Junichi

ケイコ 目を澄ませてのJunichiのレビュー・感想・評価

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)
4.1
「ここに立つと会場が温かくて、誰もジャッジすることなく、一緒に創っている感覚を実感しています。高崎映画祭は『希望だな』と思いました。」

【撮影】10
【演出】9
【音楽】8
【脚本】6
【思想】8

本作品で主演の岸井ゆきのさんは
第46回日本アカデミー賞
【最優秀主演女優賞】

第36回高崎映画祭
【最優秀主演俳優賞】

を授賞

この数年目覚しい活躍を続けている岸井ゆきのさん
いよいよ日本映画界を代表する俳優になったのだと思います

また本作品の三宅唱監督
いずれ日本を代表する監督になってくれると思います
期待しかありません

作品は35ミリフイルムで撮影現場され
光と闇のコントラストを通じて空間を感じさせる

演じる俳優たちは
フィルムが回転する音を聴いて演じる

この生きた空間を通じて
画面の向こう(俳優が生きている空間)と
こちら側(観客)が確かにつながっていることを実感させます

生きることはかように
不連続の連続から成り立っています

橙の温もり
光に照らされて舞う埃
荒川の雄大さと首都高のコントラスト
これらがいずれも
旧いものと新しいものの隙間にある
現在進行する生命を意識させます

河原や土手はなぜかくも郷愁を誘うのでしょうか
おそらく日本のどこでも川(河)があるので
日本人にとっての懐かしさの普遍的なイメージになっているのでしょう

主人公ケイコの人生のほんの束の間を切り取ったような作品
ボクシング映画にハズレはないでしょう
ぜひ映画館で観ることをオススメします
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