不思議なノリが新鮮だった。
大真面目にナンセンス。
ふざけ散らかしているようで微妙にかっこ良さをチラ見せ…と
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マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)(2017年製作の映画)

3.7

ノア・バームバックの映画はとにかく会話。ストーリー展開は二の次で、人と人との絶妙にすれ違う関係とシニカルでユーモラスな台詞の数々が面白い。

癖のある(あり過ぎる)父親とその子供達の話。
私自身は父親
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エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

3.5

一作目は幼い子供達の危機にハラハラ、この子達を何とか守りたいと善良な家族側に感情移入して観ていたが、本作は肩入れするほど好ましい人物は出てこず。それがエスターサイドの目線で観る本作の内容に効いている。>>続きを読む

シンプルな情熱(2020年製作の映画)

3.4

たいして面白いストーリーではない、ていうか筋なんてないのでは?ってくらい。
傍目に見れば馬鹿な女だなぁと思うんだけど。
だけど、どうにもならない恋を経験した事のある人にとっては何とも身につまされる、認
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マイ・ニューヨーク・ダイアリー(2020年製作の映画)

3.3

社会を仕事ってものを舐めてんのか?
作中でも言われていたが、倫理的にも法律的にもNGである。
一見誠実でひたむきなヒロインの成功譚っぽく描かれているが、たまたま運良く事が運んだだけで、世間知らずの娘が
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わたしの叔父さん(2019年製作の映画)

3.7

優しい物語

言葉も態度も素っ気なく
冷たいようにさえ見えるけれども
お互いへの深い深い愛情を感じさせる二人

責任感や自分と相手の同一視を伴う親子の愛情ではなく、
本能や欲が絡む男女の恋愛感情でもな
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WEEKEND ウィークエンド(2011年製作の映画)

3.8

普通に誠実で普通に臆病な青年の
普通の出会いと普通の交流
普通の恋の話。

ただ相手が同性というだけで
色々複雑にはなってしまうけど。

出会ったばかりでまだ未知数
でも何故か気になる、何か惹かれる
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僕を育ててくれたテンダー・バー(2021年製作の映画)

3.9

好き。

読書好きなので、作家志望の主人公とか、学はないけど読書家で賢いおじさんとか、それだけでワクワクする。
また、そのおじさんがとにかくいい男。
“男の作法”とか言い出す男って、今時「またこのおっ
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.7

ヒューマンストーリーであり、ミステリーであり、ラブストーリーであり、法廷ものでもある。

自然の映像もヒロインの描く絵画やノートのスケッチも美しく、ヒロイン自身の魅力も相まって終始画面から癒しを得られ
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博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)

3.8

1度目に観た時は、初めて聴くホーキング博士のエピソードとエディ・レッドメインの演技の凄さにばかり気を取られていた。

それから数年経って、2度目の鑑賞になる今回、これは妻のジェーンの物語だと気づいた。
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シルヴィ〜恋のメロディ〜(2020年製作の映画)

3.8

ロマンチック。

一言一言の間や言葉の意味を大切にした落ち着いた会話。
最近アップテンポで言葉を投げ合う勢いのある会話の映画が多い中、とてもおしゃれで雰囲気のいい会話が聴ける作品だった。
特にヒロイン
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マダム・メドラー おせっかいは幸せの始まり(2015年製作の映画)

3.5

超ポジティブで積極的で出しゃばりな母。まさにおせっかいおばさん。本当にいい人なのは伝わってくるし可愛らしくもあるんだけど、これが自分の母親だったらやっぱ眉を顰めるな。やや金に物を言わせてる感もあるし…>>続きを読む

オールウェイズ(1989年製作の映画)

3.7

スピルバーグにしてはインパクト弱め。だけどその分じわじわと静かに心を揺さぶられる。

とにかくリチャード・ドレイファスがいい男。
待っているだけの女ではない勝ち気なヒロインのホリー・ハンターも魅力的。
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ジョーンについて(2022年製作の映画)

3.6

歳とってからのイザベル・ユペールが好き。というか、私がフランス映画に興味を持ち出した頃にはすでに彼女は60歳を超えていたので歳とった彼女しか知らない。
こんな60代になれたらかっこいいなと思う。
若い
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ロングブランチ/ロングブランチの街角で(2011年製作の映画)

3.7

ちょっと自分勝手だけど可愛い女子と
とにかく善良な普通の男の子。
いいねぇ。
こういう幸せの予感。
好きだなぁ。

デッドリー・イリュージョン(2021年製作の映画)

3.5

まずメインの女性二人がタイプ。
そして作家ものは好物。
世間の評価が低いけど私にはとても面白かった。

ヒロインの妄想なのか、本当に起こっている事なのか…と惑わせる系のストーリーでヒロインの正気狂気に
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ある公爵夫人の生涯(2008年製作の映画)

3.3

そもそも嫌な夫役のレイフ・ファインズが好きなのだ。
そして好男子であるはずのヒロインの恋の相手グレイの顔がどうしても好きになれないのだ。
もう完全に個人的な感覚から作品の狙いに乗っかれないまま終わりを
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シャレード(1963年製作の映画)

3.6

昔からこの少しメランコリックな主題歌が大好きだったけど映画を観るのは初。
曲のイメージからもっとシリアスな哀しげなストーリーかと思っていたら、ドタバタコメディ気味の映画だった。

オードリー・ヘップバ
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管理人(2020年製作の映画)

3.9

あの頃のドイツでの実話。
ナチス政権下の美術品に関する逸話は多々あるが、これもその一つ。
きっとドイツのあちらこちらにヴィルヘルムのような人達がいて、自らの良心に従った行動をしていたのでしょう。
こう
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AIR/エア(2023年製作の映画)

3.5

バスケ好きでもバッシュ好きでもないけれど、スポーツブランドの戦略とかに触れることができてビジネス系映画として楽しめた。

徹頭徹尾頭を占めていたのは
「マット・デイモン、そのお腹どうした…」

いまを生きる(1989年製作の映画)

4.2

ロビン・ウィリアムズが最高にロビン・ウィリアムズな作品。
イーサン・ホークがとても初々しい。

前に観たのは若い若い時で完全に生徒側の目線で観てて、共感するやら絶望するやら感動するやらで胸が苦しくなっ
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アラベスク(1966年製作の映画)

3.2

動物園やら重機やらヘリと乗馬の追いかけっこやら。
モリモリ盛り込んで大騒ぎ。
ソフィア・ローレンに次から次へと衣装替えさせて、シャワーシーンに、裸にシーツ、脚フェチ対応のシーンまでサービス。
ファッシ
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ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)

4.5

2度目の鑑賞。
初めて観た時は「めっちゃ喋るやん、この二人」とあっけにとられたものだけど、だんだん癖になる会話の応酬。
主人公二人の個性と魅力に加えてパリの街並みの美しさも見どころ。
実際の時の流れと
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善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)

4.9

おっさん率(しかも髪の生え際が後退気味の人多し)高めの地味で色彩に乏しい画の連続であるにも関わらず、非常に心揺さぶられる。
静かに淡々と進む物語の中、表情乏しめのおっさんを見ながらこんなにも全身が震え
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7月4日に生まれて(1989年製作の映画)

3.8

ベトナム戦争の傷とこの頃のアメリカ国民の感情や世代間の変化が日本人の私にも分かりやすく伝わった。プラトーンとはまた別の切り口でベトナム戦争を語った名作。

トム・ベレンジャーにウィレム・デフォーと、キ
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私の知らないわたしの素顔(2019年製作の映画)

3.5

ジュリエット・ビノシュがちょっとイタい冴えないおばさんになってる。
もちろん変わらず美人でおしゃれでこの年齢にしたらめちゃかっこいいんだけど…老けたなぁ。
彼女ほどの華やかな大女優がよくこんな情けない
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レッド・ドラゴン(2002年製作の映画)

3.8

アンソニー・ホプキンス
エドワード・ノートン
レイフ・ファインズ
この面子で面白くないわけがない。

公開当時から期待したほどでは…という声を聞き、その後の評価も低めだったのでこれまで観なかったけど、
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あなたを抱きしめる日まで(2013年製作の映画)

4.0

実話映画化の大成功例。

史実は衝撃的だし、キャストはいい味出してるし、過去の出来事が明らかになるまでの流れも澱みなく退屈しない。
真実を求めて旅をする二人(本来なら交わることのないタイプの二人)の心
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時の面影(2021年製作の映画)

3.9

セピアがかった映像が美しい。
静かな印象の作品で特に大きく盛り上がるシーンがあるわけでもないのだが、通してさざ波のようにじわじわと感情を揺さぶり心に染み渡る。

ブラウン氏が実に魅力的。
彼の人との関
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ノエルの日記(2022年製作の映画)

3.3

出てくる人が皆いい人で、心温まる、ずっと穏やかな気持ちで見られる良い話…なのだが、ちょっと浅いかな。
最後の数十分はまるで時間が足りなくなったからサクサクっとまとめましたって感じ。出会いが丁寧に描かれ
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素晴らしきかな、人生(2016年製作の映画)

3.5

序盤から中盤はめちゃ豪華なキャストと凝ったプロットで惹きつけられるんだけど、見終わった後の気持ちは微妙。
そもそも答の出ない難しいテーマだし、共感する人は共感するし納得いかない人には納得いかない作品だ
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ユアプレイス、マイプレイス(2023年製作の映画)

3.3

王道の明るくポジティブなラブコメで軽い気分で楽しめる。
本好きの私としては、ベッドで読書や文学トークをしながらの散歩シーンなど、好感度高い場面が多く良かった。

リース・ウィザースプーンは「キューティ
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ウォール街(1987年製作の映画)

3.6

実在の人物をモデルにしており、「ウルフ オブ ウォール・ストリート」の元ネタということだけど、この2作品全然違ってそれぞれ別物として楽しめる。
株とか投資とか起業買収とかあまり詳しくないけど面白かった
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かけがえのない人(2014年製作の映画)

3.1

ニコラス・スパークス節炸裂。本当この人勝気なお嬢さまと頭のいい貧乏男子の組み合わせ好きだな。そして必ず『死』を絡めて感動させようとする。

とてもロマンチックだけど綺麗にまとまりすぎてリアリティはない
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ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)

3.9

レオナルド・ディカプリオはこの頃から天才。
素朴で冴えないジョニー・デップが新鮮(イケメンぶりは隠せてないけど)。

弱すぎる母親を持った子供は本当不幸。
弱いだけで悪気がないだけに厄介。
子供は幼い
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イングリッシュ・ペイシェント(1996年製作の映画)

4.2

もっと戦争色の強い話かと思っていたが、叙情的で壮大なラブストーリーだった。
物語自体凝っていて展開を楽しむこともできるが、私としてはプロットがどうこうよりも雰囲気に酔う系映画のように感じた。

どこま
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